ちょっとリアルの方でテストが続いたり行事の準備に駆り出されたりして、なかなかまとまった時間がとれず………。
………悲報にもしばらくの間、執筆時間が取れそうにないので良くて月一の更新になりそうですね………。
この作品を楽しみにしてもらっているのなら、申し訳無いです(ToT)
────感想バシバシカモン\(^-^)/\(^-^)/
大魔闘演武・四日目。
今回の競技は会場で行われる。
地面から悠々と浮かび上がっているのは巨大な水で包まれた球体。あの浮遊している水球の中が競技の戦場となるのだ。
競技名───“
その名前の通り海戦。球場の水中競技場から外に出てしまえば、負け。最後まで残った者が勝者となる。ただし、最後二人になった場合特殊なルールが適用される。
それは“五分間ルール”。
二人になった場合から五分間の間、どちらかが場外に出てしまえばその者は最下位扱いとされるものだ。
『いわば水中相撲っていったところかね』
『楽しみですね。ありがとうございます』
『本日のゲストはシェラザード劇団座長ラビアンさんです』
と、その時。
『さあ、次々と各チーム着水!!』
各々のチームから選抜された魔導士水中競技場へと入場してきていた。入場の仕方は競技場の真上から真っ直ぐダイブする形になる。
「がんばるぞー」
“
───“シェリア・ブレンディ”。
「今度こそ負けないんだからっ!」
“
───“ジェニ・リアライト”。
「人魚をなめちゃいけないよ」
“
───“リズリー・ロー”。
「水と言ったらジュビア!!これはジュビアの独壇場!!」
“
───“ジュビア・ロクサー”。
「私の本領はやっぱり海じゃなきゃね♪」
“
───“サンディー・サーフルト”。
「ふふ。
“
───“ミネルバ・オーランド”。
「あたしも負けられない。1日目の失態を挽回しなきゃ」
“
───“ルーシィ・ハートフィリア”。
『これはまた華やかな絵になった!!各チーム女性陣が水着で登場ぉぉ!!』
『ありがとうございます!!ありがとうごさいます!!』
司会席が盛り上がる中、一人の虚しい声が響く。
「あの…オレもいるんスけど、ワイルドに」
“
───“ロッカー”。
『ルールは簡単!!水中から出たら負け!!』
以上、8名の魔導士により四日目競技パートは運行されることとなる。
そして───
競技の合図である銅鐸の轟音がこだました。全員の顔つきが変わる。
『
───三首の竜、選手待機席───
「海はサンディーにとっての本場なの?」
「そりゃあ、元々あいつは海竜の滅竜魔導士だからな。海中戦はあいつの最も得意とする分野だ」
「いつかは忘れたが“深海の姫様”とも呼ばれてたような気がする」
「あぁ。知らず知らずの内にそう呼ばれるようになってたな」
ソウが口にしたのはサンディーの巷で噂の二つ名。海という世界で最大規模の自然を味方に付けた彼女のその神秘的な姿からその名がついたと言われる。
確かに水中競技場にいるサンディーは普段よりも表情が生き生きとしている。
「始まるわよ」
ルーズの呟いた直後、銅鐸の音が響く。
試合初めに誰がどう先制を仕掛けるかによって試合の流れは一気に変わる。
『早速だけど………みんなゴメンね!!開け宝瓶宮の扉!!アクエリアス!!』
『オォオオッ!!水中は私の庭よォ!!』
黄道十二門の一体。水中戦では圧倒的な強さを誇るアクエリアスを召喚。
アクエリアスは瓶を振るって激流を起こした。
が、それを遮る者が一人。
『させない!!
