FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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実装されてから数日経ったけど、やっぱりクリスマスフォデスはトンチキが過ぎてて草
元から性能的な話でネタにはなってたけども、ラスボスの威厳やら尊厳やらが粉微塵にされてるの本当に笑う
しかも以前のソティスとかみたくクリスマスのX(Twitter)担当になってるの草超えて"ブリュンヒルデ"生えた

それはそれとしてW神竜様ほわほわしててとても可愛い。ソラもフャンフャンしてて可愛い。


25章 烈火の竜

"エーテリオン"の落ちた楽園の塔。しかしこれこそが楽園の塔の支配者、ジェラールの狙いだった。魔力を蓄える魔水晶(ラクリマ)でできた塔の真の姿は"エーテリオン"の魔力、総量27億イデアを蓄えたのだった。

 

「"エーテリオン"の魔力を蓄えた………!?ジェラールの狙いは、これか………!!」

「エルザを早く連れ出さないと、まずい!!」

 

"エーテリオン"を避ける為、魔導二輪で空中へと逃げていたリューク、フェルト、アーロン。

 

「………フェルト、他の皆はどうなったか分かるか?」

「………ホーッ。」

「分かった。そっちを頼む。」

「ホーッ!!」

「アーロン、来れるか?」

「承知しました。」

 

フェルトは脱出した他の仲間と合流するために飛び出し、リュークはアーロンを乗せ剥き出しとなった楽園の塔の屋上へと魔導二輪を走らせた。

 

「接触前に作戦会議だ。アーロン、ジェラールの魔法は!?」

「………直接戦うのを観たことはありません。ですが、幅広い魔法をかなりの精度で扱える事は。」

「………なるほど。じゃあ、こうだな………」

 

手短に作戦会議を行ったリュークとアーロンは、話をまとめるといよいよ屋上に降り立った。

 

「改めて楽園の塔ようこそ、"青燎"のリューク。」

「やはりお前か。評議院の"変態"が。」

「おいおい、変態とは酷い言われようだ。」

「評議会への用事で行く度にじろじろと値踏みするような目で見てくる奴を変態以外に何と呼べと?」

 

降り立つとそこにはジェラールと、そのさらに奥には倒れたエルザの隣に立つナツがいた。

 

「おいリューク。コイツは俺がぶっ飛ばすんだ。邪魔はするなよ?」

「………それはできない相談だ。解放て(ときはなて)、系譜の紋章士(エムブレム)。」

 

リュークは紋章士リーフを顕現。

 

「こいつを倒さないと解き放たれない、俺の仲間がもう1人いるんだ。邪魔はしないが、俺のワガママは通させて貰うよ。リーフ、お願いします。」

『了解したよ。』

「『"エムブレム・エンゲージ"。』」

 

紋章士リーフと"エンゲージ"したリュークはエンゲージ武器の"光の剣"を出し、ジェラールに剣を向けた。

 

「面白い………ドラゴンの魔導士に、異界の英雄を従える魔導士。見せてもらおうか。」

 

ジェラールが構えたその瞬間、ナツとリュークは同時に駆け出した。

 

「うおおおっ!!」

『やあああっ!!』

 

炎を纏った拳と、光を纏った剣を同時に振るったナツとリューク。だがジェラールは片手ずつに魔力を纏い2人の攻撃をいなした。

 

「おらあっ!!」

「!!」

 

だがすぐさまナツが強烈なキックを繰り出し、そこからラッシュに入った。

 

「"火竜の翼撃"!!と、"鉤爪"!!」

 

続けて、リュークが飛び出した。

 

『はあっ!!』

「………!!」

『そこだぁっ!!』

 

"キラーアクス"、"マスターランス"、"光の剣"、3つのエンゲージ武器を次々と切り替えながらラッシュを繰り出し、そして吹き飛ばしたリューク。

 

「"火竜の咆哮"!!」

『解き放ってみせる!!"テトラトリック"!!』

 

炎のブレスと、それを切り裂かん勢いの"マスターボウ"による射撃をお見舞いした2人。だが、技の余波による土煙から出て来たジェラールは意に介していなかった。

 

