FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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ミアレシティ観光から帰って来ました。ヒスイ地方とは違う意味で修羅の街と化してましたが充実した旅行になりました。相も変わらず迷子にはなってましたが(笑)
そしてですが、無事(?)髪色を赤と青のメッシュで行けたので、今回は神竜様イメージのコーデでミアレシティを走り回って来ました!!メガシンカも"エンゲージ"に似たようなものなのでちょうど良かったです(?)

その時の写真はコチラに………
https://imgur.com/a/2Visfvv

(サイドテールなのは色の入り方が一番好みだったからです。後はストレートロングが無かったのとポニーテールが帽子前提の控え目な結びだったので………)

………感想は語り尽くせぬくらいありますがここでこれ以上書いたら脱線どころの騒ぎじゃ無くなるのでここまでにしておきます。


86章 獣牙の歌姫

ジュードの遺産を巡る一連の騒動の中、別行動を取ったリューク。そんな彼が道中の街で出会ったのは、アーロンの孫である女性、リネンだった。

 

「………噂に聞いていたが、君がそうでしたか。」

「はい。あなたの事も、おじいちゃんからよく聞いていましたよ、リューク様。」

「聞きたいような、聞きたくないような………それと、様付けはいりません。国も臣下も持たない"裸の王"に、敬称はいりません。」

「そう………それじゃあ、お互いにお固いのは無しにしましょう、リュークさん。」

「分かった。………そう言えばこっちは名乗ってなかったな。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士、リューク・ソラネルだ。よろしく頼む。」

「ええ、よろしく。」

 

紋章士の指輪を持つリュークと、獣人の英雄が紋章士として宿る"獣牙の紋章士"の指輪を持つリネンはここで握手を交わした。

 

==========

 

「悪いね、王族をこんなお店に呼ぶなんて。」

「俺が王族やってたのは数百年も昔の話だよ。むしろ今は仲間とこういう店の方がよく行くよ。」

「そ、なら良かった。」

 

ちょうどお昼時だったので、リネンの提案で一緒に昼食を取る事になった2人。入った店は街のハンバーガーショップだった。

 

『昔からハンバーガーが好きなのは変わんねぇな。栄養偏ったりしてないか?』

「うるさいなぁユーリスは!!もう立派な大人なんだからそこはちゃんとしてますー!!」

『………ハハッ。』

「何で今鼻で笑った!?失礼じゃない!?」

「………そうか、アーロンの孫だからユーリスの事も知ってるのか。」

「そう。エリウッドにクリス、レギンにパオラ達の事も知ってるよ。………そっちは"エンゲージ"しても引く程使いこなせなかったけど。」

「………あー。」

 

紋章士を使いこなせなかった。この言葉にリュークは心当たりがあるようで、問いかけた。

 

「もしかしてリネン、武器の扱い下手?」

「うん、おじいちゃんに剣の稽古頼んで3日で匙投げられた………というか、そもそも金属がちょっとダメみたいなんだ。純金製や純銀製ならまだ大丈夫なんだけど、鉄や鋼、メッキとかだと使っている内に手がかゆくなっちゃう。ハンバーガーやサンドイッチ、あとはおにぎりとかが好きなのも一々食器が大丈夫な金属なのかどうかを考えなくていいからなんだ。この指輪も、痒みが出にくい金属に」

「なるほど………やっぱりそう言う事か。」

「そう言う事、って?」

「その"獣牙の紋章士"、扱える人がすっごく限られてて。「紋章士の力を一番引き出せる」って言われた俺も獣牙の紋章士だけは上手く扱えなかったし、まともに扱えたのは君の前の使い手の竜族、オリウイと、俺の母さんを除けば数人しかいなかったけど、1つ共通点があったんだ。」

「その共通点は?」

「皆、武器の扱いが下手だった。あるいは、武器の扱いが上手い程"獣牙の紋章士"を扱う資格を失うのかもしれない。」

「おじいちゃんもそんな事言ってたけど………なんでだろ?」

『それは、我々"ラグズ"の影響だろう。』

 

リネンの問いに答えるように現れたのは獅子の鬣のような赤い髪と髭の大男の紋章士。

 

「お久しぶりです、カイネギス。」

『リュークか。久しいな、元気そうで何よりだ。………おっと、リネンの問いについてだな。』

 

紋章士カイネギスは咳払いをして答えた。

 

