幸せを運ぶ青い鳥ニティ生徒   作:にゃんたるとうふ

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ティーパーティーの新衣装、感謝ですっ!!
ただすり抜けが凄すぎてセイアちゃんが全然出ないんですがっ!!?


11"

ベアトリーチェが企てた襲撃事件から、三日ほど経ったある日のこと。

古書館の修繕もほぼ終わりを見せたことで通常通りの業務を再開したティーパーティーにて、紅茶を口にして口内を潤したナギサが粛々と彼女へと告げる。

「少しの間、フェリさんにはトリニティ自治区からの外出を制限してもらいます。さらに各組織への報告書回収も控えていただき、私たちティーパーティーの側に常にいてもらいます・・・構いませんね?」

確認するように尋ねてはいるがその実、ホスト権限を行使しているので選択肢は一つであると理解して彼女は苦笑を漏らす。

「もうっ、ナギちゃんってば言い方が固すぎるよ!心配だから私たちの側から離れないで、って言えばいいじゃん」

「ミカの言い分も一理あるが、他の組織への通達等もあるんだ。そんな我儘な子供じみた言い訳のようなこと、ナギサが口にできるわけないだろう」

「それって私が我儘で子供っぽいって言いたいの?喧嘩なら買うよ?歯を食い縛ってねっ☆」

「お姫様を自称する割には品の無い淑女らしからぬ振る舞いだね、まるで自然界で生きるゴリっ――――」

自身が返答する間もなく言い合いを始めて一触即発の空気へと変貌していく様に、オロオロと困惑した様子で見守っていた彼女は拳を引き絞る仕草を目にして慌てて口を開く。

「みっ、ミカ様!落ち着いてくださいっ、セイア様も必要以上に挑発するのはやめてくださいっ!」

取っ組み合いの喧嘩になる前にミカとセイアの間に割って入った彼女によって、険悪な空気は霧散した代わりに両サイドから伸びてきた手が腕に絡められる。

「セイアちゃん、手を離してくれる?フェリは私の側に置いて護ってあげるからさっ☆」

「むしろ君の側に居ると余計な体力を使う羽目になるだろう?それなら私の側でゆったりとした時間を過ごす方が、フェリにとっても有意義なはずさ。そうだろう、フェリ?」

「えっ、えぇっと・・・お、お二人とも?まずは落ち着いて話をっ「ミカさん、セイアさん。いい加減にしてくださいっ」――――っ、ナギサ様!」

今まで紅茶を嗜みながら静観していたナギサの鶴の一声に彼女はホッと安堵の息を吐き、ミカとセイアも掴んだ手は離さずに顔だけをナギサに向けて耳を傾ける。

「フェリさんはお二人の側ではなく、私の膝の上に座ると決まっているのです!ですから不毛な言い争いはそこまでにして、フェリさんを解放してあげてください。そしてフェリさんは速やかに私の膝にっ――――」

「いくらナギちゃんとはいえ、抜け駆けは許さないからねっ!?」

「しかもそれは執務中の話であって、フェリのプライベートには何も関係ないだろう?」

言い争う人数が一人増えたことに内心で頭を抱えながらどうやって事を治めようか考える傍らで、自身が求められていることを嬉しく感じてついつい頬が緩んでしまう彼女であった。

 

どうにか三人の頬に口付けを落とすことで言い合いを収めた彼女は荒い呼吸を整えながら、着崩れた身嗜みを戻す様子を眺めつつ口元をハンカチで拭ったナギサが口を開く。

「すみません、フェリさん。少々取り乱してしまいましたが、貴女のおかげで冷静さを取り戻せました・・・ごちそうさまでしっ――――いえっ、ありがとうございます」

「本音が隠せてないよ、ナギちゃん。あっ、私からもお礼を伝えとくねっ!とっても美味しかったよ、フェリ☆」

「君はもう少し隠そうとしたらどうだい?あぁ、私からもお礼を言おう。フェリ、君はどこを舐めても美味しいよ」

「セイアちゃん、それはなんか変態過ぎない?いやたしかに、フェリは良い匂いがしてどこも柔らかくて美味しかったけどさ」

「ミカさん、セイアさん。はしたないですよ、言いたいことはわかりますが自嘲してください」

二人の言動を嗜めながらも同意の意思を示すナギサを含めた三人を潤んだ瞳で見つめつつ、ようやく呼吸が整ってきた彼女は頬を上気させながら甘い吐息交じりの声を漏らす。

「はぁっ、ひゅぅ・・・っ♡い、いえっ・・・皆様のお役に立てて、よかったでしゅぅ」

床にへたり込んで上目遣いで見上げながら薄っすら汗ばんだ肌と微笑みを浮かべる彼女の姿に、ティーパーティーの面々はゴクッと喉を鳴らしつつも内なる欲望をどうにか抑え込んで咳払いを挟んでから口を開く。

