FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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関係ない話ですが、実はFEヒーローズで一番楽しみにしている超英雄が毎年11月頃に発表されている忍者英雄なんですよ、そして今回はセリーヌが一番お気に入りですね。

何が良いって、あんなに見た目も衣装も何から何までゆるふわ王女ですってアピールしてるのに装束(スカート?)の裏に飾り気のへったくれも無いクナイをビッシリと仕込んでるのが最高に"セリーヌというキャラクター"を表してて素晴らしい。


18章 絆の一撃

ルーシィから借りた紋章士アルムの力でジョゼを攻め立てたリューク。だが倒し切るには至らず、ジョゼは本気を出させる結果となった。

 

「ハアッ!!」

「………!!」

「先程の攻勢はどうした!?今更怖気づいたか!?」

「………、"ハンターボレー"!!」

「その程度の攻撃など効かんわ!!」

 

次の"エンゲージ"までのクールタイムを稼ぐ為、リュークは紋章士アルムの"シンクロ"は維持し"ミラの歯車"を活用して強大な攻撃を避けながら"キラーボウ"を手に反撃を行っていた。しかし通常の攻撃でも、戦技"ハンターボレー"による高速の2連射もジョゼにはあまり効果は無かった。

 

「……………。」

「気に入らんなぁ、その落ち着き払った態度。状況が分かっていないらしいな。」

「状況が分かっていないのはどちらだか。大体、ギルド同士の抗争というご法度を破った上に無関係なマグノリア市民まで命の危機に晒したギルドが取り潰しになるのは確実だ、勝ったところでお前達は終わりだけど?」

「そんなもの、評議員が来る前に貴様らを潰してルーシィを連れて行けばどうとでも言える。」

「できるのか?S級魔導士ですらない俺ごときに足止めされるようなお前に?」

「……………」

 

この言葉にジョゼの眉間に青筋が浮かび上がったがリュークは続けた。

 

「それにルーシィを連れて行く?幹部は全滅し、残っているのはギルドに引きこもって戦いに出る勇気すらなく、俺達が傷つく様をゲラゲラ笑う事しかできない幽鬼の支配者の魔導士(臆病者の雑魚)しかいないが、できるのか?今のルーシィなら束になっても返り討ちにできる強さはあるぞ?」

「………!!」

「という訳で、お前の野望はここまでだ。裁判で最悪の判決を受けたくないのなら、手を引け。」

 

手を引け。この言葉を聞いたジョゼはさらに濃密な魔力を放出しリュークを威圧した。

 

「手を引け?手を引けと言ったか貴様?………貴様のようなクソカスギルドのたかが一兵士が、この国一番のギルドマスターである私に尻尾巻いて逃げろと言うのか!?」

「その通りだよ。」

 

するとリュークは紋章士の指輪を掲げた。

 

焔向え(たちむかえ)、封印の紋章士(エムブレム)………そして、"エムブレム・エンゲージ"!!」

 

クールタイムが終わり、次の"エンゲージ"が可能になったリュークは紋章士ロイを顕現し、即座に"エンゲージ"した。

 

「この私を愚弄するとは許さん!!即座にくたばれ!!」

 

"エンゲージ"したリュークに、ジョゼは渾身の魔力をこめ闇魔法を打ち出したが、エンゲージ武器の"封印の剣"を逆手に持ったリュークは"封印の剣"を縦に振り抜き、闇魔法を斬った。

 

『戦いを続けるならちょうどいい。まだお前が傷つけたものに対する報復がまだだからな、評議員に裁かれる前に、俺達に手を出した事を後悔させてやる。』

 

紋章士ロイのエンゲージスキル、"超越"によって一時的に成長を遂げたリュークはジョゼに負けない圧の魔力を放出しジョゼを睨み付けた。

 

「塵も残さず消え失せろ!!」

『やれるもんならやってみろ!!』

 

断続的に飛んで来る闇の魔力を、爆炎を纏った剣で斬り進むリューク。

 

