正月以外の各イベント(バレンティン、ハロウィン、クリスマスなど)は大体半月くらい先取りするんですよねヒーローズ。
んでこれ見て、「速攻でS級試験入る前にリュークとルーシィのイチャイチャ書きゃ良かったか」と思いましたが、まぁキリのいいところで間章とか幕間でやろうと思います
二次試験の最中にガジルとの戦闘になったリューク。少しでもまともに攻撃を食らえば致命傷になりかねない滅竜魔導士、しかも自分の武器を食べて強化してしまう鉄の滅竜魔導士はリュークにとっては"最大の天敵"に他ならず、リュークは目に殺意を宿し"パルティア"の弓に矢を番え、弦を引き絞った。
「どんな一手を打つか………」
「………来ないなら、こっちから行くぜ!!」
「ふっ!!」
突撃して来たガジルに対して矢を放ったリューク。
「ギヒッ、早速ありが………」
「………かかったな。」
放たれた矢の鏃を食らおうとしたガジル。だがリュークがほくそ笑んだ瞬間、放たれた矢が炎を纏いガジルに襲い掛かった。
「チッ!?」
「邪を祓う聖なる炎を纏いし、アカネイア大陸の伝説の弓"パルティア"。外しはしない………!!」
「ぐっ!?………チッ、"鉄竜棍"!!」
次々と放たれる炎の矢はガジルでも食べられず、数発食らいながら反撃を仕掛けたガジルだがリュークはそれをサイドステップでかわした。
「オラアッ!!"鉄竜剣"!!」
「っと………!!"ブレイクショット"!!」
続けて腕を剣に変え、横薙ぎに繰り出したガジル。その横薙ぎをしゃがんで避けたリュークは難しい体勢から守りを崩す一射を放って反撃。
「ちっ………だったら!!」
「止まれ!!」
再び突撃して来たガジル。それを止める為に何発も矢を放ったリュークだが、ガジルはそれに構わず前進し、距離を詰めた。
「距離を詰めたらそうバカスカ矢も放てねぇだろ………!!"鉄竜槍………」
「………計算通り。」
「!!」
「"近距離連射"!!」
「鬼薪"!!」
至近距離で矢と槍の連撃を繰り出したリュークとガジル。だがこの状況に持ち込んだリュークの方が上手で、彼の方が効果的なダメージを与えていた。しかし、ガジルの攻撃はかすり傷でもリュークには効果はバツグン、より顔を顰めたのは彼だった。
「っぐっ………!!」
「ちいっ!!逃がすか!!」
「………遠距離は無理か!!」
距離を離そうとするもガジルに詰められたリュークは遠距離攻撃を断念。武器を"パルティア"から"銀の籠手"に変えた。
「"神器錬成・風花の籠手"!!」
"神器錬成"、それは指輪を"炎の紋章"に変えた事で新たに習得した魔法。銀の武器や上級魔法の魔道書に"炎の紋章"を通じて紋章士の力を合わせる事で武器を一時的にその紋章士の世界に伝わる伝説の武器に進化させる魔法である。
「"鉄竜剣"!!」
「"ヴァジュラ"!!」
ガジルが上段から繰り出した攻撃を、リュークは"ヴァジュラ"の片方の爪に十手術の要領で引っ掛け、受け止めた。
「しまっ………!!」
「"神竜の撃鉄"!!」
動きを封じたその隙に、リュークはフリーになったもう片方の"ヴァジュラ"の爪をガジルの土手っ腹に叩き込み、追撃の衝撃波でガジルを吹き飛ばした。
「ガジル!!」
「ホホーッ!!」
「っ………!!どいて、"
「ホォッ、ホッ!!」
「くっ………"
レビィが援護に入ろうとするも、フェルトが阻止。炎や岩石で応戦するも小さく身軽なフェルトはそれをひらひらとかわしつつ風の刃を飛ばしてレビィを牽制し続けた。
「っ………おいチビ、邪魔をするな!!」
「!!」
「そいつは黙ってりゃ攻撃しない、チョロチョロしてないで黙って見てろ!!」
