FAIRY TAIL 波地空の竜   作:ソウソウ

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 これを機に更新速度は衰えるかもしれないってことを予め言っておきますね。
 これでゆっくりと………え?駄目?早くしろ?
 頑張りますけど………皆さんの反応も気になるのでコメントくれたら頑張るかも?(更新速度が上がるとは言っていない)

 それはそうと、あるアンケートをとることにしました!!

 \(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/

 今後のこの作品の運命が決まると言っても過言ではありません。
 詳しくは自分の活動報告の方を見てみてください。

 ───では、スタート!!



第ab話 三つ巴の少女対戦

 戦場へと繋がる道は東西南北にある通路を通る必要がある。出場者を見送る仲間達はそこで励ましの言葉を送ることが多い。

 そして、今まさに三人の少女達が戦場へと降り立とうとしていた。

 

 ───闘技場、西通路───

 

「着替え完了です!!」

「ウェンディ、頑張ってね!!」

「はい、皆さんの分まで精一杯頑張ってきます!!」

「頑張れよ」

 

 ルーシィに励まされて、ウェンディの気合いがより一層入る。

 そして、何よりも対戦相手の一人にウェンディの友達であるサンディーがいることが彼女のこれからの出来事に対する期待に拍車をかけていた。

 

 

 ───闘技場、東通路───

 

「思いっきりやってきなさい」

「はい!!」

「負けたら回すよ!!分かったね!!」

 

 シェリアもやる気十分だ。

 

 

 ───闘技場、北通路───

 

「ふふふ、ついにウェンディと対戦出来る日が来たよ!!」

「はいはい、分かったからさっさと行きなさい」

 

 サンディーはルーズに見送られ、戦場へと駆け出していった。

 彼女の後ろ姿を見ていたのはルーズだけではない。

 

「ソウは心配?サンディーとウェンディのことが」

「んや。俺が不安がるほど弱くないからな………ウェンディ達は」

「本当~?」

「あぁ」

 

 真っ直ぐ戦場を見つめる彼の横顔にアールはにっこりと微笑んだ。

 

 

 ───戦場───

 

『本日最終試合は特別ルールに変更されます!!』

『というと?』

『本来なら一対一ですが、今回は三人同時によるバトルロワイヤルになります!!時間制限内に競いあい、残った者に10ポイントの得点が入る特別仕様になっているとのことです!!』

『二人が残った場合は?』

『一人だけがリタイヤした状態でタイムアウトとなった場合、互いに5ポイントずつ分配されます。また三人全員が残った場合も同様に5ポイントずつとなります』

『なるほど………一対一なら目の前の選手を意識すれば良いのですが、この試合では二人が敵となることでより一層戦略に気を使わないとなりませんね』

『ええ!!まさにこれまでの試合とは一味違った展開が繰り広げられることでしょう!!おじさん、超楽しみ~!!』

『最後のは………気のせいですかね』

『おおっとぉ!!いよいよ選手が入場してきましたよ!!』

 

 最初に戦場入りをしたのはシェリア。

 余裕を見せつけるかのように、彼女は満面の笑みを浮かべながら観客に向けて手を振っていた。

 だが、次の瞬間────

 

「きゃ!!」

 

 脚が絡まる。何もない所でつまづいてしまったシェリアは重力に逆らえずに、そのまま地面へと転んでしまった。

 

「あ………あの、大丈夫ですか?」

 

 そこに現れたのはウェンディ。

 心配そうにシェリアの元へと駆け付ける。

 だが、またしても───

 

「あうっ!!」

 

 シェリアの時と折り重なるようにウェンディも転んでしまった。観客達から笑い声が上がる。

 不安に残る登場となったシェリアとウェンディは互いに寝転びなから目線を合わせて、苦笑する。

 

「よ………よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

 

 

 ───妖精の尻尾、応援席───

 

「大丈夫かしら………」

 

 本気で不安になったシャルル。

 シャルルの心配は試合が終わるまで解消されることはなさそうだ。

 

 

 ───戦場───

 

「ふふん、私は優雅に登場するんだよ」

 

 シェリアとウェンディの中間に軽快な口調と共に現れたのはサンディー。二人の視線が同時に彼女に向く。

 自分は転けることはない、と自負している彼女は自慢げに顎を少しあげて偉そうにしながら歩いてきた。

 

