ありふれて無い勇者達の力で異世界最強   作:龍牙

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四話目

現在、勇斗達は【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた。

 

勇斗は薄暗い陰気な入口を想像していたのだが、まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、受付窓口まであった。制服を着たお姉さんが笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。

 

メルドが言うには、ここでステータスプレートをチェックし出入りを記録することで、死亡者数を正確に把握するのだとか。戦争を控え、多大な死者を出さない措置だろう。

 

「オー、何か露店がたくさんあってお祭りみたいだよ」

 

 

メガの言う通り、入口付近の広場には露店なども所狭しと並び建っており、それぞれの店の店主がしのぎを削っている。まるでお祭り騒ぎだ。

 

浅い階層の迷宮は良い稼ぎ場所として人気があるようで人も自然と集まる。

馬鹿騒ぎした者が勢いで迷宮に挑み命を散らしたり、裏路地宜しく迷宮を犯罪の拠点とする人間も多くいたようで、戦争を控えながら国内に問題を抱えたくないと冒険者ギルドと協力して王国が設立したのだとか。

入場ゲート脇の窓口でも素材の売買はしてくれるので、迷宮に潜る者は重宝しているらしい。

 

勇斗達は、お上りさん丸出しでキョロキョロしながらメルドの後をカルガモのヒナのように付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入り口の喧騒とは打って変わって、静かな縦横五メートル以上ある通路は明かりもないのに薄ぼんやり発光しており、松明や明かりの魔法具がなくてもある程度視認が可能だ。緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっているらしく、【オルクス大迷宮】は、この巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているらしい。

 

そこで勇斗達は様々な魔物と戦った。最初は与えられたチートな能力と騎士団の護衛もあり順調に進んでいる。

 

勇斗も此処ではIDアーマーを使えるので素手でも十分だが、流石に素手で殴り飛ばすのは気が引けるのでウィルナイフを使っての戦闘を優先する。

 

元々高いステータスに加えてIDアーマーによる強化により、第一層に出てくるラットマン程度ならば余裕で勝てる勇斗は兎も角、彼以外の六人は、格闘家のサーヴァ以外はハジメの錬成によって動きを封じたところを魔法などで確実に仕留めていた。

 

「おい、勇斗」

 

そんな訓練の最中にすずが勇斗に声をかける。

 

「どうした、熊田?」

 

「いや、今のうちに言っておこうと思ってな。あの中村とか言う女には気をつけろ」

 

すずの言葉に勇斗は無言で返す。すずもまた二つの天職を持つ特異例だ。すずの天職は《降霊術師》と《闇術師》。また、天才美少女と自称するだけのことはあり、他の属性の魔術も会得している。

 

そして、話題に上がった中村恵里の天職もまたすずの天職の一つと同じ《降霊術師》だ。

 

「あいつはわらわと同じ降霊術師だ。降霊術は得意じゃない、等と言っているが……」

 

「成る程、大体わかった」

 

何処かの通りすがりのヒーローの様な返しで、その先は言わないでもわかると意思を示す。

同じ降霊術師だからこそ、恵里の偽りを理解した、と言う事だろう。

 

「ああ、わらわもアイツには警戒しておくが、勇斗の方でも警戒していてくれ。流石にわらわ一人だと先手を打たれたら対処しにくい」

 

「分かった」

 

こう言うのはメガとサーヴァ、そしてアーシュの三人では気付かれる恐れがある。故に伝えるべき相手はギャイと勇斗、そしてハジメの三人と判断したのだろう。

勇斗を最初に選んだのは、すずの個人的な感情を抜きにしても戦闘力に勝る勇斗を真っ先に選択したのだろう。

 

降霊術師の恵里が何を企んで『得意ではない』と言っているかは分からないが、警戒するに越した事はないだろう。特に、個人の軍を作れる類の天職である以上は、先手を打たれたら、その時点で手遅れという可能性もあるのだ。

 

「それにしても、闇魔術の洗脳や降霊術は中々便利そうだな」

 

話題を変えて機嫌良さそうに話すすず。

 

「わらわなら、個人で軍を手に入れることが出来るという訳だ」

 

倒した魔物を操り、魔物の群れのボスを洗脳して群を操る。不死の軍勢と魔物の群れ、正に個人で軍を得られる天職と語る。

すずは上機嫌に勇斗やアーシュ達に己の天職の技能の応用を語って行く。

想像してしまった絵面的に悪役の所業に見えるのは言わないでおくが、操った魔物と死んだ魔物の軍団を使役する様は、どう考えても悪役の所業にしか見えない。

 