「………。」
その余波がガジルの近くに向かい、一喝したガジル。
「………どうせ私は、弱いわよ、小さいわよ。」
「ホ?」
「もう知らない!!ガジルのバカ!!」
するとガジルの自分に対する扱いに耐えかね、レビィはどこかへ走り出してしまった。
「んだとコラァ!?」
「ホー………」
「………一応、引き続き見張っておいて。」
「ホホゥ!!」
「余所見かよ!?」
「誰のせいだと………!!」
「"鉄竜の………」
「ちっ、"神竜の………」
「「咆哮"!!」」
互いのブレスをぶつけ、距離を取ったリュークとガジル。
「「………ちぃっ!!」」
純粋な実力で言えば、上手なのはリューク。
「(本当にやりにくい………!!)」
竜の力を使わずともギルド内で上位の実力を誇ったリュークの強みは多彩な武器と紋章士との無限の組み合わせによる手数の多さ。しかしその
「(以前と同じ、敵だったら"フォルブレイズ"で心置き無く焼き払えるんだけどなぁ………!!何でこんなところで命賭けなければいけないんだよ………!!)」
と心の中で愚痴りながら思考を巡らせていたその時。
「ホホ、ホホーッ!!」
「!?」
「………!?」
リュークはフェルトの鳴き声で、ガジルは滅竜魔導士の五感で異変を察知した。
「………!!
「待て、今は………」
「分かってる!!だから………」
「!!………なら、お前は………」
「………よし。お願いします、アクア!!」
リュークはガジルに突撃すると、ガジルが止める前に彼を掴んだ。そして顕現した紋章士アクアに目配せをするとリュークの姿はガジルもろとも消えた。
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「きゃあっ!?な、何あんた達………!?」
その頃レビィは襲撃を受けていた。鎧兜に身を包んだ犬の獣人と鶏の獣人、いずれも妖精の尻尾の者では無い襲撃者に不意を突かれたレビィは反撃ができず、鶏の獣人に抑えつけられた。そして身動きが取れない間に犬の獣人は刀をレビィに振り下ろした。
「まずは1人。」
「あああ………!!」
だがその刃がレビィを捉えるその直前。ガジルがレビィの前に現れ刀を防いだ。
「ガジル………」
「………小せぇと探すのが大変なんだよ。」
「……………」
「だから俺から離れんじゃねぇ。」
「!!………うん。」
「………で、こいつらは?」
ガジルとレビィが敵を観察していると、犬の獣人の甲冑と鶏の獣人の首にギルドマークを見つけた。
「
悪魔の心臓。闇ギルド最大勢力、バラム同盟の一角を担う、闇ギルド最強のギルド。それが妖精の尻尾の聖地に入り込んでいたのだ。
「S級にアクシデントはつきもの、いい練習にはなるが………」
「いきなり来て、あんた達の目的は何なの!?」
「我々の目的か?それは、ここにいる妖精を狩る事なり!!」
すると犬の獣人、ヨマズは刀から"轟"の文字を出した。それと同時に文字通りの轟音があたりに鳴り響いた。
「耳が………!!」
「文字から魔法………お前と同じ魔法………!!」
「東洋の"
「くあぁ、うっせぇ!!」
轟音に耳を塞ぐガジルとレビィ。そこを突いて鶏の獣人、カワズが迫りそれに気付いたレビィはガジルの名を呼ぶが、轟音で耳を塞いでいるので聞こえていなかった。
「!!」
「ぺぺッ!!」
「卵?」
何とかレビィがガジルを引き寄せた事でカワズの攻撃をかわしたが、カワズは追撃で口からいくつもの卵を発射するとその卵が割れ、中から拳が出て来て2人に襲い掛かった。
「"エッグバスター"!!」