「幽鬼の支配者はずっと一番だった………魔力も、人材も、金もだ。だがここ数年でお前達は急激に力を得た。」

『……………』

「エルザやラクサス、ミストガンにギルダーツ、さらには"火竜(サラマンダー)"に"青燎"と、多くの魔導士の噂が国中に広がりいつしか妖精の尻尾は我々と肩を並べるようになった。………それが気に入らねぇんだよ、元々クソみたいな弱っちぃギルドだったくせに!!」

『他の皆は知らんが、俺は妖精の尻尾が強いから入った訳では無い。そのような妬みは筋違いも甚だしい。』

「妬み?違うな、我々はものの優劣をハッキリさせたいだけだよ。」

『じゃあこんなくだらん戦争を引き起こしたお前の、少なくとも頭は劣っているな。良かったじゃないか優劣ハッキリして。』

 

リュークの再三の挑発に、ジョゼはついにブチギレた。

 

「ゴミカスの分際で私を馬鹿にするな!!」

『ぐっ………!!』

 

怒りで増幅された魔力はリュークを押し返し始めた。

 

「戦争の引き金は些細な事だったよ、ハートフィリア財閥のお嬢様を連れ戻せという依頼さ。」

『ルーシィがどうした!?』

「この国有数の資産家の娘が妖精の尻尾にいるだと!?貴様らはどこまで大きくなるつもりだ!!」

『何が言いたい!?』

「ハートフィリアの金を自由に使えたら、間違いなく我々より強大な力を得る!!それだけは許しておけんのだ!!」

『………理由はそれだけか?』

「何?」

『このクソみたいな戦争を引き起こしたのはそんなくだらん理由だけかって聞いたんだよ!!』

 

すると押し返されていたはずのリュークが思いっ切り"封印の剣"で闇の壁を斬り払った。

 

『馬鹿には一々説明しないといけないか。………まず、ルーシィは家出してんだよ。そんな子が実家の金使える訳無いし、使えていたら7万の家賃で毎月ギャーギャー騒いでいないよ。』

「何………?」

『お転婆が過ぎるのと命知らずな所は玉に瑕だけど、それ以外はどこにでもいる優しい少女であり、そして俺達と共に仕事をして、共に泣き笑い………そして共に戦い、共に生きる仲間だ。』

 

闇を斬り払ったリュークはそのまま"踏み込み"、ジョゼとの距離を詰めた。

 

『それ以外の何者でも無い!!断じて!!戦争の引き金だか、ハートフィリアの令嬢だか知らないが、ルーシィはそんなてめぇの自己満足の虚栄心を満たす為の道具では無い!!』

「ぐはっ!?」

『お前のようなクズに、負けるものか!!"獅子紅蓮焔舞"!!』

 

炎を纏ったエンゲージ技の斬撃はジョゼを斬るだけでなく、その周囲を炎上させた。だがその直後、闇魔法の波動が炎もろともリュークを吹き飛ばした。

 

『ぐあっ………!!』

「どれだけ吠えようが知らんな。ルーシィを手に入れ、ハートフィリアの金を手に入れる、くだらん能書きでその邪魔をする貴様は一番に消えて貰う!!」

『………!!"クラスチェンジ"!!』

「消し飛べ!!"デッドウェイブ"!!」

『うおおおっ!!』

 

ジョゼ最大の攻撃に、再び炎を"封印の剣"に纏わせ突撃したリューク。その結果。

 

『ぐぅ………っ!!』

「ようやく煩いのが黙ったか。手こずらせてくれる。」

 

"デッドウェイブ"を斬り払ったリュークだが、その先へと進む前にジョゼが闇魔法でリュークを拘束したのだった。

 

『この………っ!!』

「無駄に苦しむだけだぞ。」

『くそ………っ。』

 

予想以上の拘束に、リュークはジョゼを睨んだまま抵抗を止めた。

 

『腐っても聖十大魔導か………』

「ここまで私を本気にさせた、その功績を以て私を愚弄し続けた不敬を許そう………」

 

そう言いつつもジョゼはリュークの拘束を強めた。

 

『ぐ………!!』

「だがそれを差し引いても、その実力に加え、"ジュピター"を放った直後の狼狽えるギルドの一員を立ち直らせ指示を飛ばした指揮力………生かすわけにはいかん。」

『ぐ、あ………っ!!』

「遺言くらいは残させてやる………最期に言うことはあるか?」

 

