FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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戦闘シーンの参考にする為に改めて歴代FEの必殺シーンとか見返してるんですが、それを文章にするの難しいなーと毎回難儀しながら書いてます。

GBA時代の超人的でド派手な動きとか上手く文章にできる力が欲しい。力を………力………力こそ全てェ!!(豹変)


49章 超えし者

「さて、到着したか………」

 

エドリュークと2回目の闘いを切り抜けたリュークはついに敵の本拠地、エドラス王国の王都に到着した。

 

「しかし今までの街とは全く違うな………正直、目がチカチカする。」

 

リュークがこれまでに立ち寄ったルーエンやシッカのような、魔法と言う"文化"が奪われた街とは打って変わり、王都は街丸ごと遊園地になったかのような煌びやかなものとなっていた。照明などには魔力がふんだんに使われており、住んでいる民も今までの街のような窮屈さを感じさせない明るさに包まれていた。

 

「国中の魔力を集めてする事がこれか………そりゃ王都の民は満足だろうけど………」

 

人混みをかき分けながら進むリューク。すると、一際賑わっている場所を見つけそっちへ向かった。

 

「いっそ暴れてくれればルーシィ達も見つけやすいんだけどなぁ………っ、と。」

 

小柄な身体を活かして人混みをかき分け、広場に到着したリューク。その目の前には、巨大な魔水晶(ラクリマ)があった。

 

「これが、妖精の尻尾とマグノリアの皆………いや、切り出した跡がある………」

 

すると、広場に集まった民が歓声をあげた。何事かと見回すと、魔水晶の前に1人の老人が現れた。

 

「陛下ーーー!!」

「バンザーーーイ!!」

「(あれがエドラス王………敵の、首魁。)」

 

エドラス王は魔水晶の前に立つと通る声で演説を始めた。

 

《エドラスの子らよ。我が神聖なるエドラス王国は、"アニマ"により10年分の"魔力"を生み出した。共に歌い、共に笑い………この喜びを分かち合おう。》

「……………。」

 

更に大きくなった歓声に呼応するように、エドラス王の演説にも熱が入り始めた。

 

《エドラスの民はこの魔力を共有する権利があり、エドラスの民のみが未来へと続く神聖なる民族!!我が国からは誰も魔力を奪えない!!それどころか我は更なる魔力を手に入れると約束しよう!!》

「……………!!」

《これしきの魔力がゴミに思える程のなぁ!!》

 

持っていた杖で背後に置いてある魔水晶を叩き、零れ落ちた破片を踏み潰したエドラス王。それを見た王都の民のボルテージも最高にまで上がり、割れんばかりの歓声が広場を包んだ。だがそれに反比例して、リュークの顔から表情が消えた。

 

「     」

『(ダメだよリューク!!関係無い人まで傷つけちゃう!!)』

『(早まるな!!いくら何でも1人では………!!)』

「………分かってますよ。お姉ちゃん、マルス。」

『ウソつき、絶対分かってなかった。』

「……………」

 

思わず懐の"竜石"に手を伸ばしたリュークだが、咄嗟に紋章士チキと紋章士マルスが止めに入り、事無きを得た。

 

「………仕方無い、別の方法を考えるか。」

 

リュークは広場の魔水晶から目を離さないまま、広場をあとにした。

 

==========

 

「さてと………」

 

広場が見える、建物の屋上に座ったリューク。彼はそこから広場に鎮座する魔水晶を観察した。

 

「あれが切り出した一部だとしたら、本体はどこにある………?」

 

周囲を見回したリューク。

 

「隠せるとしたら………城の中か、あの浮遊している島のどれか、かな。ここの軍隊は飛行船持ってるし、そう言えば飛竜(ワイバーン)に似た動物に乗ってる兵士もいたから浮遊島に置く方が都合がいいか?」

 

しばらく考え込んだリュークだが、やがて首を振り結論を出した。

 