「滅竜魔導士に、紋章士………どちらにしろ所詮は人、恐れるに足らんな。」

「なんだとォーっ!?」

『落ち着けナツ!!』

「これ以上儀式の邪魔をしてくれては困る。俺の"天体魔法"でチリにしてくれる………"流星(ミーティア)"。」

 

全身が光りだしたかと思うと、目にも留まらない神速で動き出したジェラール。

 

「うがっ!?………ヤロォ!!」

「ふん。」

「ぎっ!!」

『速い………ラクサス並か、それ以上………!!』

「そらっ。」

『ぐっ………"即応"でも、間に合わないか………!!』

 

圧倒的な速さに、ナツもリュークもついていく事ができていなかった。

 

「くそっ、速すぎる!!こういう時は目じゃねぇ………臭い、感覚、音、動きの予測………集中………そこだ!!」

 

五感を研ぎ澄まし、ジェラールの動きを読んだナツ。

 

「"火竜の鉄拳"!!」

 

しかし、ジェラールは更に加速しナツの動きをかわした。

 

「お前の攻撃など二度と当たらんよ。」

「ぐわあああっ!!」

「次はお前だ、リューク。"(うろ)"を見せなかったのは残念だが、ここで死ね。」

「何の話か分からないな………!!」

 

ナツに大ダメージを与え、地面に叩きつけたジェラールは標的をリュークに変更。

 

『(あの速さ、マルスかリンで追いつけるか………いや、違う!!)』

 

紋章士リーフとの"エンゲージ"を解除したリュークは懐に手を伸ばし、青白い光を放つと別の紋章士へと切り替えた。

 

勇烈め(いさめ)、天雷の紋章士(エムブレム)!!ヘクトル!!」

『おう、俺に任せな!!』

 

ジェネラルへと"クラスチェンジ"した上で紋章士ヘクトルと"エンゲージ"したリュークは片手にエンゲージ武器の"アルマーズ"を地面に突き立ててから構えるとエンゲージ技、"止水雷轟の構え"を展開。

 

「勝負を諦めたのか?」

『………!!』

「今更そのような大振りの武器、嬲り殺しにしてくださいと頼んでいるようじゃないか!?」

『………そう言う割にはぺちぺちと軽い攻撃だ。ジョゼといい、その首にかけている聖十大魔導の称号はお前の攻撃と同じく軽いものなんだな。』

「ほう………ならばお望み通り、重い一撃をくれてやる!!」

 

軽い攻撃、というのはハッタリではあったが紋章士ヘクトルとジェネラルという兵種を合わせた防御力でジェラールの攻撃を不動で耐え続けたリューク。

 

「苦しまずに死ね。」

『………!!』

 

"流星"による最高速度でリュークに突っ込んだジェラール。右手を貫手の構えにして狙うは人体の急所にして、身体の構造上防具も付けにくい場所………即ち首である。

 

『待っていた………!!』

「!!」

『ぐうっ!!』

 

そこを狙うのを"待っていた"、と言ったリュークは僅かに身体をずらし、ジェラールの貫手はリュークの右肩に突き刺さった。それに顔をしかめるリュークだがそれに構わず空いていた左手でジェラールの腕を掴んだ。

 

「これが狙いだったのか!?」

『………"第七小隊"、出撃!!』

 

振り解こうとしたジェラールを抑えたリュークが号令をかけたその瞬間、ジェラールの背後に5騎の幻影兵が現れた。

 

「幻影兵だと!?」

『………ニッ。』

 

3騎の騎馬兵(ソシアルナイト)弓兵(アーチャー)と魔道書を手にした賢者、計5騎の幻影兵は一斉にジェラールへと迫り、

 

「フン。」

 

魔力を籠めた左手を横に薙ぎ払い、幻影兵は一度に首が飛び消えたのだった。

 

「この程度の雑兵をいくら呼び出したところで………」

 

ザシュッ。その音と共に、ジェラールは背後から剣で刺された。

 