「んんっ・・・!話を戻しましょうか、それに伴って紅茶を淹れ直しましょうか?」

「あっ、じゃあ私がお淹れしますね・・・少々、お待ちくださいっ」

ナギサの言葉に反応した彼女はフラフラと立ち上がるとゆっくりとした足取りで紅茶を淹れに行き、それを見送ったミカはポツリと呟くように心情を口にする。

「フェリの紅茶かぁ・・・フェリのおしっ「ミカ(さん)っ!!」――――じょっ、冗談じゃんっ!本気でそんなこと、考えてないよ・・・?」

訝しげな視線を向けるナギサとセイアから顔を背けつつ、今夜お願いしてみようと考えるミカは彼女の帰りを今か今かと待っていた。

 

紅茶を用意している間に足腰の力を取り戻した彼女は、ティーパーティーの面々に紅茶を提供すると一歩下がって新たなお茶菓子の用意を進める。

「先程の続きですが、次はフェリさんのシャーレ当番の件ですね。期間中に一度だけ当番に向かうことになっていますが、それについてはもう決まっているので問題ありませんね」

「そうだね~、その件はもう済んでるから問題ないねっ☆」

紅茶で喉を潤して続きを口にするナギサに同意するように肯定するミカに対して、セイアは疑問符を浮かべながら顎に手を当てて問い掛ける。

「その件は私は聞いていないんだが、代理は一体誰になったんだい?」

「セイアちゃん」

「・・・うん?誰か教えてくれないのかい?別にそんな意地悪をしなくても、すんなり教えてくれればいいだろう?」

「セイアさん」

「・・・ナギサまでそんな意地悪をするのかい?・・・いや、待て。まさかとは思うが、もしかして代理は私か?」

ミカとナギサの名を呼ぶ声に焦らされていると感じて困惑していたセイアだが、二人からジッと視線を向けられていることに気付いてとある可能性を口にする。

「抜け駆けしたんだから、当然だよねっ!」

「すでに先生には連絡しているので、セイアさんに拒否権はないので諦めてください」

頬を膨らませて不満気な声色で口にするミカと静かに淡々と告げるナギサに、少しばかり肩を落として小さく息を吐いたセイアは恨めしそうに目を細める。

「もしかして前回の作戦中のことを言っているのか?ただ少しフェリの頬にキスをしただけだろう、あの後に二人もしていたはずだが?」

「それとこれとは話が別だよっ!あとフェリの乳揺れを堪能したりしたんでしょ!?ズルい!私も見たかったし、指摘して恥ずかしがらせたかったのにっ!」

「ミカさんの主張は置いておいて・・・ご自身だけ良い思いをしたのですから、今回の判断は妥当と言えるでしょう」

ミカとナギサの言い分に歯噛みしながら言い返せないセイアはタメ息を漏らして観念し、そのタイミングでお茶菓子を用意し終えた彼女が姿を見せて漂う雰囲気に首を傾げる。

「えっ、と・・・?何かあったんですか?」

「フェリさんのシャーレ当番の代理を、セイアさんが快く引き受けてくれたんです」

自身の疑問に笑みを浮かべながら答えるナギサから視線をセイアへと向けた彼女は、口元を緩ませて嬉しそうに声を弾ませつつお辞儀をする。

「ありがとうございます、セイア様っ!ですが、大丈夫ですか?体調が優れなければ別の人にお願いしても、っというか私自身が行っても問題ないのでは・・・?」

「んっ、いやっ・・・そう、だねっ・・・うん、心配には及ばないさ。本来フェリと共に向かうはずだった他の面々もいるんだ、何かあれば先生もいるから問題は起こらないよ」

「そっ、そうですか?セイア様がそう言うなら、帰ってきたら私に出来ることをさせてもらいますねっ!」

「ほう?それは何でも、っということかい?」

「え、はいっ!セイア様が求めるなら、そのっ・・・いい、ですよ?」

セイアの求めに頬を朱に染めながら恥ずかしそうに身を捩って頷きを返す彼女の姿に、胸を高鳴らせて手を伸ばすがそれよりも先にミカが彼女を抱き寄せる。

「セイアちゃんだけズルいよっ!私とナギちゃんにもご褒美があって然るべきだよ、ねっ!ナギちゃん!」

「そうですね、セイアさんばかり良い思いをするのは少々っ・・・いえっ、かなり不服です。なので当番代理を終えるまでは、フェリさんとの接触は最低限とさせていただきます」

