FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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少し間を置いた間に色々ありましたね………

・ヒーローズ
実は一番楽しみにしてる忍者英雄。初めてじゃないか、全員忍者適正高いのは?
グルヴェイグ&クワシル:時止めで隠密も暗殺もやりたい放題(むしろくノ一は時間停止食らう側?エロ本の読み過ぎだエロガキ共。)
Wシェズ:傭兵の中でもだいぶ速さ、身軽さに振ってるタイプだし"無間の瞬動"が時止めに負けないくらい忍者に欲しいスキル過ぎる
ユナカ:説明不要
フリーズ:武人気質で一見おっと?となるがあのスルト相手にゲリラ続けてたから実は忍者適正バリ高。ゼルギウスタイプの忍者適正◯。

という訳でコスプレ感薄いというか、真っ当に忍者できそうなメンツ揃えたなーって印象でした。

・シャドウズ
ウマ娘リンがシーズンパスから外れましたが、次に来たのが

ま さ か の メ カ 娘 カ ム イ

まぁカムイは来るよなーシャドウズのテーマにピッタリ過ぎるしってよく見たら何だそのネジは!?は!?メカ!?そう来るの!?ってなりました。
シャドウズが変化球多用タイプなのは知ってましたがはえーよ別の変化球投げるの。外角スライダー張ってる所に死球上等のシンカー投げられて打てる訳無いだろ。
何か、課金要素少なくした代わりに特殊性癖の実験場にしてないシャドウズさん………?

・その他
ベレス(踊り子衣装)、フィギュア化!!
………やっぱりそのハレンチな格好で先生は無理じゃろて。風紀が乱れるどころの騒ぎじゃないよ、爆弾だよアレは。
んで一番マズいのが、本人が「何かマズい事でもした?」と言わんばかりの無沈着さ全開な所よ。


87章 悪夢の始まり

同行者にリネンを加え、ゼントピアの大聖堂へ向かっていたリューク。街で魔導四輪をレンタルし先を急いでいたところ、運転手をしていたリュークの通信用魔水晶(ラクリマ)に着信が入った。

 

「もしもし、こちらリューク。」

《繋がった………もしもーし。》

「ルーシィか………何かあった?」

 

着信はギルドからで、かけてきたのはルーシィだった。だがルーシィの声が少し暗い事に気づいたリュークはその事について問い質した。

 

《………ごめん。時計、奪われちゃった。》

「………誰に?」

六魔将軍(オラシオンセイス)。》

 

六魔将軍。7年前に連合を組んで撃破した、闇ギルド最大勢力バラム同盟の一角。ルーシィの話によると戦いの後投獄されたはずの闇魔導士達は妖精の尻尾とレギオン隊が時計のパーツを巡って争奪戦をした所に乱入して総取りしたと言うのだった。

 

「………そうか。」

《意外と驚いていない………?》

「こっちで、もしや、って感じる場面があったからね。俺としては鉄の森(アイゼンヴァルト)のエリゴールが死神(グリムリーパー)なぞ名乗ってメンバー入りしてる方がビックリしてる。にしてもなぁ………」

 

ため息をついたリューク。

 

「あいつらが狙ってるって、やっぱり厄ネタじゃないか。」

《………ごめん、ずっと警告してくれてたのに。》

「………いや、俺ももっと言い方があったはずだ、こちらこそごめん。さて、次を考えないと………そっちはどう出てる?」

《カナの占いを元にチーム分けをして奪還に動く所。リュークは?》

「こっちは引き続き大聖堂を目指す。レギオン隊の感じを見るに、六魔将軍の手はゼントピアにも入っているはずだからそこを叩く。」

《分かった。気をつけてね。》

「ルーシィの方こそ気をつけて。奴ら、理由が分からないけど星霊魔導士を狙ってる。」

《ウソ!?………でも心配しないで、あたしだって随分と強くなったよ?》

「………それとこれは別。あと最後に1つ。」

《どうしたの?》

「フェルトって帰って来てる?」

《まだ帰って来てないよ。戻って来たら連絡するね。》

「よろしく。それじゃあ、本当に気をつけて。」

《そっちこそね。》

 