二つの渦巻きが衝突。
どちらが勝ることなく渦巻きは互いに消滅した。
「いきなりだな」
「まずは確実に最下位を避ける為に問答無用に攻撃したってところじゃねぇか」
「自分以外は全員、敵というこの大会ならではの戦法だね」
やがて周りに被害を催すほどの水流が発生して第三者たちは各々に防御体勢に入る。
すると、バシャ、と水飛沫が飛ぶ。
その水飛沫が意味するのはどさくさに紛れて誰かが地面へと落ちたという事実。
『
場外となったのはロッカー。
先程、混乱に乗じてジェニーが彼へと強烈な蹴りを浴びせたせいで一発KOとなっていた。
「これで女だけになったわね」
「うん、そうだね」
「………何?そんなに嬉しいことでもないでしょ」
「ん?ルーズにはそういう風に見える?」
「………そ………なら、なんでもないわよ」
若干、ルーズの表情が険しくなった。
無鈍感なのか、あえて意図してなのか曖昧な発言をした当の本人はなに食わぬ顔で競技場を観戦している。
一瞬、彼の方を見たルーズだがすぐに視線を戻した。
競技場ではシェリアが仕掛けていた。
『その間にアナタも!』
『ぽっちゃりなめちゃいけないよっ!!』
シェリアの狙いはリズリー。
続けざまに脱落者が出るかと思いきや、リズリーは自身を重力操作で体型をスリムにして回避する。
何ともまぁ………巧妙な手口だとソウは感じた。魔法は人それぞれあるので世の中にはこういうのも普通にあるものだ。一人勝手に納得する。
一方で、
『このままじゃラチがあかない!!一旦戻るよ!!』
『え!?何でよ!!水中じゃ1番アンタが頼りになるんだから!!』
『デートだ♡』
『ちょっとぉ~~~っ!!』
どや顔しながらアクエリアスが星霊界へと退散してしまった。
まさかの頼みの綱のアクエリアスが帰ってしまい、ルーシィはピンチとなる。まさかのこれからデートとかルーシィにとって悲痛すぎる。
『スキありっ!!』
横からシェリアの攻撃が入る。
『ひっえぇっ!!バルゴ!!アリエス!』
『セクシーガードです!!姫!!』
『もこもこですみませ~ん!!』
『ふぁ~危なっ』
吹き飛ばされつつも咄嗟に呼んだバルゴとアリエスに庇って貰い、難を逃れたルーシィは思わず一息つく。
まだ脱落するわけにはいかない。
「あっ、またあの二人がぶつかるよ」
シェリアの背後に一人の影。
『隙ありありだよ!!』
『───っ!!サンディー!?』
『海竜の咆哮!!』
逸早く気配を察したシェリア。
反射的にその場から回避行動へと移った彼女だったが、それは正解となった。
シェリアの眼前を巨大な渦巻きが通ったのだ。試合開始直後に撃たれた渦巻きよりも一回り大きく、不規則に動き、速度も上がっていた。あれを喰らえば一溜まりもない。
『あれ?避けられた?』
『あ………危ない………』
『シェリア、海中では私は負けないよ』
『臨むところだよ』
サンディーとシェリア。
前日で激闘を繰り広げた二人がまたしても戦場で火花を散らす。
『水中の激戦が続いてます!!そしてついにここで念願の決着が着くのでしょうか!?がんばれっ!!シェリアたんとサンディーたん!!
『うるさい!!』
速攻でルーシィが怒る。
「そういやぁウェンディも出れば昨日の対決の続きってなったんだな」
「俺は別にウェンディには出てほしくなったから、ちょうど良かったと思う」
「ほほぉ~どうして?」
ジュンの変な口調での聞き方に少し違和感を覚えながらもソウは答える。
「わざわざ互いが万全ではない状態ではないなか、決着を急ぐ必要はないってことだ。今回の結果は引き分け。それで良いじゃないか」
「そうね。二度と闘えないって訳じゃないから、無理矢理に勝ち負けを決めるってのも嫌になるわね」
ルーズもソウに同意するが、ジュンはしつこく攻める。
「ほんとかぁー?もしかして…………」
「………何だよ」
「ウェンディの
ソウは眉を潜める。
海戦は水中競技場なので、全員が水着を着用している。自分がウェンディの水着姿を公衆の面前に晒されるのを嫌がったのではないかとジュンはにやつきながら尋ねているのだ。
「んなわけないだろ」
「良いのかなぁ?ウェンディちゃん、悲しんじゃうと思うぞぉー」
「………なんでそんな結論に至るんだよ」
「ははは、誰だって同じことを考えると思うぜ。なぁ?アールよ」
ジュンが自慢げに言う。
どこからそんな自信が浮かぶのかソウは半信半疑になりながらも観戦を続けていた。
彼に話を振られたアールはいつもなら直ぐに返事が返ってくるのだが、数秒経っても返事がない。
「アールが無言って珍しいなぁ」
不思議に思ったジュンが背後へ振り向く。そして、彼ははっと息を呑む。
競技場を一点に見つめたまま、微動だにしないアール。その表情は彼にしては珍しく曇っている。
「って、そんな険しい顔をして………なんかあったのか?」
「………」
ジュンが尋ねるも無言。
一度ジュンはこんなアールの姿を目撃したことを経験している。その際、彼はちょっとした間違いを指摘していた。ということは、彼はまたしても何かしらの異変を察したのだろうか。
ずっとアールが見ているのは競技場。つまりは競技パートに何らかの不審点があるということなのだろう。
「………ジュン」
「ん?何だ?」
アールの口からポツリと溢れた名前。
自身が呼ばれたことに気付いたジュンは普段通りな態度で彼に聞き返す。
そしてジュンは驚愕する。
「いますぐに────」
「っ!?」
アールのジュンに対する頼み事。
それは事情の知らない者にとっては理解しがたい内容だった。
『全員まとめて倒します!!水中でジュビアに勝てる者などいない!!
