FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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そう言えば皆さんはswitch2当たりましたか?
私は3回戦進出です()

ローンチタイトルにFE無くて良かった
あったら発狂してた


72章 FIRE!!!

天狼島の各地で起きている、妖精の尻尾と悪魔の心臓の戦い。その全てを新たな力で見渡しながらリュークは、ナツ、ハッピー、ルーシィと共に、目の前にいる煉獄の七眷属の2人、ウルティアと華院=ヒカルと相対し睨み合っていた。

 

「う、ウウウウルティアさん!!こんな奴ら自分1人でやれるっス!!」

「ならば任せよう。私はゼレフをマスターハデスの元に連れて行かねばならんしな。」

「何と!!もう発見されていましたか!!」

 

ウルティアの言葉に、リュークは顔を顰めルーシィは驚きの表情を見せた。

 

「やはりか………!!」

『まずいよ!!ゼレフをあいつに渡しちゃ!!』

「行かせるかァ!!」

 

ルーシィの言葉に、ナツはウルティアへ走り出した。だがその道を塞ぐように華院=ヒカルが割り込んだ。

 

「どどすこーい!!」

「ぶっ!?」

「よいか?決して手を抜くな。七眷属の恐ろしさを見せてやるのだ。」

「ウウェーイ!!」

「ちっ………!!」

 

ナツが華院=ヒカルとの戦いを始めたその間、リュークがウルティアに向かって切り込んだ。

 

「逃がすか………!!」

「あなたは厄介ね………でも、邪魔はさせないわ。」

 

するとウルティアは手持ちの水晶玉を縦横無尽に走らせると木々を倒して追跡の道を塞いだ。

 

「ちっ………!!」

『このままじゃ………!!』

「大丈夫、"見失って"はいない!!それよりも今は、この白ダルマだ!!"クラスチェンジ"、勇者!!」

 

"銀の斧"を手にナツの前に割り込むと華院=ヒカルの張り手を防いだ。紋章士ヘクトルの"適応能力"で自分の防御力を高めていたからである。

 

「ゥウェッ!?」

「お前の力は、もう"覚えた"!!」

『テメェの怪力は、俺達が止めてやる!!』

「ルーシィ、ナツ、今の内に攻め込め!!」

「おう!!」

『あたし、も………!?』

 

ナツに続いて、紋章士ベレトと"エンゲージ"していたルーシィも切り込もうとしたが次の瞬間、ルーシィの動きがピタリと止まり動かなくなった。

 

『あ、あれ?か、身体が動かない………。』

「何やってんだルーシィ?」

『か、身体が動かないの………!!』

「………まさか!!」

 

リュークが振り返り、敵を見ると華院=ヒカルは彼の魔法"丑の刻参り"に使う人形(ノーロさん)を持っていた。だがその人形に付いていたのは黒いゴワ毛ではなくサラッとした金髪だった。

 

『!!』

「追いかけてる時、1本抜いておいたっス。」

「そんな………!!」

「これでアンタは自分の操り人形っす。」

『ひっ!!』

「さっきのお返しっス。」

『キャアアア!!』

 

人形に何回か、恥ずかしいポーズを取らせた華院=ヒカル。それに応じてルーシィも恥ずかしいポーズを取らされたのだが、それは文字通りの"逆鱗"だった。

 

「ぅヴェッッッ!?」

「人の彼女に何しやがるこのクソデブがぁッッッ!!」

「ヴェアッ………!!」

 

最愛の女性が目の前に遊ばれている光景にリュークがブチ切れ、"銀の斧"を顔面にぶん投げ命中。

 

「"神器錬成・烈火の剣"!!」

 

更に飛び上がると今度は"銀の剣"を"武器錬成"し、炎を纏った大剣を振り下ろした。

 

「"デュランダル"!!」

「ヴェッ………!!」

「分かりやすくブチ切れてる………」

「………なぁ、ハッピー。」

「何、ナツ?」

「あの人形の通りにルーシィが動かされてるんだよな?」

「あい。現に相手がボコボコにされてる反動でルーシィも振り回されていた。」

「………もし、面白そう、って言ったら………」

「聞 こ え て る ぞ 。」

「ナンデモアリマセン。」

「アイ………」

 

