オリ主が司波達也のライバル(自称)になる話   作:zhk

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 昔書いてたやつを三期スタートを機に再スタート

 二次創作はふざけてなんぼだと思ってる
 
 怒られそうだな(震え声)


知らない人から声をかけられるって怖いよね

 毎日が退屈な日々だった。

 

 ありきたりな日常、刺激のない生活。

 

 友人とバカをやりながら、家族と他愛もない話をして、夜明日は何しようかなんてくだらない事を考えながら床に就く。

 

 くだらない。つまらない。面白くない。

 

 楽しいはずだ。充実している。困ることなんてどこにもない。

 

 けれど、何かが、決定的に足りなかった。

 

 胸にぽっかりと空いたこの空虚な感覚を、誰も理解してくれることはなかった。

 

 だから、あの高校を受けたのもほんの気まぐれだった。

 

 友人が受けるから。姉が通っているから。そんなテキトーな理由だった。

 

 試験もそこそこで、会場から友人と連れ立って出て、

 

 試験どうだったとかそんな軽い話をする最中に。

 

 俺は運命に出会った。

 

 すれ違ったその瞬間、ゾクリと背中に走る悪寒。すぐさま視線を走らせたそこには、一人の男が歩いていた。

 

 長い黒髪の女を伴って歩くのは、背筋をピンと伸ばした切れ長の目をした男だった。

 

 身長は170強。穏やかな口調で隣の女と話しながら、時折その女から『お兄様』と呼ばれているところから、恐らく兄妹なのだろう。

 

 優しい表情のその裏に、俺は確かに感じた。まるで鋭利な刃のような冷たい空気感を。

 

 今まで出会った人間から感じたことのない、あまりに冷たい機械のような感覚。

 

 遠くなっていく奴の背中を眺めながら、自然と俺の口角は上がった。それは確信めいたものがあったから。

 

 自分の退屈すべてが、ひっくり返る。そんな予感が。

 

 ────

 

「そう……あれはまさに運命の出会い……だから俺は確信した、お前こそが俺の終生のライバルっ!! 俺と拳を交わし合い……成長していく宿命にあるっ!! さぁ……お前の真の力を俺に見せ──―」

 

「いや……ちょっと待て」

 

 晴れやかな空の下、長い饒舌な語らいへ水を差すように言葉が返る。

 

 第一高校の入学式。式会場であった講堂からは、多くの生徒が自分の過ごす事となるクラスを知るためにIDカードを交付してもらうため移動を開始したのだが、どういうわけか生徒達は一様に講堂入口付近にて足を止めている。彼ら彼女らは皆、同じ方向へと視線を向けるその先には不自然に開いた空間があった。

 

 円形に開かれたそこには、一人の青年の姿があった。

 

 赤みがかった茶髪が印象的な、少し小柄の青年であった。

 

 勝気そうな吊り上がった太めの眉に、唯我独尊と言わんばかりに腕を組んだ仁王立ちの姿。

 

 それは周りからの奇異の視線など気にも留めていないという彼の心情の表れでもあった。

 

 興奮冷めやらぬとばかりにニヤリと笑う彼はじっと自身の言葉を遮った相手へと言の葉を飛ばす。

 

「どうした? 一体何を止める必要があるっ!? 躊躇うな、迷うな!! ただお前の──―」

 

「だから待てと言っている……」

 

 猛る情動を一心にぶつけられた相対する青年、司波達也は多くの感情が籠った声を零しながら額に手を当て大きく息を吐く。少し心を落ち着かせ、彼は視界を上へとあげた。

 

「つっこみどころは多くあるが……まずは根本の質問からだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前誰だ?」

 

 非常に困惑した声が漏れたその瞬間、周囲を囲む新入生たちはズコッと出鼻をくじかれたようにずっこけた。

 

 周囲の珍妙な動作の中で、ずっこけたいのは俺の方だと達也はもう何度目かわからない嘆息を漏らす。

 

 恙なく入学式は進行していた。彼のカワイイカワイイ妹である深雪も一科生と二科生の関係性に触れるようなギリギリラインの答辞をしていたがそれら諸々を建前と圧倒的美少女力でカバーし大成功をしていたし、偶然隣に座った人物である柴田 美月そして千葉 エリカとも問題のない良好なコミュニケーションを取れていた。

 

 なので自分も周りと同じようにクラス分配の情報が記載された個人IDをもらいにいこうと前述の二人と講堂を出たのだ。ここまでは良かった、普通の高校生活のスタートとして何もおかしいことはない。

 

 おかしさの塊(異常事態)がやってきたのは、その直後だった。

 