リュークを無力化し、勝ちを確信していたジョゼ。リューク以外は全員重傷か、ジョゼには敵わない者しか残っておらずその事からジョゼはリュークを始末したら終わると思ったのだが、当のリュークはニヤリと口角を上げた。

 

『チェック、だ。』

「ん………?」

『聞こえなかったのか?王手(チェック)だ。』

 

そう言うとリュークは懐から器用に瓶を取り出し、中に入っていた液体を自分にぶち撒けた。

 

「貴様、何をした!?」

『さあな………だが、慎重に動かないと………お前の負けが確定するぞ。』

「そうか………そこまで早死にしたいのなら、お望み通り消し炭にしてくれる!!」

 

ピンチに際しても挑発するリュークに、頭に血が上りきったジョゼは魔力の全てを片手に溜め、それをリュークに放った。

 

『ぐあああああっっっ!!』

 

この国で最も格の高い10人の魔導士に贈られる称号、聖十大魔導。その一人であるジョゼの全魔力を食らえばリューク言えども無事では無い、そしてジョゼの勝ちは確実………だと思われた。

 

「がっ………は、っ?」

 

なんとジョゼが急に血反吐を吐き、膝と手をついた。

 

「な、なにっ、が………なぜ………!?」

 

急に襲い掛かった強烈なダメージに、血反吐を吐きながらダメージの原因を探すジョゼ。しかしそれらしい原因は見当たらなかった。そしてリュークはと言うと。

 

「………はぁ、ゲホッ………へっ、まんまと、引っかかってくれたな。」

 

"エンゲージ"状態も解除され、ジョゼと同じように血反吐を吐いたリューク。だがジョゼと明らかに違う点は、何とかその場で"踏ん張り"、2つの足で立ち上がっているところだった。

 

「………名付けて、"踏ん張りカウンター"戦法!!………悲しいがこれが、今の俺の最大火力だ!!」

『とんでもない無茶を考えたね………正直、生きた心地がしなかったよ。』

「ロイの"踏ん張り"なら大丈夫だと信じていましたので。そして、これで後一押し………!!」

 

リュークが"クラスチェンジ"していた兵種はエンチャント。道具の扱いに長けたこの兵種の特長として、スキル"極限活用"というものがあり、これは使った道具に応じて追加効果を得るものである。そしてリュークが使った道具は、ジョゼの一撃を食らう直前に浴びた"魔防の薬"、これを"極限活用"する事によって得られた効果は受けた魔法ダメージをそのまま相手にも返す、所謂"魔法カウンター"である。

 

「カウンター、だと………!?どこまでも、小癪な真似を………!!」

「本気を出してくれて、感謝するよジョゼ………おかげでお前を追い詰められた………!!」

 

自分とジョゼの魔力の差を知ったリューク。ただの攻撃では倒しきれない、その上紋章士ミカヤの"大いなる癒しの手"で体力も消耗している以上長期戦になればジリ貧で負けると判断じた。そこで彼は、相手に頼ったカウンター戦法を取ったのだった。そしてカウンター戦法に成功したリュークは、再び指輪を掲げた。

 

『リューク、まだ次の"エンゲージ"をするには時間が………!!』

「………久しぶりで忘れましたか?俺にはその時間を踏み倒す"奥の手"がある事を………」

 

そう言ってリュークは懐に手を伸ばした。それを見た紋章士ロイは合点のいった表情をした。

 

『………そう言えば"それ"があったね。使うのいつぶりだい?』

「昔過ぎて忘れました。ではロイ、交代です。」

『了解したよ。』

 

ロイとの"シンクロ"を終えると懐に手を突っ込んだまま祈るように目を閉じたリューク。すると彼の身体を青白い光が包んだ。そして5秒後、光が収まると指輪がキラリと光った。

 

熱起がれ(もえあがれ)、覚醒の紋章士(エムブレム)!!」

 

ロイに続けて顕現した紋章士はマルスに雰囲気の似た少女。そして父親であるクロムと同じ形状の"ファルシオン"を携えた紋章士の名前はルキナ。

 

