FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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ついに配信されましたね、蒼炎の軌跡………!!

スマブラのアイクが原初のFEである私、原点の"天空"を見にテリウスへ行きたいと思います!!


93章 まだ見ぬ地平へ

大魔闘演武に向けて海合宿に来たリューク達。それぞれのレベルアップの為に特訓を始めて3ヶ月経ち、一行はと言うと。

 

「……………。」

「「「終わった。」」」

「時間を返せヒゲーーー!!」

 

こうなった理由は、合宿を始めてから1週間程で起きた出来事である。

 

==========

 

「………よし、来い。」

「わかった………やあああっ!!」

 

"訓練用の斧"を振り被るルーシィを、同じ"訓練用の斧"で受け止めるリューク。

 

「やはり踏み込みが甘い!!いっそ斧に振られるくらいでいい、前のめりに、踏み込め!!」

「わかっ………たっ!!」

「そう!!後隙は星霊や紋章士に丸投げしてでも踏み込め!!」

 

武器戦闘の経験値を積みたいルーシィに武器戦闘の指南をしていたリューク。だがその間に別の事も並行して行っていた。

 

「ナツとエルザは考え過ぎ!!相性は大事だけど、それに囚われて本来の武器である直感や瞬発力が死んでる!!逆にグレイとレビィはもっと考えろ、どれだけ頭を使えるかが君達の魔法の本質だろ!!ジュビアとウェンディはルーシィと同じ、攻め気を出せ!!ひとまず"面"で押し流せ!!ドロイとジェットは連携するのかしないのかハッキリしろ!!中途半端はダメだ!!」

 

ルーシィ以外には"紫煙騎兵団(パープルヘイズ)"で生み出した竜人(マムクート)をけしかけ、"神竜王の威光"で戦況を把握しながら指示を出していた。

 

「ふ………」

「大丈夫?」

「他人の心配をしている場合か!?」

「うわっ………!?ええいっ!!」

 

疲れを見せ、心配するルーシィだがリュークは一喝すると"訓練用の剣"でルーシィに斬りかかった。

 

「(まだまだ………まだ、出力を上げられる!!)」

 

汗を拭い、息を吐くとリュークは更にギアを上げた。

 

「ルーシィ、次は"エンゲージ"で斬り込んで来い!!」

「うん!!なら………勇烈め(いさめ)、天雷の紋章士(エムブレム)!!」

「ならこっちは………覚醒めよ(めざめよ)、絆の紋章士(エムブレム)!!」

「「"エムブレム・エンゲージ"!!」」

 

ルーシィは紋章士ヘクトルと、リュークは紋章士クロムと"エンゲージ"し再び斬り合った。

 

『あたしは、負けない!!』

『俺は負けん!!』

 

"ヴォルフバイル"を手に飛び上がり、リュークめがけて振り下ろしたルーシィ。リュークはそれを"神剣ファルシオン"で受け止めた。

 

『ルフレ!!』

『了解!!』

 

するとリュークの背後から紋章士ルフレが現れ、"トロン"の魔道書を開いた。

 

『こんなのは、どうだい!!』

 

そして放たれた雷のレーザー。

 

『っ、はあっ!!』

 

対してルーシィは"ヴォルフバイル"を手放し、代わりに"ルーンソード"を出して"トロン"を受け流した。

 

『やるね、だけど隙だらけだ!!』

『そうは、いくもんか!!』

 

フリーになったリュークは"ヴォルフバイル"を弾き、隙だらけのルーシィに斬りかかった。だが"ルーンソード"を片手に持ったルーシィは反対の手で鍵を出していた。

 

『開け、白羊宮の扉、アリエス!!』

「す、すみません………!!」

 

召喚されたアリエスはリュークの前に大量のもこもこの綿を出した。すると"神剣ファルシオン"は綿の壁に吸い込まれるように埋まり、更にリュークの視界も塞がった。

 

『隙あり………!!』

『!!』

 

すると背後に回り込んだルーシィが"ルーンソード"を上段から斬り下ろした。

 

『………!!』

『いい攻撃だった。だけど………』

『読みが甘かったね。』

 

だがリュークは"サンダーソード"でルーシィの"ルーンソード"を受け止め、更に紋章士ルフレが"サンダーソード"をルーシィの首元に突きつけていた。

 

『………ここまでか。』

 

