FAIRY TAIL 波地空の竜   作:ソウソウ

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ついにz話と来てしまいましたね………。今後も順調に行けたらいいんですけど、時間が空いてるかは正直微妙なので何とも言えないですね………。

とりあえず、大魔闘演武がフィナーレを迎えれるようには頑張っていきたいです!!

───では、スタート!!


第z話 正々堂々

『ま………まさかの!!ソウ選手の記録は最下位!!これは驚きです!!一体何をしようとしていたのか!?』

『これは………私にはさっぱりですね』

 

 期待に胸を膨らませた観客にとっては頭からたっぷり冷水を浴びせられたような気分だ。

 何をしでかすかと思えば、結果は最下位。緊張で魔法が失敗でもしてしまったのだろうか。

 

「うし」

 

 ところが、彼は落ち込む様子はなく、逆に満足げな表情を浮かべてその場を去ろうとする。

 ソウが歩く先には、マトー君が待ち構えている。

 

「こんな結果でよろしいので………カボ?」

「あぁ。大丈夫」

 

 ソウは余裕の態度を見せた。

 

 

 ───妖精の尻尾A、選手待機席───

 

「ソウのやつ、ふざけてんのか?」

 

 グレイは純粋にそう思った。

 ルーシィは顎に手を当てて難しい顔をする。

 

「ソウがあのまま終わるとは思えないのよね………」

「ルーシィの言う通りだ」

「え、エルザ?」

「お前も今と似たような光景を以前に見たことあるはずだ」

 

 ルーシィはハッとする。

 彼女の脳裏に浮かんだのは、ソウの独自に考えた魔法の一つ。その魔法なら、この腑に落ちないようなモヤモヤ感も解消される。

 

「でも、それって………」

「───来るぞ」

 

 その瞬間、会場の空気が変わった。

 

 

 ───戦場───

 

「そういえば、MPFからは離れた方が良いぞ」

 

 ソウは忠告する。

 ヒビキが近付いてきた。

 

「どうしてかな?」

「だって………俺の魔法はまだ()()()()()()からな」

「どういう───」

 

 刹那───ドゴン、と何かの破裂したかのような重音が轟く。ヒビキは慌てて、音源の方へと視線を向けた。

 

「まさか!!」

 

 観客も何事かと不安になり、戦場は静寂が包む。

 

『今のは………何が起こったのでしょうか………?』

『何かが揺れたような………まさか!!』

 

 数秒間の静寂。

 そして───ドン。

 再び何かが破裂するような音がした。

 音源はMPF。

 

『ななななんと!!ソウ選手の記録が上がっている!!』

 

 一同はMPFの映し出している記録に注目した。

 ───156。

 いつの間にか上がっている。

 そして、またしても音がする。

 

『そんな………ソウ選手が放った魔法は時間差で効果が出る魔法なのでしょうか!?』

『ええ、間違いありません。なるほど、彼が最低記録が出ても気にしない様子でいたのはまだ本来の魔法が発動していなかったからでしょう』

 

 観客達は唖然。現状が理解できずにいた。

 彼はふざけていたのでも、緊張から来る失敗をしてしまったのではない。まだ魔法自体すら発動していなかったのだ。

 

「『波動式九番』尽はっけい。対象物が存在するまで、衝撃波が内部から発生する魔法だ」

 

 そして───ついに始まった。

 間隔を置いて、発生していた彼の魔法による衝撃波が徐々に感覚が狭まっていくのだ。

 それに呼応していくかのようにMPFの叩き出した数値がどんどん上昇していく。

 ───ドドドドドドドドドドドド。

 ───254。312。452。584。674。824。

 

「い、いつ………止まるのです………カボ?」

 

 マトー君が恐る恐る尋ねる。

 とてもすぐには収まりそうにない。

 ソウは不適な笑みを浮かべて、言った。

 

「さあ?俺の魔力が尽きるか、向こうが耐えきれずに壊れるか、どっちだろうな」

「………」

 

 マトー君は何も言えずに無言。

 ────2514。

 いつの間にか四桁まで記録が跳ね上がっていた。それでもまだ収まりそうにない。

 

「んじゃ、俺はこれで」

 

 この戦慄した空気を作った張本人は、戦場を後にしたのだった。

 

