オリ主が司波達也のライバル(自称)になる話   作:zhk

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 Q.どうしてこうなったんですか?

 A.私にもわからん


バカは死んでも直らないし、そもそもバカは死なない(大嘘)

「さーて中条弟……なにか申し立てはあるか? 今なら言い訳ぐらい聞いてやろうじゃないか」

 

「はっ!! ありません!!」

 

「よーし潔の良さだけは認めてやろう。そこに直れ一発かましてやろうじゃないか」

 

「はっ! 軍曹!!」

 

「だーれが軍曹だ馬鹿垂れがっ!!」

 

「ダンボっ!?」

 

 鈍い音が、整った生徒会室の壁に反響する。

 

 涙目になりながらげんこつが振り落とされた頭を押さえるのは、入学早々騒動を引き起こした問題児中条 颯真である。苦悶の声を漏らしながら、自分を見下ろす加害者、風紀委員長である渡辺 摩利その人へ不満を込めた視線を飛ばす。

 

「ちょー摩利さんからかっただけじゃないすかっ!? なーんで鉄拳制裁までされなきゃならないんすか!?」

 

「お前が初日から問題行動で生徒会にしょっ引かれるようなことをしでかすからだろう!! あと私のことを軍曹と呼ぶなと何度言ったらわかる!!」

 

「えー似合ってるじゃないっすか。鬼教官で鬼軍曹!でもって彼氏の前では甘々でしおらしいギャップもいい塩梅で―――」

 

「ほう? もう一度をご所望かな中条弟」

 

「いえ滅相もございませんっ!!」

 

 ピシっという擬音が付くんじゃないかと思えるほどに綺麗な直立姿勢で言葉を返す颯真に、摩利の背後から微笑が溢れた。

 

「まぁ摩利。その辺りにしといたら? 颯真君ももう反省した頃合いでしょうし」

 

「はぁ……前々から思ってたんだがお前はこいつに甘すぎないか?」

 

「だって可愛いじゃない。手のかかる柴犬みたいで」

 

「ペット扱いなのかこいつは……」

 

 生徒会室中央にその存在感を示す長机にて、誕生日席に腰を据えるこの部屋の長である七草 真由美が柔らかな笑みのまま仲裁の言葉を投げた。優雅に佇むその姿は彼女の美貌の効果と救済をくれたという現状況に、颯真は背後の幅広な窓から指す陽光も相まって救いの天使が降臨したかのように思えてしまう。

 

「さすが真由美さんだぜ! 身長への栄養分を胸と器量に吸われた美少女なだけあるっ!!」

 

「摩利、あと2、3回は殴っといていいわよ」

 

 訂正、どうやら悪魔の様である(自業自得)

 

「ちょ、ちょっと待ってください!? 俺はカワイイカワイイペットなのでは!?!?」

 

「お行儀の悪い犬にはきちんと躾をしないと……ね?」

 

「だそうだ。バイオレンスなご主人を恨むんだな中条弟」

 

「クーン……」

 

 見下ろすように第一高校三巨頭の内の二人が笑顔で嬉々(鬼気?)として躾という名の鉄拳制裁を加えようとするそんな時であった、ふと颯真の背後で生徒会室の扉の開閉音が耳を打つ。

 

「会長、司波さんをお連れし「ハットリくーん!!! 助けてくれよー!!! 」うわなんだ急に!?」

 

 瞬間だった。目にも止まらぬ速さで、颯真はやってきた生徒会2年の服部刑部の足へしがみ付く。まるで飼い犬が飼い主の帰りを待っていたような動きで文面だけ見るとかわいらしいのだが、実際はそんなことはない。人間が人間の足にしがみ付きながら助けを求める気色悪い絵面なだけである。

 

「この鬼、悪魔、脳筋な先輩たちが俺に武力行使で虐めてくるんだよ~!! 助けてくれい忍者ハットリくん!!」

 

「誰が忍者ハットリくんだ!? いちいちネタの引き出しが古いんだよお前!? というかさっさと離れろ気持ち悪い」

 