『わしらのいた世界ではリネンと同じ、神に近しい姿のベオク、そして神と獣の狭間の姿のラグズ、2つの種族がいた。ラグズは"力の民"と呼ばれ、ベオクよりも体力や戦闘力で勝り、長命である。しかし"知恵の民"であるベオクと違い、戦いに武器や道具は用いないし、使えない。他の世界の者はそうでもないようなのだが、"獣牙の紋章士"は我々ラグズの特徴をより濃く受け継いだが故の特性である………というのが我々紋章士の共通の見解だ。』

「ふーん、なるほど。」

『とは言え、今のリネンには武器など不要。戦っても簡単に勝てるとは思わぬ事だ。』

「待ってカイネギス、戦うなんて聞いてないし言ってない。」

「流石に、そんなあからさまな挑発には乗らないよ。」

『分かっておる、冗談だ。』

『どこまでが冗談だか。お前達は血の気の多い連中ばっかだからな………リアーネの爪の垢を煎じて飲んで貰いたいもんだ。』

『つめ、のむ………?おいし、く、ない、よ?』

『………あー、そう言う事じゃ無くてだな………』

「………くすっ。」

「どうかした?」

「ううん。昔の事を………おじいちゃんと過ごした時の事を思い出しただけ。」

「……………。」

 

最後の一口を食べ終え、リネンは話し始めた。

 

「………おじいちゃんの事は、全部聞いてる。」

「……………!!」

「5年前だったかな………おじいちゃんが姿を消した、というよりは攫われてたんだよね。その時の仲間だったシモンって人が会いに来て、全て話してくれたんだ。」

「シモンか………あいつは元気にしてるだろうか。それより………」

 

するとリネンはリュークの次の言葉を察してか、首を横に振った。

 

「………1つだけ質問させて、リュークさん。おじいちゃんは………アーロンは、最期、どんな顔をしてた?」

「どんな……………」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「若様………いや、"神竜王"リューク様。僅かながらあなたの側で成長を見守り、共に戦えた事を光栄に思います。三代に渡り"神竜王"に仕える事のできた儂は、一番幸福な"守り人"であったでしょう。」

 

「よい土産話ができました。………さらばです、リューク様。あなた様の旅路が、良きものとならん事を。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………凄く、満足気な顔、かな。」

「……………そっか。」

 

それを聞いてリネンは破顔した。

 

「それが知れて、私は満足だ。」

「………恨み言の3つ4つは覚悟してたけど。」

「殺したのはリュークさんじゃない。それどころか、あなたのおかげでおじいちゃんは最期の最期に望みを叶えられた。感謝こそすれ恨みなんてしない。それに………」

「それに?」

「家族以外でおじいちゃんとの思い出を話せる相手を憎むなんて、もったいないじゃん。だから改めて、これからよろしく。」

「………ああ。こちらこそ、よろしく。」

 

==========

 

食事を終えた2人は互いの次の行き先への話になった。

 

「それで、リュークさんはどこへ?」

「ゼントピアの大聖堂へ向かっているところだよ。教会襲撃事件について色々気になる事があってね………」

「奇遇だね。私もその事件はギルドの親友と調査していたんだ。良かったらこのまま協力できないかな?」

「分かった。なら情報共有を………」

 

目的の一致に気づき、協力する事になった2人。ここで情報を共有………と思ったその時だった。

 

「「!!」」

 

突然響き渡る爆発音。音のした方をリュークとリネン、同時に見ると黒煙が上がり始めているのが見えた。

 

「あの方向………」

「あっちにはこの街の教会………こんな白昼堂々とか!!」

 

爆発のした方向へ走り出した2人。

 

「敵は………1人。リネン!!」

「何、リュークさん!?」

「君は何ができる!?」

 

リュークの問いに、リネンは不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

「リュークさんの想像の範囲内なら、大抵の事は。」

 

私の期待通りなら、私達も使いこなせるはず。言外にこもった言葉を読み取り、リュークもニヤリと笑った。

 

「言質は取ったからな!!なら俺が先に切り込んで敵を見極める!!リネンは隙を突いて空から頼む!!」

「了解!!なら………お願い、"鷹王"!!」

 

リネンが指輪に魔力を集めると指輪が光り出し、1人の紋章士が現れた。

 

『さてと、あの時の小僧がどう成長したのか、見せてもらおうか。』

「行こう、ティバーン!!」

『おうよ!!遅れるなよ!!』

 