 

 ───青い天馬、選手待機席───

 

「まさか………僕でも予想外だね」

「ソウのファンクラブが出来るのも納得だな」

「どうやら………彼は盛り上げかたを知っているようだ。なかなかの強敵となりうるだろう。よく見ておくのだ。いずれは青い天馬が倒すべき相手なのだからな」

「「了解です、船長!!」」

 

 現在の記録───3852。

 

 

 ───妖精の尻尾B、選手待機席───

 

「これは………ありなんでしょうか?」

「あらあら………ソウ君たら、流石ね♪」

「ギヒィ、くだらねぇ」

「あんなもの、余裕に決まってんだろ」

 

 現在の記録────4751。

 

 

 ───妖精の尻尾、応援席───

 

「やりおるとは思ったが………こうくるとは………」

「これは記録として認められるのか?」

 

 ロメオの疑問にメイビスは答える。

 

「ええ。あのMPFという装置は魔力を計る装置。魔法が発動し続けている限り、計測は続行されるようです」

「ソウ兄………すげぇ………」

「私も彼の本来の実力を見間違えいたようですね。妖精の尻尾の仲間として、惜しいことをしました。それに見たところ、まだ彼の真の本気は出していないようにも………」

 

 最後のメイビスの呟きは虚空に消えた。

 現在の記録───6327。

 

 

 ───三首の竜、選手待機席───

 

 サンディーは感嘆の声を漏らす。

 

「うへぇ………」

「相変わらずソウの魔法はえげつねぇな」

「確か………衝撃を起こす魔法だったわね」

「うん。構造は単純だけど、逆にそれが脅威となるんだよ。シンプルイズベストってやつだね」

 

 彼の強さの秘訣はさらに加えて、彼の魔力量は計り知れないところにある。

 じゃないと、見た目に伴う大量に魔力を消費する滅竜奥義など発動すら出来ない。

 現在の記録───7384。

 

 

 ───妖精の尻尾A、選手待機席───

 

「すごい………」

 

 ルーシィは息を呑む。

 

「うひゃあーー!!全く止まらねぇぞ!」

「ソウは最後まで結果を見ないようだな。まぁ、見えなくてもソウには分かっているのだろう………まるで妖精の尻尾も結果は変わらないと宣戦布告しているようだ」

「はい………」

 

 ウェンディの気分は憂鬱だった。

 兄が行ったこの行動は妖精の尻尾に自分は勝てると余裕な態度を見せているようだ。わざわざ直接見なくても結果は分かると、示唆するかのように兄は既にその場を後にしている。

 

「エルザ」

 

 ふと、背後からの声がする。

 エルザの名前を呼んだのは誰でもない、この快進撃を繰り出した張本人。

 

「「「ソウ!!」」」

「お兄ちゃん!!」

 

 ───ソウだ。

 彼は軽く背伸びをして、戦場を眺める。

 

「お、あっちは順調だな」

「ソウ、何しに来たんだ?」

 

 グレイの質問に、ソウはエルザを見た。

 

「エルザ、俺に話があるんだろ?」

「あぁ。お前たちはここにいてくれ」

 

 エルザがそう言うなら………と他のメンバーは離れていく二人を静かに見送った。

 

「終わったぞ!!」

 

 ナツの声に、一同はMPFを見た。

 ────9999。

 カナと同率の、2位。

 

「ボロボロ………」

 

 新品のMPFは彼によるたったの一撃で殆ど瓦礫と化していた。後一歩の所で、彼の込めた魔力が底をついたのだろうか。

 

『ソウ選手!!まさかの!!最高記録と並びましたぁーー!!彼の中には、一体どれほどの実力を隠し持っているのでしょうか!?』

 

 次の瞬間、MPFに強烈なヒビがゆっくりと入る。

 ボロッ………とMPFは悲鳴を上げる。

 そして───それを最後にMPFは完全に破壊された。

 

 

 

 

 ◇

 

 闘技場、通路。

 

「アレクセイ様、バトルの対戦表でサー」

「この組み合わせ………運営側にはなかなか()がいるものだ」

 

 アレクセイの手には、ナルプディングが不正に持ってきた三日目のバトルパート対戦表を記した用紙が握られていた。

 

