クセが強そうな個性的なキャラが多くて面白そうと思いましたが、それよりも気になったのが彼らの服装、兵装ですね。今までのFEって基本中世ヨーロッパのそれが多かった(白夜王国とか東洋系の兵種も基本そこら辺の年代)ですが、今回の万紫千紅ってそれより昔の、古代ギリシャや古代ローマのそれに近いんですよね。
だから自分、万紫千紅は風花雪月より昔の話だと思うんですが、どうなんですかね。ナバテアとアガルタの戦いで文明が一巡してる可能性も捨てられないですけども………
そこらの情報は今夜(2026/08/04)のFEダイレクトに期待ですね!!
それと、万紫千紅をプレイして色々と把握できたら、万紫千紅のキャラを紋章士に落とし込んで冥府の門編以降で出したいな、と予告します。
ルーシィとユキノの救出には成功したものの王国の地下、奈落宮に落とされた上にそこの番人である餓狼騎士団の襲撃を受けた一行。餓狼騎士団の攻撃を凌いだ一行だが、その余波で天井が崩れ、その影響で一行は散り散りになってしまった。その中でルーシィはユキノに加え非戦闘員のハッピー、シャルルに重傷のアルカディオスと共にいた。彼女らの相手は漁師のような出で立ちの、どこか間の抜けた顔の男。
「お前達の相手は、この処刑人ウオスケだぞー。」
「………素敵な名前ね。」
「こんなの、魔法無くても勝てるんじゃないの?」
「そんな事言ったら、怒っちゃうぞー。」
口調も間が抜けているウオスケを見てルーシィは思わずガッツポーズ。
「雑魚っぽいわ、これは楽勝かも。」
だがその後ろでアルカディオスが青ざめた顔でルーシィの慢心を否定した。
「いかん………奴は処刑した者の骨すら残さぬと言う。」
「え?」
今度はルーシィの顔が青ざめたが、すぐに両手で頬を叩くと鍵と指輪を構えた。
「ユキノ、行ける!?」
「はい、お任せください!!」
「ハッピーとシャルルはその人をお願い!!」
「あいさー!!」
「任されたわ!!」
「よっし………行くわよ!!」
先に仕掛けたのはウオスケだった。
「"地形効果・重力
重力でルーシィ達を抑え込もうとしたウオスケ。対してユキノから反撃に出た。
「開け、天秤宮の扉、ライブラ!!」
召喚したのは重力を操る力を持つライブラ。
「重力効果を相殺!!」
「タイー!?」
「このまま畳み掛けます!!開け、双魚宮の扉、ピスケス!!」
自分の魔法が相殺され怯んだ隙にユキノは続けてピスケスを召喚。ピスケスは白と黒、2匹の雌雄一対の巨大な魚の星霊なのだが今回は"本気モード"、母親と青年の二人組の人間の姿での召喚となった。
「ママ、この姿の召喚って事は………」
「そうよボウヤ。本気の本気よ!!」
「お願いします!!」
「了解、ママ!!」
「私はママじゃありません。」
母子2人で1つの星霊なだけあって息の合ったコンビネーションでウオスケに詰め寄り、水を纏った格闘と銛で波状攻撃を仕掛けた。
「くそー、魚は海に帰るタイ!!"地形効果・渦潮
「「!!」」
渦潮を巻き起こしたウオスケ。するとピスケスは水中では人間の姿を保てない事が判明し、元の2匹の魚に戻ってしまった。
「よーし、これで反撃………あれ?」
反撃しようとしたウオスケ。しかし彼は気づいた、ルーシィの姿が消えている事に。
「もう1人、どこに行ったタイ………?」
「やっぱり、自分の足下は地形効果の影響が無いわね………」
「まさか………!!」
ルーシィの声がしたのはウオスケの真下。
「"スピカ・ステップコンボ"!!」
声のした直後、メイド服姿のルーシィが地面から飛び出しながらのアッパー、続けて回し蹴りをお見舞いするとウオスケが反撃する前に地面に潜りユキノの隣まで戻った。
「よっと!!」
「ルーシィ様、それが………」
「そう、これが"
「星霊にこんな力が………考えもしなかったです、ルーシィ様。」
自分の思いつかなかった力を見て、素直に感心したユキノ。そこにハッピーとシャルルが釘を差した。
「ユキノ、あまり褒めすぎないでね?」