一方で競技場ではジュビアが始動。
脇下に構えた両手に魔力を収束。そして、思いっきり叫ぶ。
『届け!!愛の翼!!グレイ様ラブぅ!』
誰かの声が続けざまに木霊する。
「やめろぉぉぉーーー!!」
不思議なことにハートマークが激流と伴って出現している。
グレイはジュビアを止めようと必死の形相で頑張っていた。彼女の気持ちは揺らぐことがなく、無駄骨となった。
『きゃー!』
『くぅぅ!』
『あう!』
案外、威力は抜群のようで次々と失格者が地面へと落とされる。
───ジェニー、脱落。
───リズリー、脱落。
───シェリア、脱落。
残り四名。
『姫!!しっかり!!』
『もこもこガード全開ですぅ!!』
荒れ狂う水流の中で自身の魔法でガードしている余裕そうなミネルバと、バルゴとアリエスの助けによって何とか生き残った苦しそうなルーシィ。
そしてサンディーはというと───
『………シェリアがいなくなっちゃった………』
競技場の隅辺りでライバルの突然の退場に項垂れている。自分はちゃっかり避難している。
『なんと!!ジュビアがまとめて三人も倒してしまったーーっ!!水中戦では無敵の強さだジュビアーー!!』
これは確実に決まった。萌えたに違いない。
謎の確信をもってジュビアはグレイの方へと期待の視線をちらっと向けるが。
「………!!?」
───引いていた。
一目でもくっきりと、それはそれは相当なほどに。ショックを隠しきれないジュビア。そんな彼女の目の前に怒りの表情で現れたのは。
『ジュビアさん!!』
『はい、なんでしょうか?』
サンディーはビシッと彼女を指差して、はっきりと宣言。
『私とシェリアの勝負の邪魔をしないで欲しかった!!』
『あ、ごめんなさい』
『うん、いいよ。でも、それ以上に!!』
『それ以上に?』
サンディーの眼差しが変わる。
具体的に言えば、キラキラしてる。
『さっきの私も真似していい!?』
『はい?グレイ様ラブですか?』
『うんうん!!技名は変えるから!!』
グレイが悶絶しそうな会話が始まった。
『ですが………そう簡単に真似出来るとは思いませんよ?サンディーさん』
『だったらどっちが上か勝負しよ?』
『なるほど………そんな自信があるのなら臨むところです。ジュビア、グレイ様の為なら何千何万回とやりますよ!!』
『なら決まりだね!!』
二人は互いに距離をとる。
『何してるんだろう………こんな時に………それはそうと、今の内に休憩しとかないとまだ試合は終わらないんだから』
『おおっと!!ここで二人の一対一の大技対決へと入るようです!!両者、水の魔法を得意とする者同士!!どうなるのでしょうか!!』
両者、構えを取る。
「………まじ、勘弁してくれ………」
グレイが頭を抱えるなか。
「多分、これが唯一最初で最後ののチャンス」
「ジュン、やるなら今だ」
「あぁ。分かってる」
ジュンは密かにアールから託された役目を果たそうとするなか。
「サンディー………」
ルーズが心配そうに彼女の名前を呟くなか。
───二つの魂が衝突する。
『今度こそ………届け!!愛の翼!!グレイ様ラブぅ!』
『行くよ!!天まで貫け!!天の清流!!』
ほほ同時に放たれた二つの魔法。
それらは互いの中点辺りの位置で真正面から衝突をした。ジュビアの顔が険しく、サンディーの表情が苦しくなる。
一歩も譲ることなく、均衡状態が続く。
「今か」
────と、その時。
「サンディィィ~~~!!!」
ジュンが身を乗り上げ、彼女の名前を大きく叫んだ。彼の叫び声はサンディーの耳元へと届く。
だが、サンディーには彼の呼び掛けに答えるほど余裕がない。油断してしまえば一瞬で蹴りが付く。
すると彼女の耳に空耳かと疑うような彼の声が聞こえてきた。
「オレからの命令だぁ!!今すぐリタイアしろぉぉ!!」
───えっ?………リタイア?
