FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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ー勝利条件ー
・全ての敵将の撃破
・評議会の役人の到着(200ターン経過)

ー敗北条件ー
・ルーシィの敗走
・ルーシィ以外の味方の内過半数の戦死


PLAYER PHASE
TURN 1


15章 マグノリア防衛戦

紋章士アルフォンスを顕現させたリューク。

 

『準備はいいかい?』

「もちろん!!"クラスチェンジ"、アクスナイト!!」

 

アクスナイトに"クラスチェンジ"したリュークは"ポールアクス"を手に魔導二輪に乗り、先陣切って幽鬼の支配者(ファントムロード)のマスター、ジョゼが生み出した"幽兵(シェイド)"に突撃した。

 

「せぇぇぇやぁぁぁっ!!」

 

魔導二輪を馬のように駆り、トップスピードで"ポールアクス"を横薙ぎに払うと先頭にいた幽兵を3体纏めて薙ぎ払って撃破。 

 

「!!」

『させないよ!!』

「ありがとうございます!!そこっ!!」

 

するとリュークの死角から幽兵が剣で斬りかかるが紋章士アルフォンスが"グリトニル"の斧で受け止め、その隙に体勢を立て直したリュークが"ポールアクス"の先端で突き倒した。

 

『ここで離脱!!』

「はい!!」

 

そこから深追いせず、リュークは味方の所まで後退すると"ポールアクス"を地面に叩き付けた。するとリュークの周囲の土が盛り上がって味方を守る防柵のように形成された。

 

「今のを見たね!?攻撃力はともかく、防御力はそんなに無い!!落ち着いて戦えば大した敵じゃないから怖気づく必要も、無い!!」

「そ、そうだよな。あの程度の奴なんか楽勝だ!!」

「力が湧いてきた………行くぞ!!」

「こんな奴等にギルドを取らせないよ!!皆、行くぞ!!」

 

士気が上がり、喚声を上げ幽兵に立ち向かい始めた妖精の尻尾の魔導士達。だが上がっているのは士気だけではない。

 

「"大器"で味方の能力を上げ続け、"野戦築城"でこちらの場を整える………この使い方でいいですかね、アルフォンス?」

『僕がリュークでも、紋章士としての僕はこう使うね。』

 

敵を倒したり活躍すればする程自分と味方の能力を上げる"大器"、そして行動を一段落つける度に味方の防御を上げる土柱を形成する"野戦築城"。この2人のスキルを活用し、活躍すればする程味方を強化するのが紋章士アルフォンスの特長である。

 

「さて………ナツ!!」

「おう!!」

「"ジュピター"の破壊は君に任せる!!ハッピーと一緒に乗り込んでくれ!!」

「任せろ!!ついでにジョゼもぶっ飛ばしてくる!!」

「リューク、俺達も行くぜ!!」

「グレイにエルフマン、了解!!次はアルザックとビスカ!!別働隊となって向こうのギルドの中にいるファントムの魔導士を狙撃できる!?」

「任せろ!!」

「任せて!!」

「リーダスは護衛兼2人の足を頼む!!位置を特定されないよう気を付けて!!」

「ウィ!!」

「後はウォーレン!!」

「俺か!?」

「フェルトの"視覚共有"はお前に繋いで貰う、何か気付いたりフェルトから報告があれば逐次"念話"で共有!!」

「了解だ………だがお前みたいに"念話"と"視覚共有"を両立しながら戦えないからな、そこは頼むぞ!!」

「マカオ、ワカバ!!ウォーレンの護衛は任せる!!」

「おっ、いいのかそんな楽な仕事貰って?」

「暴れるつもりだったがしゃあねぇ、やってやるよ!!」

「残りは引き続き幽兵の対処!!カナ、ロキ、俺に何かあった時は指揮を頼むよ!!」

「縁起でもない事を言うんじゃ無いよ!!」

「その通りだよ………だけど、了解した。」

「幽兵の本隊が来るぞ!!総員、かかれーーーっ!!」

 

素早く指示を飛ばしたリュークは、直ぐ様幽兵の群れに突撃をしかけようとした。だがその時に後ろから声がかかった。

 

