しかし台風がチンタラやってくれたおかげで予定は狂うわ雨だけは一丁前にザーザー降るわでやってられないでしたよ。
ハコベ山でのマカオ救出劇から数日経ったある日。リュークは大きな紙袋を持ってマグノリアの商店街を歩いていた。
「確かこっちを曲がって………あった。」
商店街を過ぎたところにある、水路沿いの賃貸住宅。その2階に上がり、一室の呼び鈴を鳴らすと部屋の主が出て来た。
「はーい。」
「どうも。頼まれたもの、持ってきたよ。」
部屋の主、ルーシィにリュークは持って来た紙袋を渡した。紙袋の中身はいっぱいに入った本だった。
「こんなにもいいの!?」
「ちょっと古い本もあるけど、それでもいいなら持っていって。」
「ありがとう!!本まで揃える余裕は無かったから助かるわ!!」
ギルドに連れて来た縁から、ルーシィにギルドやマグノリアの案内をしたリューク。そこでの会話でルーシィがリュークと同じく読書好きな事、そしてルーシィが家賃や家具の買い揃えで本にまで手が出せないと聞いた事でリュークが自宅の本を持って来たのだった。
「せっかくだから上がってく?今ナツとハッピーも勝手に入ってるけど。」
「勝手に?まぁ、せっかくだからお邪魔しようかな。」
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「ホー?」
「プーン。」
「ホー………」
「プーン?」
「………じゅるり。」
「ププーン!?」
ルーシィの部屋に入ったリューク。するとリュークの頭に乗っていたフェルトが、ドリルのような鼻が特長のカタカタ震える謎の白い生き物と目が合った。そしてそのまましばらく見つめ合うフェルトと白い生き物だったが、やがてフェルトはその白い生き物を獲物と判定したのかよだれを垂らし始めたのだった。
「こらフェルト、獲物じゃないぞ。」
「ホッ!?ホー………」
「……………!!」
リュークが窘めるとフェルトは残念そうな表情を見せ、白い生き物は紅茶を持って来たルーシィに飛びつき先程の3倍カタカタと震えていた。
「こいつがすまないね。まさか星霊を獲物判定する程食い意地が張ってるとは思わなかった。」
「あれ、リュークこの子知ってるの?」
「子犬座のニコラだっけ?星霊魔法は自分の魔法に似てるから勉強した事あるんだ。」
「そうなの?そう言えばリュークの魔法について聞いてないけどどういうものなの?はい紅茶。」
「ありがとう。ん、おいしい。」
紅茶を受け取ったリュークは指輪をルーシィに見せた。
「俺の魔法は2種類。1つは換装魔法の応用だからそんな説明する事は無いから、説明するならもう1つ、
「
「見せた方が早いかな………
リュークの呪文と共に、紋章士マルスが現れた。
「わっ、王子様!?」
『始めましてだね。僕はマルス、
「え、あ、始めまして、ルーシィです………」
『王子様、か………王子だったのは遠い昔の話だね。』
「遠い昔の?」
「マルス以外にも、ハルジオンで顕現したリンみたいに色々な紋章士がいるけど、皆遠い時空を超えた先の世界、言い換えれば異界で名を残した英雄なんだ。」
「つまり………遠い国のおとぎ話の英雄を呼び出して戦っているって事?」
「そのたとえが一番近いかな。」
「そうなんだ。………でもあれ?マルスに、リン………?」
ふと聞き覚えがあったのか、考える素振りを見せたルーシィ。すると、同じ部屋でくつろいでいたナツとハッピーが不服そうに言葉を発した。
「おいルーシィ、態度が全然違うんじゃねーのか?おれ達へのもてなしがないぞー。」
「さべつだぞさべつー。」
「不法侵入してるくせに図々しいわよ!!」
「「けちー。」」
「何で不法侵入者にあれこれ言われなきゃなんないのよー!!」
「女の子の部屋に不法侵入は普通にダメでしょ………というかナツとハッピーはなぜここに?」
リュークの問いにナツは1枚の依頼書をテーブルに置いた。
「ルーシィとこの仕事に行くんだよ。」
「どれどれ………シロツメの街、エバルー公爵の屋敷から一冊の本を持ち出す依頼か。レビィが受けようか迷っていた奴だっけ、何でこれをナツが………」