「ぐあっ!!」
「きゃあっ!!」
更にヨマズとカワズは波状攻撃を仕掛けるが、ガジルとレビィはヨマズの起こした轟音で足音さえ聞こえず避けるのもせいぜいだった。
「だったら、"固体文字・
そこでレビィは轟音の発信源である"轟"の字に"SILENT"の文字をぶつけると文字同士が相殺して轟音が消えた。
「おのれ、拙者の文字を打ち消したか!!ならば、これを食らえぃ!!」
「ぐあっ!!俺の鉄の鱗を………!!」
「ぺぺぺッ!!」
「"
だがヨマズは自らの刀に"斬"の文字を乗せてガジルの鉄の身体を貫く斬撃を繰り出し、カワズはレビィの"FIRE"の字では防ぎきれない数の卵を繰り出し、2人は追い詰められた。
「ぬぅん!!」
「が………!!」
"貫"の字に乗せた突きに貫かれ大ダメージを受けたガジル。
「"暗黒剣………」
「ぐ、は。」
「い、いや………」
「鳴咬"!!」
「ガジルーーー!!」
トドメに繰り出された、闇を纏った居合斬り。だが、それはガジルとヨマズの間に割って入った紫電の一閃により防がれた。
「何………!?」
「………ギヒッ、余計な事しやがって………!!」
「"救援の行路"により推参………なんてな。」
紫電の正体は"神器錬成"によって生成した"雷神刀"を手にし、剣聖に"クラスチェンジ"したリューク。レビィのピンチに現れたガジルも、ガジルのピンチに現れたリュークも、顕現していた紋章士アクアのスキル"救援の行路"を使って最悪の事態を防いでいた。
「おのれ………」
「それよりもリューク、お前やることはやったのか………?」
リュークはその答えを、雷で黒焦げになった布の切れ端や鎧の破片を落として示した。そのどれもが、一様に悪魔の心臓のギルドマークの描かれたものだった。
「「!!」」
「他の敵は始末した………ガジル、まだ戦えるな?」
「ギヒッ………当然だ。」
「よし………レビィ!!」
「え?」
「皆に知らせるんだ!!"戦争"だ、この先悪魔の心臓の"本隊"が攻めて来るから備えろ、と!!」
「で、でも………」
「ガジルの事は責任持って連れて帰る!!フェルト、レビィの援護を!!」
「ホーッ!!」
「早く行け!!」
「………!!」
走り出したレビィ。
「行かせるかァ!!」
ヨマズは逃げ出すレビィを追撃しようとしたが、ガジルはそれを阻止。
「ガジル!!」
「早く行けってんだ!!」
するとガジルの目の前に"IRON"の文字の形をした鉄塊が現れた。
「お願い、死なないで………!!」
「おう。」
ガジルはレビィから貰った鉄塊を平らげると立ち上がった。
「妖精の尻尾と、"戦争"するつもりか………」
「その傷で立ち上がるのか………」
「………似てるな、あの時と。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「妖精の尻尾に手を出したのが間違いだったな!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「てめぇらも、同じ気分を味わえるぜ………!!」
「………ガジル。どっちをやる?」
「刀持った方だ………あんなナマクラに、俺の鋼鉄が負けるかよ。」
「じゃあ鶏の方はこっちがやる。」
「ギヒッ、俺1人で十分だけど、なぁ!!」
リュークはカワズに、ガジルはヨマズに切り込んだ。
「ぺぺーッ!!」
切り込むリュークに、カワズは無数の卵を放った。
「"ヘビーエッグレイン"!!」
「なんの、"流星"!!」
雨のように降り注ぐ卵を、リュークは"雷神刀"から迸る雷の連撃で打ち払った。