「ガハッ………貴様、何を!?」

『俺は何もしてないぞ………後ろから剣で刺す事も、幻影兵を呼び出す事もな!!』

 

その言葉を聞き、ジェラールはハッとした表情をした。

 

「姿気配が無いと思ったが………貴様か、アーロン!!」

『御名答。』

 

"その人物"はマルスの腹心であり友であった。

マルスの勝利を支える影であった。

しかして歴史書には記される事の無い"影の英雄"。

 

それが紋章士となった存在、それが背後から音も無くジェラールを刺したアーロンが"エンゲージ"している紋章士………近衛の紋章士(エムブレム)、クリスである。紋章士クリスのスキル、"影の英雄"により気配を消していたアーロンはジェラールが隙を見せるまで息を潜め、奇襲する時を窺っていたのだった。

 

「いつの間に………?」

『俺がお前の前に現れた時からだ。そして武器を地面に突き立てるのが合図で"エンゲージ"をしてもらった。』

「小癪な………!!」

『これぞ影の役目なれば。若様!!』

『ああ!!』

 

左手で掴んでいたジェラールを離し、痛む右肩をこらえて"アルマーズ"を頭上で回したリューク。ジェラールはそこから逃げようとするもアーロンが"メリクル"の剣で刺して動きを制していたために逃げれず、その間にリュークは"アルマーズ"を振り下ろした。

 

『もう寝てなァ!!』

 

渾身の一振りでジェラールを地面に叩きつけたリューク。

 

「ぐは………っ!!だが、この程度で終わるものか!!」

 

だがジェラールはリュークとアーロンが追撃を仕掛ける前に起き上がり、"流星"で上空まで上がった。

 

「貴様らまとめて、七つの星に裁かれよ!!"七星剣(グランシャリオ)"!!」

 

空に七つの星が浮かび、そこから圧倒的な破壊力を伴う光が流星のように降り注ぎナツ、リューク、アーロンへと襲い掛かった。

 

「ぬぅ………っ!!これしきで、動けぬとは………」

「くそっ………"奥の手"に頼ってばかりで魔力を使いすぎた………!!」

「……………」

 

"七星剣"が直撃し、大ダメージを負った3人。リュークとアーロンは"エンゲージ"が解除された状態で膝をつき、ナツはうつ伏せに倒れていた。

 

「隕石に匹敵する威力なのだかな、しぶといものだ。しかしハデにやり過ぎたか、これ以上Rシステムにダメージを与えるのはマズイな。魔力が漏洩し始めてる。」

 

ジェラールは倒れたままのエルザに視線を落とした。

 

「儀式を急がねば。」

 

そう言いエルザに手を伸ばそうとしたジェラール。すると、彼の身体に小石が当たった。

 

「へへ………当たったぞ、攻撃。」

 

小石を投げたのは、ボロボロになりながらも立ち上がったナツだった。

 

「それよりも聞いたか、リューク?」

「ああ………勇闘え(たたかえ)、蒼炎の紋章士(エムブレム)。そして"クラスチェンジ"、バーサーカー。」

 

フラフラしながら立つナツと、紋章士アイクを顕現してバーサーカーに"クラスチェンジ"し"ハンマー"を出したリューク。

 

「この塔ってか水晶か、壊されちゃマズイって訳か。運が悪かったな、ジェラール。」

「ぬぅんっ!!」

 

ナツは拳に炎を纏い、リュークは"ハンマー"を振りかぶって水晶の床に叩き付け破壊を開始した。

 

「よせ!!」

「よすかよバーカ!!」

「壊すのは得意なんだ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士は………燃えて来た、最高にな!!」

「貴様………一瞬で終わらせてやる、立ち上がった事を後悔しながら地獄へ行け!!」

「「やれるもんならやってみなァ!!」」

 

ナツとリュークは同時にジェラールへと向かって行った。

 

「つぇあっ!!」

 

そんな2人に天体魔法をぶつけるジェラール。

 

「だらあっ!!」

「ぜやあっ!!」

 

だが真っ向から受け切った2人は息を切らしながらも笑みを浮かべていた。

 

