FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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ヒーローズ8周年〜
入れ替わり立ち替わりの激しいスマホゲーで8周年はようやり過ぎてる。インフレが激しいのは少しどうにかしてほしいとは思いますが楽しめてますし、課金が風花雪月とエンゲージで返って来てるので嬉しいですね。
そして第9回FE総選挙〜
男性:エイクスルニル、ベレト
女性:シャロン、バルドル

まぁ〜たバルドルとか素性のすの字も分からんのが来たんだが?今のところ「貴方がたでは私に勝てませんわよオーッホッホ」しかしてないのじゃが?2年前のグルヴェイグよろしく何をどう気に入ったのかが全く分からん。あと男4位のフォデスもシンプルナンデ?
そしてエイクスルニルはこっちはこっちでそんな人気なんか知らなんだ。女のおっぱいと男の筋肉はデカいに限るってか。シャロンとベレトはある程度予想ついたけど、他は女リュールかヒルダは来るかと思ってました。


44章 最強の男

「あいたたた………」

「大丈夫ですか、ルーシィさん?どこかケガしたのですか?」

「ありがとうウェンディ………でも違うの、いたた………」

「何があったのよ………」

「き、筋肉痛が………!!」

「「筋肉痛?」」

 

翌日、ルーシィは全身に筋肉痛を訴えてギルドの机に突っ伏していた。

 

「もしかして、治した方が………」

「筋肉痛ごときで治癒魔法を使うんじゃ無いわよ。」

「うう………」

「それにしてもどうしたんですか?」

 

ウェンディの質問に対して、ルーシィはクエストボードの方を指差した。

 

「ふわあ〜っ。」

「ホ〜。」

「相変わらず眠そうだなお前。それはお前個人の問題なのか、それともドラゴンだからなのかどっちだ?」

「ん~、多分両方。」

 

お昼前のギルドではお馴染みの光景となった、眠そうに大あくびをするリュークとフェルトのコンビ。

 

「………今日はこれかな?」

 

1つのクエストを取ってマカロフの所へ持っていこうとしたリューク。だが自分がルーシィに指差されているのに気づきそちらへ向かった。

 

「おはよー。どうした?」

「どうした?じゃないわよ………誰のせいで身体がバキバキでろくに動かないと思ってんのよ………!!」

「………リュークさん、一体何を………?」

「ただの手合わせだよ。紋章士をより扱えるように、武器の使い方を教えてくれって頼まれたから付き合ったけど………」

 

あくびを噛み殺したリュークは、いたずらっぽく笑った。

 

「ルーシィがあまりにも健気に食らいついてくるから、つい興が乗ってしまった。いやー、今になって何で師匠(アーロン)のシゴキが厳しい時に限って満足そうな顔をしてたか理解したよ。」

「鬼、悪魔、邪竜、邪神………!!」

「だーれが邪竜だよ………と言うか何か増えてるし。」

「………ところでなんだけど、服変えた?」

「ん?」

 

リュークの今までの服装は白が基調のフード付きローブと言う、地味めな装いだった。だが今日のリュークは、同じ白が基調の服でも金、青、赤の入ったきらびやかなものになっていた。

 

「どうしたのよそれ?イメチェン?」

「そうだね。竜族である事を明かしたし、じゃあって事で里にいた時の服を引っ張り出したんだ。」

「へぇー。随分とキラキラした服ね。どこかの王子様みたい。」

「一応そう、と言えるのかな。部族の長の息子だし………まぁ、継承権とは縁遠い末っ子だけど。」

 

そんな他愛もない話をしていたその時。街中に鐘の音が響き渡った。

 

「何!?」

「鐘の音?」

「………この鳴らし方って確か。」

 

ゴーン、ゴゴーン、と繰り返し鳴らされる鐘の音。この鳴らし方で、ルーシィやウェンディ、ガジルやジュビアなどの新入り以外の魔導士は喜びの表情を見せながら反応した。

 

「この鳴らし方!!」

「あい!!」

「おおっ!!」

「まさか!!」

「ギルダーツが帰って来た!!」

 

ギルダーツ。妖精の尻尾最強を聞かれると真っ先に上がる魔導士の帰還に、ギルド内はいつも以上にお祭り騒ぎとなった。

 