 ドタドタとやかましい足音を鳴らしながら達也を呼び止めたのが、この目の前にいる騒がしいちんちくりんだったのだ。最初は人違いなのだと知らないふりをしてさようなら、もう二度と関わるんじゃないぞと躱して行きたかったが、残念なことに彼の探す運命の相手とやらは間違いなく司波達也自身らしかった。まったくもってうれしくない運命である。

 

 というより、達也にとってこの赤毛のジャリガキは本当に初対面なのである。こんなキャラの濃度を最大限濃くした次郎系ラーメンみたいな人間遭遇したその瞬間から忘れることなど出来ないはずなのだが、彼の脳内メモリを端から端まで探し尽くしたのだが、こんな騒がしい奴と出会った記憶などどこにもありはしない。

 

「……え? 司波くん本当に知らない人なの?」

 

「あまりに熱く語られるものですから昔からの友人だと思ったのですが……」

 

「まったくもってそんな事実はない」

 

 美月とエリカの問いに即座に否定で返す達也。出会い頭でやってきた長い長い自分語りの通りなら、この赤毛猿は入試時に達也とすれ違ったその瞬間に宿命を感じたということになる。なんとはた迷惑な神だと、今達也は初めて神も分解って出来るんだろうかと真剣に考え始めた。

 

「……誰……だと!? 俺の名がわからないと申すのか宿命のライバルゥゥゥゥゥゥゥ!?」

 

「知らないしライバルでもないしそもそもお前と俺の間に宿命なんてありはしないだろ」

 

「なん……だと……」

 

 某死神漫画よろしくな劇画調な表情へ画風をシフトチェンジしながら驚愕を露わにする。どうやったんだそれは新手の魔法かと聞きたくなるほどの急変化にドン引きしながらも、どうにか会話がイマイチできない赤い青年と達也は対話を試みる。

 

「どうしてだライバル!? 俺はこんなにもお前を……お前を……アレ?」

 

 自信満々だった言葉がどんどんと尻すぼみとなっていき、最終的にはコテンと首を傾げながら彼は尋ねる。

 

「……お前名前なんだっけ?」

 

「「「いやお前も知らないのかよっ!?」」」

 

 達也を除く全員が一斉にきょとんとしたバカ面を晒すバカへと突っ込む中で、達也の中で目の前の人間の奇々怪々具合に頭が痛くなってきそうだ。帰りに頭痛薬を買おうと、内心決意する達也だった。

 

「ふっ……どうやら俺とお前の物語はまだ始まってなかったようだな……さしずめストーリーゼロといったところか……ふふっ、わくわくすると思わないか?」

 

「しない。というか名乗るならさっさと名を名乗れ。そして出来るだけ俺から遠くに行ってくれ」

 

「連れないじゃないか……そう雑になるなよ、俺とお前の仲だろう?」

 

「どこに仲になれる要素があったんだ……?」

 

「安心しろ、俺と会話したその瞬間に俺とお前とは固い縁が結ばれているっ!!」

 

「無差別テロやめろ」

 

 どこかのドンブラピンクのようなことを口にする赤髪。なんか赤髪と評するとこいつが某海賊漫画の四皇みたいになるが、この赤毛野郎はどちらかというと君が好きだと叫びたいバスケ漫画主人公味の方が断然高いのである。なので間違っても覇王色なんざ使えることはないし、だからといってインハイ出場が出来るわけでもないただの一般赤髪バカにほかならない。

 

 眉間がピクピクと震え始める達也を他所に、鬱陶しい態度を崩すことのない赤髪男。気障(キザ)、というよりただの頭のおかしな変人にしか思えない青年は、余裕の笑みと暑苦しいほどの闘志を瞳にぎらつかせ、ガイナ立ちのまま高らかに宣言する。

 

「いいだろう……ならば教えてやる!! 貴様の生涯のライバルにして宿命の相手の名を!! その胸にとくと刻んでやろうっ!!」

 

 言葉の圧と気迫に、周囲の人間はごくりと唾を呑む。彼の醸し出す謎の真剣さ空気感に充てられたものだが、実際は数秒前まで完全なギャグ空間だったことを忘れてはならない。バカは切り替えが早いのである。

 

「さぁ! 耳の穴をかっぽじってよく聞け!! お前を倒し、いつか天すら獲る男の名をぉ!!」

 

「…………」

 

「いーや天すら生ぬるい! 果ては世界を!! 宇宙を!! さらにその……えっと……」

 

「…………」

 

「宇宙の次にデカいのってなんだろ……天? 星? いやどっちも宇宙にあるだろそれ……神? いや神って定義が抽象的だし……なぁ宇宙より規模がデカいのってなんかある??」

 

「えなにこれは」(困惑)

 