「始めるとしようか、我々の真の目的の為に」

 

 静かに闇は動く。

 

 

 

 

 ◇

 

 闘技場、選手専用通路。

 

「それで?」

 

 ソウとエルザの二人が人目を憚るようにして、対話をしている。

 彼女の雰囲気から他人には聞かれたくない話だとソウが悟ったので、魔法によって周りに人がいないかを確認していたのだ。

 

「約束についてだが………」

「その前にさぁ、ひとついいか?」

「ん?何だ?」

 

 本題の前にソウにどうしても確かめたいことがあった。

 ソウは苦笑いしながら、尋ねた。

 

「もしかしてさぁ、大魔闘演武にメイビスが来てるのか?」

 

 “妖精の尻尾”初代マスター、メイビス。

 今は幽体となって、妖精の尻尾のギルドのみしか見えない存在となっているのでソウは見えないのだ。

 

「あぁ。来ているが………何故分かった?」

「そりゃあ、カナが“妖精の輝き”を使ったからな。メイビス辺りが貸したのかと思ってね」

「その通りだ」

 

 エルザは苦笑する。

 ソウはこういう所は何かと鋭い指摘をしてくる。

 

「話を戻してもいいぞ。俺の提示した条件を見事にクリアしたから、教えてもいいが………エルザが先に聞くのか?」

 

 わざわざ呼び出したのだから、エルザ自身が話を聞いて他のメンバーに伝えるかどうかを判断するのだろうとソウは考えていた。

 が、意外にもエルザは首を横にふる。

 

「そのことだが、今回のは無効にしてほしい」

「無効………勝ったのにか?」

 

 伏魔殿で快挙を為し遂げ、勝利をもぎ取ったエルザ。ソウの出したどんな勝負でも勝てれば教えるという約束を十分に果たしているのだが、彼女はそれを投げ棄てると言ったのだ。

 

「こんなことでソウのずっと隠してきた秘密を教えてもらうのは私の気に食わん。お前とは正々堂々勝負をして私達が勝った時に教えてもらうとする」

「本当に良いのか?もう、俺に勝てないって可能性もあるんだぞ」

「そんなことはない。私達は絶対に三首の竜を倒して、優勝するから問題はないはずだ」

「やけに自信があるようだな」

「先程、誰かさんが喧嘩を吹っ掛けてきたからな。引くわけにはいかない」

 

 エルザの決意は真剣だった。

 ズルをすることなく、不正をせずに、ソウと正面から対峙してこそ、これまでに積み重ねた何かが救われるということなのだろう。

 

「OK。エルザがそう言うのなら、そうさせてもらうぞ」

「あぁ。これは私の独断だが、もしお前が先に伏魔殿に挑戦していたら、ソウも私と同じようにしただろう?」

「そりゃあね。Sクラスのモンスターと確実に戦いたかったからな。その方法が手っ取り早いし、俺が一番だったらエルザと同じことをしてたな」

「それで?私よりも好タイムでのクリアは余裕か?」

「さあ?どうだろう?」

 

 はぐらかすソウに対して、エルザはため息。

 ソウは振り返り、背中を見せる。

 

「大魔闘演武は三首の竜を倒し、妖精の尻尾が必ず優勝してみせる」

「期待してるよ………ティターニア」

 

 彼の背中にそう宣言したエルザ。

 ソウは軽く手のひらを返して、そそくさと去っていった。

 エルザは彼の姿が見えなくなると、自身の選手待機席へともどった。

 

「あ!!エルザ!!話は終わったの?」

 

 エルザが帰ってきたことに真っ先に気づいたのはルーシィだった。どうしても内容が気になり、押しぎみに尋ねる。

 

「それほど長話になるわけでもないからな。すぐに終わったぞ」

「何を話してたんだ?」

「あ、私も凄く気になります」

 

 グレイとウェンディから、期待の眼差し。エルザは隠すほどのものでもないので、言うことにした。

 

「今回のソウとの勝負は無効としてもらった」

「あ………」

 

 エルザの想像では驚くビジョンが浮かんでいた。

 だが、それを覆すかのようにルーシィ達は何故か納得したかのように表情に清々しさを感じる。

 