「流石に私も転けるなんて───」

 

 ピシッ、とサンディーの足が嫌な音を刻む。何かに引っ掛かったような感覚。彼女の額に冷や汗が浮かんだ。

 はわわわ、とサンディーは両手を右往左往するが時は既に遅い。

 サンディーは気付いた時には既に視界が地面いっぱいに広がっていた。

 

「いたぁ!!」

 

 今までの振る舞い全てが台無しだ。

 立ち上がったシェリアとウェンディは彼女の元へと歩いていく。

 サンディーは一人、転んだまま嘆く。

 

「………何でぇぇ………」

 

 観客達は見事に自分でフラグを折ったな、と心の中で思っていたりもする。選手全員が転ける事態に、今後の試合がまともに運用するのか雲行きが怪しくなって来た。

 サンディーの前まで来たウェンディは優しく手を差し伸べる。

 

「サンディー、よろしくお願いしますね」

「ウェンディ~~、よろしく~~!!」

 

 涙目のサンディー。ウェンディの気遣いが彼女の心に深く染み込んだ。見上げたサンディーに映ったウェンディの姿はまさに天使。また、シェリアもウェンディの隣で静かに笑みを浮かべていた。

 

「うんしょ、と」

 

 ウェンディの手を握り、彼女に引っ張ってもらい立ち上がったサンディーは真っ直ぐシェリアを見据える。

 

「あなたもよろしくね♪」

「うん、よろしく」

 

 元気そうに答えたシェリア。

 静かに彼女達を見守っていた観客達と仲間達。戦場に降り立った少女達の笑みは彼らに癒しを与える。

 

『これは何ともかわいらしい対決となったぞーーーっ!!オジサン誰を応援しちゃうか迷っちゃうぞピョーン!』

『あんたまたキャラ変わっとるよ』

 

 

 ───三首の竜、選手待機席────

 

「───っ!!」

 

 ソウの表情が変わる。

 

「………あいつらの言っていた魔力って、これのことか………」

「ソウ、どうしたの?」

「いや、何でもない」

 

 不思議がっているアールに罪悪感を感じつつも、ソウは首を横に振った。

 “魔女の罪”から謎の魔力の正体を探ってほしいと妖精の尻尾宛に依頼を受けていた。なんでもゼレフに似たような魔力らしい。

 その魔力を先ほど確証はないが、感知したのだ。この全てが邪悪に帯びたような魔力が少なくとも会場内から来ている。人数が多すぎて、はっきりと断定しがたい。

 ────何処だ。一体、誰だ。

 自分から動くべきか、ソウは迷った。

 ジェラール達もきっと既に動き始めているに違いない。彼らの邪魔になることは避けたい。それに今はウェンディ、サンディーの試合を見逃してはいけないと何かに捕らわれているような錯覚がしていたソウの決断は早かった。

 現在感知している謎の魔力の正体の件については魔女の罪に一任することにした。自分達の目的とこの件とは関係性が薄いとも判断したのが、最大の決め手となる。

 

「頑張れよ………ウェンディ」

 

 ───試合が始まろうとしていた。

 

 

 ───戦場───

 

「………っ?」

 

 ウェンディは何かを感じ取ったかのように唐突に背後に振り向いた。しばらくして、何事もなかったかのように前を向く。

 

「二人は知り合い?」

「ウェンディとは友達だよ♪」

 

 現在、戦場では三人の少女が三つの頂点を地面に配置して、真上から見ると巨大な三角形を引くようにして立っている。

 試合開始前の時間を使って、シェリアとサンディーが談笑中だ。二人とも人見知りをしない性格なので会話が弾む。

 

「アタシも入ってもいい?」

「う~ん………そうだね………私に勝ったら友達になってもいいよ♪」

「なるほどね、なら遠慮はしないよ!!」

「臨むところだよ!!」

 

 バチバチ、と目線の火花が散る。

 間に挟むようにしているウェンディはおろおろとしていた。

 

「ウェンディも私と友達だからって手加減はしないでよ。私だって、容赦なく勝ちにいくから」

「う、うん」

 

