読んでいただいてる方も少しずつ増えているみたいで本当にありがたい限りです。引き続きお付き合いいただければ幸いです。
楽園の塔の支配者を名乗るジェラールによって開催が宣言された"楽園ゲーム"。評議院による遥か上空から破壊魔法"エーテリオン"が放たれる前に、エルザを生贄に伝説の黒魔導士ゼレフを復活させようと目論むジェラールを止めるのがリューク達の勝利条件だった。リュークは頭にフェルトを、戦いの師匠アーロンを後ろに乗せ、魔導二輪で楽園の塔を駆け上がっていた。
「止まれ!!」
「この先は行かせん!!」
「ジェラール様の敵はここで止める!!」
「………まだいたか、下っ端共。」
「突破するよ!!」
「承知。」
「ホーッ!!」
上層へ向かう階段を塞ぐように敵兵が集まっていた中、リュークは"キラーランス"を、アーロンはその後ろで"エクスカリバー"の魔道書を構えた。
「「そこをどけ!!」」
「ホーッ!!」
「「「ぐわあああっ!!」」」
槍の横薙ぎと2つの風の刃で周囲の敵を蹴散らした一行。だが全ての敵を倒せた訳では無く、残りの敵は階段に集まり道を塞ごうとしていた。
「ここまで陣を組まれては走り抜けるのは至難の業、さてどうする?」
「心配ご無用!!しっかり捕まっててよ!!」
そう言うとリュークは魔導二輪のギアを変え、飛行モードで飛び上がった。
「ほう。」
「一気にカタをつける!!」
リュークは宙返りをしながら"キラーランス"を"炎の槍"に持ち替え、階段前の敵陣にそれを投擲。炎を纏った魔法槍は着弾と同時に炎上。さらにフェルトとアーロンの風魔法による追撃で敵兵を一掃したのだった。
「よし、これで上に上がれる!!」
「効率に片付いたみたいで何より………ですが"里"にいた時と比べ、あまり騎乗戦闘は上達していない様子ですね。」
「一人で放浪していた時は馬やペガサス、飛竜を飼う余裕が無かったからね………この魔導二輪で戦闘できるまで慣れてきたのは2、3年前からだし。」
そう話しながら次の階層に上がったリューク達。次の階層には先程のような下っ端は見当たらなかった。
「この階層には敵がいないようですな。」
「ホー。」
「ならここは通過して次の階層へ………となるとちょうどいいや。アーロン。」
「何でしょうか、若様?」
「質問の続きだ。あなたが何でここにいて、エルザとは何の関わりがあったのか。聞かせて貰うよ。」
「………ええ、全てお話しましょう。」
そう言い、アーロンは過去を話し始めた。
「………病に伏せたあなたの母君より、"守り人"としての任を解かれた儂は"里"を出てしばらくは放浪していました。そこで戦災孤児を保護した儂は近くの廃村を改築して孤児院を開き、儂は院長としてしばらくの間、剣を置き戦災孤児の世話をしていました………ここまでは若様もご存知の情報ですね?」
「うん、そこまでは手紙も来てたし知っているよ。………でも、母さんが亡くなって、俺も放浪するようになってからのアーロンの消息は掴めなかった。たまに"里"に帰っても手紙は無かったし………何をしていたんだい?」
「質問を質問で帰すようで申し訳無いですが………ここがどういう場所か、ご存知ですか?」
「………いや。黒魔導士ゼレフの名前が出て来た辺り、ゼレフを崇拝する教団の施設じゃないのか?仕事でそういう教団の拠点をいくつか潰して来たけど、思い返せば"楽園"の単語は何回か見たような………」
「………楽園の塔の正式名称は
Rシステム。
「………まさか、アーロン。」
「………恥ずかしい限りです。剣を置くと言いつつ、子供達に護身術代わりに教えていましたが最後の子を見送ってからは一切取りませんでした………そのせいで平和ボケした結果10年前、教団の魔導士の集団に捕らえられ、奴隷として働かされました。………皆に合わせる顔が無い、情けないものよ。」
Rシステムには莫大な魔力と生贄、そしてそれを受け止める器が必要だった。その器を作り、そして完成後の生贄とする為の奴隷の1人として、アーロンも捕らえられ、働かされたのだった。