「なっ!?待つんだ、二人ともっ!それはあまりにも酷じゃないかいっ!?」

テーブルに手をつくと立ち上がって抗議を口にするセイアに、注がれた紅茶に口を付けてフゥッと息を吐いてから口を開く。

「決定事項なので変更されることはありません、フェリさんは私とミカさんの間に来てください。セイアさんはそこで指を咥えて見ていてください、フェリさんが私色に染まっていくところをっ!」

「ナギちゃんだけじゃなくて、私色にも染めてあげるからねっ!」

「ぐっ・・・!脳がっ、脳が破壊されるぅ・・・っ!」

「え、えっ・・・?どっ、どういう状況ですか?セイア様、しっかりしてくださいっ!」

頭を抱えて苦しげな声を漏らすセイアを心配して駆け寄ろうとした彼女だが、両腕をナギサとミカに掴まれており身動きが取れなくて状況を飲み込めずに困惑する。

「大、丈夫だっ・・・!フェリ、すぐに君を迎えに行く・・・待っていてくれっ!」

「それまでにフェリさんが堕ちていなければ、ですがっ」

「まぁ、当番の日までまだあるけどねっ。それまでにセイアちゃんの心も折れなければ、だけどねっ☆」

「えぇ・・・さっ、さすがにセイア様が可哀想ですよっ」

アタフタする彼女を尻目に逃がさないとばかりに手を離さないナギサとミカに対して、弱弱しく自身に手を伸ばすセイアの姿に燐憫(りんびん)の情を抱きながら視線を向けることしかできないことに、歯痒さを感じつつも不意にとある考えが頭を過ぎる。

「別に執務の時だけ離れるだけで、終われば皆様と一緒に過ごすことになるんですよね?夜はそのっ、セイア様も参加しますよね?」

「それはそれ、これはこれだ。目の前に居るのに触れられないのは、とても辛いことなんだよ」

「ですが、先ほどの態度は割と本気っ――――」

「フェリを失うことはそれだけ辛いってことさ、たとえ疑似的な事柄でもね」

「そういう、ものですか?それだけ思ってもらえて、私は嬉しいですっ」

照れくさそうに頬を緩める彼女の表情にドキッと胸を高鳴らせたティーパーティーの面々は、視線を交わしてアイコンタクトを取ると一斉に席を立つ。

「まだ報告書が届くまで時間はありますから、いつもの部屋に移動しましょうか?」

「そうだねっ!それじゃあ、フェリは私が運ぶね!」

「わわっ!?み、ミカ様!?」

彼女をお姫様抱っこで持ち上げるミカに任せて席を立ったナギサに続き、セイアも腰を上げると二人に追従して部屋を後にしようとする。

「あっ、セイアちゃんは見てるだけだからね?」

「フェリさんは私たちがしっかりと幸せにしますから、安心してくださいね?」

「そんなっ、馬鹿な・・・っ!?」

親友二人から告げられた言葉に絶望を含んだ叫びを上げるセイアに、彼女は苦笑を浮かべながらも責めの手が一つ減ることに内心で安堵の息を吐くのだった。

 

 

 

 

 

「――――っというわけで、私がフェリの代理としてこうしてシャーレに訪れたわけさ」

『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』のあるビルを訪ねたセイアは彼女の代理となった経緯を説明すると、先生は納得した様子で頷きを返すと背後に立つ他の面々にも挨拶を交わす。

 

"放課後スイーツ部の皆もありがとう、今日はよろしくね"

 

「はいっ!今日はよろしくお願いします、先生!」

「シャーレ当番もまたロマン、だね」

「そんなわけないでしょ!言っとくけど、前みたいにサボったら許さないからっ!」

アイリのちゃんとした挨拶を皮切りにナツの言動と前科に言及するヨシミの順で声を上げ、ふと放課後スイーツ部の最後の部員が挨拶を口にしていないことに先生は疑問符を浮かべる。

 

"カズサ、大丈夫?"