「この騒ぎようは何!?」

「お祭りみたいだね、シャルル。」

「本当に騒がしいギルドね。」

「ギルダーツって確か妖精の尻尾最強って言われてた魔導士よね………でも、人一人帰って来るだけでこんなに騒ぐもの?」

 

ルーシィの疑問に答えたのはミラだった。

 

「無理は無いわ………だって、3年ぶりに帰って来るもの。」

「3年も!?一体何をしに!?」

「もちろん仕事よ。S級クエストの上にSS級クエストっていうのがあるんだけど、そのさらに上に10年クエストと言うのがあるの。」

「10年クエスト………」

「10年間、誰も達成した事が無いクエスト、だから10年クエスト。因みにリュークが間違えて達成したのは50年間誰も達成できなかったクエストだけど、それも扱いとしては10年クエストよ。」

「……………。」

「じゃあ、ギルダーツはそれに?」

「ううん。ギルダーツが行ってたのはその更に上、100年クエストよ。」

 

それを聞いたルーシィは口をポカンと開けた。

 

「100年間、誰も達成できなかった………」

「………それにしても、騒ぎ過ぎじゃないかしら?」

「街の方からも騒ぎが………」

 

耳をすませたルーシィ、ウェンディ、シャルル。すると街の放送が聞こえた。

 

《マグノリアをギルダーツシフトへ変えます!!町民の皆さんは速やかに所定の位置へ!!繰り返します、マグノリアを………》

「ギルダーツシフト?」

「………外を見れば分かる。」

 

リュークに言われ、ギルドの外を見たルーシィ。その光景を見て、開いた口が塞がらなくなった。

 

「ま、街が、割れたーーー!?」

 

地響きと共に街が真っ二つに割れ、マグノリアの入口からギルドの正面入口にかけて真っ直ぐの通路が完成していた。

 

「ギルダーツは触れたものを粉々にする魔法を使うんだけど………ボーっとしてると民家を突き破って来ちゃうの。」

「どんだけバカなのよ!?しかも、魔導士1人の為に街まるごと改造したの………!?」

「ギルド入りたての頃の俺と同じ反応してるよ………」

「ホー。」

「凄いねシャルル!!」

「ええ………凄いバカ。」

 

間もなくして、街が割れてできた通路を1人の男がガシャガシャと音を立てながらゆっくりとギルドへと歩いて来て、そして入った。

 

「………ふぅ。」

「お帰りなさい、ギルダーツ。」

 

入って来た男、ギルダーツを最初に出迎えたミラ。するとギルダーツは首をかしげてミラに尋ねた。

 

「お嬢さん、確かこの辺りに妖精の尻尾ってギルドがあったはずなんだが………」

「ここよ。それに私ミラジェーンよ。」

「ミラ?」

 

するとギルダーツは破顔した。

 

「随分変わったなオマエ!!それにギルドも新しくなったのかよ!!」

「外観じゃ気づかないんだ………」

「案の定ボーっとしてたね………」

 

そんなところに駆け出す1人。

 

「ギルダーツ!!」

「おおナツか!!」

「俺と勝負しろォォォ!!」

 

ナツがギルダーツに向かって猛突進して勝負を仕掛けた。

 

「また今度な。」

「ごぱっ!!」

 

だがギルダーツは片手でナツを跳ね上げ天井にめり込ませた。そんなギルダーツに、マカロフが声をかけた。

 

「ギルダーツ。」

「おおマスター!!久しぶり!!」

「仕事は?」

「ガッハッハッ!!」

 

マカロフの問いに、豪快に笑ったギルダーツ。だがすぐに表情を変えた。

 

「ダメだ。俺じゃ無理だわ。」

 

妖精の尻尾最強の魔導士、ギルダーツのクエスト失敗。その事実が与える衝撃は並のものではなかった。

 

「何!?」

「ウソだろ!?」

「あのギルダーツが………クエスト失敗………!?」

「……………」

「100年クエストはまだ早い、やめておけ。」

「あっれー?ワクワクしてるように見えましたぁ!?」

「ルーシィの場合あり得るのがなぁ………万が一の時は頼むよ、ウェンディ。」

「ホ、ホー。」

「ええっ、わ、私ですか!?」

「ちょっとリューク、ウェンディに無茶振りしないでよ!!」

「全くあたしの事何だと思われてるのかしら………」

 

