アリウススクワッド改めアリウス補習授業部受け入れから、まだそう日にちも過ぎていない天気の良い今日。
私とセイアさんはミレニアムへと足を運んでいた。外部交流会の子達も連れてきたかったのだが、トリニティに来たばかりのアリウスの子達を放っておく訳にもいかず。ハナコさんとヒフミさんにお願いして二人で向かう事になった。
ミカさんも、私も久しぶりにリオちゃんに会いたいなーと言って来たがっていたが、テマリさんの事や、何か思う事があるのか、自粛してトリニティに残ることになった。
「ナギサはセミナーの調月リオと友人付き合いをしていると聞いているが…いつ頃からの付き合いなのだろうか」
「私がまだアビドス中等部の頃からお付き合いさせていただいてますよ、ミレニアムの技師としてお誘いしたのが始まりですね」
リオさんと初めて出会った時、それはもうボコボコに言われたものだ、計画自体は悪くはないが、必要なもの、足りないものについて、仕事量に対する技師の数、大規模生産施設を作るにしては施設の質が悪いなどとそれはもうボコボコに言われた。
ホシノはそれを大笑いしながら見ていて目じりに涙を溜めて一言。
「ユメ先輩に似て行き当たりばったりで行動するからそうなるんだよ。そういうとこは似なくていいから」
と言われて呆然とした覚えがある。あの頃は焦っていたから仕方ないというのは言い訳だろうか?
「成程、付き合いは長いんだね。どんな人なのかな?」
「一言で言うなら超合理主義な人…でしょうか?ですけど年上の女性に褒められて喜んでいたり、自分の能力に自負があって、出来て当然…と見せていますが、褒めたら耳とかを赤くしながら照れてくれたりして、結構可愛らしい方ですね」
「……それは君が人たらしだからそうなるんじゃないのかい?まったく、昔から変わらないんだね。君は」
セイアさんはわずかに口元が笑みの形を作っているが目線は若干諦めているかのように、じとりとしていた。
「その、調月リオ…だが…もしかして、髪の色が桃色だったり胸が大きかったりしないかい?」
一瞬セイアさんが何を言っているのか分からず、思考に?マークが浮かぶ。
「…え?…ええっと…髪は黒のサラサラのロングで…胸は…一般から見ればかなり大きい方だと思いますが…?」
「成程、胸の方なんだね」
私が動揺しながらリオさんの容姿を伝えると、うんうん、と頷いていた。何について納得がいったのだろうか。
ミレニアムの駅に到着し、セイアさんと共に待ち合わせの場所へと歩いていく、リオさんは手が離せないので、迎えには来年ミレニアムに入学予定の、リオさんが期待を向けているらしい子を迎えによこしてくれるそうだ。
その途中、ミレニアムで会うとは思わなかった知り合い二人ががこちらに向かって歩いてきた。
「あら、お久しぶりですね。ナギサさん。今日は何の用事でミレニアムへ?」
「お久しぶりです。カヤ室長の誘拐事件以来ですね?えっと、今日は稲荷寿司は無いので…これをどうぞ!」
桃色の髪を後ろで一纏めにした連邦生徒会防衛室次長…いや、今は防衛室長になったのだったか。不知火カヤさん、そして、もう一人は護衛の任務中だろうか、目立つ大きな耳、同じく桃色の髪をボブカットで綺麗に揃えたSRTのFOX小隊所属の吉野ニコさん…だったか、ポーチからクッキーを取り出し、差し出してくる。
「ありがとうございます。ニコさん、お二人はお仕事でこちらに?」
「まぁ…そのようなものです。あなたにあやかって…いえ、人とのコネクションは重要ですし、防衛室としては外部の治安組織との連携を密にしたいという所もあります。それに、ミレニアム製の装備についても知見を広げたいと思いましてね」
カヤさんは片目を薄く開きながら、自身の考えを述べる。以前は少々頭でっかちで数値的なものや連邦生徒会長に傾倒しすぎな部分が見えていたものの、だいぶ柔軟な思考になったものだと感心した。
「…胸は…薄いが…桃色…やはり…」
セイアさんは二人の姿を見ると、小さく呟くように何かを言っていた。
「ふふっ、室長、偉そうにこう言ってますけど、桐藤さんの業績や行動を参考にしてあちこち外回りしてるんですよ?」
「!??!っ!!吉野さんは余計な事を言わないでください!」
顔を真っ赤に染めて慌てるカヤさん。超人に憧れて余裕を持った態度を普段から見せている彼女が珍しい程に慌てている。顔を赤くしている要因が私、というのが少し照れ臭い。
「んん!こほん!!それで、そちらの方は、ティーパーティー所属の百合園セイアさんとお見受けしますが?」
「ああ、うん。百合園セイアだよ。よろしく。」
ごまかすかのようにセイアさんに話しを向けるカヤさん。ニコさんはそんな様子を見てクスクスと笑う。
「室長、連邦生徒会長の真似は自分では無理だって諦めて桐藤さんを目標にしてるんです。時間があれば仕事ぶりを見て、何か助言してあげるととても喜ぶと思います」
優し気な表情をカヤさんに向けるニコさん。思った以上に二人の間に信頼が見える、あの一件以降もカヤさんとFOX小隊は一緒に行動しているのだろうか?