大きな鷹の翼を生やした紋章士ティバーンを顕現したリネン。するとリネンの背中にもティバーンと同じような鷹の翼が生え、紋章士ティバーンと共に空へ飛び上がった。

 

「さて、こちらも急がないと!!」

 

そして現場に急行したリューク。間もなく到着したリュークの目の前には炎上する瓦礫の山となった教会。その近くにいた住民は既に逃げていて、その代わりにこの惨状を生み出した犯人が瓦礫の中心にいた。

 

「………ん?」

「何だ、こいつは………?」

 

そこにいたのは、熊の顔をして、腹部にスロットの付いたロボットのような何かだった。

 

「にょほほほっ!!」

「!?」

「これはこれは、"また"会いましたな、青燎のリューク様!!」

「は?」

 

自分と会った事があると言う口振りの相手に、心当たりが絶無のリュークは首を傾げつつも"絆剣リベラシオン"を抜き構えた。

 

「おや、ピンと来ていない様子。」

「お前のような喋るガラクタ、人生で初めてだ。」

「そう言えば、"あの時"は言葉を交わしていないし無理も無いですか。では自己紹介を、私の名前はジャックポット、かの………」

 

とジャックポットが名乗りをあげている、その途中だった。リュークは既にジャックポットの眼前にいて剣を構えていた。

 

「"滅殺"。」

「ぎゃあああっ!?」

 

アサシンに"クラスチェンジ"していたリュークは奥義"滅殺"の一閃でジャックポットの首を刎ね落とした。

 

「な、何をやっているんですかあなたはぁ!?」

「………ちっ、縦に斬るべきだったか。」

「人が名乗り上げている途中に斬りかかるとは、常識外れでは!?」

「知るかそんな事。」

 

更に斬り込もうと踏み込んだリューク。するとジャックポットは熊の頭を拾い上げ胴体と繋げると左胴についたレバーを左腕で倒した。

 

「こうなったら我が最強の"スロットマジック"をご覧あれ!!」

「!!」

 

レバーを倒すと腹部のスロットが回り始め、雷のマークが3つ揃った。

 

「稲妻ボーナス!!」

 

するとジャックポットから電撃が放たれリュークに直撃。

 

「にょほほほ、どうですか"スロットマジック"の電撃は!?いくら上位の魔導士であろうとも………」

「この程度か!?」

「おごっ!?」

「そこだっ!!」

「なんの!!鉄壁ボーナス!!」

 

電撃を突っ切って斬り込み一撃を食らわせたリューク。直ぐ様彼は追撃を試みるもジャックポットは鉄板を出してそれを防御。

 

「無駄、だっ!!」

 

"アーマーキラー"に持ち替え鉄板を粉砕したリューク。その目の前でジャックポットは再度スロットを回していた。

 

「毎度の稲妻………では無く火炎放射!!」

 

リュークに迫る火炎。だがリュークは怯まず正面突撃。

 

「効かねぇ、って言っただろ!!」

「うごっ!?」

 

横薙ぎの一撃でジャックポットを殴り飛ばしたリューク。

 

「雷も炎も………これしきで最強を名乗るとは、片腹痛い!!」

「っっ………流石は"神竜族"、一筋縄ではいかないですか。」

「………。」

「ですが我が"スロットマジック"の真髄はこんなものでは無ぁい!!」

「………考えるのは後か。」

 

再び"絆剣リベラシオン"を手にし次の攻撃に備えたリューク。

 

「そーれ、火炎ボーナス!!」

「効かないと………言っている!!」

 

目の前に再び迫った火炎を剣で払い除け突貫したリューク。だがリュークがジャックポットに迫る前にジャックポットはルーレットを回しており、竜巻の絵柄が揃っていた。

 

「竜巻ボーナス!!」

「………!!」

 

払い除けた炎を竜巻が巻き上げ、炎の渦となってリュークの動きを阻んだ。

 

「そして頭上注意!!熱湯ボーナス!!」

 

そして火炎に包まれ動けないリュークの頭上から熱湯が降り注ぎ、炎の渦と混じり合い高温の大爆発を起こした。

 

「にょほほほ、神竜の蒸し焼きの完成で、ございます!!後は串に刺してお出ししましょう!!槍の雨ボーナス、でトドメです!!」

 