……少なくとも、魔物を使役し始めた魔人族との戦争に於いて優れた遠距離攻撃手段の量産が可能なハジメと、個人で軍作れるすず、二人の能力は勇者よりも戦争には有効だろう。決戦と戦争は違うのだから。

上機嫌に自身の技能の応用、特に闇魔法で魔物の群を操る手段を語る。

群れの長を操る事で洗脳によるデバフのない魔物の群れを使役すると、それを聞いていたもう一人の闇術師の存在に気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《拳士》の天職を二つ所有する天職の側として持つサーヴァはアーティファクトの籠手と脛当てを装備した空手部の龍太郎よりも優れた活躍を見せている。

 

「久しぶりに血が騒ぎマスけど、こう言うのはやっぱりイヤデスネ」

 

元ヤンお嬢様のサーヴァとしては久し振りの殴り合いは兎も角、矢張り魔物とは言え命を奪うのは気が引ける様子だ。戦った相手は友達と捉えているらしいのもあるのだろう。

なお、不良に分類される檜山達もサーヴァと一緒にいる時にはハジメにも一切絡んで来ない。……自分達の元同類にして、格上と言う空気を理解してしまったのだろう。

 

そんな訳で勇斗達、もう一つの勇者チームは前衛の数は一人劣るものの、二つの天職持ち五人を有して、光輝達よりも適格かつ安定した活躍を見せていた。

 

特に魔石の回収も可能な様に、尚且つ継続的な戦闘を見越してのオーバーキルをしない様にと言うすずからの意見を採用しての行動だ。

意外とこう言う場面での軍師的な立ち位置にも向いている様子で、そんなすずの意見をリーダーの立ち位置の勇斗と、福リーダーの立ち位置にあるアーシュも聞き入れて行動に移すのは、すずへの信頼もある。

 

そして、その点はメルドからも誉められていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは特に問題もなく交代しながら戦闘を繰り返し、順調に階層を下げて行った。

 

そして、一流の冒険者か否かを分けると言われている二十階層にたどり着いた。

 

現在の迷宮最高到達階層は六十五階層らしいのだが、それは百年以上前の冒険者がなした偉業であり、今では超一流で四十階層越え、二十階層を越えれば十分に一流扱いだという。

 

勇斗達は戦闘経験こそ少ないものの、全員がチート持ちなので割とあっさり此処まで降りることができた。

 

だが、迷宮で一番恐いのは魔物よりもトラップである。

場合によっては致死性のトラップも数多くあるのだ。

 

この点、トラップ対策として〝フェアスコープ〟というものがある。これは魔力の流れを感知してトラップを発見することができるという優れものだ。

迷宮のトラップはほとんどが魔法を用いたものであるから八割以上はフェアスコープで発見できる。ただし、索敵範囲がかなり狭いのでスムーズに進もうと思えば使用者の経験による索敵範囲の選別が必要だ。

 

従って、勇斗達が素早く階層を下げられたのは、ひとえに騎士団員達の誘導があったからだと言える。メルド団長からも、トラップの確認をしていない場所へは絶対に勝手に行ってはいけないと強く言われているのだ。

 

「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」

 

一番余裕のある勇斗チームにも初の実戦という事で疲労が見えてきたので、これで終わりなのは正直ありがたい。

ハジメの錬成の精度も上がり、魔物の拘束や落とし穴の生成速度も上がり戦闘にも余裕が見えて、時折はハジメの錬成による支援なしの戦闘を取る事もあった。

流石に動けない魔物を一方的に、と言うのは実践経験として如何なものと言う考えからだ。

慣れ過ぎるとハジメの魔力が切れて戦えなくなっては困る、と言うすずの意見を採用した結果である。

 

チームの中で冷静かつ頭の切れる者の存在はやはり重要、と言う事だ。

 

先頭を行く光輝達やメルドが立ち止まった。先頭の光輝達が戦闘態勢に入る。どうやら魔物が出たようだ。

 

「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」

 

直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった。壁と同化していた体は褐色となり、二本足で立ち上がる。カメレオンのような擬態能力があるらしい。

 

