FAIRY EMBLEM   作:jyosui

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マリカワールドが大乱闘過ぎる
1ミスで上位から下位まで落ちるし、1キノコで逆転もするし。
おかげでドラテクがゴミカスでショートカットろくにできない私でもオンラインでぬるっと3位とか取れる時もある。1位は無理。

あとswitch2版のポケモンSVもやりましたが、全てにおいてキレが良すぎて逆に戸惑うレベルで変化してました。あと一度に登場するポケモンが激増したのはいいのですが誤ってパルデアケンタロスの大量発生に突っ込んで地獄を見ました。ミライドン飛べて本当助かった。


77章 試験終了

マスターハデスを倒し、悪魔の心臓を無事撃破した妖精の尻尾の魔導士達。しかし激戦に次ぐ激戦で疲れ果てていた一同は一度キャンプに戻り、傷と疲れを取る事にした。

 

「……………。」

「何だ?俺に治されるのは不本意か?」

「そうじゃねぇよ………ただ、色々合点がいっただけだ。」

 

天狼樹の復活により魔力の戻ったリュークとウェンディが回復魔法で順番に治療していて、リュークはラクサスを治療していた。

 

「特に、テメェみたいなチビの分際で"クソガキ"って呼んでた理由とかな。で質問だが………やっぱり痛いのか、滅竜魔法は?」

「ちょっと食らったくらいでしばらく不調引き摺るくらいには。さっきの食らったらしばらくは動けんくなるし、食うなんて以ての外だ。」

「………そうか。ところで1つ、ついでに頼みがあるんだが………」

 

リュークが治療を終えたそのタイミングでラクサスに飛び込むものがあった。

 

「ラ"グザズががえ"っ"でぎだぁ"ーーー!!」

「いや、違うんだが………」

「よく帰ってきたなラクサス!!」

「だから………」

「ねぇ、ラクサスのいない間にエルフマンが私に悪い事するの、仕返ししてぇ〜」

「て、てめぇ!!」

「うぼぉおおい、おいおいおい………!!」

「………何とかしてくれ。」

「お前の親衛隊なんだ、お前が何とかしろよ。」

 

破門"中"とあったラクサスが戻って来た事で、彼の親衛隊である雷神衆が感激に任せて飛び込んで来るのにラクサスは複雑な表情をしていた。特に普段冷静沈着なフリードは号泣しっぱなしで、隣でレビィを治療していたウェンディはあんまりなキャラ崩壊にビビり散らかしていた。

 

「それよりもウェンディ大丈夫?少し休んだら?」

「いいえ………天狼樹が元通りになってから調子がいいんです。」

「とは言え、ウェンディもリュークも働き詰めだ………交代しようか?」

「エルザ、さん………?」

「………何してんの?」

 

ウェンディとリュークに代わろうかと申し出たのは何とエルザだった。何でエルザ?とリュークが振り向くと、エルザはナース服に着替えていた。

 

「ちょっとアンタ治癒魔法使えないでしょ?」

「魔法どころか治癒の心得も無いと思ったけど………」

 

シャルルとリュークのツッコミに、エルザは自信たっぷりに答えた。

 

「勝負に能力は関係無い………大事なのは、"心"だ。」

「ええっ、しょ、勝負………?」

「ちょっとエルザ!!」

「それで治るなら医者も衛生兵もいらないんだよ………」

 

勝負と言われ戸惑うウェンディ、その姿を見て憤るシャルル、呆れるリューク。それをよそにエルザは木箱に座ると足を組み蠱惑的なポーズを取り色っぽい声で囁いた。

 

「さぁ素直に言ってみろ。痛い所はどこだ?熱を計ってやろうか?それとも注射がいいか?」

「ったく、何が始まったかと思えば………」

「イカれてるぜ。」

「うんうん。」

「とか言いながらちゃっかり割り込むな!!」

「ちゃんと列に並べェ!!」

「オス共ーーー!!」

 

まんまとエルザの色仕掛けに流され、エルザの前に列を成した男性陣。その様子を目の当たりにしたウェンディは意気消沈。

 

「……………。」

「ほ、ほら………少し休めるから、良かったじゃない!!」

「………おムネの差、でしょうか………」

「はうっ………!!」

 