「リューク、あたしは!?」

「ルーシィ。」

「あたしも戦わせてよ!!」

「ダメだ。」

「何で!?あたしのせいでこうなってるのに………!!」

「君がこの戦いにおける"王将(キング)"だからだ。」

「キング………?」

 

すると紋章士アルフォンスが続けた。

 

『チェスにおけるキング、東洋の将棋における王将………どちらも共通して、どれだけ有利に進めても"取られたら負け"という役割があるけど、今の君もそうだ。』

「取られたら、負け………」

「たとえ俺達がエレメント4、鉄竜のガジル、マスターのジョゼを全員無傷で倒せたとしても、その前にルーシィが俺達の手の届かない所まで連れてかれたら俺達の負け。当然、この戦いで君が命を落としても負けだ。」

『逆に、厳しい事を言うけれど………リュークが死のうが他の誰かが死のうが、ギルドを運営できるだけの人数が残ってかつ君が生きてここに立っていたら、それはこのギルドの勝ちなんだ。』

「そんな………簡単に死ぬだなんて言わないでよ!!」

「死ぬつもりが無くても死ぬのが戦争だよ。そして今この場ではルーシィの命が一番重く、それと比べたら俺の命なんて軽いって事だ。」

「…………。」

 

するとリュークはルーシィに笑いかけた。

 

「大丈夫だよ。さっきも言った通り、俺に任せろって。ミラ、ルーシィの側にいてくれないか?」

「任せて。」

「それじゃ………アルフォンス、行きましょう。」

『ああ。』

「大丈夫よルーシィ。リュークも皆も強い、簡単に死なないわ。一度下がりましょ。」

「………うん。」

 

ミラに連れられてギルドに下がったルーシィを見て、リュークは再び魔導二輪を駆り前線に戻った。

 

「出し惜しみは無しだ………"エムブレム・エンゲージ"!!」

 

紋章士アルフォンスと"エンゲージ"したリュークはマントをたなびかせながら魔導二輪で味方や"野戦築城"で築いた土柱の間を縫って前進、エンゲージ武器である"フォルクヴァング"の剣を出した。

 

『そこだっ!!』

 

右に左に"フォルクヴァング"を払い、次々と幽兵を撃破するリューク。だが幽兵は一向に減る気配は見せなかった。

 

『ぐっ………!!』

 

剣を持った幽兵の斬撃を数発受けたリューク。だがリュークは顔をしかめるだけで怯まず安定したハンドリングで魔導二輪を駆ると"フォルクヴァング"に光を纏わせた。

 

『俺は負けない………"開世"!!』

 

エンゲージスキルの奥義、"開世"。防御力を攻撃力に変換し、更に与えたダメージに応じて自らを回復する奥義で薙ぎ払った。すると幽兵の一部がリュークを脅威と見たのか、20体以上の幽兵が一斉にリュークへと襲い掛かった。

 

『邪魔だなぁ、通して貰うよ。』

 

リュークは一度後退してから武器を"フォルクヴァング"から"グリトニル"に持ち変えると最高速度で幽兵の壁に突っ込んだ。

 

『"王器開放"!!切り開いて見せる!!』

 

味方に与えた"大器"を上乗せしたエンゲージ技、"王器開放"。その渾身の一振りは大地もろとも壁となって押し寄せて来た幽兵の群れを一掃、巻き上げた大地は土柱となって味方有利な地形を広げた。

 

『ふぅ………』

 

綺麗になった周囲を見回してから湖の向こうにある"ジュピター"の砲台を見たリュークはウォーレンを呼んだ。

 

『ウォーレン!!』

《どうした!?》

『"ジュピター"を破壊しに行ったナツ達の状況を確認してくれ!!』

《ナツは砲台の制御室で敵幹部らしき敵と交戦中、だがちょっと苦戦気味のようだ!!グレイとエルフマンはたった今湖を越えて乗り込んだところだ!!》

『ありがとう………残り5分ちょっとか。』

 

無尽蔵に迫り来る幽兵との戦闘の間に次の"ジュピター"発射まで5分となった事に気付いたリューク。

 

「"大器"をここまで重ねたなら何とか受け入れるか。最悪、"奥の手"を使えば………」

『………。』

「………いや、ここはナツを信じよう。引き続き頼みますよ、アルフォンス。」

『そうだね。この兵士が敵大将の魔力でできているのなら有限なはず、可能な限り削ろう。』

 