リュークのいた場所を中心に発生した水蒸気の上から無数の槍を降らせトドメを刺そうとしたジャックポット。

 

「………"エムブレム・エンゲージ"。」

「なんですと………!?」

『馬鹿にされたものだな。』

 

次の瞬間。周囲を冷気が走った。水蒸気は氷の結晶となって舞い、上からの槍の雨は氷の天井に突き刺さり、周囲一面の床は分厚い氷へと変わった。

 

『この程度か………二度も言わせるな。』

 

紋章士フィヨルムと"エンゲージ"したリュークはジャックポットの攻撃を纏めて凍らせて防ぎ切り、反撃に出た。

 

『食らえ、"ニフルの氷槍"!!』

「これは中々の氷………ですが、氷には炎、火炎ボーナス!!」

『戯言は、地獄の業火を持って来てから言いな!!』

 

エンゲージ技によって放たれた氷の大槍は火炎を貫き、ジャックポットに命中。

 

「ぎゃあっ………だが、我が鋼鉄の身体は一撃程度では………!!」

『おっと、さっきの言葉を返すよ………頭上注意、だ。』

「頭上注意?なに、ヲッ゙………!?」

 

ジャックポットが頭上を確認できるその前。ジャックポットの鋼鉄の頭がメコッ、と凹んだ。

 

「フザケた見た目の割に、固い………!!」

 

ジャックポットの頭を凹ませたのは背中に鷹の翼を生やした女性。上空に飛び上がっていたリネンは空から機を伺い、隙を見て急降下して強烈な踵落としを決めたのだった。

 

「何をしやがりますかこのアマ!!」

「おっと。」

 

反撃を繰り出そうとしたジャックポットだが反撃する前にリネンは素早く飛び上がって離脱。

 

「上空に逃げても無駄ですぞ。この"スロットマジック"で………」

 

飛び上がったリネンを撃ち落とそうとスロットに手をかけようとしたジャックポット。

 

「………あれ?」

 

だがスロットを回そうとしても回らない。レバーを倒そうとしても倒れないのだ。

 

「あれ?何で回ら………なんと!?」

 

何故倒れないのかを見たら、レバーがカチンコチンに凍りついていたのだ。

 

『俺がいるのを忘れたか?』

 

ジャックポットに声をかけたリュークはその手にエンゲージ武器"レイプト"の槍と"フィンブル"の魔道書を持っていた。"レイプト"で増幅させた"フィンブル"の氷魔法でレバーを凍らせていたのだった。

 

「こ、これは………!!」

『お前が隙だらけのバカで良かったよ。』

「この私をバカです、とぉおっ!?」

『ほらバカじゃないか。足下が凍っているのに気づかずすっ転んでる。』

 

ジャックポットが凍った床に滑って転んでいる隙にリュークとリネンの両方が勝負を決めに出た。

 

『これで終わらせてやる………』

「力不足なら………本気で行くよ、ティバーン!!」

『おうよ!!いつでも行けるぜ!!』

「決めてやる………"化身化"!!」

 

リュークの紋章士の"エンゲージ"に当たる"化身化"をしたリネン。すると彼女が顕現していた紋章士ティバーンと同じ大鷹の姿となり急降下。

 

『"氷蒼"!!』

『"滑翔"!!』

「ぎゃあああーーーっ!!」

 

氷の槍と急降下の奥義を同時に繰り出し炸裂させたリュークとリネン。直撃したジャックポットはその場で大爆発を起こし、土煙が晴れるとそこには空虚なガラクタが残るのみであった。

 

「……………。」

「倒せたかしら。」

「どうだろう。あのガラクタに何らかの"本体"が宿るタイプの敵だったけど、その"本体"を本当に倒せたかが分からない………とは言え、だ。」

 

それぞれ"エンゲージ"と"化身化"を解除したリュークとリネン。

 

「君のおかげで楽に倒せた。ありがとう、リネン。」

「どういたしまして。リュークさんのご期待に応えられたかな?」

「十分過ぎたよ。それで俺の評価も聞こうかな?」

「………流石おじいちゃんが一から鍛えたって言ってただけあったね。」

「ティバーンも、ありがとうございました。」

『いいって事よ。それよりも、見ない内に強くなったな。』

「そりゃあ鍛えてますよ………10代目の神竜王として恥ずかしい真似はできませんからね。」

『あの時の小僧が10代目、ねぇ………随分と立派になったじゃねぇか。』

 