慰めようとしたレビィに二次被害が飛び、横でショックを受けるレビィ。

 

「包帯を巻くのは、難しいな………」

「「「ダーーーっ、こ、殺す気かーーー!?」」」

 

そのエルザの"治療"と言うと、包帯を巻こうとしてグレイ、ガジル、エルフマンを纏めて縛り上げていた。

 

「………何あれ?郵送するの?」

「グレイ様、お仕置きするよりされる方が好きだなんて………!!」

「ガージールー………!!」

「はぁ………よし。じゃあ今の内に、俺の治療を頼めるかな?」

「………あ、はい!!頑張ります!!」

 

リュークはその光景を尻目に、治療の杖をしまいウェンディに治療を依頼した。

 

「アンタはあっちに流されないのね。」

「今のリュークはルーちゃん一筋だものね。」

「………じゃあ、もしルーシィさんが同じ事をしたら………」

「………どちらかと言えばノリノリでやりそうなのがなぁ。正直なところ、他の男にそう言うのはやって欲しく無いのだけれど。」

「………アンタ、一途通り越してちょっと重くない?あまりルーシィを束縛しちゃダメよ?」

「………自覚はしてるつもり。」

 

苦笑いをしながら治療を受けるリューク。その治療が終わったタイミングで、マカロフが全員を呼んだ。

 

==========

 

「「「「何だとォーーー!?」」」」

 

ナツ、グレイ、エルフマン、ガジルの叫びが辺りに響いた理由、それはマカロフの発表によるものだった。

 

「だーかーらー、今回のS級魔導士昇格試験は"中止"とする、と言ったんじゃ。」

「納得いかねーぞじーさん!!」

「何で中止なんだー!!」

「俺をS級にしやがれ!!」

「いや候補者はお前じゃなくてレビィの方だろ。」

「仕方無かろうて。」

「候補者に評議員が紛れ込んだり、悪魔の心臓に邪魔されたり………試験どころじゃ無かったもの。」

「じゃあリュークは何なんだよ!?あいつだけずりーじゃねぇか!!」

「最初に言ったじゃろう、あやつは"内定枠"じゃと。」

 

評議員ドランバルトがメストとして潜入していた事だけでも大問題なのに、悪魔の心臓の襲撃と言う更なる異常事態が起き、試験どころでは無くなっていた。それ故に昇格試験は中止となったのだが、1人"内定枠"として呼ばれていたリュークは昇格の扱いとなった。

 

「お主に限っては大丈夫だと思うが………今後、S級魔導士に恥じぬ振る舞いを心掛けよ。」

「慎んでお受けします。」

 

だがリュークの"特別な扱い"に納得のいかない者が1人。

 

「納得できねーな!!俺はS級になるんだ!!S級になるんだー!!」

「落ち着こうよナツ。」

 

試験の中止に納得し引き下がる者が大半の中、納得できず駄々をこねるナツ。それを受け、マカロフは深くため息をついた。

 

「………しょーがないのう。特別じゃ、今から最終試験を始めよう。ワシに勝てたらS級にしてやる。」

「本当かじっちゃん!?おおっしゃああ!!燃えてきたーーー!!」

 

意気揚々とマカロフに突撃したナツ。

 

「………参り、ました………」

 

だが腕を巨大化させたマカロフの拳で木に叩きつけられ、一撃で勝負が決した。

 

==========

 

「………何だよ、そのシケた面は。」

「全然面白くねぇ………」

「分かってねぇな、釣りは男のロマンだろうが。」

「まぁ、ナツはこういうの苦手だろうね………」

 

その後帰るまで自由行動となり散り散りになった一行。リュークはナツを連れたギルダーツに声をかけられキャンプ地から少し離れた河原で、フェルトを頭に乗せ釣り糸を垂らしていた。しかし魚がかかるまで待つ事が要求される釣りはナツとは相性が悪く、先程の昇格試験の中止も合わせ面白くなさそうな顔をしていた。

 