「………いや、どちらにしろ城に潜入した方がいいな。思えばこっちの俺以外の敵をまともに知らないから情報収集をした上で、敵の本丸を叩く!!」

 

方針が決まったリュークは立ち上がった。

 

「皆は返して貰うよ………そして、誰の逆鱗に触れたか、思い知れ。」

 

==========

 

その未明、エドラス王城にて。

 

「ふわぁ………」

「大きなあくびだな。交代だ、さっさと戻って寝な。」

「そうさせてもらうよ………」

 

交代の時間となった衛兵は自身の宿舎へ向う為に暗い廊下を1人で歩いていた。その時、何かの物音がした。

 

「………ん?」

 

物音に気づき、その方向を見た衛兵。その瞬間、衛兵は背後に何かの気配を感じたが次の瞬間には意識が刈り取られていた。

 

「悪く思うな。」

 

衛兵を気絶させたのは、アサシンに"クラスチェンジ"したリューク。その後彼は衛兵の服と武器を奪って着用し、衛兵は簀巻きにして適当な部屋に置いた。

 

「(さてと………。)」

 

リュークは懐のメモを取り出した。

 

「(偶然出会ったエドラスのガジルから色々と情報を聞けたのは僥倖だった。ガジルと合流できたら良かったけど………まぁいなかったのはしょうがない。)」

 

王都で情報収集している際にエドラスのガジルと出会ったリューク。王国の悪政を糾弾するが為に疎まれているフリー記者である彼はアースランドのガジルと接触、意気投合し協力していた事で街中で偶然出会ったリュークに気づき接触、その際にエドラスの世界や王国の情報を聞き出したのだった。

 

「(しかし城内がここまで意味不明な構造をしているとは予想外だった………フェルトがいれば、とつい思ってしまう………いや、ここで頑張ってフェルトも助ける!!)」

 

建築様式の常識までアースランドと異なり、構造がチグハグで難儀していたリューク。

 

「(迷子になった新兵のフリをして色々歩き回れる、とプラスに捉えて動くしか無い。国王(キング)を取るか、幹部を倒して回るか、魔水晶を回収するか………)」

 

そう考えていると兵士の休憩室の前に来たリューク。兵士の会話が聞こえたので部屋の外からリュークは聞き耳を立てたのだった。

 

「聞いたか?」

「ああ、エルザ隊長がアースランドの魔導士を捕まえたって?」

「ああ。アースランドに遣わされたエクシードが無事連れて来た滅竜魔導士ってアースランドの魔導士だそうだ。」

「(超越者(エクシード)………エドラスにおいて"天使"と扱われ崇められるもの達、その容姿は確か翼の生えた猫………ハッピーとシャルルの事か?)」

「その滅竜魔導士はどうするんだ?」

「バイロ様が実験に使うらしい。何でも魔力を抽出するとかだそうだ。」

「(ナツ、ウェンディ………!!)」

 

ナツとウェンディを助けに行く。そう決断しかけた時だった。

 

「そう言えばもう1人捕まえてたよな?そいつはどうするんだ?」

「(もう1人?ルーシィの事か?)」

「ああ、そいつは朝にエルザ隊長が処刑するらしい。」

「(!?)」

「マジか………かわいい子だと思ったんだけど、もったいないなぁ。」

「(ルーシィを、処刑………?)」

 

瞬間、リュークは休憩室の扉を勢い良く開けた。

 

「遅れて申し訳………あれ?」

「おい声が大きいぞ!!いきなり何だ!?」

「見慣れねぇ顔だな………新兵か?」

「は、はい!!先週配属されたばかりでございまして………」

「そうか、んでその様子だと迷子だな?新兵が迷子になるのは日常茶飯事だ。それで、どこへ行きたいんだ?」

「はっ、監獄の見張り番の交代を命じられたのですが………」

「そうか。監獄なら突き当たりの階段を一番上まで上がってから右に曲がり、そこを真っすぐだ、気をつけろよ。」

「はっ、ありがとうございます!!では失礼します!!」

 