「はぁ、はぁ、口程にも無いなァ天体魔法ってのは!!」

「塔が壊れるのビビって本気出せねぇか!?ぜぇ、ぜぇ、全然効かねぇなァ!!」

「いつまでも調子に乗るな!!」

 

再び天体魔法をモロに食らい吹き飛ぶナツとリュークだが、2人とも笑みは崩さず宙返り。

 

「"火竜の煌炎"!!」

「"鳴動"ッッッ!!」

 

そしてナツは炎の拳を、リュークは紋章士アイクのスキル"破壊"と、己の力と体格を上乗せした奥義"鳴動"の力を上乗せした"ハンマー"を振り下ろして床を破壊。

 

「おらあああっ!!」

「ぞおぃやあああっ!!」

 

ジェラールの天体魔法を避けたり受け止めたりしながら塔の破壊を止めない2人。その光景に、ジェラールの怒りが頂点に達した。

 

「俺が8年かけて築き上げたものを………貴様ら、許さんぞォ!!」

 

そう言いながら頭上で腕を交差したジェラール。するととてつもない魔力がジェラールの周りに集積し、さらに影が光源と逆に伸び始めた。

 

「な、なんだこの魔力は………!?」

「これはマズイ………うぐっ!?」

 

この魔法はマズイと感じた2人だが、蓄積したダメージが2人の身体をその場に釘付けにしていた。

 

「無限の闇に落ちろォォォ!!」

「「……………!!」」

 

その時、ナツとリュークの前に意識を取り戻していたエルザが両手を広げながら割り込んで来た。

 

「貴様に私が殺せるか!?」

「!!」

「ゼレフ復活に必要なのだろう!?」

 

だが、ジェラールは止まらなかった。

 

「おおよその条件はな………だが、今となってはお前で無くとも良い。」

「!!」

「3人揃って砕け散れ!!」

「エルザ、どけ!!」

「守りなら、俺の方が!!」

「お前達が心配する事は無い。私が守ってやる。」

「天体魔法、"暗黒の楽園(アルテアリス)"!!」

 

濃密な、宇宙そのものを想起させる暗黒の塊がナツ、リューク、エルザに向かって飛んで来た。だが"暗黒の楽園"が直撃する、その直前にエルザの姿が消えた。

 

「"トリック"。」

「!!」

「アーロン!?バカ………ッ!!」

 

紋章士ユーリスの"トリック"でエルザと入れ替わったアーロンが"暗黒の楽園"を受け、闇の爆発に巻き込まれた……………そう、誰もが思った。

 

「な………!?」

 

だが、アーロンは"暗黒の楽園"によるダメージを一切受けていなかった。何故か、それはアーロンより更に前に出て攻撃を受け止めた者がいたからである。

 

「し、シモン………?」

「シモン、お主………!!」

「エル…ザ………」

 

既に満身創痍でありながら"暗黒の楽園"を一身に受けたシモンはその場に崩れ落ちた。

 

「シモン!!」

「馬鹿者!!儂が出るのを見ていただろう!!」

 

エルザとアーロンがシモンに駆け寄った。

 

「よ、よかった………エルザも、アーロンも無事だ。」

「何故儂まで庇ったお主!?」

「せっかく、あなたの、"主"に会えたんだろう………?」

「死に損ないの老骨のために命を投げ出す馬鹿がどこにいる!?」

「ようやく、皆の、役に………ゲホッ、ガフッ!!」

「もういい、喋るな!!」

「今治す!!しっかり気を保て!!」

 

エルザが声がけを続けながら、直ちに回復魔法をかけたアーロン。

 

「ガフッ………ぐっ、儂の身体も、いよいよガタが来たか………!!」

 

だが、アーロンの身体も蓄積ダメージと老いが重なり限界を迎えていた。

 

「ぐ………ここまで、か………!!」

 

意識が飛びそうになっていたアーロン。だが回復魔法の手は休めず、残る力で彼はリュークに指輪を投げた。

 

「若様!!」

「!!」

「後は、頼みます………!!」

「おい、アーロン!!」

 