「浮かれて調子に乗るから程々にしなさい。」
「あんたら、あたしの事を何だと………」
不平を言いながら再度構えたルーシィ。
「この勢いで一気に行こう!!」
しかし、王国に楯突いた者を何人も処刑した餓狼騎士団がこのままなはずも無かった。
「"地形効果・溶岩
次の瞬間、ルーシィ達の足元が崩れた。
「「きゃっ!!」」
「ユキノ!!ルーシィ!!」
下を見れば赤く煮え滾った溶岩。落ちればまず助からない赤い沼を前に、ユキノは崖となった地面に捕まった。
「しまっ………」
「ルーシィ様!!」
しかしルーシィは地面を掴み損ね、マグマへと落ちた。
「「ルーシィ!!」」
すかさずハッピーとシャルルが救出に飛び込もうとした。
「"地形効果・重力
しかしウオスケは重力でハッピーとシャルルを地面に抑えつけ救出は阻まれた。
「(こんな、ところで………!!)」
咄嗟の判断が間に合わず、マグマに落ちようとしていたルーシィ。
「させるものかァァァ!!」
だがルーシィが落ちる寸前、マグマが水であるかのようにアルカディオスが飛び込み、ルーシィを受け止めたのだ。
「あんた、何を………!?」
「君を、君達を失う訳にはいかないのだ………!!」
「………え?人間って溶岩の中入れたっけ?」
ウオスケの驚きも尤も、普通の人間が溶岩水泳に耐えられるはずも無いがアルカディオスは執念でルーシィが溶岩に落ちないよう支えたのだった。
「君達がいなくては"エクリプス"は起動しない………」
「そんな理由で………!!」
「そのためなら私は、この命など少しも惜しくは無い!!」
「………!!」
「うっ、ぐぐ………!!」
アルカディオスの叫びに、ルーシィは思考を切り替えた。
「(このままじゃダメ、打開策は………!!)」
思考をフル回転させ、ルーシィは1つの結論に辿り着いた。
「5秒耐えて!!」
「ぐ、ぐぐ………!!」
「未完成だったけど、やるしかない………!!」
そう呟き、ルーシィは指輪を、"炎の紋章"を掲げた。するとアルカディオスの力が尽き、マグマに完全に沈みそうになったその寸前に"炎の紋章"が眩く光った。
「タイ!?」
「ルーシィ様………アルカディオス様………!!」
光が収まったその瞬間。マグマから土柱が突き出しルーシィとアルカディオスを上空へと打ち上げた。そして打ち上げられたルーシィはアルカディオスをキャッチすると安全な地面にふわりと着地。
『………ありがとう。おかげで助かったし、少しだけものにできた。』
アルカディオスを地面に寝かせたルーシィ。先程までと違ったのは、メイド服のデザインが変わった事、そして自身と新たに手にした変わった形の斧に、青い炎のようなオーラをまとわせていた事である。
『"エンゲージ・ミックス"………
"エンゲージ・ミックス"。それは星霊の"星霊衣"に紋章士の"エンゲージ"を合わせたルーシィの新技である。魔力消費は今までの比ではなく安定しないので未完成だったのだがこの土壇場で完成させたのだった。
「よく分かんないけど、もう一回溶岩に沈むがいいタイー、"地形効果・溶岩
再びルーシィの足元を溶岩にして突き落とそうとしたウオスケ。だが今度のルーシィは慌てなかった。
『知ってるかしら。』
「?」
『地形の奪い合いは、後攻有利なのよ!!』
次の瞬間。溶岩になりかけたルーシィの足元が一瞬にして冷え切り、結氷した。
「タイー!?」
『"竜脈・迅"。あんたの地形効果は、あたしの"竜脈"で上書きできる。』
「何をー!!"地形効果・溶岩
『"竜脈・癒"。』
「"地形効果・渦潮
『"竜脈・緑"!!』
ウオスケの地形効果を、ルーシィは紋章士カミラの"竜脈"で上書きして封じていた。
「このー!!だったら、"地形効果・重力
『!!』
「潰れるがいいタイ!!」
『………ご生憎様。』
今度は重力で押し潰してルーシィの動きを封じようとしたウオスケ。しかしルーシィは潰される前にバルゴの力で地面に潜ってやり過ごした。
「キーッ、イライラするタイ!!こうなったら溶岩で炙り焼きに………」