着信を切ったリューク。すると助手席で黙っていたリネンが話しかけた。

 

「今のがリュークさんの恋人?………ちょっと驚いた。」

「………と言うと?」

「勝手に大人でお淑やかなお嬢様みたいな美人を想像してたら、随分と明るくてお転婆そうな可愛らしい子が出てきたから………」

「………良家のお嬢様の筈なんだけどね。どこであんなお転婆になったのか………」

 

すると後部座席にリネンの紋章士が数人出て来た。

 

「………つーかまんまじゃねーか。あれがあんたの女の好みか?」

「………好きになった理由は顔でも血筋でも無い筈なんですけどねぇ………」

「どうだか。あれだけアンナと外見そのままの女出されたらそう言いたくなるだろ。」

「ネサラ、アンナって………?」

 

リネンの問いに答えたのは黒い翼を生やした男の紋章士、ネサラは半ば呆れ顔で答えた。

 

「俺達やアーロンの紋章士達を"生み出した"魔導士の事だ。あまりにも似すぎている事を考えると、さっきの女の先祖だろうな。」

「うん………すご、く、にて、る………ナス、ふ、たつ?」

「それを言うなら瓜二つだ、リアーネ。ナスを並べてどうする。」

「そこまで似てるんだ………気にはなるけど、流石に400年前の人間だと………だよね。」

「生きてたら「何で?」と言わざるを得ない。」

「ところで話は変わるんだけど………さっき、六魔将軍の名前を聞いて納得してたのは何故?」

「あのガラクタは俺を"神竜"と呼んだからね。俺が竜である事を知ってる連中が2択、3択くらいしか無いから後は消去法さ。しっかし、黒幕が出て来てくれた事で色々と繋がってきたな。」

 

六魔将軍の登場により、一連の事件に繋がりができ始めた。

 

「教団内の何者かが六魔将軍を脱獄させ、結託して教会の襲撃と時計………"無限時計"の収集を進めていた。教会、そして星霊魔導士の襲撃は………時計の"鍵"、かな?そう考えると辻褄が合う。」

『それで次はどうする?お前の仲間は時計とやらの奪還に動くみたいだが………』

「このまま予定通り、ゼントピアの本拠地に乗り込む。内通者はレギオン隊を動かせる立場の人間で間違い無いから枢機卿やその補佐レベルのお偉いさんだろう。問題はそいつをどう引きずり出すかだけど………」

 

ハンドルを握りながら考える仕草を見せるリューク。

 

「後先考えないなら竜化して脅し回れば尻尾出しそうだけど………」

『馬鹿かお前は。』

『ネサラ、いい、す、ぎ………!!』

『言い過ぎなものか。まさかこいつからラグズに頭が染まりきったかのような策が出るとは思わなかったぜ。』

「ラグズに頭が染まりきった、って………」

「それについてはコメントを控えますが、今のは流石に不採用です。後の事を考えるなら潜入か、大義名分を得ての突撃です。」

 

そうこうしていると、リューク達は大聖堂に程近い街に着いた。

 

「魔導四輪での移動はここまでだ。ここからは………飛んでの移動がベターか。」

『行けるのか?竜族、竜鱗族の中ではチビでも、竜化したらそれなりの大きさになるだろ?』

「霧の力でいくらでも誤魔化せるので、ご心配無く。」

『そうか。』

「それじゃあ、ここからは一直線に………」

「待って、リュークさん。」

「ん?」

「あっち………何か騒がしい。」

 

==========

 

「くっ………何でウチらが教会を襲わなくちゃいけないんだ!?おかしいって、ゼッテー!!」

 

騒ぎの中心、破壊された教会にいたのはレギオン隊のマリーヒューズ。傷ついた彼女の後ろにいるのはこれまた負傷した司祭。その前にいるのは緑色のキリンのような謎の生き物だった。