二十階層の敵である《ロックマウント》と言う岩に擬態していた魔物の咆哮を受けて前衛にいた面々が動けなくなり、更に投げられた岩が後衛にいた部隊に投げられたのだが、その岩もロックマウントだったのだが、この投げられたロックマウントの体制がどう見てもル◯ンダイブと言える体制で、しかもその体制で香織達のいる場所に突っ込んで行き、しかも鼻息なども粗く、幻聴だが『か・お・り・ちゃ〜ん!』と言う声が聞こえそうなものであった。

 

流石の姿に後衛にいた香織と恵里、谷口鈴はその姿に「ヒィッ」と声をあげて迎撃しようとした魔法を中断する羽目になったのだ。

 

だが、ダイブ中のロックマウントにハジメがボーガンを放ち、少しだけダメージを与え、勇斗がIDアーマーによる身体能力の強化を活かして相手よりも高く跳び、振り下ろした拳があっさりとダイブしていたのの頭を砕いて倒すのであった。

 

だがしかし、光輝が暴走した。彼からすればどうやら気持ち悪さで青褪めているのを死の恐怖を感じたせいだと勘違いしたのだろうが、彼女達を怯えさせるなんて! と、なんとも微妙な点で怒りをあらわにする光輝に、それに呼応してか彼の聖剣が輝き出した。

 

そして大技を使ったのだが、すぐさまメルド団長に拳付きで怒られた。

何しろ場所的に崩落するかも知れない可能性も考えずに高い威力のある技を使用したのだから、怒られても仕方はないだろう。

 

「何考えとるんや、アイツ。一歩間違えたらウチらも生き埋めになるところやったんやで」

 

「無駄に広範囲に影響のある技しか使えないのか、あいつは……」

 

呆れて言うギャイと勇斗に突っかかりそうになる光輝だが、メルドから二人の言う通りだと叱責されて黙るしかなかった。

 

同じ大技でも勇斗の場合は単体攻撃特化の大技なので、崩落させる心配は少ないが、それでも使わない方が良いと判断しているので、心から呆れてしまう。

 

「……今後は実践訓練するにしてもアイツとは別に欲しいな」

 

「本当、デスネ」

 

すずとサーヴァも続く。アーシュの事もある上に暴走しての崩落の危険も考えない大技の使用、間違いなくまたやると言う確信あるが故の言葉だ。

 

その時、ふと香織が崩れた壁の方に視線を向けた。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。

 

そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。まるでインディコライトが内包された水晶のようである。香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

グランツ鉱石とは、言わば宝石の原石みたいなものだ。特に何か効能があるわけではないが、その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るとか。

 

「「素敵……」」

 

偶然か香織とアーシュの言葉が重なった。チラッと勇斗の方を見るが「今はそんな状況ではない」と言わんばかりにダメだと言う様子に首を振るアーシュ。

何とも真面目なところのあるアーシュらしい反応だと、その様子に気づいていた勇斗は思ってしまう。……宝石と言うには少しアレだが、何気に此処での戦闘を繰り返す中で武装召喚の一環で、Gストーンの召喚もできる様になったので、今度アーシュ達に送ろうかと思う。

宝石として見ても美しさは有るし、お守りとしての効能も心から信頼できる代物だ。

 

GGGの存在する世界の者が聞いたりしたら、どんな反応するか想像もできないが。

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。それに慌てたのはメルドだ。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

しかし、檜山は聞こえないふりをして、とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった。

 

メルドは、止めようと檜山を追いかける。同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めた。

 

「団長! トラップです!」

 

「ッ!?」

 

しかし、メルドも、騎士団員の警告も一歩遅かった。

 

檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ。美味しい話には裏がある。世の常である。

 

魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。まるで、召喚されたあの日の再現だ。

 

「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

メルド団長の言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが……間に合わなかった。

 

部屋の中に光が満ち、勇斗達の視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる。

 

勇斗達は空気が変わったのを感じた。次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられる音が響いた。

 

***

 

Gストーンの効能なのか、勇斗は体勢を立て直しアーシュ達が地面に叩きつけられない様に助けながら着地すると周囲を見渡す。クラスメイトのほとんどは尻餅をついていたが、メルドや騎士団員達、光輝達など一部の前衛職の生徒は既に立ち上がって周囲の警戒をしている。

 

どうやら、先の魔法陣は対象ごと周囲にいる者達を転移させるものだったらしい。現代の魔法使いには不可能な事を平然とやってのけるのだから神代の魔法は規格外だ。

 

