ありふれて無い勇者達の力で異世界最強   作:龍牙

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幕間の物語『月下の語らい』

さて、光輝が負けた時の、毎回勇斗達に光輝が絡んでくるキッカケとなっていた香織の絶望した表情は兎も角、日々は過ぎ、訓練、ハジメによるハンドガンの構造の解析、そして七人での図書館での情報収集の日々が続く。

 

まあ、「負けたのは、アイツが卑怯な手を使ったからだ!」と光輝は叫んでいるが、メルドは取り合わず、これで約束を守らずにやってくるならば問答無用で叩きのめせる免罪符となるので、それで良い。肝心なのはその点なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えず、ハンドガンの構造の解析は出来たけど」

 

「本体の部品、薬莢、銃弾は錬成師なら量産は出来るけど問題は火薬の代役か」

 

とは言え、迂闊に強力な武器を渡して魔人族との戦争が終われば、次は人間同士の戦争の道具にされる危険はあるが、それはそれ。

何れ開発される日も来るのだろうから考えない事にする。

 

ハジメの描いた銃の設計図には火薬の代用品については空白、要研究とあった。

 

訓練とこの世界についての自主的な勉強、銃の構造解析と量産計画書の作成の日々。

 

そんな中、勇斗とアーシュとすずは図書館で一冊の本に視線を落とす。

 

「ねえ、これ……」

 

「前に見たエヒトに関する記述のある本だけど……」

 

「同じ本もあったが、これの方が古いな」

 

すずの言葉に頷くと勇斗はその本を開く、

 

 

 

『かつてこの地には十の魔神が存在した』

 

 

 

「軽く読んでみたが、他の本当の違いはこの話くらいだな」

 

すずが言うには要約すると、エヒトがこの世界に降臨した当時、悪しき神を信仰する者たちがエヒトに対抗する為に生み出したのが、この本に書かれた眷属の十の魔神らしい。

十体の魔神達は目覚める前にエヒトによって封印され、今もこのトータスの他の何処かに眠っているそうだ。

 

「第一の魔神、黒き地龍の魔神……って殆どのページが破られてるな」

 

だが、その大半のページが破られており、まともに読めるものではない。比較的読めるのは、

 

「第六の魔神、要塞の魔神。天空を支配する要塞の魔神。雪原の中に封印されている、か」

 

だが、勇斗はその中の挿絵らしき物が何故か気に止まった。

 

「どうしたの、勇斗くん?」

 

「さっさと来ないと置いていくぞ」

 

「っ!? 悪い、二人とも」

 

アーシュとすずの言葉に気がつくとその本を戻してハジメたちの元に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今ホルアドと言う町に向けて馬車に揺られる勇斗達。一応戦争不参加と言う立ち位置の勇斗達に七人だが、実践訓練には率先して参加している。

 

オルクス大迷宮での実践訓練に向けて、宿場町であるホルアドにある騎士団直営の宿屋に向かう途中であった。

どうもゲームで言うところのダンジョンの周りにできた冒険者達の宿場町と言う事で発展した町らしく、訓練にも丁度いい上に、魔物から取れる質の良い魔石による利益、階層ごとに魔物の強さが変わる環境により、多くの冒険者達だけでなく王国の騎士達も潜っているそうだ。

 

実際に希少例の塊の勇斗だけでなく、錬成師と言うありふれた天職のハジメ以外の勇斗七人、主にアーシュ達五人も二つの天職を持った希少例であったりする。

例を挙げるとアーシュの場合は治癒術師と水術師と言う二つの天職を持っている。

戦争不参加であっても、そんな彼女達の実践訓練が無駄では無い。

 

馬車の乗り心地の悪さにに辟易しながらも、七人で会話を楽しんだり、サーヴァに抱きしめられてすずが憤慨したり、それなりに馬車と旅は楽しんだ。何より、光輝達とは別の馬車になっているので絡んでこないのが良い。

 

馬車に揺られながら、ついたホルアドの宿屋、

 

ホルアドでの宿屋の部屋は王宮の部屋とは違い簡素な物だったが、豪華すぎる部屋に少し落ち着かなかった勇斗としては、逆にその簡素さが落ち着いた。

 