 

「聖下の言葉は大将の言葉、それが壊せと命じれば壊すのがレギオン隊。教義は忠実に、疑う事無かれ。」

「だからって、こんな事おかしいだろ………!!」

「分からず屋でちゅね………反信者は………」

 

緑の謎の生き物が腕を上げると魔法陣を展開。

 

「飛び散り………なぁっ!?」

「!?」

 

だが魔法が炸裂する直前、砲弾が謎の生き物に直撃し吹き飛んだ。

 

『ったく、人材不足にも程があるだろあいつら!!ガラクタの次は謎生物か!?』

 

砲弾を追いかけるように現れたのは紋章士レギンと"エンゲージ"し、機械仕掛けの騎馬に乗ったリューク。

 

「お前は………!!何をしに………!!」

『話は後。先にその司祭を安全な場所へ。』

「!!」

『ついでに、あの謎生物について知ってる事は無いか?』

「……………。」

 

しばらくの沈黙の後。

 

「ガットマン・キューブリック、通称"掃除人ガットマン"。魔力を膨張、爆発させる"ラプチャーマジック"の使い手。」

『………その口振り、そっちの身内か。』

「………。」

『まぁいい、それだけ知れたら十分だ。』

 

そして互いに視線を外し、リュークは謎生物ことガットマンを見据え、マリーヒューズは司祭を抱えその場を離れた。

 

「今度は誰でちゅか?」

『お前の敵だ。』

「そうでちゅか。まぁいいでちゅ………反信者を庇う邪魔者は………」

 

魔法陣を展開したガットマン。すると魔力がリュークに集まった。

 

「排除する!!弾けてなくなれ!!」

『!!』

 

そして次の瞬間、リュークの騎乗していた機械仕掛けの騎馬が爆ぜて砕けた。

 

『……………!!』

 

間一髪で騎馬から飛び降りた事で爆発から逃れたリューク。その手には"竜石"が握られていた。

 

『レギン、交代です!!』

『(分かったの!!)』

『代わりにお願いします、クリス!!』

『(任せてくれ!!)』

 

"竜石"に魔力を流すとリュークは"エンゲージ"する紋章士を、紋章士レギンから紋章士クリスへと変更し、そこから大きく息を吸った。

 

『"紫煙騎兵団"!!』

 

走りながら息を思いっ切り吐くと、霧の兵隊が様々な兵種で現れた。

 

「何人偽物を出そうとも、無駄でちゅよ!!」

『そいつはどうかな?』

 

ガットマンは霧の兵隊を無視してリュークを狙うが、紋章士クリスの"影の騎士"により気配が消え、ガットマンは狙いを見失った。

 

「どこに消えまちたか!?」

『探して見るといい………その暇があるのならね!!』

 

するとリュークの姿が見えないまま、紫煙騎兵団が一斉にガットマンへ突貫。

 

「何人がかりでも、無駄でちゅよ!!」

 

"ラプチャーマジック"で次々と狙いを定め、魔力を膨張させ破裂させていくガットマン。だがガットマンの相手は霧の兵隊、破裂したところで霧散するだけである。

 

『ハズレだ。』

「ぐうっ!?ちょこまかと………!!」

『我慢比べといこうじゃないか。どちらが先に音を上げるかな?』

 

すると再度、紫煙騎兵団が現れガットマンに向かって行った。

 

「鬱陶しいでちゅね………!!」

 

倒してもすぐに消え、すぐに再登場する霧の兵隊がワラワラと集まって四方から攻撃し、その合間を縫って気配を消しているリューク本人も斬りかかりダメージを与え続けている状況。

 

「こうなったら、この一帯を………!!」

 

怒りの溜まったガットマンは周囲を爆発させてリュークを炙り出そうとしたその時。

 

「がッ!?」

 

後頭部に強烈な衝撃が襲い、ガットマンの攻撃は阻止された。

 

