FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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すみませんでした、人がおらんくなって荒廃したカントー地方をメタモンになって愉快な仲間達と共に復興させてました。
マイクラもどう森もろくにやったことない奴が、YoutubeやSNSでバズるようなトンデモ建築とか完全再現なんて早々にできる訳無いのですが………ポケモン探して生息地作るだけでアホ程時間溶けて気付けばもう寝る時間………を何日繰り返したことか。


106章 小さな北辰

医務室で療養していたリュークとルーシィ。さっきまでは2人しかいない空間だったが、今は1人、ルーシィに似た幼い少女がいた。

 

「………すー、すー………」

「「……………」」

 

リュークの寝ていたベッドで代わりに寝息を立てているのは、黒ずくめのフードで素性を隠していたマーク………本当の名前はポラリス、未来から来たリュークとルーシィの娘だと言ったのだ。

 

「………リューク。」

「なんだい?」

「本当に、あたし達の子供………なのよね?」

「気持ちは分かるけど、俺はこの子を疑う事はできない。証拠が揃い過ぎている。」

「そうよね。あたしも疑っている訳じゃないわ。この子、ポラリスはあたし達の子供………それは揺るぎない。揺るぎないけど………」

「心の準備とかが全くできてないから不安だよね。」

 

目の前の少女が自分達の子供である事は理解している2人。だがあまりにも急であるので心構えができておらず、「本当にこの子の親が務まるのか?」というのが心配事だった。

 

「それはそれとして何してるの?」

「んー、もちもちほっぺは俺の血筋だなー、って。」

「ほんとね。意外ともちもちしてるのね。」

「ノータイムで俺の頬つねられるとは、一生の不覚。」

「捨てちゃいなさいよそんなしょーもない不覚なんて。………でも顔は完全にあたし似ね。」

「俺からすれば「でしょうね」と言いたいところだ。400年前のアンナさんや、前見せて貰ったレイラさんの写真を見てもルーシィと瓜二つだもん………何と言うか、遺伝子強過ぎるって。」

「でもその他はあんたに似てる気がする………ちょっと泣き虫で甘えたがりっぽいのも。」

「うぐ………」

 

他愛もない話をしていた2人。だがここで、ポラリスが未来から来た理由についての話になった。

 

「………でも、ポラリスが未来から来た理由って。」

「そこもルキナと同じだと、俺は考えてる。恐らく………というか、まず俺は死んだのだろう。」

「………一昨日、あたしが襲われた時あったでしょ?その時に言ってたのよ。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………母さんは、ここに来る直前にはぐれました。たぶん、今はこの街のどこかに………そして、父さんは………恐らく………」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………なら、未来のルーシィもいるはず、と。」

「うん。事情を聞くなら、ポラリスと一緒に来ているハズの、未来のあたしを探した方がいいかもしれない。」

「そこはフェルト………とお姉ちゃんにも手伝って貰おうかな。それまでは………」

「「俺達/あたし達でこの子を守る。」」

 

声と共に方針が揃い、決意もした2人。

 

「………ところで気になるんだけど………」

「なんかあった?」

「この子………そして未来のあたしは、何歳なんだろう。」

 

ルーシィの質問にリュークは難しい顔をした。

 

「竜族と人間のハーフって、読めないんだよなぁ………寿命も成長スピードも不規則なんだよ。世代が経てば安定するんだけど、これも本人から聞いた方がいいやつだね。」

「そうなの?」

「うん………途中までは普通の人間と同じ成長をしてから、途中でピタッと止まるパターンも見た事があるから………あとは俺とルーシィ、どっちの血が濃いか次第かな。」

「………じゃあ、未来のあたしが大人のお姉さんかヨボヨボのおばあちゃんかはポラリスの歳を聞くまでお楽しみ………ってことかしら。」

「そうなるねー。」

 

そうしていると、医務室の扉が開いた。

 

「二人共起きたか………む?」

「「あ。」」

 

マカロフと妖精の尻尾Aチーム、Bチームのメンバー、医務室を任されているポーリュシカ、フェルトにアイズとチキなどとゾロゾロと入って来た。そして入って早々、目に入るのはスヤスヤと寝ている、見慣れない少女。

 

「………?」

 

少女の正体を知るチキ以外は首を傾げながら観察し、その正体を察した。

 

「………お主ら、仲が良いのは良いことじゃが………」

「待ってくださいマスター、多分酷い勘違いをされてます。」

「これにはちょっとばかり事情が………!!」

「………クソチビ、テメェ、ここ医務室なの忘れてねぇよな?」

「アタシが言うのもなんだけど、勢い任せも程々にしとけよ?」

「ダメだ、ラクサスもカナも完全にダメな方向に勘違いしてる!!」

「違うからね?絶対に違うからね!?」

 