そう言いながら、既に気を失っていたシモンの呼吸が安定したのを見届けるとアーロンは意識を手放し倒れた。

 

「お、おい………シモン、アーロン。しっかりしろ!!起きてくれ!!」

 

目の前で倒れたシモンとアーロンを揺するエルザ。2人とも呼吸こそしていたが返事は無く、そしてそれを確認できる程エルザにも余裕は無かった。

 

「おい!!起きてくれ!!起きろ!!いや………いや、イヤァァァッ!!」

 

悲鳴をあげるエルザ。それを見ていたジェラールの行動、それは"嘲笑"だった。

 

「あはははっ、くだらん!!実にくだらんよ!!無駄に仲間を庇った馬鹿と、それを救おうと先の短い命を削り切った馬鹿!!そう言うのを無駄死にって言うんだぜ!!」

「てめぇ………っ!!どこまで人を、命を馬鹿にすれば………!!」

「どうせ大局は変わらん!!どの道誰も生きてこの塔から出ることは叶わんのだからなァ!!」

 

と、更に嘲り笑うジェラール。だがその嘲笑は、突如目の前に現れたナツの一撃で止まった。

 

「黙れェェェェェッ!!」

 

思いっ切りジェラールを殴り飛ばしたナツ。彼は何やら咀嚼をしていた。

 

「ナツ………お前、何を………」

「!!ナツ、まさか………!!」

 

ナツが咀嚼していたもの、それを告げたのはジェラールだった。

 

「こいつ魔水晶を………"エーテリオン"を食ってやがる!!」

 

滅竜魔導士の特徴、それは自らの属性と同じものを食べ、パワーアップする事である。

 

「オオオオオ!!………ゴフッ、ガッ、グハッ!!」

「(強力な"魔力"を、"炎"の代わりに食えばパワーアップするとでも思ったか!?)」

「グハアッ………ゲホッ、ゲホッ!!」

「(確かに力は増しているようだが………身体が壊れているようじゃ無意味。その短絡的な考えが自滅をもたらした。)」

 

魔力量は急上昇し、周囲にその魔力を迸らせ立っているだけで塔を破壊し始めているナツ。だが炎属性以外の魔力も取り込んでいるが為に身体へ多大な負担がかかり、絶叫しながらのたうち回っていた。

 

「アアアアア………!!」

 

その時、リュークがナツの生み出す破壊をすり抜け、彼の横まで来た。

 

「ナツ、これを。」

 

そして懐に手を伸ばすと、手のひらに収まるサイズの青い、水晶のような半透明の石をナツに持たせた。

 

「ぐあ………リューク、何、だ………これ、は?」

「良いから持ってろ!!そして、抑えきれない魔力をそっちに回せ!!」

「よく、分かんねぇ………けど、分かっ、た。」

 

リュークの渡した石を握り締めたナツ。

 

「アアアアア、ッ………オオオオオッ!!」

 

すると、ナツから無差別に迸っていた魔力が一気に集まり、竜の形の輝くオーラを形成した。

 

「ドラゴン………!?」

「なに!?"エーテリオン"を、取り込んだだと!?」

「………上手くいったか、"ドラゴンフォース"。」

 

輝くオーラを纏い、顔の一部に竜の鱗のようなものが浮き上がったナツ。滅竜魔導士の魔力が最大限に達した時に起きる"奥義"、その名も"ドラゴンフォース"。

 

「フゥーーー………っ。」

「落ち着いたみたいだね、ナツ。一か八かだったけど、成功したみたいで良かった。」

「何だこの石は。」

「俺の命の次に大事な"宝物"だよ。」

 

そう言いながら、リュークはアーロンの指輪を目の前に掲げた。

 

「借りるよ、アーロン。緋断え(きりはらえ)、烈騎の紋章士(エムブレム)。」

「弔い合戦のつもりか?」

「アーロンはそう言うのあまり好きじゃないんだ。ただ、お前を倒すのに最適だっただけだ。"エムブレム・エンゲージ"。」

 

紋章士エリウッドを顕現、"エンゲージ"まで行ったリューク。

 