「今度は誰でちゅか!?」

 

振り返り、見渡したガットマン。しかしそこには誰もおらず、代わりに黒い羽根がヒラリと舞っていた。

 

「どこにいるでちゅか!?」

「さぁ、どこでしょう?」

『探せるものなら探してみな………頭の悪そうなお前に見つけられるとは思わんが。』

 

同じ鳥翼族でも、力と速さを併せた急襲を得意とする鷹王(ティバーン)と比べ、鴉王(ネサラ)はより速さ、そして隠密性による攪乱が得意な紋章士である。

 

「うぐぐ………!!」

『どうした?排除するんじゃあなかったのか?』

「全くの見当違いな所ばかり攻撃してるけど、大丈夫?」

『おまけに動きも鈍って来ているが………手貸してやろうか?』

「……………!!」

 

気配を消した状態の波状攻撃、消しても沸いてくる霧の兵隊、加えての3者からの煽り。ガットマンの怒りのボルテージは急上昇していた。

 

「ゼントピアの教義を分からない異教は………」

 

そのボルテージが頂点に達したその時、ガットマンが魔力を溜めた。

 

「全員吹き飛べ!!」

 

そして"ラプチャーマジック"で周囲一帯を無差別で吹き飛ばしたのだった。

 

「ふぅ………いらつく連中だったでちゅ………だが、これで片付いたで………」

『『火遊びは終わりかい、ボウヤ?』』

「!?」

 

次の瞬間、ガットマンに向けて2つの影が伸びた。

 

『大技で隙を見せる、その瞬間を待っていた!!』

 

1つ目の影は、エンゲージ武器"メリクル"を手にしたリューク。

 

『"語られざる英雄"の一撃、その身で受けてみろ!!』

 

影から現れるや否や、紋章士クリスのエンゲージ技で斬り上げられたガットマン。その一撃によって頭が上に上がると、もう1つの影が上空から迫って来るのが見えた。

 

『不運だったね………"滑翔"!!』

 

紋章士ネサラの力で化身化し、大きな鴉の姿となったリネンは高速でガットマンの土手っ腹に突っ込み体勢を崩した。

 

『今だ!!レギン、もう一度頼みます!!』

『(分かったの!!)』

 

ガットマンが崩れた隙を逃さず、一度距離を取っていたリュークは再び"竜石"を手にして紋章士レギンと再度"エンゲージ"、"リュングヘイズ"の剣に持ち替え再突撃。

 

『やっつけてやる!!』

 

再びガットマンの懐に潜り込み斬り上げたリューク。だが今回の一撃は先程と違い"斬る"よりは上空へ打ち上げる為の"叩く"斬り上げだった。

 

「こんなことが………っ!!」

『これで、吹き飛べ!!"ハゥリングギア"!!』

 

剣による一撃からの"魔弾"の一斉掃射。紋章士レギンのエンゲージ技による爆発でガットマンは大聖堂の方角へ吹き飛んで行った。そして戦闘が終了し、"エンゲージ"状態の解除されたリュークの横に、化身化を解除したリネンが鴉の翼で降り立った。

 

『………なんだったんだろう、あの謎生物………』

「さぁ。でも、アレがゼントピアの所属って事なら六魔将軍の息がかかっているのは確定か。」

「そうでもないとおかしいよね、教団の人間が教会を壊すなんて本末転倒も良いところだもの。」

 

すると、リューク達の背後から声がかけられた。

 

「………何のつもりだ?」

「無事で何より。司祭さんも無事か?」

「質問に答えろ。」

 

司祭を安全な場所に避難させたマリーヒューズは敵意剥き出しでリュークに問いかけた。だがリュークの方は特に動じず答えた。

 