そんな中で爆弾を落とすのがこの男。

 

「リューク、お前いつの間にタマゴ産んだんだ?」

「何をどう見て俺がタマゴ産むんだよ!?言ってみろやナツお前、怒るぞ!?」

「じゃあルーシィがタマゴ産んだのか?」

「あたし普通の人間!!タマゴなんか産まないわよ!!」

「医務室では静かにしな、特に怪我人!!」

 

するとマカロフが咳払いをした。

 

「………冗談じゃ。そう身構えるで無い。」

「「……………。」」

「その子が、先程乱入してリュークを止めた子なのは分かる。事情は後で聞かせて貰うが………大丈夫なんじゃろ?」

 

リュークとルーシィ、そしてチキも頷いた。

 

「ならば一先ずはお主らに任せる。そして本題に入るのじゃが………」

 

そしてマカロフから告げられたのは、

 

「運営より妖精の尻尾AB両チームの統合命令が出された。」

「統合………?」

「………チームを偶数にする為、ですかね?」

「察しが良くて助かる。大鴉の尻尾の失格によりキリが悪くなったからの措置じゃ。」

 

残る競技は午後のバトルパートとなるタッグバトル、そして明日の休みを挟んで最終日、チーム全員参加の戦いの2種目。それを2チームから5人を選んで再編する事となったのだった。

 

「把握しました。それで………俺に対しての処分は如何に?」

「………!!」

「あれだけ暴れたんです………お咎め無しとはいかないでしょう。」

 

だが、マカロフから告げられた結果はリュークにとって意外なものだった。

 

「協議の結果は"お互い様"じゃ。」

「………"お互い様"。」

「互いに死人が出かけたものの未遂に終わったこと。剣咬の虎はあの時点ではルールに抵触していないこと。妖精の尻尾の怒りが正当なものであること。以上3点を主な理由として、双方厳重注意に留める、という処分に落ち着いた。」

「………そうですか。」

「リューク、後でヤジマさんのとこ行くぞ。だいぶ口添えしてくれたらしいからな。」

「分かった。改めて迷惑かけたな、ラクサス。」

「悪いと思うなら試合で挽回しろ。」

「仰せのままに、大将………で、いいのか?というかそもそも選ばれるのか?」

「さあな。そこんところはどうなんだ、ジジイ?」

「ん、そうじゃな。では、新生・チーム妖精の尻尾は以下の通りじゃ。」

 

そしてマカロフの口から統合した妖精の尻尾のメンバーが発表された。

 

==========

 

チーム再編と闘技場の修理が終わった後、4日目のバトルパートが開始された。この日のバトルパートは"タッグバトル"、2対2で行われるのだが対戦相手の組み合わせと出場選手は事前に全員へ通達されていた。

 

「だからここに戻って来たって訳ね。」

「妖精の尻尾の対戦相手は剣咬の虎、しかも出場選手はナツ、ガジルvsスティング、ローグの滅竜魔導士対決でしょ?誰が割り込めるかって話だよ。ラクサスでギリだよ。」

「あんたも竜じゃん。」

「観客はそんなの知らないし。それに俺は"バレたらしょうがない"とは思ってるけど自分から積極的に明かすつもりは無い。そして何より、今はこの子の方が重要だ。」

 

リュークの視線の先にいるのは、布団に包まって寝息を立てていたポラリス。するとポラリスが目をぼんやりと開け、すぐにガバっと起き上がった。

 

「………!!」

「どうしたの!?」

「………。」

 

急に起き上がった事に驚くルーシィをよそに、キョロキョロと辺りを見回したポラリス。それでリュークとルーシィを見ると、心の底からホッとした表情をみせた。

 

「………良かった。」

「「?」」

「いなくなってない………本物の、父さんと母さんだ………!!」

「「………。」」

 

なんとなく状況を察する事はできる。だがリュークとルーシィは敢えて追及せず、少しだけ困ったように微笑んだ。

 

「っと、そうだ。まだちゃんと自己紹介してなかった!!」

 

佇まいを正すとポラリスは改めて自己紹介をした。

 

「ポラリス・ソラネル・ハートフィリアと言います。未来から来ました、一応妖精の尻尾の魔導士で、リュークさんとルーシィさんの娘です。」

「………改めて、ここまでご苦労様。」

「正直、現時点だとあなたが産まれるどころか、まだ結婚もしてないから………ちょっと、いや結構戸惑ってるところがあるけど、よろしくね!!」

「はい!!」

 