「エルザなら言うと思った」

「はい。ルーシィさんの予想通りですね」

「オレだって、ソウとは正面から勝ちてーからな。エルザの判断は正しいと思うぞ」

「今回はナツと同意見だ。不本意ながらもな」

「不本意とはどういうことだぁ?グレイ」

「あぁ?いちいちそんな細けぇことに突っかかってくるなよなぁ!!」

「細けぇとはどういう意味だぁ!!こらぁ!!」

 

 ナツとグレイがいがみ合う。

 

「お前たち、ここで喧嘩はよさんか」

「お、おう………」

「あ、あぁ………」

「あれ?珍しく簡単に終わった?」

「ルーシィさん………珍しくとは流石に言い過ぎなんじゃ………」

 

 ルーシィの発言にウェンディは恐る恐るつっこんでみる。彼女の言う通りだが、そのままは直球過ぎる。

 

「ん?そろそろバトルパートが始まるようだな」

 

 大波乱となった競技パート。

 バトルパートではどんな展開が待ち受けているのだろうか。ただ事では済まないことは既に承知のエルザ達は静かに出番を待ち構えていたのであった。

 

 

 ───競技結果───

 

 1位,“妖精の尻尾A”エルザ。

 2位,“妖精の尻尾B”カナ。

 2位,“三首の竜”ソウ。

 4位,“蛇姫の鱗”ジュラ。

 5位,“剣咬の虎”オルガ。

 6位,“人魚の踵”ミリアーナ。

 7位,“四つ首の猟犬”ノバーリ。

 8位,“青い天馬”ヒビキ。

 9位,“大鴉の尻尾”オーブラ。

 

 

 ───三日目途中結果───

 

 1位,“三首の竜”(40ポイント)

 2位,“大鴉の尻尾”(36ポイント)

 3位,“剣咬の虎”(24ポイント)

 3位,“蛇姫の鱗”(24ポイント)

 5位,“妖精の尻尾A”(22ポイント)

 5位,“人魚の踵”(22ポイント)

 7位,“妖精の尻尾B”(20ポイント)

 7位,“青い天馬”(20ポイント)

 8位,“四つ首の猟犬”(14ポイント)

 

 

 

 

 

 ◇

 

 三首の竜、選手待機席。

 

「猫の人、勝っちゃった」

 

 サンディーは戦場を見て、呟いた。

 

『元気最強ーー!!』

 

 ────三日目、第一試合。

 

 “人魚の踵(マーメイドヒール)”ミリアーナ対“四つ首の仔犬(クワトロパピー)”セムス。

 

「あの縄みたいなのにくるまれると、魔法が使えなくなるのかな?」

 

 勝敗は既に喫していた。

 戦場では、ミリアーナの武器としているチューブによって身動きが取れなくなっているセムスがいた。

 セムスも初めは善戦していたが、隙をつかれてしまい、敗北となってしまった。

 

「さっきの装置では、ここまでの効果は計れねぇからな。油断ならずってことだな」

 

 ジュンの分析に冷たい返事が返ってくる。

 ルーズだ。

 

「拘束されなきゃいい話じゃない」

 

 ふと思った。

 先程からどうして、ルーズは不機嫌なのだろうかと。

 

 勝者、ミリアーナ。

 

 ────第二試合。

 

 “青い天馬(ブルーペガサス)”イヴ・ティルム対“剣咬の虎”ルーファス・ロア。

 

「あれは造形なのかな?」

 

 注目すべき点は、ルーファスの魔法。隠密(ヒドゥン)ではその魔法により、1位を獲得したほどの強力な魔法なのだ。

 だが彼の戦闘スタイルを見ていると、物を造り出す造形魔法の一種なのは間違いないが、一貫性がない。本来なら、同じ造形魔導士であるグレイやリオンは氷を造形するように魔導士ごとに精製可能なものは限られてくるはずなのだ。

 サンディーが不思議に思うのも無理はない。

 

「師匠に確認したところ、やっぱりあれは古代魔法(エンシェントスペル)らしいよ。彼自身が記憶したものを造形する、ちょっと変わったものだって」

「あ~………だから、やけに記憶に拘ってたのか」

「というか、師匠は何でも知ってんだな」

 

