デーデン♪デーデン♪
って例のテーマ流れた瞬間に、あれだけの威圧感と出オチ感を両立させるの流石漆黒の騎士ですわぁとなりました。
「雨がやまないな………」
「これは待ってる余裕は無いな………そっちは終わった?」
「うん、着替え終わったわ。」
「私の分までありがとうございます。」
雨が本降りになり、洞窟の入口に一度入ったリューク達。リューク、ナツ、ハッピーが外を見張っている間に、服がボロボロになったルーシィは星霊界の服装に着替えついでにウェンディも着替えた。
「着替えて早々悪いけど、行くよ。リリーには先行して貰った以上、一刻も早く向かいたい。」
そう言って、リュークは雨の降りしきる外へと出た。その間、リュークは引き続き"神竜王の威光"とフェルトからの"視覚共有"で戦況を見ていた。
「(ジュビアが七眷属の1人を撃破、こっちは良し………エルザがもう1人の七眷属と交戦開始、エルザならひとまず大丈夫か。問題はキャンプの方にも七眷属が1人接近中、こっちは俺達じゃ間に合わないからフリードとビックスローに任せる他無い。後は、悪魔の心臓から動き出した、マスターハデス以外の増援………こいつがどう動く………?)」
「リューク?」
「すまない。行こうか。」
ルーシィに声をかけられ、歩みが遅くなっていた事に気付いたリュークは一度切り替え、雨の降りしきる中での仲間との合流を急いだ。
「それにしてもドランバルトさん大丈夫かなぁ?」
「ほっとけばいいのよ、ああ言うのは。」
「あたしはカナも心配。どこではぐれたんだろう………リュークはカナの位置を追えてるの?」
「追えてるけど、こっちの指示を無視されてるんだよな………」
「……………」
カナの行動に心当たりを抱いたルーシィは複雑な顔をした。そんな時、リュークが足を止めた。
「止まれ。」
「「「?」」」
「どうしたの?」
「………こっちに来やがったか。」
「何の話?」
「ん?誰かいるぞ。」
リューク達の前に、1人の男が現れた。長い髪を1つに束ねているその男の周りだけ雨が激しく降っており、その理由を説明するかのように、肌がビリビリするかのような魔力を放っていた。
「………戦闘準備を。」
リュークの声で戦闘準備に入った一同。
「誰だテメェは!?」
「………飛べるかなァ?いや、まだ飛べねぇなァ。」
「………来る!!」
「落ちろ。」
その男………悪魔の心臓副司令、ブルーノート・スティンガーが一度上げた手を下ろすとリューク達の周囲を強烈な重力が襲い掛かった。
「ぐはぁ!?」
「きゃあああ!!」
「うああっ!!」
「う、動けない………!!」
「重力………!?」
一同は襲い掛かった重力に押され地面に倒された状態で地面もろとも沈められた。
「俺はよう、妖精の尻尾にもゼレフにもあまり興味がねぇのよ。だけど1つだけ欲しいものがある………妖精の尻尾初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの墓はどこだ?」
「………そんなもん、知ってても教えるかよ。」
「!!」
ブルーノートの問いに答えたリューク。その彼を見てブルーノートが驚いた表情をしたのだが、その理由はリュークはブルーノートの重力魔法を受けても倒れるどころか跪くことすらしていなかったからである。
「テメェ、俺の魔法を食らって………」
「"墓荒らし"に付き従う猿如きに垂れる頭は、持ち合わせていないのでね………!!」
「………随分と舐めた口をきくじゃねぇか。」
「"クラスチェンジ"、神軍師………」
「潰れろ。」
「!!」
更に強力な重力がリュークにのしかかり、その余波でナツ達まで抑えつけられた。だがリュークはその重力を突っぱねた。