休憩室を出たリュークは全速力で言われた方向へと駆け出した。

 

「(魔力の抽出ならすぐには殺されないハズ………なら最優先は、ルーシィだ!!間に合え………!!)」

 

==========

 

王城の上層にある監獄にて。ルーシィはエドラスのエルザによって処刑されようとしていた。

 

「ちょ、ちょっと………!!」

「お前はここから落ちて死ぬんだ。」

 

手錠をはめられた手に槍を引っ掛け、廊下の外にルーシィを突き出したエドラスのエルザ。そのまま落ちれば確実に死ぬ高さである。

 

「エルザは無抵抗な人にそんな事しない!!エルザは優しい人なんだ!!」

「おめでたい奴だ。私は人の不幸が大好物だ、そして"妖精狩り"の異名通り妖精の尻尾の魔導士を何人も殺した。」

 

絶体絶命の中、ルーシィは言葉を振り絞った。

 

「エルザの顔で、声で………そんな事、言うな………!!」

「それが貴様の遺言か。さらばだ、アースランドのルーシィ。」

 

そう言うとエドラスのエルザは槍を払い、ルーシィを振り落とした。

 

「………!!」

 

真っ逆さまに落ちるルーシィ。もうダメかと思ったその時、ルーシィに声をかける者がいた。

 

「ルーシィ!!」

「ハッピー!!シャルル!!」

 

空から飛んで来たハッピーとシャルルがルーシィに向かい、ハッピーがルーシィを掴んで救出したのだった。

 

「あんた達、羽が………」

「心の問題だったみたい。今は私もハッピーも、どっちも問題無く飛べるわ。」

「(あれ、今オスネコじゃなくてハッピーって………)」

 

2匹によって助かったルーシィ。だがその事実は、エドラスのエルザにとっては予想外そのものだった。

 

「こ、これは一体………その女は女王の命令で抹殺せよと………」

「前言撤回よ。」

「し、しかしいくらエクシードの直命でも、女王様の言葉は覆せないはず。」

「う………」

「その女をこちらに。」

「………フン。」

 

するとシャルルは腕を組み威厳たっぷりに宣言した。

 

「頭が高いぞ、人間………私を誰と心得る?エクスタリア女王シャゴットが娘、王女シャルルであるぞ。」

「「………!?」」

 

まさかの宣言に驚くルーシィとハッピー。そしてエドラスのエルザは即座に頭を垂れた。

 

「はっ、申し訳ありません!!」

「ウェン………2人の滅竜魔導士はどこ?」

「に、西塔の地下に………」

「今すぐに解放しなさい。」

「それだけは私の一存では………」

「いいから今すぐやりなさい!!エクスタリア王女の勅命が聞けないと言うの!?」

「そ、それは………」

 

すると、エドラスのエルザのもとに屈強な黒豹の獣人のような軍人が兵士を率いて現れた。

 

「エルザ!!」

「パンサーリリー。」

「何あいつ!?あんた達の仲間!?」

「あんなゴツいエクシードは見なかったよ………」

「何をしているエルザ!!その2人のエクシードは"堕天"、エクスタリアを追放された者だ!!」

「何!?」

「………チッ、逃げるわよ。」

「ちょっと!!あんた姫じゃないの!?」

「堕天って言われたら問答無用みたいだね。」

「………そもそもハッタリに決まってるじゃない。」

 

エドラスのエルザやパンサーリリー達が追えないように空へと逃げたハッピー、シャルルにルーシィ。だが、これで無事脱出とはいかなかった。

 

「見つけたぞーーー、堕天ども!!」

「ネコが、いっぱい!!」

「追いかけて来たのか!!」

 