ベッドに腰掛けたリュークとルーシィの間に座ったポラリスは満面の笑みだった。

 

「1人で来たのかい?」

「ううん、未来の母さんと来たの。でもこの街に入る直前にはぐれちゃって………」

「なら、落ち着いたら未来から来たルーシィも探さないとね。」

「………ねぇ、ポラリス。」

「なに、母さん?」

「あんた、今何歳?リュークの子供ってなると、見た目が全くアテにならないから………」

 

ポラリスの見た目の年齢は大体10から12歳で、ウェンディと同じくらいかそれより少し幼いくらい。だが竜の血が流れているのが確定している現状、見た目の年齢など全くアテにならない。しかし、ここでポラリスは言い淀み、何やら恥ずかしそうにしていた。

 

「………聞いて笑わない?」

「何を?」

「………あたし、他の子より成長が遅くて子供っぽいから、年齢を言うのが恥ずかしいの………」

「そこは心配いらないよ。なんせ目の前の男は君くらいまで成長するのに500年はかかってるし。」

「………本当?」

「本当。」

「………分かった。」

 

余程自分の年齢を言うのが好きじゃないのか、ポラリスは意を決して答えた。

 

「………8、18歳。」

「あたしと同い年だ。」

「………だから、言いたくなかった。早く、母さんみたいな立派な大人の女性になりたいなぁ………」

「それは、完全に俺のせいだ………すまない。」

 

気まずそうに謝ったリューク。だがポラリスは首を横に振った。

 

「父さんのせいじゃない。これはあたしのただのワガママだもん。父さんが母さんを好きになって、あたしが生まれた事には感謝してるよ。それに………」

 

ポラリスは懐からあるものを取り出した。それはリュークのものに酷似した、こぶし大の水晶のような石。

 

「自分が"特別"なのは、凄く嬉しいんだよ………まだ上手に変身できないけど。」

 

とその石、"竜石"に魔力をこめるも小さな羽根や尻尾が生える程度だった。

 

「心配いらないよ。ここまで来たらあと少しだ。それに、竜の力抜きでも君は十分強い。」

「ありがとう!!武器の扱いも、紋章士との連携も、竜の力も、全部父さんに鍛えられて、一生懸命強くなったんだよ!!あとね、あとね………!!」

 

しまい忘れていた羽根や尻尾をパタパタと動かし始めたポラリス。ようやく身の内を明かせた、喜びか安心からかは定かではないがとにかく彼女は取り留めのない話が止まらなかった。

 

「(………ルーシィ。)」

「(うん。真剣な話は、後ね。)」

 

本当は聞きたいことがいくつもあった。だがそれを聞くのは今では無いと判断し、2人は示し合わせると楽しそうに話し続けるポラリスの話に耳を傾けては頷いたり相槌を打った。

 

「それで父さんったらね………」

「へぇー。20年そこらで変わるんだ。」

「そりゃあ、20年も経てば1000歳を超える、3桁と4桁は違うのだよ。それに比べて君は、四十路になってお転婆続けてるのは流石にどうかと………」

「う、うるさいわね!!」

 

そんな調子で他愛もない話を続けていた、その時だった。

 

「ちょっといいか?」

 

医務室に響いたノック音。リュークが了承の返事を出すと、少し急いだように入って来たのはグレイだった。

 

「グレイ?」

「何かあったの?」

「?」

「………あー。なるほど、そう言うパターンか。じゃなくてだな………」

 

入り方に加え声色も何やら急いでいるのを感じ取ったリューク。そのリュークとルーシィ、そしてポラリスが同時に首を傾げたのを見てグレイは何やら察したようだったが、かぶりを振るとグレイは何かを探し始めた。

 

「中継用魔水晶(ラクリマ)をつけてくれ。」

「良いけど、何かあったの?」

「ハッキリ言って、だいぶ面倒な事になった。気付いていなかったのか?」

「ちょっとそれどころじゃなくてね………はい、スイッチ。」

「サンキュー。」

 

リュークに渡されたスイッチで中継用魔水晶をつけたグレイ。すると映された闘技場には何やら妙な状況が起きていた。

 

==========

 

リュークとルーシィがポラリスと話をしていた間、大魔闘演武は4日目のバトルパート、2対2で行われる"タッグバトル"が繰り広げられた。

 