そんな中、ギルダーツは苦笑いしながらマカロフに謝っていた。

 

「すまねぇ、名を汚しちまったな。」

「いや、無事帰って来ただけでよい。ワシの知る限り、このクエストから帰って来たのは主が初めてじゃ。」

「んじゃ、俺は休みてぇから帰るわ。」

 

そう言い残すとギルダーツはギルドの壁を粉々にして帰って行った。

 

==========

 

「毎度ありー。」

 

その後。夕方になってリュークは武器屋で大量の矢を買い込んでいた。

 

「アルムと"エンゲージ"している所を見る限り、そんなに狙いが壊滅的では無さそうだし、これだけ用意すれば十分か。」

 

ルーシィの弓術鍛錬用の矢を買い込んだリュークは矢筒に入れて持ち帰ろうとしていた。

 

「お、こんなところにいたか。」

「ギルダーツ?」

「ちょっと話いいか?」

「構わないけど。」

 

そしてリュークはギルダーツの家に呼ばれた。

 

「さて、早速だが………お前、竜だったんだな。」

「そうだよ。ナツから聞いた?」

「ああ。しかし驚いたぜ、竜がウチのギルドにいたなんてな。それもどの暴れん坊がそうかと思えばお前みたいな穏やかな奴だったってのも意外だ。」

「竜にも色々いるんだよ………で、そんな話をしにわざわざ俺を呼ばないだろ。何があった。」

 

ギルダーツは一息ついてから話し始めた。

 

「お前、黒い竜に会った事はあるか?」

「黒い竜なんていっぱいいるけど?それだけじゃ何も分からないよ。」

 

するとギルダーツはマントを外した。露わになった身体は傷だらけで、左腕と左足は義手と義足になっていた。

 

「な………っ!?」

「仕事の途中で霊峰ゾニアを通った時に、その黒い竜にやられた。あと分かるのは………あれは確実に人類の敵だ。心当たりはあるか?」

「……………」

 

リュークはしばらく押し黙った後にゆっくりと口を開いた。

 

「………まだ判断材料が少ないから断定はできないけど、もしかしたら、というのはいる。」

「そうか………だが、悪いな。思い出したくもない奴だったか?」

 

ギルダーツがそう発言した理由。それはリュークが拳を固く握り始め、そして何よりも目から光が消えたように見えたからである。

 

「………逆だよ。忘れた時なんてあるものか………俺の故郷をめちゃくちゃにした奴の事を。」

「……………」

「だが、今追いかけたところで俺みたいなガキが1人でできる事なんて無い。それに………」

「それに?」

「復讐に生きるな、愛するものの為に生きろ………母さんの最期の言葉だ。」

 

その時、リュークの目の光が戻ったようにギルダーツは感じた。

 

「そうか。すまねぇな、面白くない話をしてよ。気分転換に、一勝負いいか?」

「………分かった。でもナツには言わないでよ?あいつと戦う羽目になるのは嫌なんだ。」

「やっぱり滅竜魔法は竜には痛いか。分かった、場所を移そう。」

 

==========

 

街外れに移動したリュークとギルダーツ。

 

「じゃあ始めるか………って、素手でいいのか?」

「換装魔法は武器を"預ける"魔法だ、"生み出す"魔法じゃない。前戦った時みたいにポンポンと武器を砕かれたら困る。それに………」

 

リュークは深く息を吐いた。すると口から霧が漏れ出し、さらに両手両足に桃色のオーラを纏った。

 

「今ギルダーツが見たいのは竜としての俺だろ?」

「ほう………?」

「先祖代々に受け継がれた神竜格闘術、とくとご覧あれ!!」

 

するとリュークは一気に踏み込むと小さい身体を逆手に取りギルダーツの懐に潜り込んだ。

 

「はあっ!!」

「!!」

 

そこから右アッパーを仕掛けたリューク。ギルダーツはそれを紙一重で避けたが、その直後に左の掌打が襲い掛かった。

 

「ちっ!!」

「"神竜の撃鉄"!!」

「ぐっ!?」

 

掌打を受け止めたギルダーツ。だが直後にリュークは掌打に纏っていたオーラを発勁の要領で打ち出した。

 

「"神竜の………」

「!!」

「咆哮"!!」

 