 俺は一体何に付きあわされてるんだろうと本格的に考え始める達也。もうこいつぶん殴って気絶させた方が早いんじゃないかなんて思い始めたが、達也は賢い子である。ここで殴ってしまえば総代の妹の名前に傷がつくではないか。ここは心を落ち着かせ、大人な対応を見せるのが吉である。強い子耐える子達也っ子である(意味不明)

 

「ま、まぁいい!! お前を超える男の名をきけぇ!!」

 

 ずっと静かに聞いてるんだよな……(正論)

 

「では名乗ろう!! お前を超え、天を掴む男の名を!!」

 

 なんだか赤い昆虫仮面ライダーの中の人みたいだななんて現実逃避をしながら、やっと名前を名乗るのかと、この時間にも終わりがやって来るのだと思い安堵に肩を落とそうとして。

 

「俺の名はn「颯真っ!!」っ!?!?」

 

 赤髪モンキーの言葉はどこからか飛んできた言葉にぶった切られた。

 

 まーた誰か来たよと、達也はもう涙目である。早く平穏に帰してと脳内で願っていると、人込みをかき分けて、一人の少女が輪の中へやってきた。

 

 小柄で小動物のようだというのが達也が彼女に感じた第一印象であった。身長は150センチくらいだろうか、可愛らしい顔立ちに髪の色はあそこのモンキーと似た赤茶。腕にはタブレット型のCADが携帯されている。

 

 今学校にてCADの携帯が認められているのは学校内の治安維持を行う風紀委員と、学生代表の生徒会のみ。まぁどっちにしたところで面倒事であることに変わりない。

 

「もうっ!! 入学早々なにやってるの!! お姉ちゃんプンプンだよ!!」

 

「「「お姉ちゃん!?!?!?」」」

 

 登場した女子生徒の発言に、まるで爆弾が落ちたような声が轟く。達也を含め全体があんぐりと口を開く中で、げっと小さく呻きのような声を颯真と呼ばれた赤猿は挙げる。

 

「い、いや……姉ちゃんこれはちがくてさ……漢と漢の出会いというかなんというか……」

 

「講堂入口で大騒ぎするのが漢の出会いなの?」

 

「え、えっとぉ……」

 

 笑顔で優しい口調で語る小動物少女だが、目が完全に笑ってない。颯真と身長差は10センチ近くあるはずなのに、今はそれが逆転して見えてくる。

 

「初日からバカをするような颯真は……」

 

「あ、あわわ……」

 

「お仕置きです♪」

 

 瞬間、彼女の周囲に魔法式が展開。次の瞬間にはサイオンがきれいに颯真の顔にヒット。

 

「ひでぶっ!?」

 

 秘孔でも突かれたのかという呻きを上げて、地面に伸びる颯真。小動物少女は手慣れた様子で颯真の首根っこを掴んだ。

 

「生徒会所属、二年の中条あずさです。この度は身内が御迷惑をおかけしました。新入生はそのままIDの取得に向かってくださいね?」

 

 優しい笑顔を見せると、中条はずるずると颯真の首根っこを掴んだまま引きずり去っていく。

 

 嵐のように異常事態は去っていった。原因が消えたためか、周囲をたむろしていた野次馬も姿を消していく。

 

 初日からとんでもなく厄介な奴に絡まれはしたが、生徒会に連行されればもう大丈夫だろう。

 しっかり折檻してもらえばもう絡んでくることもないはずだと、どうにか自分の中でこの出来事を解決として片づけるのに約2秒。これで悪は去ったのだと自分に暗示をかけるように言い聞かせ、すっと振り向き置いてけぼりを完全に食らった美月とエリカの方へと達也は体を向けなおす。

 

「ふう……なにやら巻き込んでしまってすまない。手早くIDを──―」

 

 ‘ねぇあの人颯真って人に絡まれてたけどさ……‘

 

 ‘あの人も変人なんじゃない? あんだけ絡まれてて表情一つ変えなかったし‘

 

 ‘あいつも目が合ったら絡んでくるんじゃねぇか? なんか人殺したことあるみたいな目してるし‘

 

 ‘えぇ怖っ……帰ったら戸締りしとこ‘

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

 ひそりひそりと、周囲から何やら話し声が聞こえる。ベクトルはすべて達也に向けられており、達也が周囲を見渡すとさっと顔を背けて井戸端会議に花を咲かせた面々は蜘蛛の子を散らすように去っていく。

 

「…………そのー…………目は怖いですけど、司波君は変な人じゃないです…………よ?」

 

「なんというか…………そのっ…………ド、ドンマイ?」

 

 フォローのようで微妙にフォローになってない美月と、必死に笑いをこらえながら声をかける二人に沈んだ瞳を向けながら、達也は思った。

 

 俺が…………一体何をしたんだっていうんだ…………

 

 司波達也。現在15歳

 

 波乱の高校生活の始まりである…………

 

 




 
 なぁにこれ(困惑)
 
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