と、依頼書の補足を読むと盛大にため息をついた。
「尚エバルー公爵は無類の女好きで、現在金髪メイド募集中………あのさぁ。」
「ピッタリの依頼だろ?」
「………ルーシィが優しくて助かったね。」
「???」
「………何も分かってないなこれは。」
再びため息をついたリュークは依頼書をナツに返すとこう切り出した。
「俺も行くよ。」
その言葉にナツとハッピーは、
「「ええ〜っ。」」
とにかく嫌そうな反応を返した。
「何でだよ。」
「オイラたちの取り分減っちゃうじゃん。」
「別に報酬はいいよ、お金には困ってないし。」
「じゃあ何で来るんだよ。」
「色んな意味でナツにルーシィを任せるのが怖いからだよ。どうするんだよ、ナツに任せた結果ルーシィが"
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うっはははははっ!!」
「あっはははははっ!!」
建物の悉くが瓦礫となって崩れ落ち、一切合切が火炎に包まれた、かつては街だったもの。
炎が街の残滓を焼き尽くす音、
逃げ惑う市民の悲鳴、
完膚なきまでに叩きのめされた悪党のうめき声、
それらの中心で、破壊神と化した男女は高らかに笑い、次の
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「………あ、おはな!!わ~い!!」
「リュークが壊れたーー!?」
「ちょっと、なんて想像してるのよあんたーー!!」
「おーい、帰ってこーい。カップの花見てわーいは無いだろ。」
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その後、馬車でシロツメの街へと向かったナツ、ハッピー、ルーシィ、リューク、フェルトの一行。
「馬車の乗り心地はいかがですか?御主人様。」
「………め、冥土が見える。」
「あれ?ルーシィ、嫌がってた割には結構乗り気?」
「当然よ!!なんたってあたしの初仕事だもの!!」
ナツはいつものごとくダウンしているので元気なハッピー、ルーシィ、リュークが会話していた。
「でも思えば簡単な仕事ね。要は屋敷に潜入して本を一冊持って来るだけでしょ?」
「あい、スケベオヤジの屋敷にね。」
「そう、スケベオヤジ。」
そういうとルーシィは胸を寄せてお色気のポーズを取った。
「こー見えて色気にはちょっと自信あるのよね。どお?」
ルーシィの おいろけ こうげき!!
「ネコにはちょっと判断できないです。」
「ホー。」
「……………吐きそう。」
「吐きそう、はあんまりじゃない!?」
しかし こうかは いまひとつの ようだ。
「むぅ〜………」
あまりにも効果が薄く、ムスッとしかけたルーシィだがリュークがまだ答えていないのに気づいて彼を見た。
「心配の方が勝るかな。変な大人には気をつけてね。」
「保護者のコメント!!」
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シロツメの街に到着した一行は依頼主の所へ向かう前に一休みをする事になった。乗り物酔いから復活したナツの提案で街の食堂に入り早めの昼食となったのだがルーシィは別行動を取っていた。
「しっかしルーシィどこ行ったんだろな。」
「ね。皆で食べた方が楽しいのに。」
「服屋とかじゃないかな。色々とおしゃれとか好きそうだし………ところでその脂身多めの肉を分けてるのは何?」
「ん、ルーシィに取っておこうかと思って。」
「………何でそうなった。」
「本当、誰が脂身好きですって?」
「お!!遅いぞ、ルー……」
「シィ………?」
「ええ………?」
「ホォ………?」
ルーシィの声に振り返った一同だが、そこにいたルーシィの姿に全員が固まった。
「結局、あたしって何着ても似合うのよねぇー。」
「「「「……………」」」」
「食事はお済みですか、御主人様?まだでしたら、ごゆっくりお召し上がりください………なんて。」