"体調が悪いなら仮眠室で休んでていいからね"

 

声を掛けられたカズサはハッとした様子で俯かせていた顔を上げると、慌てて両手を背中に回すと緩みきった頬を引き締めて口を開く。

「ゴメンね、先生っ。ちょっとボーッとしちゃってた、体調は大丈夫だから気にしないでっ!」

取り繕うように笑みを浮かべて問題ないと口にするカズサに、先生は疑念を抱きつつも生徒の言葉を信じて頷きを返す。

 

”わかった、けど無理はしないでね?”

”何かあればすぐに頼ってほしい、出来る限りのことをさせてもらうよ”

 

「うん、ほんとっ・・・大丈夫だから、気にせず仕事を割り振っておいてっ!」

先生から向けられる善意に視線を彷徨わせながら焦って話を逸らそうとするカズサを尻目に、背後に回り込んだナツは背中に回した手に握られるスマホの画面を覗き込む。

「ほうほう、モモトーク相手はフェリだね。それにこの行こうと話してるお店って、前回一緒に行ってフェリを誘おうと話していたお店だよね」

「っ!?はっ、ちょっ!?何勝手に見てるのよっ!」

ナツの言葉にバッとスマホの画面を胸元で隠して距離を取るカズサに、ヨシミは目を細めて訝しげな視線を向けながら呆れた声を漏らす。

「生返事してると思ったら、アンタ抜け駆けしてたの?」

「違うからっ、ちゃんとアイリたちにも後で話す気でっ「『他の三人は予定が合わないから二人っきりで』、なるほどね」――――ナツっ、アンタねぇ・・・!」

「あ、あはは・・・皆、落ち着いてっ」

弁明を口にしていたカズサは懲りずに画面を覗くナツを締めるために取っ組み合いを始め、その様子を苦笑を漏らしつつ止めようとアイリは声を掛ける。

「心配しないで、アイリっ!ナツを絞め落としたら落ち着くからっ!」

「うごごっ、首が締まって息がっ・・・!むむっ!?フェリから返信がっ、『そのお店なら先日アイリちゃんと行ったけど美味しかったよ』・・・お?」

「えっ・・・あ、アイリ?」

ナツの口にした返信の内容に驚愕して回していた腕の力を緩めてアイリに視線を向けると、頬を朱に染めて人差し指を突き合わせつつ視線を逸らす姿に事実であることを悟る。

「『それにヨシミちゃんと・・・とも行ったことあるよ、同じお店なのに皆それぞれ違うものを選んでて食べ比べできたんだ』ほうほう、ヨシミまで抜け駆けをしていたとは」

「はぁっ!?それはそのっ、たまたま入ったのがあのお店だっただけで!」

「・・・っというか今、不自然な間がなかった?」

顔を真っ赤にして言い訳を始めるヨシミに視線を向けていたナツは、アイリの指摘に肩を震わせるとそっと距離を取るためにカズサの腕から抜け出す。

「無実な私はクールに去るっ――――ぬおっ!?」

「逃がすわけないでしょっ!アイリ、フェリからの返信を確認してくれる?」

「うんっ!任せて、カズサちゃん!」

手渡されたスマホを受け取ったアイリはヨシミと共にモモトーク画面を確認すると頷き合い、カズサに向き直ってバツ印を同時に表してナツへと視線を向ける。

「アンタも抜け駆けしてたんじゃないっ!」

「それもまた、ロマンっ・・・うごごごっ!?」

再びカズサの腕に拘束されたナツは今度はアイリとヨシミからも詰め寄られ、自身を棚に上げた三人から折檻という名のお仕置きを受けることとなった。

 

そんな光景を遠巻きに眺めていたセイアは、苦笑を浮かべる先生へと視線を向けて口を開く。

「全く困ったものだね、フェリは私のっ・・・んんっ、我々ティーパーティーのものであるというのに。先生もそう思わないかい?」

 

"う、うん・・・そうだね?"