第一試合、青い天馬の一夜、ウサギvs四つ首の仔犬のバッカス、ロッカー。最初は四つ首の仔犬側が攻め立て青い天馬側を追い詰めた。すると青いウサギの着ぐるみだったウサギがその正体を現すのだがその正体がまさかまさかの一夜と瓜二つの濃い顔をした、翼の生えたネコ。その正体は元々エドラスでエクシードの軍隊長を務めていたニチヤであった。

アースランドに移住してからそれぞれの新生活を始めたエドラス出身のエクシード達だが、その中でニチヤは同じ顔の一夜と運命的な出会いを果たし青い天馬に加入。しかしエクシードはごく一部を除いて戦闘力はそんな高くなく、正体を明かして早々に撃破されてしまった。だがここで一夜が奮起、とびきりの"キメ顔"と共にバッカスとロッカーをまとめて蹴散らし大逆転勝利を収めた。

 

第二試合は蛇姫の鱗のリオン、ユウカvs人魚の踵のカグラ、ミリアーナ。両陣営共にエースと、相手の魔法を無効化する魔法の使い手のペア同士の対決。展開は全くの互角で、互いに一歩も譲らないまま制限時間の30分一杯激闘を繰り広げ勝敗付かずの引き分けに終わった。

 

そして第三試合の妖精の尻尾vs剣咬の虎。この試合は妖精の尻尾からはナツとガジル、剣咬の虎からはスティングとローグ、4人の滅竜魔導士による試合が予告されており観客が最も注目するカードのハズだった。だがいざ両陣営の選手が入場すると観客が一気にざわつき始めた。その理由は、剣咬の虎側の選手が1人多かったからである。

 

「ちょっと待つカボ!!3人で出るのはルール違反で………」

「失礼。」

「カボ!?」

 

大魔闘演武のマスコット、マトー君が駆け寄り事情を聞こうとした。だがそこで剣咬の虎の3人目………リネンがマトー君からマイクを取ると話し始めた。

 

「ルール違反は承知です。その上でのお願い………そして、"果たし状"です。」

 

一呼吸置いてリネンは告げた。

 

「妖精の尻尾、"青燎"、リューク・ソラネル!!貴様の卑劣な乱入により我ら剣咬の虎の名に不要な"疵"がついた!!その"疵"を、"汚名"を雪ぐべく、貴様には再び我らと戦って貰う!!更なる卑怯者の誹りを受けたくなくば、闘技場に出て我らと戦え!!」

 

==========

 

「ハァーーー……………めンンンどくさっ!!」

 

今世紀最大レベルのため息の後に叫んだリューク。

 

「お前が撒いた種だろ。」

「そう言われるとそうだけども………」

 

グレイの指摘に面倒くさそうな生返事で返しながら頭をかいたリューク。

 

「あーあ。誰だよ発案者………」

「そんなに嫌か?」

滅竜魔導士(てんてき)まみれのど真ん中にわざわざ飛び込みたい奴はいないよ。」

 

彼は再度ため息をついてから目に見えた地雷を前に、嫌々と立ち上がって支度を始めた。

 

「気が乗らないが仕方ない。行って………」

「父さん。」

 

出発しようとしたリューク。するとポラリスも立ち上がり、リュークの正面まで歩いた。

 

「今までは色々あったからちゃんと言えなかったけど………今なら面と向かって、堂々と、ハッキリと言える。」

 

するとポラリスはニコッと笑いながら上目遣いでリュークに言い放った。

 

「頑張って、父さん!!カッコいい姿、期待してるね!!」

 

そしてポラリスは目を細め、満面の笑みをリュークに向けた。

 

==========

 

《皆様、大変長らくお待たせしました。協議の結果………リネン選手の乱入、並びにリューク選手の参加を認めます!!妖精の尻尾vs剣咬の虎は特例として、3対3のトリプルバトルとして実施いたします!!》

 

この特例に対し、観客の殆どは許容している様子で大歓声が巻き起こった。

 

《そしてこちらも準備ができたようです!!剣咬の虎からの"果たし状"に応じ、午前中の因縁に決着がつくのか!?リューク選手の入場です!!》

 

闘技場入りしたリュークを、更なる歓声が出迎えた。

 

「………盛り上がれば何でもいいのね。しかし初日のアウェーな空気とは随分変わったなぁ。」

 

どこか他人事のようにつぶやきながら闘技場の中央へ向かったリューク。

 

「おっ。」

「ようやく来たか。」

 

リュークを出迎えたのは味方のナツとガジル。

 

「言っとくがあいつらまとめてぶっ飛ばすのは俺だからな!!邪魔すんなよ!?」

「ギヒッ、寝言は寝て言いな。あいつら全員、俺様の獲物だ。」

「……………。」

 