「駆り立てられる狩猟本能!!大自然との一体感!!食うか食われるかの真剣勝負!!まさにここは男の狩猟場(あそびば)!!そうだよな、リューク!?」

「うーん、俺はまた違う楽しみ方と言うか向き合い方だなぁ………釣り糸と水面を見つめていると心が落ち着いて、考えが纏まるから好きなんだ。」

「ジジイと言うか、世捨て人か仙人の楽しみ方じゃねぇか………まぁ神竜なら似たようなモンか。どーせ考えるのも真面目でお堅い事ばかりだろうしなぁ、何かこう女の事考えてたりしないのか?」

「彼女いるのに他の女の事考える訳無いだろ。遊び人のギルダーツと一緒にしないでくれ。」

「あい、リュークはルーシィ一筋だもんね。」

「………まぁ、お前はそう言う奴だとは思ったが、あと数千年生きるんなら新しい恋の見つけ方も学んだ方がいいんじゃないか?」

「冗談半分で聞き流しておくよ。」

 

そうしているとナツの竿に反応があった。

 

「お、何かかかった。」

「いいぞナツ!!引け引け!!」

 

ナツが当たりを引き始めた時だった。

 

「ギルダーツ。」

「ルーシィにカナか。どうした?」

「ちょっと待て!!今ナツが男のロマンに目覚める瞬間なんだ!!」

「カナがちょっと大事な話があるんだって。」

「ん?」

「と言う訳でリューク、片付けて。」

「いいけど、どうしたの?」

「いいから。ほらナツとハッピーも、こっちこっち。」

「うわっ魚が!!」

「皆のエサがー!!」

 

ルーシィはナツとハッピーを引き摺り、リュークが釣り道具を片付けてルーシィについて行くと河原にはカナとギルダーツのみが残され、ルーシィ達は近くの茂みに隠れた。

 

「頑張れ、カナ………!!」

「カナとギルダーツ………何か接点あったっけ?」

「それは、カナ次第………」

 

茂みに隠れて見守る中、カナがギルダーツに対して話を切り出した。

 

「私、ギルドに来た理由って………父親を探して、なんだよね。」

「そりゃ初耳だな。つー事はあれか?お前の親父さんは妖精の尻尾にいたのか?」

「う、うん………。」

 

中々口が重く、その先が言い出せないカナ。

 

「………あと一言。」

「………ねぇ、ルーシィ。この話の流れ、もしかして………」

 

だがリュークが答えを言う前に、カナはついに意を決して告げた。

 

「ギルダーツなんだ。」

「え?」

 

カナの告白に、うんうん頷くルーシィ以外は開いた口が塞がらなくなった。

 

「ええーーーっ!?」

「色々あって、ずっと言えなかったんだけど………」

「ちょ………ちょっと待て、お前………!!」

 

突然の事実に慌てふためくギルダーツ。

 

「誰の子だ!?サラ、ナオミ、クレア、フィーナ、マリー、イライザ………いやいや髪色が違う!!エマ、ライラ、ジーン、シドニー、ミシェル、ステファニー………」

「オッサン!!どんだけ女作ってんだよ!!」

 

列挙された女の数に、カナだけでなく茂みに隠れて見ていたリュークとルーシィも呆れるしか無かった。

 

「………聞き流して正解じゃねぇか、何人愛人作ってんだよあの人。」

「何の話?」

「リュークが愛人を作るって話。」

「三枚おろしか丸呑みか、どちらか選べ。」

「あい、ごめんなさい………」

 

ハッピーのあんまりな曲解をした説明に、ルーシィは一瞬ジト目をしたがすぐに笑った。

 

「今のリュークに愛人を作る余裕があるなら、怒りや呆れを通り越して尊敬するわよ。」

「どういうこと?」

「付き合ってから2週間くらいしか経ってないのに、何かもうずっと"好き"ってオーラが全開で来るんだもん。それで他の人にも"好き"を注げるなら、もう"そう言う"ものとして割り切れるわよ………許す許さないは別として。」

「………ナツー、オイラコーヒーが飲んでみたくなったよ、うんと黒くて苦いやつ。」

「ネコが飲んでいいのか、あれ?」

 

なんて言っている間に、ギルダーツはカナを抱擁しながら母親を言い当てた。

 

「コーネリアの子だ、間違いねぇ。」

「!!」

「コーネリアは俺が唯一愛して、唯一結婚した女だ。仕事ばかりの俺に愛想を尽かして出て行ったのが18年前、その後風の便りで逝った事は知っていたが、まさか子供がいたなんて………」