「私をお忘れではありませんか?」
「!!」
「今です、ピスケス!!」
「水が無いって事は、ママ。」
「そうよボウヤ!!反撃の時間よ!!」
ルーシィとの地形の奪い合いに集中している間にフリーになったユキノがピスケスで攻撃を仕掛けた。
『ユキノ!!』
「!?ルーシィ様、今どこに………」
『上よ!!』
その間にルーシィは地面を伝って天井の、ウオスケの真上まで到達。
『ライブラの重力をあたしにかけて!!』
「ルーシィ様に!?………分かりました、ライブラ!!」
「はっ!!」
「対象の重力を変化!!」
「了解。」
『ぐっ………!!』
ライブラの力で重力を付与されたルーシィは高速落下。
『乙女と天秤の力を、この一撃に………!!』
落下しながらルーシィはエンゲージ武器の"ボルトアクス"に雷と炎を纏わせた。
『"アストライア・スマッシュ"!!』
「タイ〜〜〜!!」
カミラのエンゲージ技"暗夜爆砕陣"に重力を乗せ、ルーシィは強烈な一撃を振り下ろしたのだった。
==========
一方その頃、リューク達。
「行きなさい、幻想の執行官達。不遜なる咎人を貫き、食らい殺しなさい。」
餓狼騎士団の幻獣使い、ミストラルが数種類の計10体程の幻獣をリューク、ポラリス、リネンにけしかけた。
「"神霧の竜鱗"!!」
だがリュークが鱗状の霧の盾を重ねて展開し、防壁として並べて幻獣の突撃を阻止。
「"神器錬成、英雄の魔道"………"魔笛ギャラルホルン"!!」
その間にポラリスは"神器錬成"でメガホンのような神器を生成。そこから放たれたのは魔力の籠もった音波。
「双聖器の力を食らえ!!"神器錬成、聖魔の弓"、"ニーズヘッグ"!!」
ポラリスの音波攻撃で幻獣が大ダメージで怯んだ隙に、リュークは"ニーズヘッグ"の弓を構え、"神霧の竜鱗"の隙間から"必的"の一撃を放ち次々と射ち落とした。
「ふふ、執行官はまだまだいますよ。どこまで保ちますかね?」
しかしミストラルは余裕な表情を崩さず本のページをめくると第2陣の幻獣の群れを出し、リューク達に向かわせた。
「幻獣、と言うが所詮は魔物。双聖器なら楽に射ち抜ける、筈なんだけど………!!」
再び"ニーズヘッグ"の弓を構え、矢継ぎ早に射ちかけたリューク。しかし今度は命中させるも仕留めきれず、数体が防壁を越えリュークに迫った。
「させるもんか!!"神竜の鉤爪"!!」
「助かった!!しかし、やはりか………」
「やはり、って?」
リネンの問いに、リュークは"ニーズヘッグ"を戻しながら答えた。
「どうもあいつの魔法、普通の召喚魔法とは違う。」
「その根拠は?」
「双聖器………聖魔の世界の神器の何よりの特長は、魔性に特攻を持つ事にある。だが今の"ニーズヘッグ"の射撃も、さっきの"ウィドフニル"の刺突も手応えが微妙だった。なんと言うか、"ズレてた"。」
「だから私は控えててって話だったんだ。」
「うん。さて、あれの正体はなんだろうか………」
「"ズレてた"………ってなると、リーフの"急所ずらし"で逸らされている感じ?」
「………近いかな。」
「作戦会議を行うのは構いませんが、私は待ちませんよ?」
目の前で作戦会議をするリューク達に、ミストラルは再びページをめくり更に多くの幻獣を出した。
「我慢ならない、私も出るよ!!アシュ!!」
今度はリネンが前に出ると紋章士アシュを顕現し、"化身化"を行った。
『ここは通しません!!』
紋章士アシュのスキル"防壁"で幻獣達の進軍を阻止したリネン。そこに、ポラリスが前に出た。
「
エンゲージ武器の"封印の剣"に火炎を纏わせ、幻獣の群れに大振りを繰り出したポラリス。すると幻獣の群れは炎上した上に炎の壁が生み出された。
「まだまだ、いくらでも執行官は創り出せ………っっっ!?」
再度ページをめくろうとしたその時。落雷がミストラルの本に命中し黒焦げにした。
「命中!!」
『当然だろ?この僕を呼び出しておいて外すなんて認めないよ。』