「アーロン程の人が………」
「紋章士の指輪や"あれ"は隠し通したものの、随分と寿命を削った………」
「………抜け出せなかったのか?」
「抜け出せたでしょうなぁ。極限状態に追い込まれた事で平和ボケは治り、昔の感覚や勘は概ね取り戻せました………ただし、他の奴隷を見捨てれば、の話ですが。」
「………。」
「いくら儂が本気を出そうが、捕まっている奴隷の大半は見捨てる事になる。………若いのを押し退けてまで助かるような、恥の上塗りはしたくはありませんでした。かと言って他に儂ができる事は対して無く、同じ牢にいる者に護身術をこっそり教える程度しかできませなんだ。………数年後、とある牢で反乱が起きるまでは。」
アーロンは続けた。
「反乱の先頭に立っていたのは、年端もいかない赤髪の少女だった。」
「………まさか。」
「幼子には似合わぬ、覚悟を宿した目で剣を振るい、飛ばす魔法を使っていたその少女だが、極限状態で覚醒したてだったのであろう………剣の握りがまるでなっていなかった。」
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「そこのお嬢さん。止まりなさい。」
「おじいさん、誰!?悪いけど止まってる暇は無いの!!」
「1人で突っ走っても死ぬだけだよ?」
「でも、早く行かないとジェラールが!!」
「………分かった。ならば勝手について行かせて貰うよ。ただ、儂の話は聞いて欲しい。」
「何!?」
「今のお嬢さんは"剣に振られている"。それではこの先勝ち進める事はできないよ。」
「じゃあどうすれば!?時間が無いの!!」
「儂はこう見えても元々は人に戦い方を教えていた師範だ。戦いながら、儂の言う通りに動いてみて………望むのであれば儂が即席で、お嬢さんを1人の"剣士"にしてみせる。」
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「………そういう事かよ。」
「と、言いますと?」
「………我流って聞いていたのに、何故か俺と剣筋が似ている時があって不思議に思っていたんだが、今その謎が解けた。………まさかエルザが、俺の妹弟子だったとはね。」
「僅か数分の指南、基礎中の基礎しか教えていませんが………エルザは間違いなく、儂の最後の弟子と言えましょう。」
「………大きな謎が一気に解決してスッキリしたよ。では最後の謎だ………なぜ、ここに留まった?エルザが外の世界に出たという事は、解放されたのだろう?」
「………解放されたのは、エルザだけだったのです。」
「………どういう事だ?」
「エルザの剣術が形になった所で、儂はジェラールの救出に向かうエルザと別れ、他の奴隷を教団の船へ誘導して脱出を試みました………だが、エルザはいつになっても船に来ませんでした。」
「………話が見えないな。」
「エルザとジェラール以外が船に乗り込み、2人を待っていると、ジェラールのみがやってきました………「エルザが裏切って船に爆弾を仕掛けた、魔法を正しい形で習得できなかった者の末路だ」、と。」
「………アーロン、そんな話を信じたのか?」
「信じる訳がありません。魔法に呑まれていたのはジェラールでした………拷問の末か、あるいは誰かに囁かれたのか………分かりませんが、ジェラールはゼレフに魅入られ、シモン曰く"豹変"したと。」
「エルザは解放というより追放された、って事か。………何とかできなかったのか?」
「………一目見ただけで分かる、邪悪で強大なな魔力を得たジェラールと戦えば、少なくとも他の奴隷は死んだでしょう………さらに言葉も巧みで、支配者が教団からジェラールにすり替わっただけで状況は変わっていないのにも関わらず、ほぼ全員がジェラールに心酔していました。」
「………そうだったのか。」
「情けない限りです。申し訳ございません。」
「………謝罪は後だ。その後悔や憤りに決着をつける為に、今こうして戦おうとしているのだろう?」
「………お優しい言葉、感謝致します。」