珍しく無反応のリュークはナツとガジルをすり抜け、剣咬の虎の3人が待ち構える中央部へと歩を進めた。

 

「おいどうし………ガッ!?」

「何やって………な、なんだコレ!?」

 

そのリュークを止めようと腕を伸ばしたナツとガジルだが、突如現れた"何か"によって伸ばした腕が阻まれた。その"何か"はすぐに正体が判明するが、それは全員を驚愕させるものだった。

 

「"術式"!?」

「っ!!ルールは………!!」

「"試合開始から10分経過、または術者が戦闘不能になるまで人の通行を禁ずる"………おいリューク、これはどういう事だ!?」

 

ナツとガジルを"術式"によって"閉め出した"リューク。その意図を察する事は簡単だが、"なぜ"そうしたのかはナツとガジルには分かりかねた。

 

「心配はいらないよ。おいしいところはそっちに渡すからさ。」

「そう言う事聞いてんじゃねぇ!!何のつもりでこんな事してんだって聞いてんだ!!」

 

ガジルの問いに、リュークは見返りながらニコリと笑い答えた。

 

「カッコつけないといけない、理由ができた。」

「「??」」

「ま、あれだ。君達があいつら倒すのに30分目一杯もいらないでしょ?じゃあ10分だけ、俺に好き勝手させてくれって話だ。それじゃ。」

 

再び前を向いたリュークは背後からの抗議の声を無視し、今度は対戦相手の方を真剣な面持ちで見据えた。そして相手の表情を確認すると目を鋭くして睨みつけた。

 

「さてと、お望み通り来てやったぞ。しかしルール違反をしてまで"わざわざ"呼び立てるとはね………さっき手も足も出なかった奴を"ついで"の"前座"扱いとは、最強ギルドの魔導士様方の考えは分からないもんだ。」

 

ため息と共にリュークの周囲に広がる霧。彼は"絆剣リベラシオン"に桃色の魔力を纏わせ目の前の霧を払うと鋒を正面に向けて構え、そしてスティング達のみに聞こえるよう声を落として言い放った。

 

滅竜魔導士(にせもの)の"戯れ"の、その"前座"に神竜王(ほんもの)を呼び立てた事………その選択が、その増長が、間違いじゃなかったと、せいぜい足掻く事だな。」

 

 

続く




ポラリスの情報はもう少し出してからまとめますが今のところの情報を踏まえていくつか補足です。

・もちもちほっぺは俺の血筋
(リュールを指差して)見てください。非戦闘時はただのぼんやりしたもちもちほっぺの珍獣様です。(某動物解説Youtuber風に)
ヒーローズのイラストを改めて見ても本当もちもちほっぺですよね。なんで子孫もそうやろなぁのノリです。

・混血種の成長速度問題
FEシリーズは竜族を中心に異種族が出て来て、更に少数ながら人間との混血もいるんですが成長速度は色んなパターンがあるんですよね………
列挙すると、

・パターンA:長命種と同じ成長速度
ニニアン・ニルス(烈火)など
・パターンB:最初は人間並みだが途中で成長が止まる
"印付き"の皆様(蒼炎・暁)
パターンC:人間より若干遅いがそんなに大きく変わらないタイプ
ンン(覚醒)など
・パターンD:人間と同じ成長速度
ロイ(封印、ただしニニアンが母親だった場合)

となると思います。
では今回出て来たポラリスはどうかと言うと、「D寄りのC」としています。なので"見た目の年齢はウェンディ、実年齢はルーシィ"くらいの塩梅にしています。何で人間成分強めになっているのかと言うと、次の項目です。

・ハートフィリアの遺伝子、強すぎ問題
あんなん勝てるわけねーだろ正直。ルーシィとレイラの母娘、その先祖のアンナとあそこまで瓜二つは強いなんてレベルじゃねーし。んでアンナの伴侶を知った時は「え、"その"遺伝子が負けるの!?」ってなりましたよ………
リュークはリュークで特殊な血なので、髪や瞳の色だとか能力面とかは辛うじて継承できていますが、少しでも竜族の血が薄かったら問答無用でルーシィの生き写しが生まれると思います。

あとルーシィ側の遺伝が強いと言う話から、ポラリスも将来いわゆる「ボンキュッボン」(最早死語かな?)は約束されてます。ウェンディに味方はいない。

次回は滅竜魔導士同士の対決、その前哨戦にリュークとリネンを出します。紋章士使い同士の対決、どこに差し込もうかと思った結果ここに差し込みました。原作のナツ・ガジルvsスティング・ローグの対決を無くす訳では無いのでそこはご心配無く。
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