ハジメは火薬の代用品が見つかるまでの武器として、ボウガンの錬成に成功したので、部屋でボウガンの矢の錬成をすると言っていたので、邪魔をしたら悪いかと思い、ベッドに横になっていると、

 

「勇斗くん、起きてる? 流星です。ちょっと、いい……かな?」

 

「ん? ああ、今開ける」

 

そう言って勇斗はアーシュを招き入れる。

 

「悪いな、お茶でも出したいところだけど、此処にはそんな物はなくてな」

 

「え? べ、別にそんなに気を遣わなくていいから!」

 

まあ、アーシュの考えている事も理解出来る。不安なのだろう。

元々地球の現代社会に於いては命を奪う行為は忌諱されている。魔物とは言え優しいアーシュにとって命を奪うのは辛いのだろう。

 

気分が落ち着く様にお茶でも出してやりたい所だが、残念ながらこの宿屋にはそんなものは無い。

 

「アーシュも寝られないのか?」

 

「うん、人型の魔物と戦った時のことを思い出しちゃって……ちょっと」

 

「仕方ないさ。本来俺達は【生き物の生命を奪う】行為は忌避とされてきた社会で生活をして来たし、TVとかで報道される野生動物事案も、ある意味他人事に近い生活だからな」

 

住む地域によれば切実なまでの当事者になるかもしれないが、野生生物がいない都会で暮らすのならば完全に他人事だ。

だからこそ、場合によっては無責任に野生動物の被害に対する駆除などにも批判が起こる。

 

とは言え、今後のことを考えると最悪の場合、人の命を奪う覚悟はする必要がある。

最低でも、魔人族については。

 

「……そう……だよね……」

 

まあ、だからこそ、ハジメの錬成師としての力を全面に押し出してのガンスミスライフを送れる様に銃の有効性と、量産化に乗り気な様子を見せたのだ。

 

愛子先生の天職と、ハジメの強力な武器の生成が可能な知識。上手くやれば魔人族との戦闘に向かない生徒達の受け入れ先になる、と。

 

「まあ、あの阿保なら覚悟もなく、それをした相手を批判するだろうな」

 

まあ、魔人族を殺す事が当たり前、寧ろ手柄とされるであろう今のこの世界では、どんなに騒いだところで、手柄を奪われて嫉妬して騒いでいるだけ、と言う目で見られるだけだろうが。……なお、これは割と光輝に対する肯定的な意見、としての見解である。

そもそも、もう一人の『次元勇者』は戦争への協力は否定的だが、自国の軍の戦力の強化には協力的で、『魔王を倒す事』にも割と肯定的と言う立ち位置をとっている。

 

ふと、窓の外を見上げると月が美しく夜の闇を照らしていた。

アーシュと一緒に月見と言うのも悪く無いかと思いながら、改めてアーシュ達を地球へ帰す為ならばその程度の罪は背負ってやろう、と言う程度の覚悟はできているのだ。

魔王を倒して帰れなくても、その戦いの中で自身の力の大きな成長を得られれば、勇者宇宙(ブレイブ・ユニバース)の中の力を使える規模も上がる。その中になら、地球への帰還に繋がるものもあるのだ。

 

暫くそうしていると部屋の扉がノックされて、メガを先頭にギャイ、すず、サーヴァの四人が入って来た。眠れないので遊ぼうと誘いに来たメガがアーシュの部屋に居ないので、此処だと思い、此処に来た様子だ。

 

遊び道具が無いのでメガがハジメに頼んで錬成の練習の一環で作ってもらったトランプを持って来ていたので、それで遊ぶ事となった。

 

……なお、久しぶりに遊びすぎて騒いでしまったので、六人揃って注意に来たメルドに怒られてしまったのは、別の話。

 

全員これから待ち受ける初めての実践訓練に不安もあったのもあるが、こうして過ごす時間で、緊張も解けて不安も消えたのだった。




なお、香織は光輝のせいでハジメと会えないので雫に止められて「光輝くんのバカー!」と自室で叫びながら泣いていました。



あと、ちょっとした敵側の強化フラグを一つ。

追加ヒロインは次の内誰が良いでしょうか?

  • 白上フブキ(ヤマト幻想怪異譚)
  • ベータ(陰実)
  • テラコマリ(ひきこまり吸血姫の悶々)
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