アーロンが話し終わったタイミングで、階段が見えて来たがその前に更に多くの敵兵が現れた。
「露払いは儂に任されよ………
『任せてなの!!』
「『"エムブレム・エンゲージ"』!!」
紋章士レギンを顕現したアーロンは魔導二輪から飛び降りると即座に"エンゲージ"して機械仕掛けの騎馬に乗り込みリュークと並走。
『もう迷いはしない!!"ソリッドシェル"、"全弾発射"!!』
魔弾と化した砲弾を一斉に発射したアーロン。砲撃は敵陣の中心に着弾、爆発によって中心部の敵を撃破すると共に、その周囲の敵も爆煙によって混乱を生み無力化したのだった。
『今のうちに突破いたしましょう!!露払いは儂にお任せを!!』
「ああ、頼むぞ!!」
そのままさらに上層へと駆け上がったリュークとアーロン。最下層からノンストップで駆け上がった2人がようやく止まったのは、最上階に近い一本道の廊下だった。
「エルザ!!」
「リューク!?それに、あなたは………」
「アーロン!!」
「ショウ、大丈夫か!?」
「あら、お仲間はん?」
そこにいたのは鎧の破壊されたエルザと重症を負ったショウ、そしてエルザとショウをこのようにしたであろう、太刀を持った和服姿の女剣士だった。
「こいつか………ジェラールの用意した3人の戦士とやらは。」
「そのようでございますな。」
魔導二輪から降りたリュークとアーロンは、太刀の間合いを見計らいながら戦闘態勢に入った。
「暗殺ギルド髑髏会特別遊撃隊、
「………暗殺剣か。」
「エルザの鎧が簡単に砕かれている………よほどの速さらしい。が、まぁいいや。………エルザ、行け。」
「リューク、だが………」
「鎧が砕けて心も砕けたか?ここで終点でいいのか?」
「!!」
「頂上にいるジェラールとどんな因縁があるかは知らないし、聞くつもりも無い。だが、エルザ自身の手でその因縁に決着をつけたいのだろう?」
「………ああ。ありがとう、リューク。」
「その目ができるなら大丈夫だ。今のエルザなら勝てる………行って来い。」
「感謝する!!私が………決着をつける!!」
そう言ってエルザは斑鳩の横を通過し、最上階へと向かおうとした。
「おや、うちがそう簡単に通すとでも………っっ!?」
斑鳩は太刀を抜き、通ろうとしたエルザを斬り捨てようとした。だが、引き抜こうとした刃は鞘から出なかった。
「
「いつの間に………!?」
「居合の使い手を攻略する方法、それは剣を抜き切った隙を突くか、そもそも引き抜かせない事。」
『後は俺様に合わせな、アーロン。』
「承知した。"エムブレム・エンゲージ"。」
紋章士ユーリスを顕現、"エンゲージ"したアーロンは斑鳩の太刀の柄を抑えながら"銀の短剣"を出し、斬りかかった。
「っっ!!」
柄を抑えられ、太刀を抜けない斑鳩は何とかアーロンの短剣をかわしつつ振り払い、避けるのが精一杯だった。
『逃さない!!』
「な………!?」
そこに、紋章士リンと"エンゲージ"したリュークが"倭刀"で斬り込み、斑鳩を攻め立てた。
「っっ………女相手に二人がかりとはいけずな人達。」
『暗殺者がよく言うよ。』
『………それよりも、良かったのですか若様。エルザのあの目は………』
『分かってるよ。だからこいつをさっさと片付けて、エルザを引き摺ってでも連れて帰る。それでいいね?』
『仰せのままに。ショウ、動けるか?』
「あ、ああ。何とか………」
『皆と連絡を取り、我々や若様の仲間を逃がす為の退路を確保して欲しい。頼めるか?』
「………分かった。姉さんの事、頼んだぞ!!」
ショウが去るのを見届け、リュークとアーロンは再び斑鳩と向き合った。
「うちをさっさと片付ける………とは、随分と舐められたものどすなぁ?」
『できなければどのみち死ぬしか無いからな。という訳で、道を開けて貰うよ。』
「星を見て〜
見えぬは前の〜
お月様〜
………無月流の錆にしてあげましょう。参ります。」
そう言うとリュークと斑鳩は同時に斬り込み、刀を交えた。
『はあっ!!』
「ふふっ。」