時間切れで"エンゲージ"が解けるも紋章士アルフォンスとの"シンクロ"を継続したリュークは幽兵を可能な限り倒し続けた。そして"ジュピター"発射まで残り1分。

 

「エネルギーが砲身に溜まって来た………!!」

「ナツはまだか!?」

「大丈夫だ!!ナツならやる、あいつを信じろ!!」

 

刻一刻と迫るタイムリミット。そして残り10秒。

 

「(間に合わないか………やはり"奥の手"か………!!)」

 

とリュークが懐に手を伸ばしたその瞬間。ドカン、という破壊音と共に"ジュピター"の砲台が音を立てて崩れ始め、大きな水飛沫をあげながら湖に沈んでいったのであった。

 

「間に合ったか………!!」

『そのようだね。』

「よっしゃあ!!"ジュピター"が壊れたぞ!!」

「よくやったぞナツ!!」

「これで恐れるものは何もない!!一気に行くよ!!」

 

最大の懸念だった"ジュピター"を破壊し、勢いづく妖精の尻尾。だが脅威は1つでは無かった。

 

「えっ!?」

「立ち上がった!?」

「今度は何だ!?」

 

突然立ち上がった幽鬼の支配者のギルド。すると六足の移動式ギルドは機械音を立てて変形し、やがて巨大な黒鉄の巨人へと変貌した。

 

「な、何よアレ………冗談じゃないわよ。」

「巨人………」

「っっ!!止まるな!!まずは目の前の幽兵の処理だ!!」

 

魔導で動く黒鉄の巨人、その名も超魔導巨人ファントムMk(マーク)Ⅱを前に勢いが止まる妖精の尻尾を見て檄を飛ばしたリューク。だが絶望はこれで終わらなかった。

 

「右手が動き………何かを描いてる?」

「文字………!?」

「魔法陣だ!!」

「「「何ぃっ!?」」」

 

ファントムMkⅡは右手で魔法陣を描き始めたのだった。そして新たな問題はその魔法陣だった。

 

「この魔法陣………"煉獄破砕(アビスブレイク)"!?」

「禁忌魔法だと!?しかもこのサイズはマズイ!!カルディア大聖堂辺りまで消滅するぞ!!」

『………ここまで形振り構わないとは。』

「………ルーシィがここにいてもお構い無しか!!」

 

"ジュピター"を超え得る脅威を前にリュークは思考を巡らせた。

 

「(どうする、あの右手を斬り落とすか!?だが………竜や神を斬る術はあっても、機械の巨人を斬り落とせる武器は何だ………!?)」

『(機械特攻………心当たりはあるけど、今"リュークの手元にはいない"………!!)』

「(となると力で押し通るしか無いか………!!それか、"煉獄破砕"、確か、四元素魔法全てを使った禁忌の破壊魔法………四、元素?)」

 

四元素、そこでリュークは思い付いた。

 

(フォー)元素(エレメント)………そういう事か、エレメント4!!」

『エレメント4、敵の幹部4人衆の名前だね。彼らを倒せば、あるいは………!!』

「………いい事を聞いた。」

「エルザ!?」

 

リュークが振り返ると、そこにはエルザがいた。傷は癒えたとは言えず、僅かにフラフラしているが闘志の籠もった目は前を見ていた。

 

「まだ無理をするような段階じゃない!!」

「そんな事言っている場合じゃない………いつまでも寝ている訳にはいかん!!」

「………。」

 

言っても聞かないと悟ったリュークはため息をつきながら"リライブ"の杖をエルザに使った。

 

「………カナ、ロキ、ここを任せてもいいか?」

「ああ、ここは任せな!!」

「エレメント4の撃破と、エルザを頼むよ。」

「よし………じゃあ行くか。」

 

と、リュークはエルザと共に目の前の巨人に乗り込もうとした。

 

「待って!!」

「ミラ………?」

 

息を切らして走って来たミラに首を傾げたリューク。そこでミラから聞かされたのは衝撃の事実だった。

 