「"神器錬成、選択の魔道"………」
「!!」
「"ブリュンヒルデ"!!」
紋章士カムイと紋章士カミラの弟レオンが使っていた魔道書の神器"ブリュンヒルデ"。その魔道書が司る重力と生命の力でブルーノートの重力魔法を相殺し切り込んだ。
「はあああっ!!」
「ほう………」
「塵になるがいい!!」
「………少しは飛べそうか?」
"ブリュンヒルデ"によって生み出された樹木と、それによって引き起こされる重力攻撃。ブルーノートはそれを自らの重力で打ち返すがその隙にリュークが距離を詰め"絆剣リベラシオン"を振りかざした。
「"華炎"!!」
「ふん。」
「お前が初代マスターの墓に何のようだ!?」
「………"
「?」
「"
「っっっ………知ってたとしても、教えるかよ!!」
ブルーノートから断続的に放たれる重力魔法を"何とか"受けながら反撃するリューク。
「じじいから、竜がいると聞いてどんな奴かと聞いたら………バカみたいに魔力を垂れ流す"ただの人間"。」
「………!!」
あくまでも"何とか"。"神竜王の威光"を展開し、竜の魔力を戦闘に回せなくなっているリューク。故にブルーノートから見たリュークは魔力量の多寡はともかく"人間の魔導士"の範疇を越えられなかった。そしてその事実に、ブルーノートは落胆した。
「お前じゃ飛べねぇ。消えろ。」
「お望み通り………!!
消えろ、と言われたリュークは紋章士クリスを顕現し、"影の英雄"で気配を消そうとした。
「姿を消したところで………ッ!?」
「
「(何、だ!?頭が………!?)」
"影の英雄"で姿を消そうとした瞬間。ルーシィが紋章士セネリオを顕現し、リュークに"囮指名"を発動。視線を自分から逸らす"影の英雄"と、視線を対象に集める"囮指名"が同時に発動された事でブルーノートは"虚空に目が離せない"状況に陥り、バグが発生したように動きが一瞬止まった。そして"人間の魔導士"の範疇を越えていないとしても、その隙を逃すリュークでは無い。
「そのまま吹っ飛べ………」
「!!」
「"双華炎"!!」
"獅子奮迅"で能力も上がった状態で、"絆剣リベラシオン"の剣戟に魔力を、"ブリュンヒルデ"の重力魔法に膂力を。意識外から繰り出された2連撃はブルーノートの不意を突いて効果的なダメージを与えた。
「ちっ………クズが小賢しい真似を………!!」
「あっ、うあああっっっ………!!」
ルーシィが邪魔に入った事に苛つき、ルーシィを重力で押し潰そうとした。
「この野郎………!!」
「お前かァ!!」
「!!」
リュークが切り込もうとした時。ブルーノートの背後から援軍が現れた。
「ルーシィに、手出すなァ!!」
「カナ………!!」
現れたのはカナ。無数のカードを繰り出した彼女だが、ブルーノートはそれを重力で打ち落としたが、追撃で彼女は拳に光を集めブルーノートに突撃した。
「"
「光?何だあの魔法………?」
「まさか………!!」
だがカナが敵の目前まで迫るもブルーノートの重力で抑えつけられ技は不発に終わった。
「うあっ!!く………!!」
「テメェの持ってるその魔法は………!!」
「まさか、"
ブルーノートが求めていた"妖精の輝き"を手に入れていたカナは、自分のパートナーであるルーシィに謝罪の言葉を述べた。
「ルーシィ、置いてっちゃってごめんね。弁解の余地も無い………本当にごめん。でも今は私を信じて。あいつにこの魔法が当たりさえすれば、確実に倒せる。」
「凄いじゃんカナ!!もしかしてお墓で手に入れたの!?」
「あの墓、そんなのあったんだ………」
「墓でって………それにリュークもお前、その言い方………」
「今はその話置いとかない?ナツに、気配分からないけどリューク。」