視線で射殺す勢いでナツとハッピーを睨み付けてから"デュランダル"を構え直したリューク。だが華院=ヒカルはリュークがナツとハッピーを睨み付けていた隙に起き上がっていた。

 

「仲間にやられるがいいっス!!」

『イヤァーーーッ!!』

「っ………ナツ!!ルーシィはこっちで抑える!!」

『リューク、避けてーーー!!』

「………こんな短期間で、君と再び相対するとはね!!」

 

人形に操られリュークに突撃するルーシィ。そのまま正拳突きを繰り出されたがリュークはそれをかわした。

 

「悪く思うな、よっ!!」

『ヒャッ………!!』

 

かわすと同時に、"デュランダル"を地面に突き刺し柔術の要領で制圧しようとしたリューク。

 

『うわあっ!?』

「!!」

『ごめん、あたしの意志じゃ………きゃーっ!!』

「ぐへっ!?」

『ごめん、本当にごめん………!!』

 

だが華院=ヒカルに操られルーシィに次々と攻撃されるリューク。だがここで紋章士ベレトとの"エンゲージ"が解除された。

 

「今!!」

「あん!!」

 

"エンゲージ"が解除され能力が低下した隙に羽交い締めでルーシィを抑えたリューク。だが操り人形と化したルーシィの力が増しており、制圧に苦心していた。

 

「ううう………」

「ななな何をやってるっスかアンタらー!!イチャイチャしては………」

「あ"あ"あ"っ"!?」

「!?」

「恋人同士でイチャイチャして何が悪いんだこのクソデブが!!お前こそ邪魔するんじゃねーよ、馬に蹴られてくたばれ!!」

「ちょっとリューク!!恥ずかしい事を言わないでよ!!」

「こ、こここ恋、こいび、びっ………!?」

「………で、話は変わるが………人形はどうした?」

「人形………ってアレぇーーー!?」

 

気がつけば、華院=ヒカルの手から人形が無くなっていた。ではどこに行ったか。

 

「人形奪ったよー。」

「「よし!!」」

「やった!!」

 

人形を奪っていたのはハッピー。だが魔が差したハッピーは人形をいじった。

 

「もごっ!?」

「遊ぶなーーー!!」

「(ハッピーのバカ………!!)」

 

ハッピーが人形を器用に動かした結果、リュークの顔はルーシィの胸の谷間に埋められ、ルーシィはそんなリュークの頭を抱き寄せて逃げられなくした。

 

「(頭使いっ放しの状況で息ができないのはマズい!!)」

「ちょっとリューク?………本当に大丈夫!?」

「(空気、空気を………!!)」

 

普段ならともかく、段々と笑えない状況になりかけたその時。

 

「返せーーー!!」

「うぎゃっ!!」

 

華院=ヒカルがハッピーを突き飛ばし人形を取り返そうとした。それによってハッピーの手から人形が離れ、ルーシィの抱擁も解かれた事でリュークはようやく解放された。

 

「ぶはあっ………!!はぁ、はぁ、はぁーーーっ………」

「大丈夫!?」

「危なかった………!!」

 

必死に息を吸い込んで足りなくなっていた酸素を取り込んだリューク。その間、ハッピーの手から離れた人形は華院=ヒカルが掴む直前にナツがキャッチ。

 

「"火竜の鉤爪"!!」

「ひゃうっ!!」

「おわっ!?」

「どどすこーい!!」

「んぎぃ!!」

 

"火竜の鉤爪"で反撃したナツ。その拍子に人形が変な体勢になりその余波にリュークが巻き込まれるも肝心の攻撃を華院=ヒカルはかわして張り手を繰り出してナツを押し出し。壁に激突したナツは直ぐ様反撃に出ようとしたが、壁が崩れナツは岩の下敷きになってしまった。

 

「待ってて、今バルゴで………!!」

 

バルゴを召喚してナツを助け出そうとしたルーシィ。しかしここで魔力切れを起こしてしまい膝をついた。そしてリュークも遠い目をしながらふらついた。

 