「はぁ、はぁ………ごめんなさい!!」

「何があった!?」

「エルザを止めようとした、その間に………ルーシィがいなくなったの!!」

「はあーーーっ!?」

『な………何だって!?』

 

ミラがエルザに気を取られて目を離したその隙にルーシィが失踪した事を聞かされたリュークは思わず口が悪くなった。

 

「あんの、馬鹿がッ!!あのお転婆姫は何考えてやがる!!」

『落ち着こう、リューク。戦場に想定外は付き物だって知らない訳でも無いだろう?』

「落ち着けるものか!!想定外にも限度はある!!」

『"怒りに振り回されてはならん"………じゃなかった?』

「ッッッ………!!」

 

怒りで鼻息も荒くなっていたリュークだが紋章士アルフォンスの言葉で深呼吸をとった。

 

『落ち着いたかい?』

「………エルザがいつの間にかいなくなっているのに気づくくらいには。」

 

少しだけ落ち着いたリュークは再び思考を巡らせた。

 

「脱走の理由は分かるし目的地も分かる、問題はどのルートで向かっているかだ………右か左か、フェルトに確認して貰いたいがウォーレンに負担がかかるし味方の士気にも関わる………二択を当てるしか無いのか………!!」

『ならどうする?』

「左。ついでにあの巨人の右手を斬り落とす。」

『了解した、すぐに向かおう。』

「こっち側通ってくれよ、ルーシィ………!!」

 

魔導二輪に乗り、リュークはルーシィを探しつつ左から巨人へと回り込んだ。

 

==========

 

「よし………あと少しで、足下まで………」

 

その頃、ルーシィはギルドから"右"に回り巨人の足下を目指していた。

 

「(やっぱり、見てるだけなんてできない。それに………)」

 

見ているだけにどうしても納得できなかったルーシィはミラの目を盗んでギルドを飛び出したのだった。そんなルーシィは水辺までたどり着くと木の裏にもたれ掛かり、身に付けていた首飾りを胸元から取り出した。

 

「(ママから貰ったこの首飾り………これに付いてる指輪………リュークがエルザに渡したあの指輪と"全く同じ"だった。)」

 

紋章士ロイを"シンクロ"させる為にリュークがエルザに渡した"写しの指輪"。その"写しの指輪"と、ルーシィの首飾りに付けられた指輪が酷似………というよりほぼ一致していたのだ。

 

「(何でリュークの指輪をママが持っていたのかは全く分からない………でも、もしあの指輪と同じなら、あの水の拘束を解いた氷も説明がつく。だから………鍵を無くした今のあたしでも、戦える。)」

 

ルーシィは現在、ジュビアとソルに襲われた際に星霊の鍵を落としており、戦力はほぼ持っていないに等しい。だが自身の持っている指輪と、襲撃時の出来事を合わせて紋章士という戦う手段が残されているのを確信してルーシィは一人戦場に向かおうとしたのだった。

 

「どこへ行くんだ?散歩か?」

「へ?」

 

不意に声をかけられ振り向いたルーシィ。その瞬間、鉄の塊が彼女の腹にめり込んだ。

 

「ガ………っ、は。」

 

一拍置いて襲いかかる鈍い痛みにルーシィは抵抗する暇も、相手を確認する暇も無く意識を手放し、その場に倒れた。

 

「ギヒッ。」

 

========== 

 

「クソッ、見つからねぇ!!」

 

ルーシィを見つけられないまま幽鬼の支配者のギルドに乗り込んだリューク。ふと巨人の右腕を見ると、先程より魔法陣を描くのが遅くなっていた。

 

「やはりそうか………エレメント4の誰かを倒した事で詠唱速度が落ちている。」

『そして全員倒せば恐らく止まる………間に合いそうかな?』

「そこだけ確認してルーシィを探しに行きたいが………」

 

廊下の先を見ると、幽鬼の支配者の魔導士達がそれぞれの武器を手に大挙して向かって来ていたのだった。

 

「新たな侵入者だ!!」

「あれは"青燎"、エレメント4二人がかりでも渡り合う男だ、気をつけろ!!」

「何、この人数ならすり潰してやる!!」

「………馬鹿にされたものだ。」

『………全くだね。』

 

リュークは"鋼の大斧"を、アルフォンスは"グリトニル"を構えると大挙した魔導士達を正面から受け切り、逆に薙ぎ払い吹き飛ばした。

 