『あと一息ですね………体力は保ちそうですか、リューク?』

「ここまで追い詰めたんです。仲間のため………守るべきもののため、まだ膝はつけない!!」

『………無理は厳禁、と言いたいですが今は、その意気です、と言いましょう。さぁ、私と"エンゲージ"を!!』

「ええ………お願いします!!」

「『"エムブレム・エンゲージ"!!』」

 

紋章士ルキナと"エンゲージ"したリュークはエンゲージ武器である"裏剣ファルシオン"をくるくると自分の前で回してからようやく立ち上がったジョゼに鋒を向けた。

 

『"クラスチェンジ"、マスターロード!!そして………皆の力を、束ねる!!』

 

"裏剣ファルシオン"を構えたリューク。すると、その隣にエルザと、先程まで倒れていたグレイ、エルフマン、ミラが並んだ。

 

『ギルドの本当の強さは魔力でも、金でも無い、そしてただ人材を集めるだけでも無い………仲間同士の絆、それがギルドの一番の力である事を見せてやる!!』

「絆、だぁ………?雑魚と死に損ないが集まったところで、私を倒せると思うなァ!!」

『運命は、ここで変える………!!"オール・フォー・ワン"!!皆、行こう!!』

 

リュークの号令で一斉に突撃を仕掛けたリューク達。

 

「貴様らなんぞ、纏めて………!!」

「させるかよ!!"氷造形(アイスメイク)(チェイン)"!!」

 

それを迎え撃とうと右手に魔力を溜めたジョゼ。しかしその前にグレイが氷の鎖を造形してジョゼに巻きつけ動きを封じた。

 

「"氷造形(アイスメイク)大槌兵(ハンマー)"!!」

「うおおお漢オオオッッッ!!」

 

そしてグレイは続けて氷の大槌を造形し、右腕に怪物の腕を"接収(テイクオーバー)"したエルフマンと同時にジョゼへと力任せに振り下ろした。

 

「ぐう………いい加減くたばれ羽虫が!!」

「させないわ!!」

 

ダメージを与えるも攻撃の反動で氷の鎖も壊れ、反撃を試みたジョゼ。そこにミラが魔力弾を放ったがジョゼは左手で弾いた。

 

「ふん。元S級だろうが今の貴様の攻撃なぞ邪魔にすらならんぞ、ミラジェーン。」

「………悔しいけどそうね。でも、隙は作ったわ。」

「何………!?」

「はぁぁぁっ!!」

「ぐほあっ………!!」

 

ミラの攻撃に気を取られたその隙。ジョゼの懐に潜り込んだエルザが残る力で斬り上げた。

 

「決めろリューク!!」

『任せろ!!これが、絆の力だっ!!』

 

グレイ、エルフマン、ミラ、エルザ。近くの仲間と共に道を切り開き、集中攻撃を仕掛ける、それが紋章士ルキナのエンゲージ技"オール・フォー・ワン"である。

 

『せいっ!!』

「がはっ………!!」

『これが、レビィの分!!』

「ぐほ………っ」

『これがジェットと、ドロイの分!!』

「うごっ………!!」

『これがマスターの分!!』

 

完全に体勢を崩したジョゼに、連続攻撃を叩き込むリューク。その連続攻撃は、傷つけられた仲間の為に、ここにいない仲間の分まで叩き込む絆の連撃である。

 

『これが傷ついた仲間の分!!そしてこれが破壊されたギルドの分!!』

「ぐっ、が、がふぁ………っ」

『そしてこれが………!!』

 

紋章士マルスの"スターラッシュ"を彷彿させる目にも止まらぬ連続攻撃を繰り出したリュークはジョゼを打ち上げると腰を深く落とし、鋒をジョゼ目掛けて定めた。

 

『ルーシィの分だァァァッッッ!!』

「がはあああ………!!」

 

渾身の突きによる"必殺の一撃"が決まり、ジョゼは壁に叩き付けられた。そして叩き付けられた衝撃で崩れた壁に下敷きになった。

 

『はぁ、はぁ………ゲホッ。』

 

大技を決めたリュークは、その反動とジョゼから受けたダメージで咳き込みながらよろけるがまだ戦いは終わっていないと言わんばかりに呼吸を整え立て直した。

 

『……………。』

 

そしてリュークの予想通り、瓦礫の中からジョゼが出て来た。もう戦えるような状態には見えないが、それでも立ち上がり魔力を放とうとしていた。

 