『それじゃ、その石返して貰ってもいいかい?』

「ああ。おかげで助かった、ありがとよ。」

『どういたしまして………っと!!』

 

ナツからその石を受け取った瞬間。リュークにもその魔力が流れ込みナツ同様に竜の輝くオーラを纏い、更にスキル"強化増幅"でそのオーラは肥大化し、周囲の床を容易く砕いた。

 

「おい何だよそれ!?」

『スキル"共謀"。ナツの強化を俺にも共有させて貰った。………これで、目の前のクソボケをぶっ飛ばせる。』

 

竜のオーラを纏う2人に驚くジェラール。だが、驚いている暇は彼には無かった。

 

「オラアッ!!」

「ぐほっ!?」

 

猛スピードでジェラールに突進したナツはジェラールを床に叩き付けると、そのまま下に突撃し床を突き抜けた。

 

「お前がいるから!!エルザが涙を流すんだァ!!」

「ぐあああああ………っ!!」

 

先程とは打って変わって、ジェラールを圧倒し始めたナツ。だがジェラールもここで終わる男では無かった。

 

「"流星"!!」

「!!」

 

"流星"でナツの猛攻から抜け出したジェラール。

 

「この速さにはついて………!?」

『決着をつける!!』

「ぐおあっ!!」

 

だが、"流星"で抜け出した先にはリュークが待ち構え、"デュランダル"で大剣とは思えない速度で一撃を叩き込んだ。地面に叩き付けられたジェラールはすぐに起き上がり反撃を試みたが、その時には既にリュークは彼の背後に回り込み、"デュランダル"に烈火を纏わせていた。

 

『これで終わらせよう!!』

「しま………っ!!」

『"烈火紅蓮覇斬"!!』

 

反応される前に"デュランダル"で斬り上げ、ジェラールを打ち上げたリューク。

 

『ふん、はっ、せいっ、やっ、はああっ!!』

 

そしてジェラールを追いかけ飛び上がったリュークは空中で動き回りながら断続的に斬撃を重ねていた。

 

「(ありえん………!!)」

 

リュークの攻撃をまともに受けていたジェラールは、その間に1つの疑念が生じていた。

 

「(ナツのあのオーラ………間違い無い、滅竜魔法の極致、"ドラゴンフォース"だ。だがリュークは何だ………!?滅竜魔導士(ナツ)ですら多大な負担を受けている"ドラゴンフォース"の強化を、ただの人の身で受けるなど、ありえん!!)」

 

互いの強化を共有するスキル"共謀"により"ドラゴンフォース"の強化を自分にも受けたリューク。だが誰が見ても人の身に余る力を制御するという不可能を成し遂げている彼を前に、ジェラールは思考を巡らさずにはいられなかった。

 

「(あの石か!?あれを持たせた瞬間ナツの魔力の暴走を抑えたが、ではあの石はそもそも何だ!?何故竜の力を制御し、操る力を………あ。)」

 

思考の末、ジェラールは1つの結論に至った。

 

「………ふ、ふふ。」

『何がおかしい!?』

 

攻撃を受け続けながらも笑い始めるジェラールに困惑しながらも、攻撃の手は一切緩めないリューク。

 

「そうかそうか、それが"(うろ)"の………貴様の隠していた力の正体か。」

『………!!』

「至極単純なものだとはな!!よもや貴様が………!!」

『喋り過ぎだ。』

「ごはっ!!」

『これで決める………とりゃあーーーっ!!』

 

話を続けようとしたジェラールを蹴って止めたリュークは最後に"デュランダル"を思いっ切り振り上げ、ジェラールに振り下ろすとそのまま地面に落下し大爆発を起こした。だが、ジェラールはまだ倒れていなかった。

 

「いくら速くても、大剣の大振りは隙だらけだ!!」

『!!』

 

最高速度の"流星"でエンゲージ技を撃ち終え着地したリュークの背後に回り込んだジェラール。だが、そこに下層からナツが全速力で突っ込み、ジェラールを上空へ再び打ち上げた。

 