「「「「「ぐわあああっ!?」」」」」

「俺は気が立ってるんだ………冷やかしなら失せろ!!」

 

続けて"トマホーク"に持ち帰ると力任せにぶん投げ、遠距離攻撃を試みた魔導士を纏めて蹴散らした。

 

「ふんっ!!」

 

戻って来た"トマホーク"をキャッチしたリュークはルーシィを探しに反対側へと走り出した。すると、地響きが建物全体を襲った。

 

『これは………!!』

「………エレメント4、全員撃破完了か。」

 

外を見ると巨人の両腕から外骨格が次々と崩れ落ち、"ジュピター"の砲台と同じように湖へと沈んだ。エレメント4が全員撃破された事により巨人の姿を維持できなくなり崩れ落ちただけでなく、"煉獄破砕"の発動も阻止できたのである。

 

「後はマスターのジョゼと鉄竜のガジル、そして雑兵だけ。」

『これで戦況はこちら有利に進むはず。あと一押し………!!』

 

だが、そこに再三の待ったがかかった。

 

《妖精の尻尾の皆さん。我々はルーシィを捕獲しました。》

『………!!』

「クソッ………!!」

《1つ目の目的は達成されたのです。》

《痛っ、やっ、きゃあああっ………!!》

「ルーシィ………!!」

《我々に残された目的はあと1つ………貴様ら妖精の皆殺しだ。》

 

すると、地上で妖精の尻尾の魔導士と戦っていた幽兵の力が大幅に上昇した。"大器"による能力上昇があれど疲弊している妖精の尻尾の魔導士に対して強化された幽兵は圧倒し始め、押されつつあったのだ。

 

「まずい、押し込まれてる………このままでは。」

『………だが、他人の心配をする余裕も無くなったみたいだね。』

 

気づけばリュークの前後から挟み撃ちにする形で幽鬼の支配者の魔導士が多数来ていた。

 

「(落ち着けリューク。こういう時は………)」

 

数秒目を閉じたリューク。そして深く息を吐いて目を開け、迷いを晴らした。

 

「"光の結界"!!」

「なっ、何だこれは………!!」

「光の壁が邪魔で、通れないだと………!?」

「まず1つ。次!!アルフォンス、交代!!」

 

道を塞ぐ光の壁を前後に設置し敵の接近を防いだリュークは直ぐ様紋章士アルフォンスの"シンクロ"を解除。

 

癒救せ(いやせ)、暁の紋章士(エムブレム)!!」

 

不思議な力を持ち、"銀の髪の乙女"として圧政に苦しむ民を導いた占い師にして光魔道士、紋章士ミカヤ。彼女を顕現したリュークはすぐに"エンゲージ"を発動。

 

「"エムブレム・エンゲージ"!!」

『(早速使うみたいだけど、大丈夫?身の安全は確保してるかしら?)』

『お気遣いありがとうございます。』

 

するとリュークはその場で祈り始めた。

 

『守ってみせる………"大いなる癒しの手"よ!!』

 

祈りで溜めた力を解放したリューク。

 

「傷が………」

「綺麗さっぱり………」

「これなら、強くなった幽兵にも!!」

「押し返せぇぇぇ!!」

 

すると味方の魔導士達の受けた傷や疲労がたちまち消え、元気を取り戻して幽兵と互角に持ち込んで渡り合い始めた。

 

『よし………うぐっ!!』

 

外の味方が回復し戦況が好転したのを確認し安堵したリュークだが次の瞬間、彼は膝から崩れ落ちた。

 

『何度使っても、キツイな………!!』

 

紋章士ミカヤのエンゲージ技、"大いなる癒しの手"。その効果は味方全員の体力や状態異常を癒し全快させるという破格のものであるが、その代わりに自らの体力の大半を消費するという大きな代償を伴う技なのである。

 

『だが、今回はそれを見越しての"光の結界"………"クラスチェンジ"、光魔道士(ライトマージ)、そして、"リザイア"!!』

 