真剣な表情で斬り込むリュークに対して、笑みを崩さず応戦する斑鳩。
「無月流、"夜叉閃空"!!」
『!!』
すると斑鳩は回転斬りを繰り出し、リュークの"倭刀"が砕けた。
「その首、貰いました。」
『………フッ。』
『"トリック"。』
無防備となったリュークに迫った斑鳩。だがその直前に"トリック"でアーロンが割り込み、エンゲージ武器の短剣で受け止めた。
「そのような短剣でうちの剣を止められると思ってはります?」
『止められるとも。』
次の瞬間、斑鳩に電撃が走り太刀を落としたのだった。電撃の発信源はアーロンの持つエンゲージ武器の短剣、"サンダーダガー"である。
「くっ………!!」
『取らせるとでも?』
落とした太刀を拾おうと動いた斑鳩だが、アーロンが素早く電撃を交えた短剣術でそれを阻止。
『そこっ!!』
さらに、"トリック"で後方に下がったリュークはエンゲージ武器の"キラーボウ"に切り替え、手の内で矢を回してから弓に番えると鋭い一射を放った。
「ちっ………うちを侮るなと言ったはずです!!」
リュークの一射を紙一重で避けた斑鳩は目にも留まらぬ速さで駆け出し落とした太刀を拾い上げ、そのままリュークへと突撃。
「隙だらけどす!!」
『!!』
そしてリュークが反応する前に太刀で横に一薙ぎ。リュークの首は胴体と泣き別れを遂げた。
「うちを舐めてかかった報いどす。」
『………!!』
「まずはひと………っ!?」
斑鳩から笑みが消えた。それは斬り落とした首が余裕の笑みを浮かべ、そして胴体もろとも綺麗さっぱり消えたからである。
『"残像"だ。』
「なっ!?」
『はあああっ!!』
次の瞬間、4人のリュークが車懸りにエンゲージ武器"マーニ・カティ"を手に斬り込むリューク。
「っっ、無月流、"迦楼羅炎"!!」
リュークとその"残像"を一掃しようと斑鳩は炎を纏った斬撃を飛ばした斑鳩。その結果"残像"は全て消え、残るはそれをかわした本体のみとなった。
「そこっ!!」
『ふっ!!』
リュークの本体は斑鳩の太刀を受け止め、斬り結んだ。
『………!!』
「ふふ。」
『………』
鍔迫り合いをしているその間に斑鳩の背後に回り込んだアーロン。"サンダーダガー"から"薄闇の王の刃"に持ち替え迫った。
『はっ!!』
"薄闇の王の刃"を斑鳩に投擲したアーロン。それに対して斑鳩は太刀をずらしてリュークの"マーニ・カティ"を流すと投擲された短剣を回避。"薄闇の王の刃"はそのままリュークへと向かって行った。
『"トリック"。』
するとアーロンは"トリック"を使い再びリュークと入れ替え、目の前に飛んで来た"薄闇の王の刃"をキャッチ。
『跪け!!』
「そのような短剣でうちの太刀を受け止めるつもりどすか?」
『………!!』
「いくら女だからと、老体に負けると思わぬ事どす。」
『………"トリック"!!』
「同じ手は二度も………がふっ!?」
"トリック"で位置を入れ替えたリュークが来るを見越し、太刀を振るった斑鳩。だが来ると思っていたリュークは来ず、斑鳩の背中に矢が突き刺さった。
「な………入れ替わって、いない!?」
『時は今!!』
ハッタリを仕掛け入れ替わらなかった事で決定的な隙を生み出したアーロンは一歩退いてからエンゲージ技を繰り出した。
『遊びは終わりだ………"鉑鎖の群狼"。』
すると斑鳩の周囲から黒煙が立ちこめ、瞬く間に暗闇へと引き摺り込んだ。
「暗闇で目くらまし………ですが、暗殺ギルドの人間が暗闇に惑わされるとでも?気配が………4つ。そこ!!」
斑鳩が太刀を振るう。しかし手応えは無く、気配はすぐに消えた。そしてその気配が復活したのは、斑鳩の真下。
「グオオオッ!!」
「っっ、魔獣!?」
地面を突き破るように現れた魔獣。大口を開けて斑鳩を呑み込もうとしたが、斑鳩は上に跳んで回避。だが今度は跳んだ真上から眩く光る一筋の炎熱の矢が魔獣と挟み打ちで襲いかかった。
「っっ、"夜叉………がふっ!?」