「ムゥ………」
「私が"魔力"を溜める間あいつを引き付けて………」
「むぅー!!」
すると、ブルーノートは全方位に重力魔法を飛ばして味方を方々へと飛ばした。
「まさか探してた魔法が向こうからノコノコやって来るとはな………その魔法は俺が頂く。」
「く………この魔法はギルドの者しか使えない………お前らには使えない!!」
「"魔"の根源を辿れば、それはたった1つの魔法から始まったとされる。」
「(たった1つの魔法………どこかで聞いた事が………)」
「つまり、魔道の深淵に近づく者はいかなる魔法も使いこなす事ができる。」
そう言ってブルーノートはカナに近づき重力でカナを持ち上げた。
「ぐあ………!!」
「カナ!!」
「逆に聞くが、てめぇの方こそそれを使えるのかね?」
「あたり、まえ、だ………!!」
「太陽と月と星の光を集め濃縮させる超高難度魔法。てめぇごときに使える訳ねぇだろうが。」
「お前みたいな
「てめ………!!」
紋章士クリスを解除してブルーノートの目の前に現れたリューク。そんな彼が今度顕現していたのは紋章士リリーナ。
「"ルナ"!!」
「ちぃ………!!」
「"神器錬成、聖戦の魔道"、"ファラフレイム"!!」
防御無視の"ルナ"でブルーノートを崩してカナを解放する。続けて錬成したのは紋章士リリーナのシンクロスキルを最大限に発揮できる炎魔法の中でも最高峰の"ファラフレイム"、それに奥義"華炎"を乗せて至近距離で叩き込んだ。
「(これが俺の、《"エンゲージ"を使わない》最高火力!!そして余波の炎は………)」
「いただくぜ、リューク!!"火竜の咆哮"!!」
ブルーノートに炸裂して拡散した炎はナツが食らい、強力なブレスを繰り出してブルーノートを火だるまにした。
「ちぃ………邪魔だクズが!!」
苛ついた表情でリュークとナツ、そしてルーシィやウェンディをも重力で吹き飛ばした。
「ちいっ………だが、十分!!」
「ナイス、ナツ!!」
「!!」
「行けぇカナ!!」
だが時間稼ぎは十分だった。
「集え、妖精に導かれし光の川よ!!照らせ、邪なる牙を滅する為に!!"
「ぐおおおあああ!!」
その間にカナは自らの右腕に光を集め、ありったけの光をブルーノートにぶつけた。
「消えろオオオ!!」
「オオオオオオ………!!」
そして、
「落ちろォ!!」
ブルーノートは重力で"妖精の輝き"の光を地面に叩き付けた。
「う、そ………」
魔力の反動で腕から出血したカナは信じられないと言う表情のまま尻もちをついて倒れた。
「その程度で"妖精の輝き"だと?笑わせるな。」
「……………」
「いくら強力な魔法でも、術者がゴミだとこんなものか?あ?」
「(私の、力不足で………)」
「知ってるか?殺した後でも魔法は取り出せるって………今日も俺は飛べなかった。お前は地獄に落ちろ。」
「……………!!」
ブルーノートはカナにトドメを刺そうとした。
「(………"エンゲージ"を使わなければ、竜の力を使わなければ、俺はこの程度か。"神竜王"が笑ってしまうな………だから情けなくても、今はあなたを頼りにさせて貰います!!)」
ブルーノートがいよいよカナを手に掛けようとした、その時。ブルーノートが吹き飛ばされた。
「………ようやく追いついたか………ギルダーツ。」
ブルーノートを飛ばしたのは無言のまま、激怒の表情を浮かべるギルダーツだった。彼の登場にカナは涙を流し、それ以外は安堵の笑みを零した。
「お前からの指示だったか、あの時頭に響いたのは。」
「………そうだよ。今追いつくなんて、足遅くなったか?」
「悪かったな………ここは俺が受け持つ、皆を連れて行け。」
「分かった。行こう、皆。ここはギルダーツに任せよう。」