「(クソッ………こんなところで、目眩を起こしてる場合じゃ………!!)」

 

酸素不足に、離れた味方の指示を出している際に目眩に襲われたリューク。そうして隙を見せたリュークとルーシィに華院=ヒカルの張り手が襲い掛かった。

 

「ぐうっ………!!」

「きゃあああ!!」

「リューク!!ルーシィ!!くそっ、出られねぇ………!!」

 

その間に華院=ヒカルは一番近くに倒れたルーシィに追撃を仕掛けた。

 

「うあっ………ゲホ、ゴホッ!!」

「テメェ………彼女に手を出すなと言っただろうが!!」

「邪魔っス。」

「ぐあっ………!!」

「余所見してる奴には負けないっス。じゃあ、このキレーな顔を二度と見れないようにしてやるのを見ているっス………自分は残忍っスよ………」

「あ………!!」

 

リュークを突き飛ばしてから、ルーシィの頭を掴んで持ち上げた華院=ヒカル。

 

「このまま砕いてやるっス。」

「うああああああッ………!!」

「ルーシィ!!」

「(クソッ………この状態で、"神竜王の威光"を保ちながらは………!!)」

「ああああああ!!」

 

頭蓋を握りつぶされようとしていたルーシィ。だがその時、ルーシィの足が不自然に動き、華院=ヒカルの顔面に強烈な蹴りを入れた。

 

「身体が勝手に………まさか!!」

「にひひ。」

 

ルーシィの不自然な動きの正体はナツの手にあった人形。近くに落ちていたのを上手く拾い、ルーシィを操って窮地を脱したのだった。

 

「ウェッ!!」

「避けろルーシィ!!」

「身体曲げ過ぎよ!!"関節"ってのを考えてお願いね………」

「ナニソレウマイノ?」

「ふざけるのも大概に………」

「ふざけてるのは、お前だよ!!」

「ウヴェッ………!!」

 

関節を無視した、ある意味で変幻自在な攻撃のルーシィと、復活して再び"デュランダル"を手に取ったリュークで追い詰め始めた。するとナツがイタズラっぽい笑みを浮かべ始めた。

 

「良い事思いついた!!」

「え?」

「"火竜の………鉄拳"!!」

「「ウソーーー!?」」

 

ナツは人形の片手に炎をつけた。するとそれに応じてルーシィの炎も普段のナツのように燃え始めた。

 

「大丈夫だ、本人は熱くねぇから………多分。後はハッピー、任せたぞ!!」

「あいさー!!」

「な、何をするつもりよぉ!?」

「………嫌な予感がするんだが?」

 

あくどい笑みを浮かべたナツとハッピーに、涙目になるルーシィと眉間にシワを寄せたリューク。それをよそにナツがハッピーに炎のついた人形を投げ渡すとハッピーはMAXスピードで急上昇しルーシィもそれに追随して上昇。そして一定の高度から急降下するとルーシィは全身が炎上しながら火の玉として急降下。

 

「手どころか全身燃えてるんですけどーーー!!」

「んなぁ!?これは………」

「逃がすかよ。」

「!!」

「人の恋人を散々傷つけてくれたんだ………覚悟しやがれ!!」

「必殺!!」

「いやああああああ!!」

 

火の玉となったルーシィと、烈火を纏った"デュランダル"を手にしたリュークは同時に相手へと激突した。

 

「"ルーシィファイアー"!!」

「あああああああああ!!」

「"エクスプロージョン"!!」

「ヴェーイ!?」

 

爆炎の突撃と剣戟、そしてそれによる爆発によって吹き飛ばされた華院=ヒカル。

 

「ど、どどすこ………どど、ウーウェ………」

 

そしてそのまま起き上がる事無く倒れたのだった。

 

「やったぞ!!」

「あいさー!!」

「「………!!」」

「勝利のポーズ、イエーイ!!」

「もうやめてー!!」

「……………」

 

勝利のポーズと称して、人形によって再び無理なポーズを取らされたルーシィ。次の瞬間、ナツを閉じ込めていた岩が粉砕した。

 