深く息を吐いたリューク。"紫煙騎兵団"による霧の竜が倒されていたのを確認したリュークは全ての魔法を解除し、その場に座り込んだ。

 

「大丈夫!?」

「………大丈夫。本来は、"これが当たり前"だからね。」

 

繰り返すようだがリュークは神竜族、それも神竜王の直系である。若造ではあるが、人の姿を取っているだけで立派な竜種、それも上位種のそれである。

 

「竜としての"本来の出力"を取り戻す………それがこの合宿での俺の課題だからね。」

 

種族が違う以上、魔力量も本来は文字通りの桁外れである。だがそれを上手く出力できていないのでは、と言うのが本人の思う課題であった。

 

「人間社会に溶け込む為に、暴発しないようにと自制して生きた内に、竜本来の力の出し方を忘れている。だからここで、無理矢理にでもそれを思い出させる。」

 

紋章士の力に加え"紫煙騎兵団"、"神竜王の威光"と有する魔法を片っ端から使用して有している出力量を上げるのがリュークの目的だった。

 

「おかげで"神竜王の威光"を使いながら神竜格闘術を両立できるようになった。まだまだ先は遠いけど………」

 

そうしていると、ルーシィの後ろに急にバルゴが現れた。

 

「姫。」

「うわあっ!?バルゴ、どうしたの!?」

「星霊界が滅亡の危機です。」

「!?」

「星霊界にて、王がお待ちです。皆さんを連れて来て欲しいと。」

 

=========

 

結果的に言えば、星霊界滅亡の危機はウソである。では何故呼び出されたのか。

 

「ルーシィとその友の!!時の呪縛からの帰還を祝して!!宴じゃーーーっ!!」

 

それはルーシィが天狼島から帰って来た事を祝しての歓迎会だった。一度に全員を召喚するのは無理ならば逆にこっちへ招き入れよう、と言う目論見であり、星霊界滅亡は単にサプライズであった。

 

「……………。」

「どうかしたのカ、若キ竜の王ヨ。」

「………ここが、昔母さんが来た星霊界なのか………と思いまして。」

「いかにモ。400年前、ルーシィの先祖タるアンナと共ニ此処ヲ訪れたのがお主の母ルミナであル。」

「なら、訪れる事ができて光栄です。………流石に、あの人みたいに生身で留まるのはまだできないですけど。」

「………あれは"例外"と思うガ良い。」

 

本来、人間が生身で星霊界に留まるのは不可能である。星霊界の服を着用する事で解決するのだが、リュークの母ルミナは桁違いの魔力を使い生身で星霊界に滞在していたのだ。

 

「それよりモ、お主にハまだ客がいる。」

「まだ?」

 

気付けばルーシィが契約していない星霊もワラワラと集まっており、プルーこと子犬座のニコラに至っては数十から百体程集まっているのにまだいるの?と言うのがリュークの疑問だった。だがその"客"を前にリュークの疑念は吹き飛んだ。

 

『こうして会うのは初めてかな?』

「その声………!!」

 

声の方へ振り返ると、そこには青い炎のようなオーラを纏った男がいた。

 

『こうして会えるのは嬉しいよ、リューク。』

「マルス!?なんで………!?」

『なんでもなにも、僕達は"お隣さん"だからね。』

「そっか………それで………」

『そして、ここならこうできる。』

 

紋章士マルスが右手を出し、それに応じてリュークも右手を出すと握手を交わした。

 

『こうできる日が来るとはね。』

「そうですね………光栄です!!」

 

そして来ていたのは紋章士マルスだけでは無かった。

 

『やっぱり不思議ですね。こうやって、自分の子孫と向き合うのは。』

『リューク!!』

「リュール、それにお姉ちゃんも!!」

 

紋章士リュールに紋章士チキ、その後ろには数々の紋章士が訪れていた。

 

「……………」

『どうかしましたか?』

「………いや、こうも英雄がズラッと並ぶ光景に、どうも圧倒されてしまって。」

『その気持ちは分かるよ。アスク王国で同じ光景を目の当たりにした時は壮観だったのを覚えているよ。』

『………私は、正直ズルいと思ってた。』

 

紋章士達に囲まれたリューク。すると、紋章士チキが前に出て腕を広げた。

 

『リューク、おいで。』

「ん?」

『しゃがんで。』

「こう?」

 

すると紋章士チキはキュッと抱きつき、そして頭を撫で始めた。

 