ギルダーツを突き飛ばしたリュークは更に追撃で、ナツ達のブレスのように息を吸い込んでから桃色のビームを口から発射。

 

「ちっ………"クラッシュ"!!」

 

だがギルダーツは右手をリュークの放ったビームにかざすとビームが粉々に砕け散った。

 

「ビームも砕くとかやっぱり無法だよね、その魔法?」

「どの口が言うんだ?武器戦闘においてはエルザと2トップのお前が滅竜魔法まで使うのは反則だろ?」

滅竜魔導士(にんげん)にできて竜にできない道理は無いだろう?だけど、これじゃあまり効果が無いみたいだね………なら!!」

 

リュークは再び息を吸い込んだ。

 

「"神霧の咆哮"!!」

 

再びビームが飛んで来ると読み右手を出したギルダーツ。だがその予想は外れ、飛んで来たのは濃霧だった。

 

「む………!!」

「霧なら"クラッシュ"もできまい!!」

 

霧の細かさなら"クラッシュ"できないだろうと"霧のブレス"に切り替えたリューク。その読みは当たり、ギルダーツに襲いかかった濃霧は"クラッシュ"されること無くギルダーツにダメージを与えた上で視界を塞いだ。

 

「………」

 

濃霧の中で神経を研ぎ澄ませたギルダーツ。すると濃霧の"ゆらぎ"を感じ取った彼は拳を繰り出した。

 

「そこだ!!」

「………」

「何っ!?」

 

だが拳が当たったはずのリュークは文字通り霧散。

 

「………分身か!!」

「御名答っ、"霧分身"!!」

 

そこからワンテンポ遅れて本物のリュークがムーンサルトキックで襲い掛かった。

 

「"神霧の崩拳"!!」

 

続けて防御貫通の正拳突きでギルダーツにどんどん攻め立てるリューク。

 

「このまま、決める!!」

「………!!」

「神竜として………!!」

「"破邪顕正………」

「"神竜破"!!」

「一天"!!」

 

そしてリュークが拳からビームを撃ち込む大技を繰り出すと同時にギルダーツも大技で対抗、2つの大技がぶつかり周囲の木々を衝撃波で薙ぎ倒したのだった。

 

「ふぅ………」

「………」

 

距離を取り、しばらく睨み合った2人。するとリュークが先に構えを解いた。

 

「降参だ。」

「おっと、いいのか?」

「この先の力は敵でもないのに使うつもりはありません。それに、この時点であなたに膝をつかせられない時点であなたにも黒い竜にも勝てない。」

「………そうか、そう言うのなら分かった。」

 

ギルダーツも構えを解き、拳を下ろした。

 

「しかし前回のような武器も紋章士も使わずここまでやるとはな………お前があの黒竜と違って、人類の味方で良かったよ。」

「勝手に人類背負わせないでくれ。俺みたいな若造、目の前のもので精一杯だ。」

「………そうか。とにかく、お前の竜の力の一部を体験できて満足だ。これからも頼むぞ。」

 

するとギルダーツは先に帰って行った。

 

「全く、好き勝手してくれるねぇ………」

 

苦笑していたリュークだが、やがて険しい表情に変わった。

 

「………黒い竜、か。」

 

僅かに身震いをした彼は、拳を固く握りその震えを止めた。

 

「もっと、強くならないと。」

 

 

続く




・神竜格闘術
先祖代々に伝わる、神竜の力を纏って戦う体術。世代が進んでアレンジや改良が行われた結果、両手両足にブレスと同じ属性の魔力を纏う、滅竜魔導士に似た戦い方となっている。

=技一覧=
・"神竜の撃鉄"
正拳もしくは掌打を打ち込んだ直後に、手に纏った魔力を衝撃波として撃ち出す。感覚としてはスマブラのルカリオの"はっけい"(横B)。
・"神竜の咆哮"、"神霧の咆哮"
口から"神竜のブレス"もしくは"霧のブレス"を放つ。滅竜魔導士のブレスとほぼ同じ。
・"霧分身"
霧の分身を造る。攻撃能力は無く、敵の攪乱や攻撃の回避に使われる
・"神霧の崩拳"
"霧のブレス"の防御貫通性能を付与した正拳突き。

他にも技は増える予定です。

では次からエドラスへ異界旅行に行ってもらいます。どんな世界に、どんな相手が待ち受けているのでしょうね。
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