 サンディーの目は嘘をついていない。

 そう確信したウェンディは覚悟を決めた。

 ───私も負けてられない、と。

 

『これは可愛らしい組み合わせになりましたー!!オジサンもううっれしィー!!』

『昨日の競技の時も思ったが、あんなコ妖精の尻尾(フェアリーテイル)にいたかの?』

『ええ………私は少しだけ知っているのですが、とても勇敢な魔導士ですよ』

 

 マトー君がてくてくと歩いてきた。

 

『もう一人は初めてみるの』

『彼女は………私も初めて見ますね』

 

 マトー君は大きく手を上げた。

 その手を降り下げると同時にアナウンスが流れ込こみ、役目を終えたマトー君はそそくさに退散していく。

 

『大魔闘演武3日目最終試合───試合開始です!!』

 

 銅鑼が鳴り響く。

 と、殆ど同時に勝負を仕掛けたのはサンディー。

 

「行くよーー!!」

「うん」

 

 彼女の腕周りに水が纏われる。

 サンディーはシェリアへと狙いを定めて、先制攻撃を仕掛けた。

 

「海竜の翼撃!!」

 

 おおきく凪ぎ払われた水は渦巻きへと姿を変えて、シェリアへと襲い掛かる。

 シェリアは大きく後ろへと跳躍。

 軽やかな動きで渦巻きを避ける。

 

「まだまだぁ!!」

 

 サンディーの攻撃は続く。彼女が足に力を込めると、彼女の足裏と触れていた地面が水へと変換される。

 そのままサンディーは右足を大きく宙へと蹴り上げた。

 

「海竜の水剣!!」

 

 続けざまにさらにもう一回追加。

 一部、地面を抉るようにして進むカッター状の水圧は相当な切断力がありそうなほどの威力を匂わす。

 

「あたしだって、負けられないよ!!」

 

 シェリアは腕をつき出す。

 すると、彼女の腕に纏わりついたのは黒い風。

 サンディーの時と同じように奮った。

 

「北風よ!!神の息吹となりて、大地を裂けよ!!天神の北風(ボレアス)!!」

「嘘!!せめて、相撃ちにでももっていけなかったの!?」

 

 シェリアの攻撃は予想を遥かに上回る。

 

「うわぁ!!」

 

 黒の竜巻は水剣を消滅させ、勢いを衰えることなくそのままサンディーの眼前へと迫った。

 左へと避ける。

 

「───っ!!」

 

 が、シェリアもその時、完全に隙を見せていた。密かに真横から、水剣が接近していることに一歩反応が遅れたのだ。

 その水剣はサンディーが左足で作り上げたものだ。初発の水剣とは違い、ある工夫がもたらしてあったためにシェリアは驚愕する。

 

「えっ!?いつの間に!?………まさか!!カーブしてる!!?」

 

 水剣は円を描くように進んでいたのだ。

 咄嗟に回避行動に移った。

 両者とも互いの攻撃に驚きつつも、直撃を避けることに成功する。

 そこで彼女達の攻撃が一時中断。

 

「すごいね!!これを避けるって」

「そっちこそ、私のお手製を避けられてちょっと残念だよ」

「だったら、これはどうかな!!」

 

 シェリアは微笑む。

 と、サンディーが警戒体制に入るも既に目の前には急接近したシェリアがいた。

 彼女の腕には黒い風。

 

「風よ、風よ、大地を抉り、空へ踊らせよ!!天神の舞!!」

 

 ───決まった。

 そう確信したシェリアだが、彼女の頬に水滴がピチャリと付いた。

 

「え?………しょぱっい!!」

 

 塩辛い水滴。

 そして、シェリアが狙ったはずのサンディーの体はいつの間にか人の形をした巨大な水球へと変わり果てていた。

 黒い風がその水滴をあたりに飛び散らしていた。その為に、彼女の顔にちいさな水滴が触れたのだ。

 ───なら、サンディーはどこに。

 

「いた!!天神の北風!!」

 

 これは分身、と判断したシェリア。

 背後に振り向くにつれて、先程と同様に黒い竜巻を発動させた。

 そこにはサンディーがいた。

 シェリアにこんな早くに気付かれるのは

想定外らしく、慌てて避けようとするも間に合わない。

 