"堕天"。それは上位種である事を忘れ、人に毒されたエクシードに与えられる罪人の証。ナツやウェンディを助けると宣言したが為に堕天とされたハッピーとシャルルを追いかけ、エクシードの大軍が空から飛んで来たのだった。

 

「空中はマズいわ!!ここは地上に………!!」

「待って、シャルル!!地上は………!!」

 

地上に逃げようと下を見ると、そこにはエドラスの兵士達が集まり、更にはエドラスのエルザやパンサーリリーなど、隊長格が勢揃いしていた。

 

「空中にも地上にも敵だらけ………」

「どうすればいいの!?ルーシィ、星霊魔法が紋章士魔法は!?」

「この手錠で魔法が封じられているみたいなの!!それに、いくら何でもこの人数相手じゃ………」

 

再びの絶体絶命。

 

「………ようやく見つけた!!」

 

その時、監獄の廊下から1人の兵士が迷い無く飛び降りた。

 

「おいお前、何をしている!?」

「あいつ、さっきの新兵じゃねぇか!!急に何を考えている!?」

「………何よ、こんな時に飛び降りて何を………」

「ちょっと待って………あの兵士、まさか!!」

 

ルーシィは見逃さなかった。その兵士の左手にはめられた指輪を。そしてその兵士が、懐から出した水晶のような石を。

 

「皆を守るためなら………もう躊躇わない!!」

 

その兵士、リュークは懐の石、"竜石"に魔力を籠め、瞬く間に真の姿………即ち竜となって敵味方の前に現れた。

 

「は………?」

「何だ、あれ………?」

「レギオン………じゃない、よな?」

「ドラゴン………本物、なのか?」

 

地上のエドラス兵士に動揺が広がる中、竜化したリュークはルーシィ、ハッピー、シャルルを覆うように翼を広げるとエクシードの群れを見た。

 

『グオオオオオオッッッ!!!!!!』

 

そして大口を開け、吼えたリューク。手出ししてみろ、お前らなど丸呑みだ………と言わんばかりの威嚇は功を奏し、エクシードの群れはその場で停止。すると今度は大口を開けたまま地上のエドラス兵士を見下ろし、"神竜のブレス"を放った。

 

「「「「「ぐわあああっ!!」」」」」

「ぐっ………!!」

「これは………!!」

『………討ち漏らしもあるか。まぁいい。』

 

兵士の大半を撃破したリュークは一息つき、ルーシィ達に話しかけた。

 

『どこを目指せばいい?』

「西塔の地下よ!!ウェンディとナツはそこに捕らえられているわ!!」

『西塔………あれか。』

 

2人が幽閉されている塔を確認したリュークは深く息を吸い込むと躊躇無く"神竜のブレス"を再び放ち、塔の壁に穴を開けた。

 

「リューク、それはやり過ぎだよー!!」

『良いんだよ。大切な仲間や街をゴミ扱いした奴らに文句を言われる筋合いは無いのだから。』

「リュークも、見てたんだ………」

『やっぱりあの場にいたんだ。あそこで暴れてくれたらこっちも思いっ切り暴れつつ合流でき………』

 

次の瞬間、ゴッ、と言う鈍い音が響いた。"竜石"を握り締めた紋章士チキがリュークの脳天を思いっ切り殴ったのだった。

 

『いっっったぁ…………っ!!』

『だから関係無い人まで巻き込む乱暴はダメって言ったでしょ!!』

『竜石パンチは乱暴そのものでは………』

『口答えしないの!!』

『うっす………』

「うわぁ………」

「悲しいくらいに姉に勝てない弟だ………」

『………気を取り直して、ナツ達を助けに行くよ。』

 

リュークは口から霧を、自身を包むように吐いて姿を隠しながら西塔まで飛んだ。

 

==========

 

「ふんっ!!」

「ありがとう!!これであたしも………!!」

「無理はいけないよ。さっきまで牢獄に繋がれていたんでしょ?」

 