炎の壁で身を隠しつつ"サンダーストーム"で狙撃したリューク。命中率の低さは紋章士タクミの顕現と彼のスキル"凶鳥の一撃"で補ったのだった。
「(………さて、どう出る?)」
「………フフッ。」
「(………ハズレか。)」
『(本が魔法の要、という訳では無さそうだ。)』
相手の本が星霊魔導士の鍵に当たるものだと推測し、本を"サンダーストーム"の遠雷で焼いたリューク。しかしミストラルの余裕そうな笑みを見てその推測が外れたと判断し再びの観察に移った。
「新たなる執行官よ。火を薙ぎ、炎を越え、咎人の喉笛を掻き切りなさい。」
空で本をめくる動作を取ったミストラル。すると先程までと同じ種類の幻獣が10体程現れたのだがポラリスが繰り出した"獅子紅蓮焔舞"の炎に突っ込むと先程と違い燃えずに突っ切って来たのだった。
『っ………やあっ!!』
炎を突っ切った先にいたポラリスは"封印の剣"を逆手に持ち、カウンター気味で応戦。だが幻獣は複数で一気に攻めかかり、ポラリスは捌ききれずにいた。
『子供相手に集中攻撃は、大人気ないんじゃないかな!?』
だがそこは紋章士ベルベットに切り替えたリネンが飛び蹴りを繰り出して敵の進軍を崩し、2人で撃破し切ったのだった。
『ありがとうございます!!』
『気にしないで!!それよりリュークさん、何か分かった!?』
「………うん、大体の仕組みは分かった。」
リュークの推理を聞こうとポラリスとリネンは顔を向けた。
「最初は本を媒介とした召喚魔法だと思っていたけど………あれは違うな。あれは魔物………というよりは
『………何でそう思ったの?』
「本を失っても、ページをめくる動作をしていた。あれが造形魔法の動作に見えたんだ。」
氷の造形魔導士グレイ、リオンの両手を合わせる動作や、記憶の造形魔導士ルーファスの指をこめかみに当てる動作。リュークは敵の動作にそれとの共通点を見出すとそこから推理が繋がった。
「そう考えると今までの違和感………魔物なのに特攻が効かない事も、同じ姿でも耐性が変わるのも、妙に脆かったのも納得ができる。あいつの魔法は記憶………いや、"記録"か?そこから魔物を引っ張り出して、都合の良い合成獣に造り変える魔法だ。」
リュークの推理を聞いていたミストラルは再度、余裕の微笑をした。
「………中々の洞察力をお持ちなのですね。ですが………」
再びミストラルが本をめくる動作を取ると、次々と幻獣が彼女の周りに現れた。その数はおよそ50体。
「私の"
「………果たして、そうかな?」
リュークはニヤリと笑い、"炎の紋章"を掲げた。
「
リュークは自身を紋章士エフラムと"エンゲージ"し、ポラリスを紋章士エイリークに上書きした。そしてリュークとポラリスはそれぞれエンゲージ武器の槍"ジークムント"と剣"ジークリンデ"を手に取った。
「………察するに、魔物に強い武器を手にしているようだけど。私の"執行官"には効かないのでは無くて?」
『ああ。お前の造り出す魔物は、いわば"改造"されているから魔性特攻が入らない。』
「ならばそのまま数多の"執行官"に蹂躙されると………」
『ならば、"あるべき姿"に戻せば良い。』
「………!?」
『さぁ、ショーの始まりだ!!』
リュークが"ジークムント"を天に掲げた次の瞬間。
『♪〜………』
一羽の白鷺が歌い始め、旋律が周囲に鳴り響いた。するとミストラルの造り出した幻獣達が一斉に痙攣のように震えだした。
「な、これは………!?」
『"再生の
リュークはポラリスと目を合わせ、頷くと魔獣の群れに突撃。
『これで魔性特攻が通るようになった!!』
『魔王を討ち果たしたこの力、受けるが良い!!』
本来の姿に戻った事で魔性特性が戻った魔獣達。それは"ジークムント"、"ジークリンデ"の魔性特攻も入るようになった事となる。
『突破するぞ!!』
『こちらから!!』
改造による脆さこそ解消された魔獣達。だがそれを覆す程特攻威力は大きく、リュークとポラリスの親子は魔獣達を次々と倒していた。
「く………こうなったら、半数は前衛を食い止めながら、もう半数であの白い鳥を始末なさい!!」