勇斗達が転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。ざっと百メートルはありそうだ。天井も高く二十メートルはあるだろう。橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた。まさに落ちれば奈落の底といった様子だ。

 

橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、手すりどころか縁石すらなく、足を滑らせれば掴むものもなく真っ逆さまだ。ハジメ達はその巨大な橋の中間にいた。橋の両サイドにはそれぞれ、奥へと続く通路と上階への階段が見える。

 

それを確認したメルドが、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出す生徒達。

 

しかし、迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった。

階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは一体の巨大な魔物が……

 

通路側の魔法陣は十メートル近くあり、階段側の魔法陣は一メートル位の大きさだが、その数がおびただしい。

 

小さな無数の魔法陣からは、骨格だけの体に剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。

 

空洞の眼窩からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に百体近くに上っており、尚、増え続けているようだ。

 

(サンダーフラッシュで突撃しながら道を作るか?)

 

其方にはIDアーマーを纏った状態で、カイザーソードを召喚し、サンダーフラッシュを使って一気に道を切り開けば何とかなるかと考える程度の余裕はある。だが、真に危険なのは階段側だ。

 

十メートル級の魔法陣からは体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現したからだ。

 

もっとも近い既存の生物に例えるならトリケラトプスだろうか。ただし、瞳は赤黒い光を放ち、鋭い爪と牙を打ち鳴らしながら、頭部の兜から生えた角から炎を放っているという付加要素が付くが、どう考えても今の勇斗達のレベルで勝てる相手では無いというのが一目で分かるような相手であった。

 

そう、正に『絶望』が現れた。

 

現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルドの呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。

 

――まさか……ベヒモス……なのか……

 

 

 

 

(……不味いな)

 

明らかに勝ち目のない強敵の出現、階段を目指せば背後を強敵に狙われてしまう。だが、背後を敵に抑えられた上で戦うのも絶望的な敵。

 

目の前の魔物の咆哮を上げただけであったが、メルド団長も正気に戻り、矢継ぎ早に指示を飛びしていく。それを聞いてメルド達騎士団にベヒーモスを任せて自分は退路を切り開く側に回るべきと判断する。

 

勇気と無謀は別物、明らかにベヒーモスと今戦うのは無謀でしかないと考えると、少しでもメルド達が生き残れる様に素早く退路を確保するしかない。

 

「ハジメ、お前は錬成でベヒーモスの動きをいつでも止められる様に。アーシュ、お前はメルドさん達を回復させられる様に魔力を温存していてくれ」

 

「流石に的確な判断だな。他の連中は勇斗が道を開いたら真っ直ぐ進め。他の連中が逃げられる様にあの骸骨どもを倒しながらな」

 

勇斗とすずが指示を出す中、まだ状況が見えていない光輝と龍太郎が、

 

「くそ、もうもたんぞ! 光輝、早く撤退しろ! お前達もだ、早く行け!」

 

「嫌です! メルドさん達を置いていくわけには行きません! 絶対、皆で生き残るんです!」

 

「くっ、こんな時にわがままを……!」

 

「光輝! 団長さんの言う通りにして撤退しましょう!」

 

雫が光輝を説得しようとするが、聞いていない。いつもの悪い癖だ。自分が正しいと微塵も疑っていない。おそらく光輝の頭の中には、自分が力を発揮してベヒモスを撃退し、全員救助して引き返す光景が根拠もなく展開されているのだろう。

完全に自分の力を過信してしまっている。メルドは戦闘素人の光輝達にまずは自信をつけさせようと、褒めて伸ばす方針を訓練にて取っていたが、今回それが裏目に出てしまっていた。

 

「へっ、光輝の無茶は今に始まったことじゃねぇだろ? 付き合うぜ、光輝!」

 

「龍太郎……ありがとな」

 

空気も読まずに後ろで繰り広げられて入り光景に思わず頭を抱えてしまう。

 

 

 

 

だが、その状況に於いて一つだけ光輝の考えで正しい事が一つだけある。力を発揮出来るものがいる、と言う事だ。

 

危機に呼応する様に勇者宇宙(ブレイブ・ユニバース)の中から一つのスキルが開放された。

 

絶体絶命の危機に反応する様に、赤く輝きながら、その力が

追加ヒロインは次の内誰が良いでしょうか?

  • 白上フブキ(ヤマト幻想怪異譚)
  • ベータ(陰実)
  • テラコマリ(ひきこまり吸血姫の悶々)
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