コルンのアトリエ ~黄昏の星の錬金術士~ 作:アトリエファンA
卒業課題は無理難題
「ふあぁ……」
窓からの朝日が目覚ましとなり、いつも通りの朝を迎える。
今日から最終学年。
可もなく不可もなく、とにかく留年することからは逃れ、ここまで来ることが出来た。
あとは卒業課題をこなすだけだから、この一年を掛けてもうひと踏ん張り、頑張ろう。
とは言いつつも、卒業課題はこれまでの成績から先生が課題を提示されるので、神様、精霊様、先生様、どうか簡単な課題になりますように……。
「おはようコルン、いよいよあと一年になったね」
お父さんが朝食の用意をしながら声をかけてくる。
今日はパンと卵焼きにベーコン、スープにサラダと、いつもの朝食にしてはすこしボリュームが多く見えた。
「おはよう、お父さん。いつもより朝食の量多くない?」
「そりゃあ、我が娘がいよいよ卒業まであと一年なんだ。ここを乗り越えて貰うために、お父さんもちょっと気合いが入ったみたいだよ」
今一度食卓のご飯の量に苦笑いを浮かべながら、私とお父さんは朝食をとった。
お父さんが通っていた学校だから、卒業できたら、きっとお父さんも誇らしいんだろうな。
朝食を終えて身支度を整え、私は学校へと出発した。
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「コルン、あなたの卒業課題は古式錬金術の習得です。」
「え……?」
言葉を失ってしまった。
古式錬金術?
もちろん授業で学んだからある程度どのようなものかはわかってる。
けれど、これを使いこなすことが出来るのは遺伝子レベルの才能がある人のみだって、先生が言っていた。
それに、授業の中で試しに古式錬金術を実践したけれど、クラスの全員失敗して才能がないのは確認したはず。
なのに、どうして……?
「あの、先生……。私に古式錬金術の才能が無いので、せめて違う課題に……。」
「いいえ、コルン。あなたにはこの参考書を解読し、古式錬金術でアイテムを作ってもらいます。
これは職員会議の中で校長先生が決めたことなので、是非取り組んでもらいたいの。」
校長まで古式錬金術を推してくるなんて……。ここは一旦受け入れるしかなさそうだ。
「……わかりました。頑張ってみます。」
先生との卒業課題の面談が終わり、教室を後にした。
本来であれば、この後卒業課題に向けて取り組んでいくのだけれど、私には、取り組む気力が中々湧かなかった。
「古式錬金術かぁ……。」
先生から渡された本を見ながらふと呟く。
授業で才能がないのが分かっているし、古語もなぜか成績が悪かったから、この課題は私に相性が悪すぎる。風のうわさでは、生徒と相性の良い課題選定がなされるって話だったのに、どうして私だけこんな事になっているんだろう……。
もしかして、私だけ落とすための課題選定がされているのかな……。
明るく照らされた中庭の中で、一人枯れた花のように落ち込むことしかできなかった。