そう言ってリュークは全員に目配せをして、その場を離れた。
==========
「………リューク、大丈夫?」
「何がだ、ルーシィ?」
「そんなに魔力を垂れ流して、何が見えてるの?」
「天狼島全体。今キャンプでフリードとビックスローが、天狼樹付近でエルザが七眷属と戦闘中、グレイは………接触はしてるが戦闘はまだか。」
「………だから"エンゲージ"を温存してた?」
「………力加減をしてる余裕は無いはずなのにな。すまない。」
「謝らないでよ。おかげであたしはあの白いのに潰されなくて済んだんだから。」
「………そう言ってくれるなら、良かったのかな。」
他の仲間がいるキャンプへ再び向かっていたリューク達。マカロフをナツが背負い、途中で気を失ったカナをルーシィが肩で支えながら走っていた、そんな時だった。島中を地響きが襲ったのは。
「うわあっ!?」
「何だ、地震か!?」
「いや………後ろを見ろ!!」
後ろを見た一行。そこで広がっていた光景、それは天狼島最大の特徴である天を衝く高さの大樹、通称天狼樹が根っこから引き抜かれたかのように倒されたのだった。
「どうなってんだこりゃーーーっ!?」
「ひいいいーーーっ!!」
「きゃあああっ!!」
大樹の倒壊に巻き込まれないよう走る一行。
「あ?あれ………?」
「な、何これ………力が………」
「急に力が抜けて………」
「うあっ!!」
「そんな………」
天狼樹の倒壊と時を同じくしてナツ達も急に力が抜けたかのように次々と倒れた。
「(ぐっ………やら、れた。こんな隠し球まで、あっちは持っていたか………っ!!)」
天狼島を見渡していたリュークは何が起きたかをすぐに把握できた。
「(やっぱり、天狼樹が俺達に加護を与えていた………そして、それを乗っ取られた………!!)」
悪さをしたのはエルザと交戦中の七眷属、アズマ。本隊から先んじて天狼島に潜入していた彼は長い時間をかけ、彼の魔法"大樹のアーク"で天狼島の魔力を支配して、妖精の尻尾の魔導士にかけられた加護を逆転させたのだった。
「……………。」
"絆剣リベラシオン"を杖代わりに、膝をつくまいと立つリューク。
「………上等だ。」
魔力が失われふらつき始めていた彼だが、不敵な笑みを浮かべていた。
「神竜王が支配した地を、簡単に乗っ取れると思うなよ………!!」
するとリュークは息を整えてから指輪を掲げた。
「
紋章士リュールを顕現、"エンゲージ"を行ったリューク。
『(仕組みは分かった………後は、魔力の使い方を変える………)』
"エンゲージ"で魔力量を上げたリュークは、"神竜王の威光"で使っていた魔力の流れを変えた。
『(グレイの動きが少し気になるが………うん、"指示"はもう出さなくても大丈夫。その分の魔力と"エンゲージ"で上がった魔力を、"神竜の
味方の指示を送るのに使っていた魔力を、"神竜の行進曲"による応援に切り替えようとしたリューク。
『(ぐっ、まだ………ほんの少し、足りない………!!このままじゃ、俺の魔力が………!!)』
「リュー、ク。」
『何だ、ルーシィ!?悪いが集中………』
「もう1つの、"竜石"………」
魔力を失われ動けないながらもルーシィはリュークの1点を指差した。そこには、リュークが"使っていない""竜石"が仄かに光っていた。
『これは………アイズの、"竜石"。』
ソラネルの里での騒動の際に回収していたかつての仲間、アイズの"竜石"。
『………助かったよ。ルーシィに、アイズも。』
"竜石"はリュークやチキ、カムイのような竜族が竜に変身する為の"魔力の塊"。
『これなら、魔力が足りる………!!』
自分とアイズ、2つの"竜石"の魔力を引き出したリュークはふらつく足取りを抑え、しっかりと立った。