「!?」

『ここまでよく頑張ったね。いいこいいこ。』

「………お姉ちゃん、俺そんな子供じゃないよ。」

『私より年下なのに大人ぶらないの。それに………ずっと、あなたが産まれた時から、こうしてあげたかったの。レックスとローナや、あなたの知らないお兄さんとお姉さんと同じように、チキもお姉ちゃんだから。』

「お姉ちゃん………」

『しっかり、ルーシィや皆を守ってあげてね。』

「分かってる。俺に任せて………そして、これからも力を貸して。」

『うん。いつでも力を貸すよ。』

 

==========

 

その後、星霊や紋章士との宴と言う名の交流会は丸一日続いた。さて、帰って明日以降に特訓の続きを………と思った所で人間界へと送り返したバルゴが衝撃の一言をカミングアウトした。

 

「星霊界で一日を過ごすと人間界では"3ヶ月"経っています。」

 

遊んでいる内に大魔闘演武本番まであと5日に控えていた。計画が根本から崩れてしまった事に絶望して冒頭の一幕に繋がるのだった。

 

「むうう!!今からでも遅くない!!残り5日間で地獄の特訓だ!!お前ら全員覚悟を決めろ!!寝るヒマも無いと思え!!」

 

放心状態になっていた一同を叩き起こしたのは鬼軍曹モードに入ったエルザ。さてここからガムシャラのスパルタトレーニングが始まろうとしたその時。

 

「クルッポー。」

「ん?」

「ハトだ。」

「足に何か………伝書鳩か。」

「ホー?」

「クルッポ。」

 

エルザの頭の上に止まった1羽の伝書鳩。足に括り付けられたメモを読むとこう書かれていた。

 

「"妖精の尻尾へ、西の丘にある壊れた吊り橋まで来い"………と。」

「フェルト、どうだ?」

「ホホーッ!!」

「よし、案内頼む!!」

「ホー!!」

 

フェルトの案内で西の丘までやって来た一行。すると壊れた吊り橋に到着したのだが、次の瞬間、壊れていたはずの吊り橋が新品同様に直り、向こう岸まで繋がったのだった。

 

「橋が直った!?」

「渡って来い、と言う事か。」

「罠かもしれないけど………」

「誰だか知らねぇが行ってやろうじゃねーか。」

「………この魔法。」

 

罠の可能性を考慮し、警戒しながら奥へと進んだ一行。するとフードをかぶった3人組が待ち構えていた。

 

「誰かいる!!」

「皆さん気をつけて!!」

 

警戒を更に高め臨戦態勢に入った一行。だが、フードの3人組は敵意を出さずに更に近づいた。

 

「来てくれてありがとう、妖精の尻尾。」

 

フードを外し、3人組の正体が明らかになった。

 

「ジェラール………!?」

「それに、悪魔の心臓(グリモアハート)から2人………何を企んでいる?」

 

待ち構えていた3人の正体。それは楽園の塔の事件の首謀者であり、六魔将軍との戦いで共闘した後投獄されたハズのジェラール。そして悪魔の心臓の幹部、煉獄の七眷属の2人のウルティアとメルディだった。

 

「変わっていないな、エルザ。俺が脱獄した話は聞いているか?」

「ああ………6年前、と聞いているが。」

「牢で一生を終えるか死刑になるか………それを受け入れていたんだがな。」

「私とメルディで牢を破ったの。」

「私は何もしてない、殆どウルティア1人でやったんじゃない。」

「………敵じゃない、と言う判断でいいのか?」

 

リュークの言葉にウルティアが頷いた。

 

「私の人生で犯した罪の数はとてもじゃないけど"一生"では償えない………だからせめて、私が人生を狂わせてしまった人々を救いたい………そう思ったの。たとえばジェラール。」

「いいんだ。俺もお前も闇に取り憑かれていた………過去の話だ。」

「ジェラール………お前、記憶が………」

「ハッキリしている。何もかもな。」

「………!!」

「楽園の塔では私が操っていたの。だから私の責任よ、あまり責めないであげて。」

「それが何故、今になって再び手を組んだ?」

「………私達はギルドを作ったの。正規でも、闇でも無い独立ギルド、魔女の罪(クリムソルシエール)。」

 

独立ギルド。聞き慣れない言葉にレビィが首を傾げた。

 

「独立ギルド?」

「連盟に加盟していない?」

「………脱獄囚とバラム同盟の元幹部のギルドが連盟に認められる訳は無いだろうね………だけど闇ギルドとは何が違うんだ?」

 