「きゃあ!!」

 

 致命傷は免れたものの、軽く吹き飛ばされてダメージを負う。

 追撃を警戒して、すぐにシェリアを視界に入れたサンディー。が、彼女の表情は残念そうになっている。

 

「うーん、水分身で上手く騙せたと思ったのに………」

「うん、バッチリ騙されたよ。でも───」

 

 間も無く再び、シェリアが急接近。

 

「私にはそんな手は効かないんだよ!!天神の舞!!」

「っ!!海竜の───」

 

 シェリアの竜巻が命中。

 上空へとサンディーの体が吹き飛ばされた。

 

「まだまだ行くよ!!」

 

 シェリアも追いかけるように大きく跳躍。サンディーに追撃を仕掛けようとするが、次の彼女の行動に戸惑う。

 

「っ!!」

 

 サンディーは空中で即座に体勢を整えた。シェリアの攻撃を最小限に抑えていたのだ。

 シェリアは気付いた。小細工が通用しないと理解した彼女はあえて攻撃を受けることで、敵を油断させて反撃に出る作戦を決行したことに。さらに完全にやられた演技も加えて、より一層相手を欺こうとしていたことも。

 サンディーは右足で容赦なく蹴りあげる。

 

「───鉤爪!!」

「きゃ!!」

 

 シェリアを地面へと叩きつける。

 砂埃が発生して、彼女の姿が眩んだ。

 空中にいたサンディーは地面へと着地した後、相手の様子を確認することなく、次の魔法へと行動を移す。

 

「海竜の………」

 

 だが、シェリアも既に魔法の準備を行っていた。

 

「天神の………」

 

 両者、共に長く息を吸い込む。両頬が大きく膨らむ。

 放つ瞬間はほぼ同時だった。

 そして────

 

「咆哮!!」「怒号!!」

 

 二つのブレスが真正面から衝突。

 辺り一帯に顔をおおうほどの風と水を撒き散らした。

 

 

 ───妖精の尻尾、応援席───

 

 サンディーとシェリアの魔法を見たメイビスの目が変わる。

 

「海の滅竜魔法………それに失われた魔法(ロスト・マジック)

 

 

 ───妖精の尻尾A、選手待機席───

 

「マジかよ………」

「すげぇな………」

 

 風と雨が吹き荒れる。 

 

 

 ───蛇姫の鱗、選手待機席───

 

「天空の滅神魔導士(ゴッドスレイヤー)

 

 リオンは自慢げに言った。

 戦場では、ブレス対決が終わっていた。

 片膝をついて、肩で息をしていたのはシェリアではなく、サンディー。

 

 

 ───戦場───

 

『な………なんと!!可愛らしい見た目に反し、2人とも凄い!!凄い魔導士だ~~っ!!』

『あんたカツラ………』

 

 チャパティは頭が反射してもなお、解説を続ける執念。それほど白熱した試合が繰り広げられているのだ。

 サンディーはすっと立つと、服の裾についた砂を払う。その一連の行動に目立ったダメージはない。

 

「ふぅ…………私の想像以上だよ」

「それは、こっちの台詞だって。アタシと互角に渡り合えるとはびっくり~」

「びっくりしてるのは私もだよ?」

「そうだね。折角だし、もっと楽しも!!」

「言われなくても楽しむ気満々だよ!!」

「愛とギルドの為、負けられない!!」

 

 お互いに構える。

 互いに微動だに動かず、静かな牽制が続く。

 

『………無が会場を包んでいます………そして、すさまじい緊張感がこちらにもジリジリと伝わってきます………!!』

 

 まだ動かない。

 ゆっくりと隙を伺う。

 

「あっ」

 

 刹那───二つの竜巻が正面衝突。

 誰かの声かは分からないが、それが合図となった。

 サンディーは連続で竜巻を起こす。

 シェリアは大きく旋回して、目一杯避ける。そのまま即座に同じ竜巻で反撃。

 サンディーは地面に自身の渦巻きをぶつけ、その余波によりその場から緊急退避。

 

「きりがないっ!!」

 

 どちらが言ったのかは謎。

 忙しなく動き回る二人の周りには風やら水やらの魔法で溢れかえっている。

 だが互いに決定打をぶつけることが出来ない。

 戦況を変えたのはまたしてもサンディー。

 地面に両手を当てて、魔法を発動。

 