「あ、現在FOX小隊は連邦生徒会長の命令で、防衛室長直属の部下になってます。任期の指定は無いので長い付き合いになりそうですね?」
私の視線の意味に気付いたのか、ニコさんは疑問に答えてくれる。
「FOX小隊を任せられている。という事は連邦生徒会長に信頼されているようですね?」
「それなりに。勿論、室長には悪いですけど、連邦生徒会長が自身で動かれる方が効率は良いと思います。ですが、連邦生徒会長が他の人を動かして成長を促す。という行動をするようになったのもあなたのおかげだと思います。桐藤さん」
笑顔のまま、少し距離を詰めてくるニコさん、その…若干距離が近くないだろうか?
「もうこんな時間ですね、百合園さん、今後とも良いお付き合いが出来るといいですね。吉野さん!次のスケジュールに遅れが出てはいけません、行きますよ!」
ニコさんはくす、と笑って私から距離を取りながら、それでは、と言いながらカヤさんの元へ歩いていく。
「それでは…ナギサさん。この間の紅茶、中々でした。また今度お会いしましょうね」
綺麗な礼をしてからその場を後にする二人。
「いやはや、君の人望の大きさには本当に驚かされる。次に会う子まで手籠めにしないよう、態度には気を付けた方が良いと私は思うよ」
「いったい何の話ですか…?」
突然、意味の分からない事を言い出すセイアさん。私と友誼を結べば手籠めにしたといわれるのがよくわからない。
少し話し込んでしまったからか、待ち合わせの予定時間ギリギリになってしまった。セイアさんを気遣いながらも、気持ち早足で目的地へと向かう。
目的地に到着すると、こちらをちらりと見て携帯を確認し、こちらへと歩いてくる少女がいた。彼女が迎えの少女だろうか?
「えっと…リオさんが迎えに指定したのはあなたでしょうか?」
「うん、そう。私は和泉元エイミ、よろしく。」
必要最低限の言葉で伝えてくる和泉元さん。記憶にある「物語」では凄い恰好をしていた覚えがあるが、今は普通に制服らしいものを着ているようだ。豊満な胸が窮屈らしく胸元は大きく開いているが。
「……桃色に、巨乳。これはまさか」
セイアさんが和泉元さんを見ながら何かを呟いている。今日のセイアさんは一体どうしたんだろうか?
「調月先輩から案内の連絡を受けてる。他に用事が無ければすぐに案内するけど」
和泉元さんも無駄を嫌う性格のようだ、そういうところでリオさんとは気が合うのかもしれない。
私はよろしくお願いします。と言いながら彼女に手を差し出す、円滑な対人関係にはまず握手である。
和泉元さんは怪訝な表情を浮かべ、小さく息を吐きながら私の手を取る。その瞬間、和泉元さんの表情が固まる。
「和泉元さん…?」
和泉元さんは表情を驚いたようなものに変え、私の手を掴んで自分の頬に当てる。どうしたのだろうか、いったい何が起きてるのかわからない。
「冷たくて、涼しいのに暖かい、暖かいのに心地よくて…」
私の手は和泉元さんに頬に当てられ、和泉元さんは気持ちがよさそうに表情を緩める。
「んんんっ…ふぁ…これ…だめっ、こんなこと知っちゃったら…離れられない…っ」
「和泉元さん!?」
突然、頬を赤らめ、とろんとした表情を浮かべる和泉元さん。人通りが多い公共の場でしていい表情ではなかった。
「ナギサ、君の手からいけない何かが出てるんじゃないかい?本当に刺されないように注意した方が良いと私は一考するよ」
「そんなわけないでしょう!?」
私達は和泉元さんが落ち着くまで、その場で立ち尽くした。
出かけるときにミカとハナコにも見送られているので実質5人の桃色とイチャイチャしてます。これは確信犯。
この作品ではエイミの熱は神秘由来の物になってます。それに対してナギサの漏れてる力で抑制している為、冷たく、涼しく感じている事になります。イケナイ何かが出ているのはあながち間違ってないかも知れない。
エイミがちょろすぎない?と感じると思いますが、あれだけ暑さで苦しんでるのに触れるだけで天体温が自動調節される然クーラーだからね…。所謂お気に入り装備枠です今の所。