 服部は足を動かしながらどうにか颯真をどかそうと試みるが、しがみ付く颯真はそれでも離れることはない。飼い犬と飼い主という関係性が、一発で害虫とくっつかれた一般人になったのである。

 

「俺は何も悪い事してないんだぜ!? 俺はただ摩利さんを軍曹って弄ったり真由美さんをロリ巨乳って言っただけのに!?」

 

「十分だろ!? てか足から早く離れろってうっとうしい!!」

 

「まぁまぁ落ち着きなさいな服部刑部少丞半蔵先輩」

 

「フルネームで呼ぶなって前も言ったろ!! 相変わらず猿頭だなお前!!」

 

 引きはがそうと必死になる服部刑部少丞半蔵(※字数水増し)は、顔に手を押し付けられながらも真顔で会話してくる赤猿に言葉を投げるが、一般赤毛猿は罵倒を華麗にスルーしてじっと服部刑部少丞半蔵(※字数水まry)の目を見て諭すように話し出す。

 

「軍曹は俺が尊敬と畏怖の念をもって言ったのであってどこにもおふざけの要素はないんだよ服部くん。それにねぇ……」

 

 よじよじよじと、小柄な体躯を活かしながら颯真は無駄に作画枚数の多そうにヌルヌルと動き顔を服部(これ以上水増しすると水増し警察に怒られるので)の肩越しに乗せるように置くと、耳元で静かにささやく。

 

「真由美さんへのロリ巨乳弄りも俺は尊敬して言ってるんだぜ? あんな小柄で出るとこボイン↑ボイン↓って出てるのは希少価値だと思わない?」

 

「バっ!? お前何言って……!?」

 

 赤猿ASMRで頬を赤らめる服部君。性癖歪めちゃったらごめんねと内心まったく必要のない謝罪をする颯真は、人の悪そうな笑みのまま服部へ語りをやめない。

 

「いやーあれは眼福だよね~ブレザー越しにでも主張されるあのビックMountain(流暢な発音)はやっぱこう男のロマンが詰まってるよね~ハットリくんが心奪われるのも納得ってもんだ」

 

「なっ……俺は別にそこだけで会長に心を惹かれたわけでは──―!?」

 

「ほんとでござるかぁ? その下心がゼロってホントに神に誓って言えるのかな? かな??」

 

 煽り全開でささやき続ける颯真に、服部の表情も動揺が見え隠れし始め、頬はほんのり赤く染まり視線は所在なく動き続けている。幾度かチラリチラリチラリズムと真奈美のダイナマイトπへ焦点が定まっているのがやはり年相応の思春期少年であり、童貞臭さ満載のムービングはもちろん対象である真由美も、その顔の間近にいる颯真にも気づかれているのは彼には秘密である。

 

「ほらほら誓って言えるのかなはっとぅりくぅ~ん(巻き舌)??」

 

 知ってなお煽り散らかす颯真は人間の屑。これには宿命のライバル(非公式)もがっかりである。

 

「さぁ答えろ……お前に致命的に足りないもの……それは欲望、執念だっ!!」

 

「執念?」

 

「そうだ……もっと欲に素直になって。ほらほらほらほら~」

 

「その欲望に従順すぎたから颯真はここに連行されたんじゃなかったの?」

 

「そーそー。俺も好敵手との初対面(意味不明)につい気持ちが昂っちゃって……ん?」

 

 自然に返したがちょっと待てとおふざけアーニャスマイル顔が、ゆっくりと青ざめたものへと変わっていく。おかしい……この声の持ち主がいないことを自分は確認してここまで上級生におふざけをかましていたはずだと。そう考えながらも、壊れかけのマリオネット人形もかくやという動きで声の飛んだ後ろへと顔を動かす。

 

 そこには、鬼がいた。

 

 修羅の表情に目をぎらつかせ、ポキポキと指を鳴らしながら入口の扉にたたずむ姉の姿が。

 

 颯真は思った。

 

 あっ……死んだなと。

 

「颯真……私言ったよね? ちゃんと反省してなさいって……言ったよね?」

 