ミストラルは"再生の呪歌"を歌う白鷺、つまりは紋章士リアーネと"化身化"したリネンに照準を絞った。しかしどうも魔獣達の動きが鈍い。
「!?なぜ、動かない………!?」
『そりゃあ制御も難しいはずだ………自分の生み出した姿からズレているんだから。』
「!!」
リューク達からすれば"再生の呪歌"は双聖器の魔性特攻を通す為に"戻す"行為だが、ミストラルからすればこれは"再改造"である。つまり、自分の造り出した形から離れた分ミストラルの制御もズレてしまい上手く動かせなくなったのだった。
『一気に撃破するよ!!』
『はい、父さん!!』
『『"ツインストライク"!!』』
隙だらけな魔獣をエンゲージ技で一気に蹴散らしたリュークとポラリス。するとリュークは、"再生の呪歌"を歌っているリネンの側に魔獣が現れたのを確認。
『させるか!!』
"ジークムント"を投擲してリネンへの攻撃を阻止。すると今度は徒手になったリュークの真後ろに巨大な影が現れた。
『父さん危ない!!』
「一つ目の巨人よ、その剛腕を以て上から叩き潰しなさい。」
現れた一つ目の巨人、サイクロプスがリュークに向かって巨大な斧を振り下ろした。だがその斧が奏でたのは肉と骨を断つ音ではなく、甲高い金属音。
『なめるなよ………!!』
『この隙に………せやあっ!!』
リュークは"神器錬成"で斧の双聖器"ガルム"を取り出しサイクロプスの攻撃を受け止めるとポラリスが跳び上がり、"ジークリンデ"で斬り裂いて撃破。
「ここまで出させるとは………!!魔王城の番人よ、咎人を阻み、誅しなさい!!」
更に重装に身を包んだ魔人が数体造り出されリュークとポラリスに迫った。だが今度はリュークが"紫煙騎兵団"で霧の飛竜とペガサスを生み出し、それに騎乗して空へと離脱。天井付近で旋回するとそこに紋章士リアーネから紋章士ティバーンに切り替えたリネンも合流。更に数回旋回すると一斉に急降下。
『『『"碧空トライアングルアタック"!!』』』
空から連携して空襲を仕掛ける天馬騎士の奥義、"トライアングルアタック"。それを模した連携攻撃により魔人をも撃破したリューク達。
「くっ………こうなれば、私の奥の手を見せる他ありませんね。」
本をめくる動作を取ったミストラル。すると地響きが辺りを襲った。
『『『………!!』』』
「奈落の最奥を守護せしは紅き焔の竜!!」
地響きと共に現れたのは5m程の赤いドラゴン。そのドラゴンはリューク達を視線に捉えると炎を上に吐いてからリューク達に向かって吼えた。
『『『………』』』
「恐怖でものも言えないご様子。ですが恥じる事はありません。"未知"を畏れるのは人として自然な事ですから………そしてそれを、伝承の存在となった未知なる者を造り出し、操り、咎人を追い詰めるのが私の務めなのですから。」
「………成程。確かに恐ろしい魔法だ。」
"エンゲージ"を解除したリューク。しかしその声にミストラルが期待していた恐怖は乗っていなかった。
「人の力を超える幻獣を容易く造り、攻略できる者に対しては改造して攻略し返す………相当な"創造力"、相手が俺じゃ無ければ、苦戦は必至だったな。」
だが、と続け、彼は前に出た。
「お前の敗因は2つだ。1つは、改造魔獣を無力化できる者がいた事。そしてもう1つは………」
十歩程前に出た彼は懐から"竜石"を出し、魔力を籠めると竜化。ミストラルが生み出した竜の倍の体躯となったリュークは、偽物の竜とその創造者を見下ろした。
「え………?」
『"想像力"が足りなかった事だ。』
==========
「コイツ〜、タイ!!」
「その語尾の使い方どうなのよ?」
「………はぁ、はぁ………」
プンスコ怒りながら立ち上がったウオスケを見て、ルーシィは肩で息をしていた。
「(やっぱり、まだ長続きしない。あと一押しだけど、そろそろキツいかも………)」
倒しきれないままエンゲージ・ミックス"が解除されてしまい、魔力も消費していたルーシィはここからどうしようかと考えていた時だった。