 彼の口癖は“記憶している”。

 ちょっと変わった人物だと思っていたが、魔法による影響とは意外だ。因みにナツは完全に見た目と魔法が一致しているので、分かりやすい。 

 

「相手するとなると、面倒だなぁ………」

「そうだよね。弱点を確実に攻めてくるから、相性の悪い人には難しいはずだね」

 

 彼の経験から魔法が取り出せるので、戦況を有利に進めるために使う魔法を選べることが可能となる。

 

『1日目の競技パートでぶつかった2人が、5日目のバトルで激突ーー!!』

『イヴ君は元々評議員だったんだよな』

『そうです、我々と同じ強行検束部隊ルーンナイトの一員でしてね。いやぁ………当時からものすごい逸材だったのですが、ギルドに入ってその魔力にはさらに磨きがかかっていますね』

 

 イヴもルーファスに遅れを取らない戦いを見せている。雪魔法を駆使している。

 が、ルーファスはイヴの攻撃をさらりと避けている。

 そんな時───

 

「おえぇぇ………」

「気色悪ぃ~」

「………ふざけてるわ」

 

 入浴姿の一夜が出現。

 どうやら、あれもイヴの記憶の一部らしい。

 観客はドン引き。

 

「今のはなかなかやる」

 

 ジュンが感心したのは、イヴがルーファスの魔法の攻撃を雪魔法で作った分身によって難を逃れたことを言っている。

 と、空気が変わる。段々と熱気が出てきたのだ。

 サンディーが愚痴を叫ぶ。

 

「熱いーー!!」

 

 ルーファスは地面から大量の炎を沸き上がらせる。

 イヴはそれをまともに受けてしまい、試合は幕を下ろした。

 

 勝者、ルーファス・ロア。

 

 

 ───青い天馬、選手待機席───

 

「イヴの奴、何負けてんだよクソ………!!けど………あいつスゲー頑張ったな………」

「マイスター、だいぶ順位を落としましたね僕たち」

「花の香り(パルファム)のように安心したまえ君たち。我々にはまだ秘密兵器がある」

 

 青いウサギのぬいぐるみをかぶった謎の人物。

 一夜曰く、相当期待出来るらしい。

 

「秘密兵器がある」

 

 無言。

 

「大事な事だから2回言ったぞ」

「「勉強になります!!」

 

 ぬいぐるみは問題ないと、思わせるような態度をとってくる。

 

「それにしても、あいつの正体誰なんだろうね。僕たちにも教えないとなると………」

「まさかウチのメンバーじゃねえとか? それじゃ反則になっちまうだろ!!」

 

 

 ───三首の竜、選手待機席───

 

「ついに来たか………」

 

 ────第3試合。

 

 “妖精の尻尾(フェアリーテイル)B”ラクサス・ドレアー対“大鴉の尻尾(レイヴンテイル)”アレクセイ。

 

「ラクサスって人は大丈夫なの?」

「ラクサスは絶対に勝つだろう。変なことがない限りな」

 

 あのラクサスなので、ソウの心配事は別にあった。それは大鴉の尻尾の目的が分かっていないなか、どう動くのかという点だ。

 ソウも大鴉の尻尾とはウェンディの一件から目をつけていた。しかし今は他人の試合に介入する訳にもいかず、ましてやあのラクサスの性格からして協力の要請は断固拒否してくる。

 故にソウは顛末を見守ることにした。

 

「さぁ、今回は譲ってやる、ラクサス。俺とウェンディの分もお前に任せたぞ」

 

 第三試合が間もなく開始される。

 

 

続く────────────────────────────

 




裏設定:エルザの決断

 こんな形でソウの隠し続けてきた彼の目的を聞けるチャンスは一生ないかもしれないが、それでもエルザはその選択をとることはなかった。彼女なりの覚悟なのだ。
 因みにエルザの密かな決断はルーシィ達には筒抜けだったので、それほど彼女達に驚きはない。むしろ、エルザの選んだ選択に安心していた。
 ウェンディは少し残念がっていたが、しっかりルーシィ達の考えに納得している。

オリジナルの敵キャラってあり?(無しの場合だと、原作に出てきた敵キャラのいずれかを主人公が奪い倒す形となる予定)

  • あり
  • なし
  • ありよりのなし
  • なしよりのあり
  • どっちでも

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