「いや待ってくれ姉さんこれはちがうんだよそうこれは先輩たちと交流を深めマリアナ海溝ぐらいの絆をオキシジェンデストロイヤーで深めてついでにゴジラでも討伐しようかなという考えが──―」

 

「言  た よ ね ?」

 

「「ヒェォ…………!?!?!?!?」」

 

 あまりの圧に仲良く息を飲む服部と颯真。忍者服部くんはなんにも悪くないのだが、颯真がタコの如く絡みついてるので気迫をもろに一緒に受けることになってる。かわいそかわいそです(梨花ちゃま)

 

「反省しない子は……お仕置きっ!!」

 

「ごかんべんぐぼぉ!?」

 

「待て中条俺は被害しょべ!?」

 

 数十分ぶりに食らったサイオン弾(巻き込み事故被害者を添えて)を受けまた悲鳴を上げて綺麗な床の上でゴキジェットをかけられた増殖するGの如き痙攣する颯真にドン引きしながら、この一連のバカ騒ぎをずっと見ていた司波 深雪は、初日からやべー奴に遭遇したと内心LOVEなお兄様にヘルプを求めたが、今その人物はその場にいないし現在胃痛で撃沈中なので、どうすることも出来ないのだった。

 

 ──―

 

「さて色々騒がしいこともあったけど、ひとまず深雪さん、入学式お疲れ様でした」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 ねぎらいの言葉に、深雪は少々戸惑いながら返す。

 

 本来深雪はこの程度で動揺する質ではない。四葉家の次期当主候補として厳しく育てられ、礼節や態度言動それらすべてがいついかなる時も揺るぐことなく上品かつ清らであることを是とされてきた彼女にとって、この程度の事など心が揺らぐほどのことではない。

 

 現に入学式の答辞に関しても特に詰まることも駆け足となることもなく、淀みかけらもなく達成している。ではそんな彼女が何故、真由美からの言葉に対し戸惑いを持ったのか。それは真由美の『七草』というネームバリューに驚いたわけではない。彼女の出自も家柄や権威で言えば対等にいる四葉、あの権力闘争の渦の中で幼きころから過ごしたのだから、問題はそこではない。問題は……

 

 ちょうど真由美の後ろで顔に青あざを作って正座し荒縄で亀甲縛りにされ、ギャグボールを咥えながら胸に『私は入学式初日から問題を起こした頭空っぽチンパンジーです』と書かれたホワイトボードを持つ変人である。彼の隣にはついさきほどまでクールな第一印象を持っていた服部もおまけとしてギャグボール、『思春期全開☆』と書かれたボードを持って並べられている。ちなみに亀甲縛りは真由美が嬉々としてやっていた。これには深雪もドン引きである。

 

 というか何故ギャグボールが? 何故荒縄が? 絵面が完全にSとMなプレイである。一高の風紀はここまで乱れてしまったのか……時の流れは残酷である。

 

「今日は入学式ということもあったし、簡単なお話だけさせてもらうのだけれど……私達生徒会は、深雪さんあなたが生徒会に入っていただくことを希望します」

 

「は、はぁ……」

 

 その話は深雪も予想済みだ。基本入学試験で主席を獲った生徒が生徒会に勧誘されるというのは通例となっている。

 しかしこの話をお仕置き中の先輩と同い年の男子であろう赤毛の少年が背景とされると、真由美がどれだけ真面目な顔をしてもギャグに見えて仕方がない。加重魔法が二人ともかけられているため、ずっと後ろで苦悶の声が聞こえてくるのが気が散ってしょうがないし、かけてる本人である中条 あずさもずっとニコニコと人当りの良い笑顔を深雪に向けてるため余計にサイコ染みて恐怖を煽って来る。ここは地獄か? (事実)

 

 というかなんで生徒会室にギャグボールがあるのかと疑問が頭を離れてくれない。真由美が普通に棚から出して誰も指摘してないのを見るに、自分がおかしいんだろうかと深雪は自分の常識さえ疑い始める始末。

 

「結論は急がなくても構いませんし、強制というわけでもありません。当校では生徒の自主性を重視していますし、ゆっくり考えて──―」

 