『俺の目が黒い内に、人の
そしてリュークは魔力を声に乗せ、吼えた。その叫びに乗った魔力は"神竜王の威光"を発動した時と同じように島中を駆け巡った。それもそのはず、彼の発動した魔法は"神竜王の威光"で変わっていない。ただ、魔力の使い方を"自らの指示で皆を導く"為から"皆を立ち上がらせる"為に切り替えただけである。ではどうやって立ち上がらせるのか、それはシンプルな魔力譲渡である。
『俺の魔力………持っていけるだけ、持って行けェ!!』
初めて使う魔法、制御もへったくれもあったものでは無い。故に限界値を無視して闇雲に味方へ魔力を譲渡し、使った影響でリュークの"エンゲージ"が解除され足がもつれた。
「(やっ、ば………)」
杖代わりにしていた"絆剣リベラシオン"も手放し、ふらつき倒れそうになったリューク。
「危ないっ!!」
「!!」
だが膝をつき倒れそうになった所を、魔力を貰って復活したルーシィが割り込みギリギリで受け止めた。
「っ、とと、わあ、っ………と、セーフ………」
「ルーシィ………」
「全く………またあたしじゃ分からない無茶をしたでしょ?」
「………否定はしない。今初めて使ったからね………でもこれで、向こうに傾いた戦局を変えられた!!」
リュークの言う通り、アズマが天狼島の魔力を支配した所をリュークが一部といえど塗り替えた。
「(天狼島の魔力は俺の支配下にあるはず………!!誰が、"塗り替えた"!?)」
「………この魔力、そうか。」
「知っているのかね、
「ああ………私達を見守るのは妖精だけではない、と言う事だ!!」
その影響は他の戦いでも起きていた。
「あのギルダーツも魔力を失っちゃあてんで話になんねぇな!!」
ブルーノートと戦っていたギルダーツは魔力を失い一方的に足蹴にされていたが魔力が渡った事でその足を受け止めた。
「こいつぁ………リュークのか。」
「魔力が戻ったのか!?」
「ボコボコにされた上に、ガキに尻拭いされてちゃあ試験官としての威厳もクソも、あったもんじゃねぇっ!!」
「ぬおっ!?」
そしてリューク達が向かっていたキャンプでも、フリードとビックスローが"具現のアーク"の使い手の七眷属、ラスティローズに反撃を始めていた。
「魔力が戻った、いや、新たに貰ったのか?」
「どっちでもいいが、復活だ!!オラアッ!!」
「くっ………どうしたアズマ!?どうしてこいつらの魔力が復活している!?」
戦況が好転したのを見届けたリュークはニヤリと笑ったが、その直後に眉間を抑えながら目をシパシパさせた。
「大丈夫!?」
「………ほんの少し、目眩がしただけ。大丈夫。」
そう言いながらリュークはフェルトに見えるように合図を送り、"視覚共有"を解除した。
「………この状態でも、魔力で追えるから十分か。皆も、立ち上がれるだけの魔力が回ったみたいだし行こうか。」
"神竜王の威光"による魔力譲渡でナツ達も復活して立ち上がっていた。
「それじゃ、そのまま真っす………ぐっ!?」
だが"神竜王の威光"は自分には対象外の魔法。リュークの体力と魔力は全く回復していないのだ。故に再びふらつき倒れそうになるがルーシィはカナを抱えていて彼を助けられない。代わりに、ハッピーが背中を掴んで飛んだ。
「………すまないな、ハッピー。」
「問題ないよ、ルーシィより軽いし。」
「んな訳無いだろ、三枚おろしにするぞこのドラ猫。」
「ヒェッ………!!助けてシャルル〜殺される〜!!」
「今のはあらゆる面であんたが悪いわよ、ハッピー。」
==========
しばらくして、ようやくキャンプに到着したリューク達。
「こいつは………」
「そんな………」