ひとまずの勝利を喜んだリュークとリネン。しかし、完全勝利とはいかなかった。

 

「………あ。」

「?」

「………こっちは、間に合わなかった。」

 

破壊された教会の跡地。その中心部に不審な物体が置かれていた。それは女物の服を着た、人型の砂像のような何か。

 

「これは………?」

『………こいつもダメだったか。』

「……………。」

 

正体を突き止めようと物体を観察するリューク。一方で物体が何かを知っているリネンと紋章士ティバーンは沈痛の面持ちだった。

 

「実は襲われていたのは教会だけじゃない。」

「何………?」

「………あった。」

 

リネンは物体の側に落ちているものを拾い、リュークに見せた。

 

「これが何か、分かりますよね?」

「な………ッ!?」

 

それは"鍵"だった。それもただの鍵では無い、"魔法の鍵"。リュークはそれを見た瞬間、脂汗が一斉に噴き出す感覚に襲われた。

 

「………!!」

「教会が襲撃されているのと同時期に、とある魔導士が次々と襲われていました。それがこの鍵………星霊の鍵を持つ、星霊魔導士です。」

「……………!!」

「ギルドの親友である星霊魔導士と共に調べている内に、教会襲撃事件と何らかの繋がりがある事に気付いて、調査を進めていた。これが私達がこの事件を追っている理由だよ。」

 

教会襲撃事件を追っていた理由を説明し終えたリネン。

 

「そう言えば、妖精の尻尾にも星霊魔導士がいるらしいって話を聞いたけど………」

「……………!!」

『………ハハッ。』

 

表情が一気に険しくなったリューク。それを見た紋章士ティバーンは思いっ切りリュークの背中を叩いてから頭を荒っぽくワシワシと撫でた。

 

「っ!?」

『なーるほどな!!そりゃあ強くなる訳だ!!』

「何なんですか!?」

『言わなくても分かるぜ?言及しただけでそこまで取り乱す………それ程お前にとって大事な人なんだろ、違うか?』

「それは………違い、ませんが。」

『責めてる訳じゃねぇ。守りたいものの為に強くなるのはラグズもベオクも変わらないもんだ。ただ、落ち着けって話だ。』

 

紋章士ティバーンはリュークから離れ、正面に回った。

 

『お前は賢い奴だ、もうある程度どうすればいいのかの答えも見えて来てるんじゃねぇか?』

「!!」

『俺達もリネンもお前の臣下じゃねぇが、ここはお前に背中を預けられると判断したんだ。落ち着いて、そして胸張って、次どうするかを言ってみな。』

 

紋章士ティバーンの言葉を聞き終え、リュークは深呼吸してから言い切った。

 

「当初の予定から変更はしない………ゼントピアの大聖堂まで向かう。手遅れになる前に、全速力で。ついてこれますか?」

 

リネンと紋章士ティバーンは頷いた。

 

「もちろん。騒動を収めるまで、力を貸すよ。」

『こいつも、俺達も、最後まで使いこなして見せな………神竜王。』

「よし………それじゃあ改めて、行くぞ!!目的地は、ゼントピアの大聖堂だ!!」

「『おう!!』」

 

旅は道連れ。新たな協力者リネンと獣牙の紋章士を得たリュークは、確信を持ってゼントピアの大聖堂へと向かった。

 

 

続く




さーて今回は後書きもながくなりそうだ。

☆獣牙の指輪

蒼炎・暁のラグズなど、いわゆる"獣人"の紋章士、通称獣牙の紋章士が宿る指輪。
ベオク(便宜上こう称します)の紋章士に引けを取らない性能を誇るがクセが強く、人を選ぶ紋章士である。具体的に言うと武器の扱いに長けた者程使いこなせない傾向が強く、リュークの家族でも武器の扱いが下手なルミナ以外は適正が無かった。紋章士の扱いに長けていたリュークが唯一扱えなかった紋章士である。
ソラネルの民が壊滅、解散した際に生き残りの1人であるオリウイという竜族が受け取ったものが後にアーロンに渡され、それが彼の育てた孤児の娘であるリネンに引き継がれた。