体力を消費した状態で敵の魔導士が大挙して押し寄せて来たら流石にリュークでも対処はできない。だが"光の結界"で敵の進軍を阻止した事で呼吸を整える事ができ、さらに"光の結界"越しに敵魔導士の1人にエンゲージ武器の"リザイア"を命中させ、生命力を吸収して"大いなる癒しの手"で消費した体力の一部を取り戻した。

 

『"光の結界"が切れるまで5秒前………"クラスチェンジ"、盗人(シーフ)、そして今!!"シャイン"!!』

 

そして体勢を整えて迎えた"光の結界"が解除される瞬間。リュークはエンゲージ武器の"シャイン"で辺りを眩く照らし攻撃と同時に目眩ましを発動。その隙に盗人の身軽さで敵の魔導士達を"すり抜け"包囲網を突破、更にはエンゲージ武器と杖を同時に出した。

 

『"アイスロック"、そして"セイニー"!!』

 

"アイスロック"の杖で氷の壁を作って動きを止め、そこに"セイニー"の光を降り注がせ一網打尽。

 

『さて………後はルーシィだが………!!』

『(………大丈夫よ、リューク。)』

『ミカヤ?』

『(入れ替わった時に"起こした"のでしょう?それに、良い未来が見えたの………"彼ら"があの子を助ける未来が。)』

『……………。』

 

==========

 

「うぐっ………!!ガハッ、げほっ!!」

「ギャハハッ。」

 

単独行動をしたところを鉄の滅竜魔導士ガジルに襲われ捕まったルーシィ。ジョゼから彼女の見張りを命じられたガジルは暇潰しだと笑いながらルーシィに暴行を加えていた。

 

「あぐっ………!!」

「ガジル、もうやめておけよ………」

「あ?」

「そんな殴り続けたら死んじまうぞ。」

「知らねぇよ。さっき傷癒えたんだから関係ねぇだろ。見た目よりは頑丈だしなぁ!!」

「きゃあっ!!」

 

壁まで蹴り飛ばされたルーシィ。ガジルによる一方的な攻撃に、取り巻きの魔導士は心配し始めるがガジルは意に介していなかった。

 

「俺にとっちゃこの女がどこのお嬢だろうが知らねぇ。尻尾(ケツ)のグズヤロウなぞ死のうが知らねぇよ。」

「そ、そんな事になったらマスターに………!!」

「いいよ………お前のせいにするから。」

 

するとガジルはギャハハと笑い始めた。

 

「ったく、くだらねぇな。この女が金持ちだからって必死になりやがって!!」

「………くだらないのは、どっちよ………」

「あ?」

 

ルーシィは痛みをこらえながら起き上がろうとしつつ、ガジルの方を見て笑った。

 

「あんた達、本当にバカね。可哀想で、涙が出るわ………」

「へぇ、この状況で虚勢を張れるのか。」

「あんた達なんか少しも怖くも無いし………」

 

その瞬間、鉄のナイフがルーシィの頬を掠めた。

 

「何だって?」

 

思わずビクっと反応したルーシィだが、身体の震えを抑えながら言い放った。

 

「あたしが死んだら困るのはあんた達よ。妖精の尻尾は決してあんた達を許さないわよ………世界で一番恐ろしいギルドの影に毎日怯える事になるわ………一生ね!!」

「………面白ぇ事言うじゃねぇか。」

 

すると、ガジルは特大のナイフを作り出した。

 

「おいガジル、何を!!」

「よせ!!」

 

取り巻きの魔導士に耳を貸さず、投擲の構えをとったガジル。

 

「じゃあ、試してみるか。」

「ーーー!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ルーシィ、あなたにこれをあげるわ。」

「わーい、ありがとう!!キレイな………ゆびわ?ネックレス?」

「それは"お守り"よ。」

「おまもり?」

「そう。「もうダメだー、助けてー!!」って時にお願いすると、助けてくれるんだって。」

「だれが?」

「………分からないわ。でも、私のお母さんやおばあちゃん、そのまたおばあちゃんの時からずっと、そう言われてきたの。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「(お願い………)」

「ギヒッ。」

「("助けて"………!!)」

 

首飾りの指輪を手に取って握りしめ、祈るように目を瞑りうずくまったルーシィ。そこに、ガジルがナイフを投擲した。

 

ガキィン

 

「何っ!?」

 