上からの炎熱の矢と下からの魔獣、とは言え並外れた剣の腕を持つ斑鳩ならば回転斬りの1つで一掃できただろう。暗闇から突然の炎熱の光で視界がぼやけたその一瞬の隙に、土手っ腹に拳を受け姿勢が崩れた。
『………終わりだ。』
そして最後にアーロンが"薄闇の王の刃"を手に現れ斑鳩にトドメを刺そうとした。
「………ようやく出て来はりましたか。」
『!!』
だがすんでの所で斑鳩はアーロンに対応し、"薄闇の王の刃"を太刀で受け止めた。
「暗闇で〜
見落とす詰めの〜
甘さかな〜
そのようなちっぽけな刃でうちの太刀をどこまで抑えられるか、見物どす。」
『………ふっ。』
「何を笑ってはりますの?」
『………朔月を
裂くは
流れ星。』
アーロンが句を詠み返したその刹那、アーロンの背後から翠色の光が"鉑鎖の群狼"の暗闇を切り裂き、急な明るさで斑鳩の目をくらませ、次の瞬間には5本の矢がアーロンの横を走り抜け斑鳩に命中。
「ごぷ………っ!?」
『今です、若様!!』
ダメージで仰け反った斑鳩から距離を取ったアーロンは"薄闇の王の刃"に加え"サンダーダガー"を出し、手元で回転させてから握り直した。その横には"ミュルグレ"の矢で"流星群"を放ってから再び4人の"残像"を呼び出し"マーニ・カティ"を手にしたリュークが斬り込む体勢に入っていた。
『『行くぞ!!』』
そしてリュークとアーロンは同時に瞬間移動で姿を消し、次の瞬間には斑鳩の目の前に。
『"流星剣"!!』
『"滅殺"!!』
「がは………っ!!」
"残像"を交えた5連撃と、急所を狙った必滅の一撃を前に、斑鳩は血飛沫を上げ倒れた。
「う、うちが、負けるなんて………」
リュークとアーロンは同時に"エンゲージ"状態を解除すると斑鳩に背を向け、上を目指そうとした。
「参りましょう。」
「ああ。残り時間は………」
「………時間切れ。」
「「!!」」
「落ちてゆく〜
正義の光は〜
皆殺し〜
………ぷっ、酷い詩………」
「「……………」」
斑鳩の最期の一言に、リュークとアーロンの顔は青ざめた。
「フェルト!!」
戦いの場から離れていたフェルトに呼びかけたリューク。それに応じて飛んで来たフェルトはすぐに"視覚共有"を行った。
「塔から脱出していないのは………ナツとターバンの男、シモンだったか?とエルザ。だが………!!」
「………時間切れ、ですか。」
感知するまでも無かった。自分達の頭上に、桁違いの魔力が集積しているのを。
「ホーッ!!ホーッ!!」
「………くそぉっ!!」
怒りに任せ壁を殴ったリューク。だがすぐに、魔導二輪を出すとアーロンを乗せ、アクセルを全開に踏むと窓を突き破り外へと出た。
「くそっ!!」
そしてそのまま飛行モードで塔から離れたその数秒後、天から光が降り注いだ。"神の裁き"と形容する他ない、全てを破壊し消し去る、正義の光、"エーテリオン"が。
「ぐっ………!!」
「ホホーッ!!ホーッ!!」
「フェルトもアーロンも、しっかり捕まってくれよ………っ!!」
"エーテリオン"の余波で起きる暴風に呑まれないように魔導二輪を運転するリューク。そしてしばらくして、ようやく余波の暴風が収まり安定した運転ができるようになるとリュークとアーロンは状況を確認する余裕ができ、そして目を見開いた。
「な、なんだ………これ、は………?」
「ほ、ホー………!?」
「………まさか、このような事になるとは、この儂でも予想がつきませなんだ………!!」
"エーテリオン"で消し飛んだはずの楽園の塔。それは
「これが狙いだったか………!!」
続く
・アーロンの過去
という訳でアーロンは楽園の塔の元奴隷でした。リュークやリュークの母親から暇をいただき、隠居していた所を捕まった………という流れです。
尚、エルザを最後の弟子と言ったものの彼女とは数分の面識しかないので彼は"エルザの元仲間"とは言えず、"ショウやシモン達の仲間"というのが正確です。