「ガハアッ!!」

「おおおっ!!」

「ば、バカな!!俺は負けられない………自由の国を作るのだ!!」

 

上空へと上がるジェラールと、それを追いかけるナツとリューク。

 

「絶望の中でゼレフは囁いたのだ………真の自由が欲しいか、と。そうさ………ゼレフは俺を選んだのだ!!俺は選ばれし者なんだ!!俺がゼレフと共に真の自由国家を作るのだ!!」

「それは人の自由を奪って作るものなのかァーーーっ!?」

「世界を変えようとする意志だけが、歴史を変えられる!!貴様らには何故それが分からん!?」

『大切な者を………守るべき者を真っ先に踏み躙ってまで作る"真の自由"とは何なんだ!?そんなの、むなしいだけじゃないか!!』

 

吼えながらジェラールに迫るナツとリューク。それに対してジェラールは即座に魔法陣を描いた。

 

「"煉獄破砕(アビスブレイク)"!?塔ごと消滅させるつもりか!?」

「次は8年………いや、5年で再建してやる!!待ってろゼレフ………!!」

 

そして"煉獄破砕"を放とうとしたその瞬間。最初にエルザから受けた傷が今になって痛み"煉獄破砕"が不発に終わった。

 

「ぐっ………!?」

「お前なんかは自由になれねぇよ!!」

 

ジェラールの動きが止まったそのタイミングでナツとリュークはジェラールに迫った。

 

「亡霊に縛られてる奴に自由なんかねぇんだよ!!」

『いない者にに囚われ、大切な者の自由を奪って………そうしてできる"理想郷"など、ありはしない!!』

「『まずは自分を解放しろ、ジェラァァァルゥゥゥ!!!!』」

 

拳と剣に烈火を纏わせ振りかぶったナツとリューク。ジェラールは、その2人に2頭の竜を幻視し、動きが止まった。

 

「『うおおおおおおっっっ!!!!』」

 

そして、その拳と剣がジェラールに振り下ろされ、ジェラールをありったけの力で叩き落とした。2人の渾身の一撃を食らったジェラールは何層にも渡って床を突き抜けて塔を破壊し、やがて下層の方で止まり瓦礫の中で動かなくなった。

 

「「……………」」

 

一方ナツと、紋章士エリウッドとの"エンゲージ"が解除されたリュークはふらつきながらも着地。

 

「(ジェラールを倒した………私の、8年の戦いは終わった。これで、皆に本当の自由が………)」

 

長い戦いが終わりを告げた事を知り、思わず笑みがこぼれたエルザ。だが、ナツがふらりと倒れるのを見て駆け出し、受け止めた。

 

「お前はすごい奴だ………本当に。」

 

その横で尻餅をつきながら倒れ座り込んだリューク。

 

「いてっ!!」

「リューク………どんなカラクリを使ったんだ?"エーテリオン"を食ったナツを抑えたのは。」

「………秘密、だ。」

 

イタズラっぽく笑ったリューク。

 

「………若様。」

「アーロン!!起きたか!!」

「若様………まさか、"あの"力を………」

「大丈夫、制御できない力に頼る程未熟じゃないよ。」

 

ふらふらと立ち上がったリュークはアーロンの目の前まで歩いた。

 

「立てるか?」

「………恥ずかしながら。シモンの治療で力を使い果たした模様………老いたく無いものだ。」

「………その歳でそこまで口が回るなら十分だよ。」

 

そう言って笑いながらリュークはアーロンの横に倒れるシモンの様体を確認した。未だに意識は無いが呼吸はしていて、命に別条は無かった。

 

「仕方無い、肩を貸すぞ。あと、指輪もありがとう。返すよ。」

「かたじけない。」

 

シモンを背負い、アーロンに肩を貸して立ち上がらせたリューク。その間にエルザは気を失っていたナツを背負った。

 

「………帰ろう。」

「………ああ。下にいる仲間と合流しよう。」

 

後は帰るだけ………そう思い、リュークとエルザは主を失った楽園の塔を下りようとした。

 

「「「!?」」」

 