「この、私が………王国一の、ギルドを束ねる、この私が………クソカスギルドの、木っ端ごときに………!!」

『エンゲージ技3人分叩き込んで、まだ動くか………!!』

 

そう言いながら腰を落とし、"裏剣ファルシオン"を構え斬り込もうとしたリューク。

 

「もうよい。」

『!!』

 

だが、背後からの声に反応してリュークは構えを解いた。

 

「話は聞いておる。ワシのいない間のギルドを、皆と共に守ってくれて感謝する。」

『マスター!?』

「よくぞジョゼをここまで追い詰めた………後は、ワシに任せよ。」

 

敵の魔法によって魔力を奪われ戦線離脱していたマカロフが復活を遂げ、佳境を迎えていた2つの魔導士ギルドの戦いに参戦したのだった。

 

「ま、マカロフ………!!」

「いくつもの血が流れた、子供の血だ。互いに、出来の悪い親のせいでな。故に………終わらせねばならん!!」

 

リュークより前に出たマカロフはジョゼと相対した。

 

「ギルドを守る?もう潰れましたよ、マカロフ………」

「それは貴様とて同じ。第一、ギルドとは形ではない。人と人の和によりできるもの。………さて。」

 

そう言うとマカロフは魔力を溜め、巨人へと変貌した。

 

「妖精の尻尾、審判のしきたりにより………貴様に三つ数えるまでの猶予を与える。」

「何を急に………」

「ひざまずけ。」

「は?」

「一つ。」

 

ひざまずけ。この一言でジョゼは大ダメージをものともせずスッと立ち上がり激昂した。

 

「何を言い出すかと思えばひざまずけ、だぁ!?冗談じゃない!!」

「二つ。」

「王国一のギルドが貴様ごときに屈しろだと!?ふざけるな!!大ダメージを受けているからと調子に乗るな!!私はまだ貴様を倒し、残りのゴミカスを一掃できるだけの力を持っている!!」

「三つ。」

「ひざまずくのは貴様らの方だ!!私の力で皆殺しにしてやる!!チリとなって歴史上から消滅しろフェアリーテイル!!」

「……………、そこまで。」

 

三つ数えたマカロフは手を合わせた。すると強大な魔力の渦がマカロフの周りに集まり、それは目映い光となり放たれた。

 

「"妖精の法律(フェアリーロウ)"、発動。」

 

目映い光はマグノリアの大半を包み込んだ。すると崩れたギルドの前で妖精の尻尾の魔導士と戦っていたジョゼの幽兵が次々と消えていくも、魔導士達は無傷だった。

 

「"妖精の法律"だ。」

『"フェアリーロウ"?』

「聖なる光を以て、術者が敵と認識した者だけを討つ………伝説の1つに数えられる超魔法だ。」

 

術者の敵のみを討つ超魔法、"妖精の法律"。それを真正面から受けたジョゼはというと、

 

「……………!!」

「二度と妖精の尻尾に近づくな。」

 

真っ白になって立ち尽くしていた。完全に戦闘不能となったジョゼを見たマカロフは踵を返した。

 

「これからはひとまずてめぇの身を心配する事だ………お互いにな。」

 

そう言い残し立ち去ろうとしたマカロフ。するとその背後から大男が現れた。

 

「(あの時と同じ隙だらけ!!貰った!!)」

 

泣きながら悪どい笑みを浮かべ現れたのはエレメント4、大空のアリア。"空域"という風属性の魔法を扱う魔導士で、マカロフの魔力を奪い一時戦闘不能にした張本人である。再び魔力を奪い、戦闘不能に追い込もうとしたアリアだったが、その凶手は届く事は無かった。

 

『そこまでです。止まりなさい。』

「!!」

「首を貫かれるか、腕を斬り落とされるか。さもなくば退け。」

 

"エンゲージ"状態が解除されたリュークがアリアの首元に"レイピア"を突きつけ、紋章士ルキナが"裏剣ファルシオン"を構えてアリアの腕をいつでも斬り落とせるように構えていた。

 

「………もう終わったんじゃ。ギルド同士のケジメはついたが、それ以上を望むのならそれは"掃滅"。跡形も無く消すぞ。」

 