するとジェットとドロイが魔女の罪に聞き覚えがあった。

 

「魔女の罪………聞いたことあるぞ?」

「確か、ここ数年で数々の闇ギルドを壊滅させているギルドがあるとか………」

「………闇ギルド潰しのギルド、だから闇とも言えず、独立ギルド………と言う訳か。だけど何の目的に?」

 

リュークの問いに、魔女の罪の3人は迷いや澱みの無い声色で答えた。

 

「私達の目的はただ1つ。」

「ゼレフ、そして闇ギルド。この世の暗黒を払う為に結成したギルドだ。」

「もう、私達のような人を生み出さない為に、ね。」

 

打倒ゼレフ、打倒闇ギルド。聞こえはいいが脱獄囚と元、悪魔の心臓がメンバーでは正規ギルドに認めてもらえるハズも無く、更にギルド間抗争禁止条約のしがらみも考えるとジェラール達はこの形で満足していた。だが彼らの目的は顔合わせではなかった。

 

「大魔闘演武に参加するんだってね。」

「お、おう。」

「私達は立場上会場に近づけない、だから頼みたい事があるの。」

「なんだ、誰かのサインでも欲しいのか?」

「そうじゃないわ。」

 

彼らの依頼、それは。

 

「毎年、開催中に妙な魔力を感じるんだ………ゼレフに似た、謎の魔力を。」

「ゼレフ………」

「ゼレフに近づき過ぎた俺達だから感知できたかもしれないが、確かに謎の魔力が働いているんだ。」

「ゼレフに繋がる手がかりになるかもしれないから、その魔力の正体を知りたいの。」

「もちろん勝敗とは別、私達も陰ながら妖精の尻尾を応援してるから。それとなく、その謎の魔力を探って欲しいの。」

 

大魔闘演武開催中に起きる謎の魔力の調査、それが魔女の罪の依頼だった。

 

「………雲を掴むような話だが、引き受けよう。」

「感謝する。」

「報酬は前払いよ。」

 

するとナツとルーシィが食いついた。

 

「食費!!」

「家賃!!」

「残念ながら報酬はお金じゃないわ。」

 

するとウルティアは水晶を出し、腕から腕へと滑らせた。

 

「進化した"時のアーク"が、あなた達の魔力を"底上げ"する。」

 

いまいち要領を得ない反応をした妖精の尻尾に、ウルティアは補足説明を入れた。

 

「魔導士にはそれぞれの魔力の限界値を決める器があって、空っぽになっても大気中の魔力の素(エーテルナノ)を身体が自動的に取り込んで器を元通りにする働きがあるの。だけど最近の研究で、魔導士の器には普段使われていない部分がある事が判明したの………それが誰にでもある潜在能力、第二魔法源(セカンドオリジン)。」

 

ウルティアは水晶を前に掲げた。

 

「そして私の"時のアーク"で第二魔法源を成長させ、使える状態にする。それにより活動時間と使える魔力の増加に繋げるの。」

 

潜在能力の覚醒。それは遅れを取り戻したい一行にとっては渡りに船だった。

 

「ただし、想像を絶する激痛と戦う事になるわよ。」

「あああ………」

「目が怖い………」

 

だがウルティアの脅しに構わずナツは泣きながら飛びついた。

 

「構わねぇ!!ありがとう!!どうしよう、だんだん本物の女に見えてきた!!」

「だから女だって………」

「ガルナ島のことまだ引きずってるよ………」

 

==========

 

「「「「「「ああああああ………!!」」」」」」

 

第二魔法源の解放を施された妖精の尻尾一行は阿鼻叫喚の絶叫をあげながらのた打ち回っていた。

 

「おお、お………!!」

「あああ………」

「ううう………」

「ぎゃあああ!!」

「あーん………!!」

「………これはしばらく動けそうにないね。」

「あなたは大丈夫なのね………?」

「死ぬ程痛かったけど、竜化と解除を繰り返したら収まった。"器の変質"には慣れてるから馴染むのも早かった、ってところかな。」

「ボボボボボ………」

「フェルトはダメだったみたいだけど。」

「そう………フクロウはともかく、竜族にこの魔法が効くかは未知数だったから成功に終わって良かったわ。」

 

リュークにも例外無く激痛が襲ったのだが、1人離れて竜化と解除を繰り返しながらのたうち回る内に早い段階で馴染み痛みが引いたのだった。

 