ふぁふふぇいをふぁうひふるふぁら(自主性を重視するのなら)ふぉのふぉうふぁいは(この状態は)ふぉんふぁいがふぁると(問題があると)──―」

 

「あーちゃん」

 

「はい会長」

 

ふぁふぇおうふぉぎょ(言語化不可)!?!?」

 

ふぁんでふぉえふぁで(なんで俺まで)ふぁっふぇも(あっでも)ふぁいふぉうが(会長が)ふぉれをふぉじふぇてふ(俺を虐めてる)っふぇふぉもふふぉ(って思うと)ふぁふくふぁいひ(悪くないし)ふひふぉふぉうふん(むしろ興奮)ふぃふぇふぃ(してき)──―」

 

 加重系の魔法式がさらに輝きを放ちよりかけられる負荷があがり、声がそろそろ言語かどうか怪しくなってくる。私は一体何を見せられてるんだろうと混乱しつつも、それに対し誰も何も言わずニコニコしてるこの場が怖い。ここは地獄だ(事実確認)

 

「あ、あの……一つ質問よろしいでしょうか……?」

 

「ええどうかしたかしら?」

 

 この状況がどうかしてるよと言いたいのをぐっと堪え、もう無視しきれない疑問を真由美へと投げる。

 

「そこの赤毛の彼は……一体……」

 

「ん? ああ颯真君ね? 生徒会のメンバーではないけど、きっと今後ここに頻繁に来ると思うから紹介だけでもしときましょうか」

 

 頻繁に来るのか……(困惑)

 

「中条 颯真君。さっき紹介したあーちゃんの弟くんで、深雪さんの同級生よ。まぁ見ての通り問題児で、今日も初日から新入生に喧嘩を吹っ掛けたお馬鹿さんなの」

 

ふぇんふぁふぁふぁくふぇ(喧嘩じゃなくて決闘)──―」

 

「あーちゃん」

 

「はい会長」

 

ふんにゃかはんにゃか!?!? (言語化不可)

 

ふぁっ!! (あっ!!)ふぁっ!! (あっ!!)ふぁんふぁひほひほふふぁってふぃた(なんか気持ちよくなってきた)

 

「ええ……」(困惑)

 

 もはや困惑を隠すこともなくなった深雪は、異質な空間にそろそろ疲れてきた。ここまでの個性の暴力は四葉の家でも感じたことはない。というか一人Mの素質に目覚めかけてるが、シンプルに気持ちが悪い。深雪は少しでも服部を尊敬したことをすこし後悔した。

 

「今日はこのぐらいでいいのでは? 深雪さんも入学式でお疲れでしょうし」

 

「それもそうね。それじゃあまた。返事を楽しみに待っていますね」

 

「は、はい……それでは……」

 

 ここにいては自分も頭おかしくなると思っていた頃に出された助け舟に、深雪は二の句を告げずに乗りかかる。すっと扉を閉めて出るころにも、隙間から苦悶の声と興奮気味の声が聞こえる。調教部屋かな?? 

 

「騒がしくてすみませんね。いつもは理知的な面々なのですが、中条君が絡むと生徒会室はああなってしまうんです」

 

「そ、そうなんですね……」

 

 見送りとして出てくれた市原 鈴音に対しそう返すほかない深雪。理知的なメンバーがあそこまで狂気的に落ちるのならもはや彼は神話生物なのではと感じざるを得なかったが、深く考えれば自分も同じようになると察し彼女は考えるのをやめた。アイデア失敗発狂ならずである(TRPG脳)

 

「まぁでも……」

 

 困り果てる深雪に対し、鈴音は少し間を開けて言った。

 

「慣れますよ、そのうち。ね」

 

 そう言う鈴音の目には、ハイライトが消え去り何も感情が灯っていなかった。もう完全に諦め、なるようになれーというあの有名なアスキーアートとおんなじ投げやり具合が感じられる。

 

 それではと言いながら、鈴音は生徒会室のドアを開け中へと消えていく。まだ扉の先からは愉しそうな声が聞こえてくる。

 

 生徒会入り……やめようかな……真剣に悩み始める深雪であった。

 

 





 やめた方がいいと思います(正論)
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