リュークと紋章士ルキナの剣で止まったアリアに、怒気をはらんだ言葉と共に睨み付けたマカロフ。それを受けたアリアは怯み、戦意を喪失させた。

 

「よい、リューク。」

「………はい。」

「ジョゼを連れて帰れ、今すぐに。」

 

そう言って今度こそ、マカロフは踵を返して幽鬼の支配者のギルドを後にし、リューク達はそれに続いた。

 

==========

 

結果としてはジョゼを始めとした幹部を全員倒した上に、負傷者多数ながら誰も死なずに済み、幽鬼の支配者相手に完勝した妖精の尻尾。しかし、ギルドは破壊され瓦礫と成り果てていた。

 

「こりゃあまた、派手にやられたのう………」

「………人が失われていないのならどうとでもなりますよ、マスター。」

「そうじゃな、リューク。ギルドなら立て直せば良い。この戦い、ワシらの完勝じゃ!!勝鬨を上げぃ!!」

 

マカロフの号令で歓声を上げた妖精の尻尾の魔導士達。だがその中で一人浮かない顔をしていた人物がいた。

 

「あ、あの………マスター………」

「んー?ルーシィか。お主も大変な目にあったのう。」

「……………」

「そんな顔してちゃダメだよ、ルーちゃん。皆で掴んだ大勝利なんだから。」

 

浮かない顔をしていたルーシィに声をかけたのは退院したレビィだった。その後ろからはジェットとドロイも合流した。

 

「レビィちゃん………ジェット、ドロイ………」

「心配かけてごめんね。」

「違う………それは、あたしの………」

「話は聞いたよ。でも、誰もルーちゃんのせいだなんて思っていないよ?」

 

レビィの言葉に、マカロフが続けた。

 

「ルーシィ………楽しい事も、悲しい事も、いくらかは共有できるのがギルドじゃ。一人の幸せは皆の幸せ、一人の怒りは皆の怒り、そして一人の涙は皆の涙。自責の念にかられる必要は無い、皆の心が届いているはずじゃ。顔をあげなさい………君は妖精の尻尾の一員なのだから。」

 

マカロフの言葉を聞いたルーシィは、ついに大声をあげて号泣し始めた。だがこれが悲しみの涙では無い事を分かっていた周りの魔導士達はただ笑いながら見届けた。

 

「(それにしてもハデにやり過ぎたか………これは評議員もお怒りに………いや、下手したら………!!)」

 

………評議員の処分に恐れ、ルーシィ同様に泣き始めたマカロフを除いて。

 

かくして、幽鬼の支配者との戦いは幕を下ろした。勝利の歓声は、騒ぎを聞きつけて到着した評議員の検束部隊ルーンナイトが妖精の魔導士達を取り囲むまで続いた。

 

 

続く




・踏ん張りカウンター
"踏ん張り"(紋章士ロイのシンクロスキル)と、魔法カウンター(エンチャントの"極限活用"で"魔防の薬"を使用)の合わせ技。やってる事はいわば"頑丈ミラーコート"です。ジバコイルやクレベースにやられてこちらのテツノドクガが消し飛ばされて
「もうさァッ無理だよルールわかんないんだからさァッ!!」
とナ◯ノ顔でswitchを投げたくなった事が数回………
火力と耐久力を併せ持つような敵には刺さるんですよねカウンターやミラーコート………

と、ポケモンの話は置いといて、FEでも凶悪なんですよねカウンターや魔法カウンター。覚醒のドニとかifのリョウマみたいな出るゲーム間違えてるような奴が、+ボタン押してスキップしたら不自然にロストするのは大体カウンター持ちが悪さする時です。
エンゲージでも邪竜の章やってて、物理職の敵釣り出す為にディアマンドやルイを前線に出したら何度巻き戻しても不自然にロストするなんで?って思ってたらエンチャントが悪さしてましたね………
戦う前に敵のスキルはあらかじめ指差呼称で確認!!これFEの基本ヨシ!!

・???
リュークが懐に入れている謎のアイテム。
アイテムとして使うと7つの基本能力+5、エンゲージカウント最大
それ以外の用途として使うと………?
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