「ん?」
ミシ、という異音。その異音はルーシィ達が気にしだした頃には大きくなっていて、数秒後には壁に大きなヒビが入り崩れ落ちたのと同時に赤い竜が壁の向こうから飛び込んで来たのだった。
「えええっっっ!?」
飛び込んで来た赤い竜は地面に激突すると姿が消え、そこにはミストラルが倒れていた。続けて竜化したリュークが穴を通り抜けようとしたが穴が小さくて通れず、元の姿に戻って改めて穴を通った。
「いってぇ、頭打った………」
「あ、母さんも無事だ!!」
「ユキノも無事だ………良かった。」
しかし合流したのは味方だけではない。
「ミストラルかタイ!?」
「ウオスケ………でしたら、協力技と行きましょうか。」
ウオスケとミストラルも合流した事で連携攻撃を仕掛けて来た。
「"地形効果・渦潮
「九頭の水蛇よ、咎人を溶かし、喰らい尽くしなさい!!」
ウオスケが渦潮でリューク達の動きを止め、更にミストラルが九頭の水蛇、即ちヒュドラを造り出した。
「渦潮ヒュドラか………このままじゃマズいが、思い通りにはさせん!!」
このままでは渦潮に呑まれ動けない所をヒュドラの餌食になるのみ、だがリュークは既に対策を思いついていた。
「渦潮もヒュドラの攻撃と毒も、上に逃げれば全て問題無し!!ユキノ!!」
「了解しました!!ライブラ!!」
「はっ!!」
ライブラの重力操作で渦潮から脱出した一行。
「残り魔力少ないけど………!!水の操作ならこっちのもんよ!!開け、宝瓶宮の扉、アクエリアス!!」
「オラアッ!!」
続けてアクエリアスが水流を操作し、渦潮を相殺、更には逆回転させヒュドラの身動きを制限。
「2人が行けるなら3人もいけるはず!!
ここでリュークは"ツイン・エンゲージ"の応用でリューク、ルーシィ、ポラリスの3人を同時に"エンゲージ"。王となった紋章士エーデルガルト、紋章士ディミトリ、紋章士クロードをそれぞれリューク、ポラリス、ルーシィが"エンゲージ"し、ルーシィは紋章士ネサラと"化身化"したリネンに乗った。
『ヒュドラの真上まで来たよ!!』
『あたしもリネンも準備万端よ!!』
『ここで一気に畳み掛けるぞ!!』
「ふふ、わざわざ自分から食べられる為に真上に来るとは………ではお望み通り!!」
真上からヒュドラを倒そうとしているのに気づいたミストラルはヒュドラを上向かせ、九頭の水蛇は大口開けて待ち構えた。
『それを待っていた!!そんなに腹ペコなら思いっ切り膨らませてやる!!"猛火計"だ!!』
紋章士エーデルガルトの"計略"、"猛火計"を仕込んだ霧の兵隊を落としたリューク。ヒュドラはそれを丸呑みしたのだがその直後に口の中で大爆発を起こし大ダメージを与えた。
『今がチャンスだ、構え!!』
リューク、ポラリス、ルーシィはそれぞれエンゲージ武器の"アイムール"、"アラドヴァル"、"フェイルノート"を構えた。
『準備万端よ!!』
『いつでもいけるよ、父さん!!』
『なら………道を切り開く!!』
『そこをどいて!!』
『これで決まりよ!!』
リュークとポラリスは武器に魔力を籠めながら降下し、ルーシィは魔力の籠もった矢を乱れ撃ちした。
「対象の重力を変化!!」
更にライブラがリューク、ポラリス、ルーシィの放った矢に重力を与え何倍もの速さで急降下。
『『『"連花月風閃"!!』』』
"狂嵐"、"無惨"、"落星"、3人の戦技を合わせた紋章士エーデルガルトのエンゲージ技"連花月風閃"。"英雄の遺産"と呼ばれる竜特攻武器で繰り出された攻撃は造り物とは言え竜とも見られる伝説の九頭の水蛇を叩き潰した。
『(追撃をしなさい、リューク!!相手を逃さないで!!ディミトリもエスコートしてあげなさい!!)』
『了解です、エーデルガルト!!ポラリス、行くよ!!』
『(言われずとも、食らいついてでもついていくさ!!ポラリス、行けるね!!)』
『うん!!』
戦技"狂嵐"のおかげで後隙を無くしたリュークは直ぐ様追撃態勢に入るとポラリスを"引き寄せ"、追撃に出た。