「……………。」

「何で今まで黙っていた。」

「言い出し辛かったんだ。そんなこんなで今頃になっちまったのさ。」

 

カナが妖精の尻尾に入ったのは、父であるギルダーツを追っての事だった。しかし入ったはいいものの中々言い出せず時間だけが過ぎていた時に、S級魔導士昇格試験の話が舞い込んだ。同じS級になれれば、肩を並べられたら言い出そう、そう意気込んだ結果は4年連続不合格。自分より後に入ったエルザやミラにも先を越され自信を失ったカナは今回を最後と決め、これでダメならギルダーツの娘である事を諦め、ギルドと街を出る決意をしたのだった。

 

「………これを知って、カナのペアになったのか。」

「うん、放っておけなくって………だから、こうなって良かった。」

「……………」

 

カナを抱きしめるギルダーツは震えていた。

 

「こんなに近くに、娘がいたのに………ここまで気づかないなんて………!!」

「よせって………責任取って欲しくて話したんじゃ無いんだ………だけど私は、これで胸のつかえが取れた。だから一回だけ、言わせて。」

 

ギルダーツの手を優しく振りほどいたカナはにこりとした。

 

「会えて良かったよ、お父さん。」

 

その言葉を聞いたギルダーツはと言うと、涙を流しながらカナを再び抱擁し、カナは今度はそれに応えて抱き返した。

 

「もう寂しい想いは二度とさせねぇ!!これからは仕事だって酒飲むのだって一緒にいてやる!!」

「………それはちょっとウザいかな?」

「だから………俺にお前を愛する資格をくれ。」

 

カナとギルダーツ。親子の涙の抱擁を陰から見ていたルーシィもつられて出た涙を拭い、ナツとハッピーは号泣していた。

 

「……………。」

「リューク?」

「すまない。………俺の父さんはどんな人だったんだろうな、って思ってしまっただけだ。」

「………。」

 

リュークの父親はリュークが物心つく前に亡くなっていた話を思い出したルーシィ。顔も知らない父親に想いを馳せるリュークの表情の奥の感情は、ルーシィには読み切れなかった。

 

「(お父さん、か………帰ったら、久しぶりに会ってみようかな。)」

 

そしてルーシィも、色々あった後に再出発した父の顔を思い浮かべた。

 

==========

 

X784年12月16日。長い戦いによる疲れも取れ、後は帰るだけ。そんな最後の支度をしていた時だった。

 

「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

「!!!?」

 

島に轟音が響き渡った。

 

「何だぁ!?」

「うるせー!!」

「この声………」

 

何の轟音かと騒いでいると、ウェンディがある答えにたどり着いた。

 

「ドラゴンの鳴き声………」

「ドラゴン!?」

 

未知の存在に動揺が広がっていた妖精の尻尾の魔導士。だがその空気は、ドサッ、と言う音で変わった。

 

「……………!!」

「リューク?」

「………はーっ、はーっ………!!」

「ちょっとリューク、どうしたのよ!?大丈夫!?」

 

その音はリュークが尻もちをついた音だった。だがそれ以上に異様だったのは、ハデスの魔力解放時でも怖気づかなかったリュークが荒い息をして、脂汗をかき、焦点の合わない目でしきりにまばたきをしながら震えていたのだった。

 

「(こんな怯えるリューク、見たこと無い………!!)」

「………リューク。」

「ギルダーツ?」

 

リュークが怯える姿はルーシィだけでなく他の仲間も見たことが無く、異常事態である以外の情報が無かった。そんな所で口を開いたのは脇腹を抑え始めたギルダーツだった。

 

「………知ってるのか、"この"感覚を。」

「………一瞬たりとも、忘れた事は無いよ。」

 

胸をギュッと抑え、ギルダーツと同じように脇腹を抑えながらよろりと立ち上がったリューク。すると声を振り絞り叫んだ。

 

「全員、全力で逃げろ!!」

「逃げろって、何か知って………」

「こいつの名前はアクノロギア………俺の故郷を滅ぼした、厄災の黒竜だ!!」

 

リュークの叫びと同じタイミングで、天狼島の上空に黒い翼を広げた黒い竜が現れたのだった。

 

 

続く




次回で天狼島編、完結です。
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