「次やったら身体ごと粉砕するからな。」

「「あい。」」

 

岩を粉砕したリュークは憤怒の表情で"デュランダル"をナツに突き付け、ナツとハッピーはその場で土下座をした。

 

==========

 

「煉獄の七眷属は、これで3人撃破………まだ半分以上残っているのか………」

「何でそんな事分かんだ?」

「島全体を見通しているからね。さっきの奴も追えているし、近くにいた味方に追跡を指示した。」

「本当か!?俺でも臭いを何かで消されて見失ったのに、どうやったんだ!?」

「魔力を島中に張り巡らせてる。今なら大体の事は答えられるけど………何が聞きたい?」

 

するとルーシィが問いかけた。

 

「あいつら、船で来てない?それでさっきの人、ゼレフをマスターの所へ連れて行くって言ってたから、どこかにあいつらの船が停泊してる可能性が高いわ!!どこにあるか分からない!?」

「あいつらの飛行艇か。それなら東に停泊している。ちょうどいい、ほぼ同じ方向に負傷者を含めた半数が集まってるキャンプがある。そっちに合流しよう。」

「ならじっちゃんとウェンディと合流してから………」

「そこは心配ご無用。もう"指示"は出してる。」

「ナツさん、ルーシィさん、リュークさん!!」

 

声のした方を見るとウェンディがシャルルと、マカロフを抱えて飛ぶリリーが近づいた。

 

「無事辿り着けて良かった。」

「マスターの状況は?」

「まだ何とも言えないわ。」

「なら、一刻も早くキャンプに向かって合流を急ぐべきか。そろそろマスターをちゃんとした所で休ませないと………」

 

ウェンディ達との合流も叶い、他の味方とも合流しようとした時。目の前に1人の男が現れた。

 

「貴様は!!」

「どこ行ってたんだコノヤロウ!?」

「この人が評議員のメスト………」

「本当の名前はドランバルトだ。」

 

素性がいまいち不明だったメスト。それもそのはず、彼の正体は記憶操作の魔法を使って妖精の尻尾に潜入していた評議員の魔導士であった。そんな彼が目の前に現れた理由。

 

「ドランバルトさん………?」

「心配しなくていい、ウェンディ。俺はお前達を助けに来た。」

 

メスト改めドランバルトの提案。それは彼のもう1つの魔法、"瞬間移動(ダイレクトライン)"で妖精の尻尾のメンバーのみを島から脱出させる事だった。

 

「何とか全員の居場所が分かれば………」

「全員の居場所なら俺が把握している。」

「だったら………!!」

 

だがリュークはナツと見合わせると声を揃えた。

 

「「お断りします、ってヤツだ。」」

「な!?」

「善意で言ってるんだろうけど、余計なお世話だ。」

「何で私達が評議員の助けを借りないといけないの?」

「ギルドの問題は自分達で片付けるさ、ここの連中は。」

 

だがドランバルトの危惧はそこでは無かった。

 

「そうじゃない!!今この状況を本部に知られたら島への攻撃もあり得る、って話だ!!」

「攻撃!?まさかまた"エーテリオン"を!?」

「その前にカタをつければいいだけだ。」

「正気で言ってるのか!?マカロフは倒れた!!向こうはまだ強力な奴が残ってる!!勝てる訳ねぇだろ!!」

「だから島ごと消すってのか?」

「このギルドの初代マスターのお墓があるこの場所に攻撃なんて………」

「そんな事したら、ただじゃおかないわよ!!」

「評議員を脅すつもりか!?魔導士ギルドごときが!!」

 

そこでナツがドランバルトに迫った。

 

「いいか、よく覚えておけ。悪魔の心臓だろうが評議員だろうが………家族に手出す奴は皆敵だ。全て滅ぼしてやる。」

「……………!!」

「こちらの力になると言うのなら、評議員を止めてくれ。そうでないと言うのなら、邪魔をするな。」

「………俺は。」

 

ナツとリュークはドランバルトに背を向けた。そしてナツがマカロフを背負うと仲間との合流を急いだ。

 

「………一雨来るな、これは。」

 

 

続く

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