『(逃がすなよ、ルーシィ!!)』
『分かってるわよ、クロード………ここ!!"囲いの矢"!!』
ルーシィが上空から逆さまで放ったのは相手の動きを封じる弓術の"戦技"。それでウオスケとミストラルの逃げ場を塞いだのだった。
『『『これで、終わりだ!!』』』
「………!!」
『『『"竜星・連花月風閃"!!』』』
「タイーーーっ!!」
「きゃあーーーっ!!」
リュークは"アイムール"に、ポラリスは"アラドヴァル"に神竜の力を付与して繰り出した合体魔法はウオスケとミストラルに直撃。父子の付与した力、そして親子の絆から"
「全滅、だと………?」
「全員無事そうで良かった。あとは………」
するとナツが餓狼騎士団の団長、カマに詰め寄った。
「出口の場所を教えないと、"処刑"だぞ?」
「………尋問はナツに任せようか。ポラリス、怪我は?」
「どこも怪我してないよ、父さん。」
「じゃあ俺と負傷者の手当を頼めるかな?」
「分かった!!」
==========
ナツの尋問により、出口の場所を知った一行はそれに従うと、城の食堂に出た。
「城の中か、周囲に敵は………いなさそうだな。少し休もう。」
食堂の床に、思い思いに腰掛けた一行。
「特にルーシィとユキノは大丈夫か?」
「あたしは問題無いわ。」
「私も大丈夫です。ですがアルカディオス様は………」
「………気遣い無用だ。」
餓狼騎士団による集中攻撃に加え、溶岩渡りまで敢行し重傷どころではないくらいに負傷していたアルカディオス。しかし彼の身に付けていた翡翠の宝石の護符のおかげか致命傷は免れていたので治療が間に合ったのだった。
「それならいいのだが………ん?」
ふと頭に違和感を感じ、手をやるとリュークの頭に一枚の白い羽が落ちていた。それを取って上を見ると、見覚えのある梟が一羽、急いで降りてきた。
「フェルト!!」
「ホーッ!!」
降りてきたのは未来ルーシィの捜索に出ていたフェルト。その過程で城の上空を飛んでいたところ、透視でリューク達を見つけたので合流したのだった。
「見つけたか?」
「ホホー………ホホ、ホーッ。」
リュークの問いに、首を横に振ったフェルト。だがその代わりに、一冊のメモ帳を出した。
「メモ帳………?名前も書いてあるけど、どこの言語かしら………?」
メモ帳を最初に取ったルーシィは、背表紙に書かれた名前を見た。しかし名前は彼女の知らない言語で書かれており、彼女は首を傾げた。だがその横にいたリュークは目を見開いた。
「………そう言う事か!!」
「え、なに?この………何語か分からないけど、誰かの名前?」
「………母さんの名前だよ。」
「ウソ!?筆跡も違うし、こんな言語知らないわよ!?」
「………そりゃあ教えてないからね。これはソラネルの民の古代語………紋章士リュールの出身地、エレオス大陸の言語だよ。フェルトには教えてたから見分けられたんだろうけど………ポラリスも知ってるみたいだね。」
「うん。未来の妖精の尻尾のメンバーなら皆読めたよ。父さんが暗号として教えたんだって聞いてる。」
「暗号を用いないといけないような状況だったって驚きはあるけど………それよりもこっちだ。」
ルーシィからメモ帳を受け取り、リュークはメモ帳を開いた。だが最初のページに殴り書きのように汚い字で書かれていたのは欲しかった情報では無かった。
「久しぶりに読むからな、ちょっと待てよ………"この文章が読まれているという事は、この手帳は今リュークの手に、そしてあたしはもう、恐らく"アイツ"に、やられちゃった後なのでしょう………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「………碌な手がかりも無いまま"エクリプス"を通って、挙句娘ともはぐれてしまった。あんたや皆の約束、何も守れなかったけど、せめて少しでも多くの手がかりを探して、ここに残します。」
ぽたり、とメモ帳に雫が落ちた。