だが、次の瞬間に聞こえたのは刃が肉を切る音ではなかった。

 

「氷の、壁………?」

 

ルーシィの前に広がっていたのは文字通りの氷の壁。その氷の壁がガジルのナイフを防いだのだった。そしてその氷壁を生み出した者、それはルーシィの前に立っていた。

 

『………参上が遅れ、申し訳ありませんでした。』

 

白色と水色を中心に雪や氷の意匠が施された衣装に身に纏い、氷の槍を携える少女。辺りを包む冷たい空気とは異なり青い炎のような魔力のオーラを纏うその少女は、地面に座り込むルーシィに手を差し伸べた。

 

『氷華の紋章士(エムブレム)、フィヨルム、あなたの呼びかけに応じ参上しました。あなたのご先祖様から受けたご恩、今ここであなたにお返しします!!』

 

 

続く




【速報】ルーシィ、紋章士の指輪&紋章士持ち!!

はい、という訳で最初にして(恐らく)原作破壊ポイント&ルーシィ強化ポイントですがルーシィも紋章士の顕現ができるようになりました!!そしてそこまで先のプロットはありませんが、多分"星闘衣(スタードレス)"の登場も原作より早まると思います。ぶっちゃけやってる事は"エンゲージ"と変わらないので。

そしてルーシィの紋章士、その1人目はヒーローズよりフィヨルムです!!詳しい性能は次回以降として、ジュビアの"水流拘束(ウォーターロック)"を破ったのは彼女です。あと最後のフィヨルムが座り込むルーシィに手を差し伸べる部分はフィヨルムと同じ「ディフェンスに定評のあるCV高橋李依」が出る作品シリーズで定番の構図を参考にしました。

ルーシィの所有する他の紋章士は次回、そもそも何でルーシィが紋章士の指輪を持っているかは幽鬼の支配者との戦いが終わってから入れたいと思います。

では次の話題、紋章士アルフォンスの性能ですね。まず、これ以降でオリジナル紋章士を何人も出す予定で、その性能紹介を入れる事になりますがこのようなテンプレで紹介する予定です。

◎名前(CV)
◯呪文:
◯登場作品:
◯エンゲージした時の髪色と服の色:
◯シンクロスキル:
◯エンゲージスキル:
◯エンゲージ武器:
◯エンゲージ技:
◯Style Bonus:
◯コンセプト:

ではアルフォンス君の性能はこちらです!!

◎アルフォンス(鈴木達央)
◯呪文:追求めよ(もとめよ)、開王の紋章士(エムブレム)
◯登場作品:ヒーローズ
◯髪色と服の色:紺色、白地に金色
◯シンクロスキル:
・キャンセル
戦闘中、相手の必殺−30
・野戦築城
敵を攻撃後、自分の周囲3マスに土柱(守備魔防+3する地形効果)を発生させる
・大器
毎ターン開始時、または敵を撃破時、周囲5マスの味方に"王器"(力、魔力、速さ、守備、魔防を+1するバフ)を1つ付与(1人あたり最大10)
◯エンゲージスキル:
・開世
技%で発動、守備+魔防の25%をダメージに加算し、与えたダメージの25%を回復
◯エンゲージ武器:
・ポールアクス(斧、射程1)
騎馬特攻
・フォルクヴァング(剣、射程1)
自分から攻撃した時、力+6
・グリトニル(斧、射程1)
自分の周囲3マスに味方がいる場合戦闘中、守備、魔防+4
◯エンゲージ技:
・王器解放
自分と味方についた王器の分威力の上昇する単体攻撃。
◯Style Bonus:
・竜族=野戦築城
地形効果のある場所での戦闘中、"応撃(距離に関係なく反撃する)"状態になる
・連携=大器
7つ全ての基本能力+1
・騎馬=野戦築城
戦闘後、3マス移動できる
◯コンセプト
敵を倒せば倒す程に味方を強化!!味方を十分強化した後は"王器開放"で強敵を粉砕!!

全体的に総選挙アルフォンスを参考にした構成となっております。強いか弱いかと聞かれると正直一癖ありますが、"王とは、人を導く者とは何か"を父グスタフの存在とその死を受け入れ、探し求めるアルフォンスにはピッタリなコンセプトだと思います。
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