「心配するな、馴れ合いを求めるつもりは無い。この先へ乗り込むに当たってお前達に恩を売った方がいいと判断しての"取引"だ。」

「………私を利用するつもりか。」

「嫌なら利用し返せばいい。」

「何………?」

「例えばお前の都合の悪い事を全部俺に被せるとか………あるいは、教団内の不穏分子を排除させるとか、ね。」

「!!」

「おかしいと思ったんだよ、お前の隊長のような敬虔な信徒が教会襲撃事件を無視していたのがね………だけどあの謎生物のおかげで得心がいった。」

 

一息ついて、リュークは己の出した結論を述べた。

 

「あの謎生物、ガットマンとか言ったね………あいつは誰の命令で動いている?そいつが六魔将軍と結託して無限時計を奪い、教団を傾かせようとしている一味、あるいは首魁だ。」

 

考え込む素振りを見せたマリーヒューズ。この時点でリュークはマリーヒューズを協力関係に持ってこれた事を確信した。しかしここで事態は急変するのだった。

 

「ちょっと待った、着信だ………もしもし。」

《もしもし、リュークか!?今どこにいる!?》

「カナか。ゼントピア大聖堂の手前の街だがどうした、そんな慌てて?」

 

リュークの返答に、通信用魔水晶の向こうのカナは舌打ちしながら慌てた声色で叫んで来た。

 

《ルーシィとナツが攫われたんだ!!》

「………!!」

 

一瞬、魔水晶を握る手の力が強まり魔水晶から嫌な音が聞こえたがすんでのところで一呼吸置き、リュークは喋り始めた。

 

「………詳しい状況を説明してくれ。」

《今、ミシッ、って音がしたけど………》

「今はどうでもいい事だろ。それよりも、今分かってる情報を出して。」

《あ、ああ………ミッシェルが裏切り者だった。》

「ミッシェルが?」

《そう。あいつが新しい、6人目の六魔将軍だったんだ。》

「……………そうか。」

 

リュークの声色には明らかな焦りと怒気が籠もっていながらも、何とか平静を保とうとしていた。

 

「他の情報は無いか?俺はあいつらの本拠地が大聖堂にあると読んでいるのだが、そのまま進んでいいか?」

《ええ、そのまま進みなさい。》

「!!」

 

その問いに答えたのはカナでは無かった。

 

《最低限の平静は保てているようで何より、リューク様。》

「アイズ?何でギルドに………?」

《早速フェルトちゃんを飛ばして連絡を寄越したかと思ったら、とんでもない事に首を突っ込んだのを知ったから慌てて降りて来たよ………ルーシィちゃんとナツ君が攫われる前に着けたら良かったけどね。》

「……………。」

《とりあえず私と、同じくギルドに居合わせたウィル・ネビルの曾孫の持っている情報、それをかいつまんで話す。詳しい事はフェルトちゃんをそっちに飛ばしたから合流次第確認しておいて。》

「ありがとうございます。」

《では本題だよ………相手、六魔将軍が呼び起こそうとしているのは時間魔法"リアルナイトメア"。それを起動する為の"鍵"が無限時計………そして、星霊魔導士の命だ。この意味が分かるね?》

「………ルーシィを生贄にするつもり、って事ですか。」

《ウィル・ネビルは"リアルナイトメア"を大聖堂の上空に封印した、だからルーシィちゃんの行方もそこの筈………だから儀式が完遂する前にルーシィちゃんを救出する必要がある。》

「分かりました………ここで質問です。無限時計を起動した六魔将軍を倒せば、儀式は止まりますか?」

 

アイズは、ルーシィに会いにギルドに来ていたウィル・ネビルの子孫であり、封印を阻止しようとしていたジャンリュックと確認を取ってから答えた。

 

《………止まる筈だよ。だけど、まさか1人で突撃するつもりかい?1人でどうにかできる相手なのか?》

 

リュークはチラとリネンを見た。

 

「味方はいるのでご心配無く。それに、同じ相手に二度もやられはしません。」

《ならいい。ただ、こちらもすぐに向かうから、無理だけはしないように。》

「ギルドの皆にもよろしくお願いします。」

 