「ぺぺぺぺッ!!」
「"クラスチェンジ"、上忍。」
断続的に放たれる卵の嵐。だがそこにいたリュークは既に残像で、その攻撃は空振りに終わった。
「ぺぺッ!?」
「眠れ。」
「!?」
カワズの前から消えたリュークは、既にカワズの背後に回っていた。
「"滅殺"。」
「………!!」
再びの紫電一閃。それは刹那の内にカワズの首と胴体を泣き別れさせた。
「殺すつもりで戦っている所に横槍を入れた、己の不覚を呪え。」
"雷神刀"を納刀したリューク。すると"神器錬成"が解除され、"銀の刀"へと戻った。
「あとはガジルだが………」
ガジルに目を向けたリューク。
「貫っ!!」
「うが………あ、ッッッ!!」
「!!」
ヨマズの刀で腕を貫かれたガジル。だがガジルはその刀を掴んだ。
「負け、られ、ねぇ………俺は、負けられねぇ!!」
「コイツ………!?」
「俺は………!!」
幽鬼の支配者の解散後、1人でいた所をマカロフに誘われ妖精の尻尾に入ったガジル。入る時、そして入ってからの心境は本人にしか分からないものもある。だが、最悪な因縁から始まった彼も今は、
「妖精の尻尾の、魔導士だァーーーッッッ!!」
仲間との想いを力にする、妖精の尻尾の魔導士であった。
「滅竜奥義!!」
ヨマズの刀を粉砕したガジルは頭上で両手を合わせると鋼鉄の大剣へと変え、それを振り下ろした。
「"業魔・鉄神剣"!!」
渾身の一太刀はヨマズの鎧兜を粉砕して撃破。しかし、ガジルが受けたダメージも小さくなくその場に倒れた。
「ガジル!!」
"リライブ"の杖を手にしてガジルに駆け寄ったリューク。
「大丈夫か!?」
「………ねぇ、か。」
「なに!?」
「"食いもん"、ねぇか………?」
「………そう言う。」
するとリュークは"リライブ"で回復魔法をかけてから刃毀れした剣、折れた槍、刃の欠けた斧を出した。
「こいつでいいか?」
「ああ………ごちそうさん。」
「ガジル!!」
するとレビィがエルザ、ジュビアを連れて来た。
「これは………」
「ガジル君………」
「ガジル!!大丈夫!?」
「ッッッ………うるせぇ、耳に響く………!!」
「………良かった。」
すると、意識を取り戻したヨマズが笑い出した。
「ぬはは………もう、終わりだ。じきに本隊が上陸する………拙者が足下にも及ばぬ魔導士達………"煉獄の七眷属"がやって来る。」
「こいつは………」
「レビィから聞いてるね?悪魔の心臓の連中だ………
紋章士レギンを顕現したリュークは直ぐ様大筒に信号弾を籠め、上空に放った。
「敵襲だ!!悪魔に………妖精の島を穢させるものか!!」
島にいる全員が見えるように放たれた信号弾は、試験の途中に来るはずの無い襲撃者の存在を報せた。
続く
・"神器錬成"
"炎の紋章"を入手した事で習得した魔法。
銀武器や上級魔法(ボルガノンなど)に"炎の紋章"から紋章士の力を合わせる事でその紋章士の世界に伝わる伝説の武器や、特定の英雄の専用武器へと進化させる。換装魔法で戻す、またはリュークの魔力切れで元の武器に戻る。
呪文は"神器錬成、(作品)の(武器種)"。
例:
始まりの弓=マルスの世界の弓="パルティア"
風花の籠手=ベレトの世界の籠手="ヴァジュラ"
選択の刀=カムイの世界の刀="雷神刀"
などなど。
せっかくエンゲージ武器以外にも強力な武器がいっぱいあるので、どうにか使いたいと検討した結果、このような形で実装しました。因みに最初に"パルティア"を出したのは、記憶の限りだとヒーローズで最初に神器を錬成したのがジョルジュの"パルティア"だったからです。思い出補正です。