キャンプを襲撃していたラスティローズは撃破されていたがミラ、エルフマン、エバーグリーン、ガジルが戦闘不能。フリード、ビックスローも万全とは言えずレビィ、リサーナ、リリーも戦力としては心許ない状態だった。
「更にマスターとカナまで負傷か。」
「全くどうなってんだよ一体。」
「私、すぐに治癒魔法を………!!」
「ありがたいけどこの人数よ、無理しないで。」
「それにあんた今日は魔法使いっ放しよ、少し休まないと。」
「使いっ放しって言ったらあんたもよ、リューク………って、やっぱり。」
「……………。」
「今一番魔力使ってるのはあんたなんだから、あんたは絶対に休む!!いいね!?」
「………分かったよ。ちょうどエルザとギルダーツが勝負を決めた所だし、少し寝る。何か起きたり決まったりしたら起こしてくれ。」
そう言い残し、リュークは余った毛布に包まり即座に寝息を立て始めた。その際に、ずっと展開していた"神竜王の威光"も完全に解除され髪色も元の色に戻った。
「リュークの雰囲気、さっきまで変だったけど何かしてたの?」
「うん、どうやら島中に魔力を張り巡らせてたみたい。それで指示出したり、魔力を渡したりしてたみたい。」
「………そうか、あの時の指示はリュークだったか。」
「ギルダーツの予想通りだったか。しかしそんな魔力………」
「竜族だからこその無茶か………」
「なら、今は休ませるべきか。」
「そうね。今の内に次の事を考えておきましょう。」
==========
「………ッ。………ーッ。」
「……………ん。」
「ホーッ!!ホーッ!!」
「んあ、フェルトか。さっきまでずっと"視覚共有"をしてくれてありがとう。」
「ホホーッ!!」
「何分寝てた………?」
「まだ5分くらいよ。」
「そうか。それでルーシィ、何か決まった?」
「うん。」
ルーシィは、リュークが寝ている間に話し合われた作戦を聞いた。
「なるほど、ここからハデスに殴り込む"攻め"のチームと、ここの防衛を行う"守り"のチームに分けるか………」
「俺はハデスを倒しに行く。じっちゃんの敵は俺が討つ。」
「俺はここで"術式"を書かねばならん。」
「ナツが"攻め"、フリードが"守り"の中心か。」
「リュークは………」
「"攻め"に入る。」
「即答か。まぁそっちに入るとは思ってたが。」
「………100年前、俺はあいつと戦って勝っている。その時とは状況が全く違うけど戦わない理由にはならない。」
「そんな事は起きないと思うけど、リュークが睨んで少しは怯んでくれたら楽ね………」
リュークの役割が決まった事でチーム分けは終了した。ナツ、ルーシィ、ウェンディにハッピー、シャルル、リリー、そしてリュークとフェルトが"攻め"のチームに。"術式"で防御魔法を作れるフリードとそれのサポートができるレビィ、その護衛となるビックスローとリサーナが"守り"のチームとなった。
「よぉし!!後はハデスだけだ!!行くぞ!!」
「「「おう!!」」」
残るはマスターハデスのみ。天狼島の戦いも終盤に突入したのだった。
続く
・"影の英雄"と"囮指名"
ゲーム的な処理だと優先度の±が相殺されて
しかし実際にやるとなると一瞬ながら"無に注目させる"と言う形になって相手の脳がバグるんじゃないかと思い両採用と致しました。
・"神竜王の威光"のもう1つの効果
"プレイヤー視点"と"プレイヤー操作"の内、"プレイヤー操作"の方を諦める代わりにシンプルなバフを与えられるようになりました。
ゲーム的な効果なら現時点では全能力+3、毎ターンHPを5%回復くらいのものです。
プレイヤー操作と全体バフは現時点では両立不可能です。また全体バフの方が消費魔力は大きいです。