「海竜の海洋変化!!」

 

 彼女の両手から水が溢れ出す。やがて波となってサンディーを中心に波紋が広がる。その量は尋常なもので戦場を水浸しにしてしまうほどの量だ。

 普通に立っていれば、足首まで浸かる。

 シェリアもこれに対応するが、足場が悪くなったことにより動きが鈍くなる。

 

「………これだと、アタシの動きは水に邪魔にされて遅くなるってところかな」

 

 足元を見て、冷静に判断。

 水面と化した戦場ではサンディーの独占場となりうる。

 シェリアの想定通り、サンディーは魔法を発動。

 

「全てを凪ぎ払え!!海竜の水剣!!」

 

 先程よりも一回り大きくなったサンディーの起こした水剣が猛スピードでシェリアの元に向かう。

 シェリアは両手を広げ、体を軽く捻る。

 

「アタシも負けてないんだから!!」

 

 両腕から風を起こしながら、その場で勢いよく回転を開始。シェリアの中心から全方位に風が舞い上がり、水が巻き込まれる。

 やがてシェリアの黒い風は巨大な竜巻となり、全ての水を吹き飛ばす。

 

『おおっと!!戦場が海になったかと思いきや、再び元に戻りましたぁ!!物凄いです!!私ごときでは混乱してしまうほどの圧倒的なハイスピードで戦況が変わっていきます!!』

 

 シェリアは回転を止める。

 すると時間を置くようにして、空から雨のように雨粒がどっと降ってきた。

 サンディーの発生した水をシェリアが竜巻で巻き上げたせいだ。

 

「………」

「………」

 

 雨が降るなか、二人は静かに対峙。

 動き出すはほんの一瞬。

 

「はぁぁぁぁ!!」

「やぁぁぁぁ!!」

 

 勝負はまだまだ終わらない。

 

 

 ───妖精の尻尾A、選手待機席─── 

 

「二人ともすげぇな………」

「晴れてんのに雨が降ってきたぞ?」

「さっきの竜巻のせいで一気に水が………服がびしょびしょに濡れちゃう………」

 

 ルーシィは嫌そうな顔をする。

 隣のエルザは難しい顔をしていた。

 

「一撃はシェリアの方が一枚上手だが、サンディーはそれを手数によって補っていると言ったところか………」

 

 と、ここでルーシィはふと思った。

 

「そう言えばウェンディはどこに?」

 

 

 ───戦場───

 

「はぁぁぁぁ!!」

「やぁぁぁぁ!!」

 

 二人の少女が雄叫びをあげる。

 地面を蹴りあげ、相手へと接近。

 両者の意識は完全に目の前の彼女に勝つことのみ。

 ───故に横からの反応に遅れた。

 

「「───っ!!」」

 

 二人は同時に急ブレーキ。

 と、その瞬間、二人の目の前を巨大な白い竜巻が通過した。予想外の乱入に戸惑う他ない。

 二人は目を見開いた。

 白い竜巻の正体。サンディーでも、シェリアでもない。

 それは第三者の少女によるものだった。

 

「私も………入れてください!!」

 

 天空の滅竜魔導士、いざ乱入。

 

 

続く────────────────────────────

 




裏設定:ウェンディの空気感

 試合が始まると同時にポツンと取り残されたウェンディは陰ながら彼女達の怒涛の試合を戦場の隅っこで見学していた。
 途中、サンディーの“海洋変化”に地味に慌てていたが、誰も気付かない。というか、アナウンス、観客の意識からウェンディの存在はすっかり消え去っていた。
 故に十分に考える時間はあった。決断する時間もあった。だから、彼女は一人覚悟を決める。
 私もサンディーやシェリアに負けてられない。何故ならギルドの為に………そして、

 ────お兄ちゃんに自分は弱くないってことを認めてもらうために。

 活動報告見てね\(^-^)/

オリジナルの敵キャラってあり?(無しの場合だと、原作に出てきた敵キャラのいずれかを主人公が奪い倒す形となる予定)

  • あり
  • なし
  • ありよりのなし
  • なしよりのあり
  • どっちでも

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