◎他の紋章士との違い
・身体能力(ステータス)の上昇幅が大きい(普通の紋章士の2から3倍)代わりにスキルは少なめ。また、ほとんどの武器が使用不可(手甲、足甲、木の棒などが限界)。
・エンゲージカウントは化身ゲージに変更(ターン毎に切り替えられる)
・呪文を唱えない(全会一致で「無駄だからいらない」という理由)
・兵種タイプはシンクロした紋章士に依存し、そのタイプに対応したボーナスを得る(効果は後述)

◎共通効果
シンクロ時、紋章士に応じた特定ステータスの大幅な能力上昇、さらに化身(エンゲージ)時、ステータス2倍

◎Style Bonus
・歩行
必殺時の威力が高い
・重装
距離に関わらず反撃
・騎馬
敵は追撃不可、再移動(残り)
・飛行
移動+1、再移動(残り)

☆紋章士紹介

◎種族(タイプ)
○紋章士の名前(CV)
○シンクロスキル
○化身(エンゲージ)スキル
○奥義(エンゲージ技)

以降も獣牙の紋章士はこの形で紹介します。今回はまずティバーンで、リアーネとカイネギスはまだ登場しただけなので紹介は後日に。他の紋章士も登場したら紹介します、大体10人くらい用意してますが全員出るのはいつになるやら。

◎鷹王(飛行)
◯ティバーン(鈴木達央)
◯シンクロスキル
・瞬撃
自分から攻撃した時、力、守備+5かつ敵は追撃不可
◯化身スキル
自分から攻撃し、かつ敵のHPが100%の時、絶対追撃
◯滑翔
強力な攻撃後、相手の速さを半分にする

続けて新キャラであるリネンについてです。

・リネン・テイラー
【性別】

【誕生日】
2の月22の日
【身長】
182cm
【年齢】
27歳
【来歴】
剣咬の虎(セイバートゥース)所属の魔導士。元は歌で生計を立てる旅芸人だったが盗賊を蹴散らしていた所をスカウトされ1年前に加入。新参者に近い立ち位置ながらもギルド内で上位に入る程の実力。
母親はリュークの同胞であり師でもあったアーロンに育てられた元孤児。その"お祖父ちゃん"が別の同胞から受け取った"獣牙の指輪"の適正を見出され、継承するに至った。
あまり細かい事を気にしないタイプだが、歌声は綺麗で繊細そのものでリアーネが舌を巻いたレベル。

ナツ、ガジルにとってのスティング、ローグポジの後輩キャラクターが欲しかったのと、ラグズ始めとした獣使いを出したい、という所からスタートしてできたキャラです。所属から見て分かる通り、割と直前まで大魔闘演武から出す予定のキャラでしたが、現在大魔闘演武編で登場予定の新キャラが大渋滞起こしてるので先行登場させました。
名前の由来は覚醒、ifの獣人に合わせて布地の種類から。名字もテイラー(仕立て屋が由来、超・意訳と飛訳すると服部さん)で合わせました。中の人は、「歌って踊るFE」たる幻影異聞録#FEのキャストから選びました。

【好きなもの】
歌、踊り、旅、ハンバーガーやおにぎりなど手で食べられるもの
【苦手なもの】
金属(軽い金属アレルギー。金属音も苦手)
【趣味】
食べ歩き、占い
【ギルドマーク】
左手の甲に黄色
【ギルドで一番】
早起き
【CV】
南條愛乃

………ここで、前回言った"プチ悩み"についてです。それはズバリ、

「シャドウズのキャラどうすんの?」

という問題です。

「リュークは獣牙の紋章士=獣の紋章士は扱えない」というのも、「リネンは武器戦闘ができない」というのも、数ヶ月前には設定として固めていたんです。
ベルベットにチェンジプルフを使うとか、カウベルのついた杖で殴りかかるアシュみたいな例外を無視してでも獣と武器を分ける事でリネンというキャラを本作のストーリーに組み込めるようにしたんです。

そしたら辻斬りの如く現れたシャドウズのキャラ見てください。全員武器戦闘を行う獣人じゃねぇですか!?武器と獣を両立されちまったよ!!ヒーローズに言った闇リンも弓持ちながら獣やってるし!!

クルトは出したいなーと思っても、獣が使えないリュークに渡すのか、武器の使えないリネンに渡すのか、どちらにしても妙な齟齬が生まれたー!!どうすんだー!!ウガーッ!!(闇の使徒に変貌)

………という訳です。マジでどうしよう。という悩みでした。シャドウズを仲間外れにしたくないのでどこかでケリはつけます。
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