「回復の杖もいまいち効果が無いみたいだし、皆の痛みが引くまではこのままかな。」

「ボボ………ボボッ………!!」

 

聞いたことのないうめき声をあげるフェルトを傍らに座り込むリューク。すると、いつの間にか中座していたジェラールが戻って来た。

 

「エルザとの話は終わったのかい?」

「………ああ。」

 

ジェラールはリュークの前に座った。

 

「エルザから聞いた………アーロンは、死んだんだな?」

「………ああ。お前のしでかした事の後始末を済ませて、俺達を守って死んだ。」

「………そうだ。俺が殺した。」

 

リュークは深く息をついた。

 

「裁いて欲しいのなら他を当たれ。俺はお前を恨まないと決めてるんだ。」

「それは………」

「悲しいのは悲しいが、あいつの覚悟と"最期の笑顔"を無かった事にはしたくない。それに、俺より因縁のあるエルザが何もしないなら俺が手を出す筋合いも資格も無い。」

「………だが。」

「あいつへの償いをしたいのなら、泥水啜って血反吐吐いてでも生きろ。それがアーロンの、俺の臣下への、最大の手向けだ。」

「……………。」

「あと言うならばそうだな………剣咬の虎に、アーロンの孫娘がいる。」

「!!」

「剣咬の虎の実力は知らないけど、その中でも上位を張れるだけの実力はあると思うから、大魔闘演武にも来るはずだ。………どうするかはお前次第だが、謝るなら俺じゃなくてその人だ。」

「……………情報、感謝する。」

 

しばらくしてエルザも戻って来たところで魔女の罪の3人は帰り支度を始めた。

 

「立場上長居はできない、だから俺達はもう行くよ。」

「分かった。クロッカスに着いたら居場所を教えてくれ、何かあったらフェルトを飛ばす。」

「ボ、ホホー………」

「分かったわ。陰ながら応援してるから頑張ってちょうだい。」

「任せろ。」

「それじゃあ、また会おう、エルザ。」

「バイバーイ!!ジュビアにも伝えておいてね!!」

「皆によろしく………そして、グレイの事もお願いね。」

 

魔女の罪の3人を見送ったリューク、エルザ、そして痛みから立ち直りきれていないフェルト。

 

「………まだ動けそうに無いな。」

「この様子だと、クロッカスで現地集合かな?」

「全く………たるんどる。」

「何ともないエルザの方が異常だからね?」

「リュークも何とも無いじゃないか。」

「身体のつくりが違うからね、痛いのは痛かったよ。」

「そうか………だが、その場合本当に魔力が上がっているのか?」

「上がってるよ、確実に。どれ………」

 

ウルティアの持っていた疑念をエルザに再度投げかけられたリュークは片手に集め………

 

ボンッ!!

 

「どわあっ!?」

「ポ ボホーッ!?」

 

制御に失敗して魔力を出し過ぎた為に暴発し、爆発がリュークとフェルトを巻き込んだ。

 

「何をやっているんだ………」

「いててて………加減を間違えた………!!」

「あいたたた………」

「ほ、ホー………」

「全くらしくな………ん、ちょっと待て。」

 

爆発による土煙が晴れ始めていたところでエルザは何かに気づいた。

 

「………番号。」

「い、1。」

「2………?」

「ホー………」

「やはりそうだ………1人多いぞ!?」

 

爆発の拍子に1人増えている。そう気づいたエルザは即座に鉄扇を出して土煙を仰いで吹き飛ばした。

 

「うわっ。」

 

増えていた1人。それは桃色の衣装を着て緑のポニーテールをたなびかせる、ウェンディと同じくらいかそれよりも幼い少女。

 

「あれ?チキ、さっきまでマルスのお兄ちゃんとお昼寝してたのに………」

「は?」

 

そこにいたのは紋章士チキ。だが問題は、彼女が紋章士特有の青い炎のようなオーラを"纏っていない"事だった。

 

「あ、リューク………あれ、ちゃんと触れる。」

「はぁ!?」

 

それが意味するところ。それは、紋章士チキが実体のある状態で召喚された事だった。

 

 

続く




次回、ついにクロッカスへ………!!

え、唐突のチキ召喚?それはまた次回に。
ただこれだけは言わせてください。

紋章士以外の形でFEの原作キャラを出したかった
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