現れたルーシィは何とメイド服に身を包んで現れたのだった。ナツはルーシィを、ある意味では"餌"として誘ったのだった。しかし、次第に乗り気になってしまったルーシィはノリノリでメイドになりきっていたのだった。
「どうしよぉ〜………冗談のつもりだったのにぃ………」
「仕方ない、これで行くしか………!!」
「冗談だったの!?ウソでしょ!?」
まさかノリノリになるとは思わず冷や汗をダラダラと流すナツとハッピー。
「はぁ〜〜〜っ。」
「何よそのため息!?」
「ついてきて正解だったよ………別方面で危うすぎる………」
リュークは盛大にため息をつきながら頭を抱えたのだった。
「大丈夫よ!!必ず成功してエバルーって奴の屋敷に潜入してやるんだから!!」
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その後依頼主であるカービィ・メロンから報酬が10倍の200
「しくしく……………」
「使えねぇな。」
撃沈したのだった。
「違うのよ!!エバルーって奴美的感覚がちょっと特殊なのよ!!」
「ちょっとどころでは無かったような………」
確かに、エバルーは女に目が無いスケベオヤジではあった。しかしエバルーが侍らせていたメイドは一人残らず、言葉を選べば個性的………選ばなければ醜女と言わざるを得なかった。そんな醜女好きのエバルーに"ブス"と一蹴され撤退を余儀なくされたルーシィのプライドはズタズタだった。
「良かったと思うよ、これでスケベオヤジに無理にニコニコ相手しなくても良くなったんだし。」
「女のプライドってものが許さないのよ!!あのオヤジ絶対に泣かす!!」
泣きながら拳を固く握り締めるルーシィ。それに乗じてナツもパキパキと指を鳴らした。
「こうなったら"作戦T"に変更だ!!」
「
「もう、こうなったらヤケクソよ、突撃ーー!!」
「……………」
完全にカチコミに入るムードになってしまった中、リュークは深いため息をつくと、
「突撃は作戦じゃない!!落ち着け!!」
「「「あい………!!」」」
ハリセンで繰り出した"流星"の5連撃でナツとハッピーに2回、ルーシィに1回頭を叩き、スパァンという綺麗な音を奏でた。
続く
という訳で、リュークはルーシィ(&ついでにナツ)のお目付役へとクラスチェンジさせました。
ノリとしては、ヘクトルが余計な事をしないか監視するオズインか、エフラムの破天荒っぷりに振り回されるオルソン(裏切らない)ってところでしょうか。あるいはナツ=クロム、ルーシィ=リズ、リューク=フレデリクと当てはめるか。
そして、それに伴ってか知りませんが、何かルーシィのお転婆っぷりというかハッチャケっぷりが2割増くらいになってしまいました。結果、リュークは完全にルーシィの評価を「この子放ったらかしにしたらマズい」で確定してしまい、完全に保護者目線となったのでおいろけも全く効果がありませんでした。(元々ルーシィのおいろけは成功率低いですが。)
・フェルトの獲物判定
FT二次創作を書かれてる先輩方の多くが相棒エクシードを設定してる中、相棒枠にフクロウを設定した私はフクロウの生態や食性を軽く調べました。すると、フクロウの食性は基本小動物との事で子犬(?)のプルーをフェルトは獲物判定しました。勿論星霊なので食えませんが、それはそれとしてプルーのトラウマとなるには十分なので、以降プルーがフェルトと同じ場にいると3倍カタカタ震えさせます。
・第二の
ルーシィがナツに影響されまくって、クエストの度に街を破壊するようになってしまった場合のリュークの脳内シミュレーション。
その結果、ゴ◯ラもビックリの瓦礫の山を築き上げるナツとルーシィができてしまった(イメージとして適正なのはエクリプス編のOP、MASAYUME CHASINGの冒頭の退廃的なシーン)。
衝撃的な未来を見てしまったリュークはSANチェックの末に幼児退行、頭ファたそと相成りました。
・ハリセン(剣E)
威力:0
命中:100
必殺:0
重さ:0
射程:1
効果:ダメージを与えられないが、相手を叩くと良い音が鳴る。技%で奥義"流星"(威力半分の5連撃)が発動する。
ボスチク作業の気分転換にどうぞ。