「情けないお願いだけど。リューク、そして過去のあたし。もしあんた達の娘を名乗る女の子が現れたら………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「………その子を、あたし達の自慢の娘を、あたし達の代わりに守って欲しい。そしてその子と、あんた達の未来を、守って欲しい。"」
「……………。」
「母さん………母さん………!!」
ポロポロと涙が落ち始めたポラリス。そんなポラリスの頭に、ルーシィは優しく手を置いた。
「わっ………!!」
「諦めるのはまだ早いわよ。こう見えてあたしは結構強いのよ?」
「そーだぞ、意外とやるんだぜルーシィは。」
「メモ帳もうっかり落としただけかもしれないしね。」
「ふふっ。そうね、ルーシィならそれもあり得るわね。」
「あたしの事、一体何だと………でも、皆の言う通りよ。まだ未来のあたしが死んだって決まった訳じゃない。だから、まだ生きているって、信じましょ。」
「………うん。」
その間、リュークはメモ帳を手に仲間の輪から外れていた。すると解読中に紋章士マルスが顕現された。
『………本当にいいのか?』
「と、言いますと?」
『無闇に希望を抱かせる事にならないかい?』
「………読み進める程、希望が薄く、そして疑問が深まるのは事実です。」
解読の手を止めないまま、息をついたリューク。
「ですが今最悪なのは、彼女が絶望に呑まれて動けなくなる事です。」
『……………。』
「だから、今はこれが正解です。」
『それは"将"としての判断かい?』
「"親"としての判断です。」
『………そうか。野暮な事を聞いたね。』
紋章士マルスはそう言いながら、リュークの顔を覗き込んだ。
『………。』
「どうかしましたか?」
『いや。少し、ルミナに顔が似てきた気がしてね。』
「………そうですか。」
一息ついたリューク。
「………ところで。どこへ行くつもりだ、アルカディオス。」
「………姫のところだ。彼女を見て………姫に聞かねばならぬ事ができた。」
「1人で行くのは認められないな。まだ罪が解かれた訳じゃないからな、そんな状況でまた捕まったり処断されたりでもしたらこちらが困る。せめてユキノは連れて行け。」
「……………承知した。」
アルカディオスの言葉を聞き終えると、リュークは解読を終えメモ帳をしまった。
「(気になる事は多いが………"最悪"を想定するのも、挽回するのも、余裕ある
「リューク!!」
「!!」
「そろそろ行こうぜ。」
「ああ。フェルト、ナビゲーション頼めるか?」
「ホホッ!!」
「よし………行こうか!!」
続く
長くなった上に新要素も結構出したので後書きも長くなります。まずはオリジナルの敵から。
・ミストラル
眼鏡にセーラー服と、文学少女風の出で立ちの女性。普段はクロッカスの中央図書館で書庫番をしているがそれは表の顔で、本来は餓狼騎士団の書記官として裁いた罪人の罪状と刑罰を記録している。
見た目通りの読書家で、特に各地の伝承や伝説を記したものを好む。そこで得た知識と記憶力で、後述の魔法を駆使し奈落宮に落ちた罪人を裁いていた。
・"
ミストラルの魔法。各地の伝承に登場する幻獣を使役する召喚魔法………と見せかけてその実は幻獣を"造り出す"造形魔法の一種。
本来は"動"の"
幻獣に他の幻獣の特性を追加して造り出された事で弱点を変化、消失させたりできる上に伝承の姿からも外れるので魔性特攻も入らなくなるが、あるべき姿から離れる為に本来の姿と比べて脆いという弱点もある。更に、"再生の呪歌"のようなあるべき姿へと戻す術を使われると、改造を解除される上に自分が造り出した姿から変質してしまうので制御も効き辛くなるのでそのような魔法が弱点。
・エンゲージ・ミックス
文字通り、"星霊衣"と"エンゲージ"の合体魔法。100年クエスト編で登場した"
特性や強み、弱みは原作の"星霊衣合成"と大きな差は無いので割愛。
因みに最初がバルゴとカミラだったのは、ウオスケに刺さってたのもありますがそれ以上に中の人繋がりです。
・トライアングルアタック
本作では