とてつもない地響きが起きたかと思うと、楽園の塔は蓄えた魔力を迸らせながら音を立てて崩れ始めたのだった。

 

 

続く




・"烈火紅蓮覇斬"

はい、ほぼパクリです。エリウッドと同じCV櫻井孝宏の大剣使い(「興味ないね」の人)の必殺技に炎纏わせたエンゲージ技です。リュークvsアーロンにて使用された時、初撃を外したらそのまま不発なのもスマブラでの仕様そのままです。

続けて、アーロンの持つ最後の紋章士であるクリスの性能です。

◎クリス(日野聡)
◯呪文:援護ろ(ささえろ)、近衛の紋章士(エムブレム)
◯登場作品:新紋章の謎
◯髪色と服の色:青色、黒地に青
◯シンクロスキル:
・獅子奮迅
基礎ステータス+3、戦闘後5ダメージ
・影の騎士
敵に狙われにくくなる(敵の行動範囲に自分以外の味方がいる時、敵に狙われない)
・千手
使用できる武器を1種類増やす(武器レベルBまで、選択可能)
◯エンゲージスキル:
・第七小隊
幻影兵を召喚する(後述)
◯エンゲージ武器:
・ドラゴンソード(剣、射程1)
竜特効
・("千手"で選んだ武器に応じて変化、後述)
・メリクル(剣、射程1)
入手経験値2倍
◯エンゲージ技:
・語られざる英雄
攻撃後、敵から受けるスキルを無効にする(3ターン)
◯Style Bonus:
・竜族=獅子奮迅
基礎ステータス+5
・連携=千手
選んだ武器の武器レベルSまで使用できる
・隠密=影の英雄
戦闘時、回避+20

◯コンセプト:"影の英雄"は敵に認知され辛い。音も無く忍び寄り、豊富な手札でオールラウンドな活躍を!!

・"第七小隊"で召喚される幻影兵の詳細
賢者×1騎、ソシアルナイト×3騎、アーチャー×1騎
・"千手"の武器選択で選ばれるエンゲージ武器一覧
"キルソード"、"キラーランス"、"キラーアクス"、"キラーボウ"、"暗殺手裏剣"、"キラーナックル"、"シェイバー"、"リブロー"

………"影の英雄"感を出す為に隠密めいたスキル搭載してますが、何かどちらかと言えば新紋章の敵の暗殺組織めいた形になってしまい、今になって頭抱えてます………いっそローローみたいに分身すべきだったか?(笑)
スキル"千手"はクリスの登場する新紋章、並びにその前作の新暗黒竜の兵種変更がだいぶ自由度が高い(他作品はできないorアイテムを使うのに対して、この2作品は拠点で自由に変更できる)のを反映しました。
"第七小隊"はクリスが隊長を務めた第七小隊を呼び出すものですが、紋章士ヴェロニカの"英雄召喚"と比べるとレベルが低いので、どちらかと言えば戦力というよりはEchoesの"イリュージョン"みたいに囮として使う方が運用しやすいイメージで作りました。

楽園の塔編で新たに登場するオリジナル紋章士は以上です。これで10人のオリジナル紋章士を出しましたが、自分のメモを見てるとまだ10人前後のオリジナル紋章士のアイデアがあるので、そのうち出して行きたい所ですね。
また原作の紋章士(12の指輪と7つの腕輪)もまだ2人出せていませんが………自分の構想上、エドラス突入までには登場できる予定です。

・青い水晶のような半透明の石

ナンナンデショウネーコレハー(精一杯のすっとぼけ)
何で"ドラゴンフォース"の力へと安定させたのか、何でこれの持ち主であるリュークは"ドラゴンフォース"の力を得て平然としていられるのか。

………まぁ、つまりそう言う事です。FEシリーズ知ってる人なら(FEシリーズ知らんくて本作読んでる人は果たしているのか?)なら"変な石持ってる人間"の正体は大体想像はつくでしょうし、何回かリュークが"そうである"描写も入れてますがそんな事をギルドの仲間が知る由は無いので今はまだ明言しません。
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