ここで通話を切ったリューク。すると空が暗くなった。

 

「これが………」

「………ついに起動されたって事か。」

 

夜空でも曇り空でも無い、不気味な空。その発生源は目前としていたゼントピアの大聖堂の真上。そこにはどこから現れたのか、魚のような形のした巨大な飛行艇のような建造物。

 

「あれが、無限時計の真の姿………」

「という事は、まさかルーシィさんは………」

「………いや、まだ大丈夫。」

 

リュークは左薬指の指輪、"炎の紋章"に右手で触れた。

 

「まだ、ルーシィはいなくなっていない。」

 

一対のペアリングである"炎の紋章"。そこに魔力を籠めると反応があった所からまだルーシィは失われていない事を確認した。

 

「さて、焦る気持ちを抑えて………と。」

 

深く息を吐いたリューク。

 

「リネン。」

「何、リュークさん。」

「一緒に乗り込んでくれるか?」

「私がここで帰るような人だと思われてるなら心外だよ。」

「それでも確認しないといけない事だから。それと………」

 

次にリュークは後ろで無言で控えていたマリーヒューズに目を向けた。

 

「すまない、先程の"取引"の話だが、内容を変える。。」

「ハァ?一体………」

「必要なら最高速で大聖堂まで送る。信徒を守り、混乱を抑えて欲しい。その間にアレを、騒動の元凶は俺がブチ壊す。」

「………カハッ。」

 

少しの沈黙の後、マリーヒューズは笑った。

 

「そっちこそ、今度は私達の邪魔をすんなよ?」

「交渉成立だな。」

 

するとそこで、白い羽根がリュークの前に舞い落ちた。

 

「ホーッ!!」

「フェルト!!」

 

リューク達を見つけたフェルトがリュークの肩に降り立った。その足には手紙が括り付けられていて、リュークは読む速度を上げる魔法アイテム"風読みの眼鏡"をかけて速読した。

 

「………よし。」

 

手紙、即ちアイズとジャンリュックの持っていた無限時計についての情報が書かれた書類を読み終えたリュークはそれと"風読みの眼鏡"をしまい、代わりに"竜石"を取り出した。

 

「それ………いいの?」

「いいの、とは?」

「正体を明かす事になるけど………」

「敵にはバレてるんだ、今更だよ。それに………」

「それに?」

 

次の瞬間、リネンとマリーヒューズは身震いした。

 

「誰の"逆鱗"を引き抜いたか、思い知らせるにはむしろ都合が良い。」

 

低く、唸るように言い放ってからリュークは"竜石"に魔力を籠めた。すると瞬く間にリュークの姿は白い竜へと変えた。

 

「な、り、竜………!?」

「おじいちゃんと、少し違う………」

『どうした。早く乗れ。』

「ホホッ!!」

 

リュークは、頭に乗ったフェルトと共に乗るよう促し、それに従ってリネンとマリーヒューズは背中に乗った。

 

『乗ったな?』

 

リネンとマリーヒューズが乗ったのを確認すると翼を羽ばたかせ、離陸した。

 

『最高速で行く、振り落とされるなよ!!』

 

十分な高度まで羽ばたくとそこから最高速で大聖堂へと飛行し始めた。

 

『ルーシィは、返して貰う!!』

 

 

続く




今回は短め、紋章士ネサラについてです。

◎鴉王(飛行)
◯ネサラ(興津和幸)
◯シンクロスキル
・空転
自分を中心とした縦3マス×横3マスの十字方向にいる、自分より速さが5以上低い敵の移動を半分にする
◯化身スキル
速さ参照スキルの判定時、自身の速さ+10として計算
○滑翔

困ったらヒーローズのスキルを引っ張って来る私ですが、(今回はまだいいとして)最近のインフレスキルを使うと明らかに強すぎるのでバランス考えないといけないのと、スキル発動範囲はヒーローズの時より広げないとショボくなるパターンがあるので注意ですね。
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