"スティレット"でルーシィの手枷を砕きながらナツ達の捕らえられている塔の地下通路を走るリューク達。だが、彼らがナツ達の元に辿り着く前に、槍が飛んで来た。

 

「下がれ!!」

「うわあっ!?」

「この先には行かせんぞ。」

「………エドラスのエルザか。」

「アースランドのリューク様………貴様が先程のドラゴンか。」

「だったらどうする?」

「その魔力、エドラスに捧げよ。」

 

すると、エドラスのエルザが投げた槍が光りだした。

 

「………危ない!!」

 

光りだした槍はその場で爆発を起こした。だがアーマーナイトに"クラスチェンジ"したリュークが大盾を構えた事でダメージは最小限に収まった。

 

「………!!」

「ほう、私の魔法を防ぐとは。なら、これはどうかな!?」

「ぐっ………!!」

 

爆発を生んだ槍を取り、リュークに向かって来たエドラスのエルザに、リュークは大盾と"キラーランス"で対抗し打ち合った。すると、通路の向こう側から悲鳴が聞こえた。

 

「きゃああああぁぁぁ………!!」

「この声、ウェンディだわ!!」

「あんた達………ウェンディに何をしてるの!?」

「コードETDに必要な魔力を奪っているのだ。」

「コードETD………?」

Exceed Total Destruction(天使全滅作戦)、略してETD。今頃外のエクシード達は魔水晶となり、エドラスの礎となるのだ。」

「お前達の信仰には興味無いが………それに俺達の仲間を使うな!!」

「全てはエドラスに永遠の魔力をもたらす為。」

「………ルーシィ、ハッピー、シャルル、行け!!」

「………うん!!急ごう、ハッピー、シャルル!!」

 

魔力を奪われているウェンディを救出する為、通路の奥へと走り出したルーシィ達。

 

「おいおい楽しそうな事してるな?」

「!?」

「俺達も、混ぜてくれよ!!」

「きゃっ!!」

 

だが、通路の奥からエドリュークが乱入してルーシィに斬り掛かった。

 

「今度はエドリューク………!!」

「こんな時に………ちょっと待て、あの剣。」

 

間一髪でエドリュークの攻撃を回避したルーシィは星霊の鍵と紋章士の指輪に手を取り応戦しようとした。だがリュークの持っていた剣をチラと見たリュークは、青ざめた表情で叫んだ。

 

「ルーシィ!!後ろに気をつけろ!!」

「へ………?」

 

後ろを確認しようと身体を動かしたルーシィ。

 

「あ、ぐ………っ。」

「ルーシィ!!」

『………ちっ、完全に仕留めたと思ったが。』

「う………ぁぁっ!!」

 

だが突然背後に現れた存在によって背中を斬られたルーシィ。リュークの叫びで咄嗟に動いていた事で直撃は免れたものの手痛いダメージを受けルーシィはうずくまった。

 

「くそっ………!!」

「余所見してる場合か?」

「ぐうっ………!!だったら仕返しだ!!」

 

ルーシィの助けに入りたいリューク。だがエドラスのエルザが構わず斬り込んで来るので、リュークは得物を"フレイムランス"に変更しその場で暴発させた。

 

「ッッッ!!」

「よし………!!お前も、彼女から離れろ!!」

 

そしてリュークは爆風を利用しながら剣聖に"クラスチェンジ"し、"武者の刀"を出しながらルーシィの背中を斬った存在に二刀流で飛び掛かった。

 

『おっと………!!』

「ルーシィ、大丈夫か!?」

「う、うん………何とか………!!」

「ハッピー、シャルル、これをルーシィに!!」

 

ハッピーとシャルルに"傷薬"を渡し、ルーシィを庇いながらリュークは二振りの"武者の刀"の内一振りをルーシィを襲った敵に、もう一振りをエドリュークとその後ろにいる敵に向けた。

 