では恒例のオリジナル紋章士紹介です。今回はヒーローズのレギンと、風花雪月のユーリスです。2人とも共通して、エンゲージ技はそれぞれを象徴するBGMから名付けました………のは良いのですが、"鉑鎖の群狼"の鉑の字(読みは"はく"、漢字としては金箔の箔、もしくはプラチナの事)が入力で出てこず若干面倒くさかったのは御愛嬌。曲はめちゃくちゃ好きですけどね、あの地を這う疾走感良いですよね。
"ハゥリングギア"の方も、世界観と合わせて中世ファンタジーを抜け出した近未来スチームパンクな感じが異質だからこそ映えますよね………まさかFEで銃弾はともかくミサイルぶっ放すのを最初の映像で見た時はひっくり返りましたね。そしてノリノリの「アァイ!アァイ!」で再びひっくり返るオチ。
残るクリスはまた活躍の機会の際に。
◎レギン(小原好美)
◯呪文:
◯登場作品:ヒーローズ
◯髪色と服の色:薄紫、黒地に銀色
◯シンクロスキル:
・大筒使い
全ての兵種で砲弾が使えるようになる
・魔導科学
砲弾使用時、距離による命中ダウンを受けない
・幻煙
戦闘後、戦闘した敵とその周囲5マスの敵の強化を反転させる
◯エンゲージスキル:
・魔弾
砲弾使用時、必殺+80%
◯エンゲージ武器:
・リュングヘイズ(剣、射程1)
戦闘開始時、HPが50%以上なら敵の追撃を無効化
・ブーストシェル(砲弾、射程3-8)
強力な魔力を帯びた砲弾。追撃不可。"全弾発射"を使用しても無くならない。
・グラム(剣、射程1)
◯エンゲージ技:
・ハゥリングギア
技の数値が高い程威力が増す攻撃。戦闘後、周囲の敵にもダメージを与え、かつ敵をフリーズ状態にする。
◯Style Bonus:
・竜族=魔弾
敵の守備と魔防の低い方でダメージ計算を行う
・騎馬=魔導科学
戦闘後、再移動(3マス)
・重装=大筒使い
砲弾の命中+20
◯コンセプト:砲術に長けた紋章士。敵の射程外から一方的に攻撃と能力低下を狙う!!
せっかくエンゲージでマージカノンという砲術の使えるクラスができたので、砲術に長けた紋章士を作りたいと思いレギンに白羽の矢が立ちました。結構ピーキーな性能をしている砲弾ですが、必殺-80や、遠くなる程命中が下がるという大きなデメリットを踏み倒すスキルを揃えました。
エンゲージ武器について、"グラム"は性能が不明ですが明らかに重要な武器の扱いだったので入れました。詳細が分かり次第性能を考えますが………正直開花(お供)英雄で出てくるものだと思ってたら出てこなくて肩透かし………総選挙レギンを期待するしか無いか………
◎ユーリス(榎木淳弥)
◯呪文:
◯登場作品:風花雪月
◯髪色と服の色:藤色、黒地に灰色
◯シンクロスキル:
・紫煙
戦闘後、戦闘した相手とその周囲5マスの敵の力、魔力-5
・ラッキーセブン
毎ターンいずれかの能力+5
・トリック
5マス以内の味方と位置を入れ替える"トリック"コマンドが使用可能
◯エンゲージスキル:
・ドローミの鎖環
移動+1、再移動(3マス)
◯エンゲージ武器:
・サンダーダガー(短剣、射程1-2)
魔法武器、相手を毒にする
・サイレス(杖、射程1-6)
相手をサイレス(魔法、杖使用不可)状態にする
・薄闇の王の刃(短剣、射程1-2)
威力+速さの20%、相手を毒にする
◯エンゲージ技:
・鉑鎖の群狼
敵の守備と魔防の低い方でダメージ計算、戦闘後周囲を煙幕状態(敵の命中-30)にする
◯Style Bonus:
・竜族=ドローミの鎖環
技/2%で相手のダメージを半減させる
・隠密=トリック
7マス以内の仲間と位置を入れ替えられる
・気功=ラッキーセブン
どれか2つの能力+5
◯コンセプト:敵の能力低下や状態異常付与が得意な紋章士。味方との位置を入れ替える"トリック"は攻めるにも守るにも使える!!
武器種の都合上、ヒーローズに則り短剣(暗器)キャラにしました。
そしてゲーム的な性能はともかく、実際の戦闘描写で動かして見るとスゲェ呪術廻戦の東堂葵だこれ。スピード特化にステ振り直してデバッファータイプのスキル習得させた東堂葵になりましたわ。実際、自分の頭が良くないので再現しきれませんでしたが戦闘描写は参考にしました。
尚、ユーリスの中の人