"あっ、あはは・・・"

 

セイアの言葉に曖昧な返事をしながら皆に割り振る仕事の書類をまとめていると、ソファに腰を下ろして書類作業をしていた羽織を纏った猫耳と二本の尻尾を揺らす生徒が先生に歩み寄る。

「先生、今の話って本当?」

「君のその制服、百鬼夜行だね。今の話とは、もしかしてフェリのことかい?」

 

"珍しいね、キキョウが他校の生徒のことを聞くなんて"

 

セイアの問い掛けと先生の純粋な疑問に苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる『桐生 キキョウ』は、はぁっと息を吐いてから不満げな表情を浮かべつつ観念したように口を開く。

「今日は彼女が当番で此処に来るはずだった、だけど来たのは彼女の上司であるティーパーティーのお偉いさん・・・どうして彼女が来ないのか、説明してくれる?先生っ」

机越しに詰め寄るキキョウの放つ圧に困惑しながら首を縦に何度も振って答える先生に、一旦身を引いたキキョウは腕を組みながら視線で早く話せと催促する。

 

"えぇっと、話せば長くなるんだけど・・・"

 

『ヘイロー破壊爆弾』を用いた各自治区での事件から彼女個人を狙った襲撃事件での終幕までを話し終えると、キキョウはギリッと奥歯を噛み締める音を鳴らして苛立たしげに尻尾を揺らす。

「そんなことがっ・・・彼女が危険な目に遭っていたのに何もできなかったなんて、作戦参謀として情けないっ・・・!」

「っていうか、ちょっと待って!?アンタって先生をそのっ、じゃなかったっけ!?」

途中から先生の話に耳を傾けていた放課後スイーツ部の一人であるカズサはキキョウに歩み寄り、小声で問い掛けると煩わしそうに眉を顰めながらも視線を逸らしつつ言葉を返す。

「そうだったっけ?別に私は先生を好ましく思ってはいるけど、そういう意味で好きとは伝えていないはずだけど?」

「はぁっ!?じゃあフェリのことを、そういう意味で好きって言いたいの!?」

「・・・さぁ?どうだろうねっ」

カズサの追及にそっぽを向いて素っ気なく答えるキキョウの横顔を確認すると、頬を薄紅色に染めながら恥ずかしそうに眉を下げる表情に衝撃を受ける。

「まさかその顔っ、マジ?マジなのっ!?」

「ちょっ、まとわりつかないでっ・・・!」

 

"・・・とりあえず、皆に仕事を割り振っていくね"

 

ギャーギャーッと言い合いをするカズサとキキョウのキャットファイトから視線を逸らした先生は他の面々に仕事を割り振り、書類を受け取った面々は思い思いの場所へと移動すると割り振られた仕事をこなしていく。

「そうだね、早めに当番を終わらせないとフェリが・・・っ!」

最後に書類を受け取ったセイアの鬼気迫る様子に、ナギサとミカから何かしら言われたのだろうと予想して先生は苦笑を浮かべるのだった。




フェリ∶騒動後に知り合いから大量のモモトークが送られてきて驚愕し、その内容の殆どが自身を心配するものでつい頬が緩んでしまった。
あと当番代理を終えて帰ってきたセイアに引っ付かれて数日は離してもらえなかった模様。


ティーパーティー∶騒動が収まってフェリが古書館の整理を手伝っている間に各組織に根回しをして、彼女がトリニティ自治区から出る必要がないようにスケジュール管理を行った。
それに伴って各組織から彼女への人望と信頼を再確認して、誇らしく思うと同時に外堀をしっかり埋めていこうと改めて決意するのだった。


放課後スイーツ部:まさか全員が抜け駆けしているとは思わずにギクシャクするかと思われたが、彼女を囲えば済むのではと何故か結束力が増したそうな。


百花繚乱紛争調停委員会の作戦参謀:彼女との馴れ初めを聞きたい?そんなこと、話す義理もないんだけど・・・ちょっ、近いっ!はぁ・・・別に話すにしても特別なことなんて無い、シャーレの当番が被って知り合っただけ・・・なに?そんなわけないだろって?事実なんだからしょうがなっ――――先生!余計なこと言わないでっ!あぁもうっ、ウザイっ!先生のせいだからっ!・・・本当に大した理由じゃないから、ただ彼女の優しさに触れて親しくなっただけ。
()だるような暑さの夏の日、クーラーの効いたシャーレの一室で寒暖差で震えていた私をそっと羽で包んで、気遣ってくれただけ・・・ただ、それだけよ(まぁ、初めは偶然だったけど・・・その後は作戦参謀の名に恥じないように計画を練っているけど、別にいう必要はないでしょう。じっくりしっかりと地盤を固めて、最後には彼女を絡めとる・・・ふふっ)
っ?なに?羽で包まれてズルい?そんなこと私に言われても、彼女が善意でしてくれただけだからっ!それよりもさっさと仕事に取り掛かって・・・あぁ、もうっ!しつこい・・・っ!
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