「その剣、"リガルブレイド"に早く気づくべきだった………!!」

『………すまねぇ兄貴、仕留め損なった。』

『気にするな、ライナス。俺達の………"牙"の裁きを初見で見抜ける奴はそういない。』

「"白狼"ロイドに"狂犬"ライナス………"四牙"の2人とはな………!!」

 

2人、と言いつつ辺りを見回すリューク。その意図に気づいた、エドリュークの背後の紋章士はリュークに話しかけた。

 

『俺達の初撃を凌いだ褒美に教えよう………俺達兄弟は2人で1つの紋章士だ。』

「………気休めにしかならない情報をどーも。」

 

エレブ大陸の裏社会に暗躍していた暗殺組織"黒い牙"。その首領の子にして特に腕の立つ者の称号である"四牙"に名を連ねるのがロイドとライナス、リーダス兄弟の2人である。

 

「(………正直助かった。人間関係からして集まるとは思わなかったけど、他の"四牙"………"蒼鴉"と"死神"までいたら全滅まであり得た。尤も、いないからって状況が良い訳じゃないけど。)」

 

エドリュークと紋章士ロイド、紋章士ライナス、それに加えてエドラスのエルザとエドラス兵士。ナツとウェンディを一刻も早く助けに行きたいこの状況では最悪だった。おまけに狭い通路では竜の力も満足に使えないおまけ付きだった。

 

「………ルーシィ。」

「なぁ、に………?」

「動けそうか?」

「あんたの"傷薬"で、何とかね………」

 

背中合わせに立ったリュークとルーシィ。

 

「どれくらい戦える?」

「情けないけど、あんたの邪魔をしないのが精一杯………こんな状況じゃなきゃ、休ませての一言よ………!!」

「それでも助かる。………そうか、なら"初陣"と行こう。援護、頼むよ。」

「そう言う事ね。分かったわ、頑張る。」

 

そしてリュークとルーシィは指輪を掲げた。

 

相克て(うちかて)………!!」

吹寄え(よりそえ)………!!」

 

そして、新たな紋章士が顕現されたのだった。

 

 

続く




・竜石パンチ
元ネタはFE無双とそれを元にしたサイファ(カードゲーム)のイラスト。可愛い顔して笑顔で竜石握り締めてモブ兵士にエグいグーパンかましてる謎のシュールさに当時思わず吹きました………「チキ サイファ」や「チキ 竜石パンチ」などと調べると出てきますので見てみてね。

・紋章士ロイド&ライナス

◎ロイド(松田健一郎)(+ライナス(成田剣))
◯登場作品:烈火の剣
◯スキル
・白狼と狂犬
ロイドとライナスを入れ替える。ロイドを選ぶと速さ、魔防+5、ライナスを選ぶと力、守備+5、選んでいない方はユニットとして登場する
・牙の裁き
自分から攻撃した時、相手の回避、必殺回避-30
・閉所戦闘
地形効果のある場所で戦闘時、与えるダメージ+5
◯武器
・リガルブレイド(剣、射程1)
・バシリコス(斧、射程1)

紋章士エイリークや紋章士クロムのように2人で一組の紋章士をエドリューク側にも用意したいと思いまして、敵キャラでそう言うキャラいるかなと探したところリーダス兄弟に白羽の矢が立ちました。普通に戦っても強いのに敵で支援付くってだいぶ異質っぷりよ。
正面切って戦っても普通に強いのにそれが隠密+連携攻撃を繰り出す厄介さと危なさをコンセプトにした紋章士にしました。尚リュークはここにウルスラとジャファルも加わった"四牙"("黒い牙"における四天王)全員揃っているかもと言う想定もしていましたがその場合ルーシィは500%死んでましたね。リーダス兄弟とウルスラ、ジャファルが仲良く無くて助かったパターンです。

・新たな紋章士
詳しい事は次回にお披露目となりますが、誕生の経緯はエリンシア、つばさの時とほぼ同じです。誰と誰が出てくるかも次回のお楽しみに。
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