つまりは今このジュビアとの勝負を放棄して自ら退場しろということを言っているのだろうか。彼の側にはソウやアールがいる。何か特別な理由があるのかもしれない。
サンディーは必死に均衡状態を維持しながら考えた。そして───結論が出た。
昨日からの試合からの疲れ。そして、今の魔導士としての実力。これらを全て考慮した結果、これ以上の試合続行は不可能と彼らが判断した。だから彼は棄権しろと通告してきた。
確かにサンディーは薄々疲労を肌身で感じていた。ここは素直に従うべきか。
『いやだよ!!』
考えるまでもなかった。
昨日の対決でウェンディが憧れの彼に成長した姿を見せたいかのように、サンディーにも成長した姿を見て貰いたい気持ちもある。逃げ出しては駄目なのだ。
「後で───」
まるで否定されていることが分かっていたかのように彼は続けた。
次の一言でサンディーの心が揺らぐ。
「お前の欲しがってたぬいぐるみ買ってやるからぁ!!」
『えっ!?』
「大会の前日に一時間ぐらい駄々捏ねて───」
『それは言っちゃダメぇぇぇ!!!』
頬が熱い。
何を言うのかと思えば、まさかの今よくよく思い返すると超恥ずかしく、穴に入りたいと思うほどの黒歴史。
それは大魔闘演武が始まる前のこと。とある店舗に並んでた一体のぬいぐるみにサンディーは一目で釘付けになった。欲しいあまりに彼に買うよう頼んだが首を縦になかなか振らなかったので、しばらくの間店舗前で粘っていたのだ。周囲からは温かい視線を受けていた気がする。
その粘る姿が後で後悔する原因となって記憶の片隅へと追い込んでいたのだが、彼が大声で掘り返しそうだったので慌てて声を被せた。
『今です!!』
『あっ!!』
ジュビアの猛追が入り、意識を逸らされたサンディーもすぐに対抗しようとする。が、それでも対処が間に合わずジュビアの渦巻きがサンディーの渦巻きを飲み込んで、そのまま彼女を襲う。
『きゃっ』
サンディーが地面へと落とされた。
『おっと!!まさかの味方からの応援につい返事をしてしまい、脱落となりました!!それでも4位と好成績です!!』
ジュビアは内心、ガッツポーズ。
今度こそとばかりにグレイの方へと期待を膨らませて見てみるが───
『見てすらいない!!』
グレイが明後日の方向へと現実逃避をしていた。
ショックをやはり隠しきれない。
『え?きゃうん!!』
と、いつの間にかジュビアはすでに場外へと移動していた。
一見、ジュビアの場外について変鉄もないように見えるがソウは納得する。
「もしかして今のが?」
「うん………」
彼は小さく頷く。
今のジュビアの場外の流れがアールの予感した事実が現実となったことを証明してしまった。
………最悪だ。
『大活躍でしたが残念!!場外!!しかしそれでも3位!!6Pです!!』
競技はまだ終わっていない。
『残るはミネルバとルーシィの2人のみ!!さぁ………勝つのはどっちだ?
『何の為のルールかね?』
『最後まで緊張感を持って見る為ですよ。ありがとうございます!』
アールの懸念した事実。
それは────
「やっぱりあのミネルバって言う魔導士………
つまり───
「ルーシィちゃんでは勝てるどころか、命に危険が及ぶかもしれない」
◇
場外したサンディーはその後、とんでもない光景を目にした。
「えっ………」
残ったのはルーシィとミネルバ。
動いたのはミネルバだが、展開が一方的だ。ミネルバの圧倒的な優勢。
ルーシィの近くで熱が発生して小規模の爆発が起こる。ミネルバの魔法によるものだ。
ルーシィも反撃に出ようとするが、星霊の鍵が手元にないことに気付いた。ミネルバがひらひらといつの間にか奪ったそれを見せつける。
「サンディー」
「あっ、シェリア………」
シェリアもサンディーの隣に来ると、決勝戦を見る。試合はミネルバの優勢で続いている。
何度も小爆発が起こり、ルーシィにダメージを徐々に与えていくがそれでも必死に場外にならないように耐える。今、場外になってしまえば最下位になってしまうからだ。
そんな彼女の決意した様子を軽蔑したミネルバは一旦攻撃を止めてしまう。
『ど………どうしたのでしょう?ミネルバの攻撃が止まった。そのまま時計は5分経過!!後は順位をつけるだけとなったー!!』
理由はすぐに判明する。
ミネルバは次の瞬間に攻撃を再開した。だが変わった点は先程とは比にならないほど攻撃の威力が著しく上がっている。
その行為は明らかに優勝を狙っていない。
『ああああぁぁぁぁ!!』
『これはさすがに場外………消えた!?』
ルーシィの悲鳴が響く。
爆発により、ルーシィの体はズタズタ。ついに爆風にされるがままに場外へと出されようと───
『場外へふっとばされたルーシィ!!なぜかミネルバの前にーー!!』
ミネルバがルーシィの左手首を掴んだ。
ルーシィの体が一瞬でミネルバの眼前へと移動していた。それはそれは、まるで瞬間移動みたいに。
「あっ………だから………」
「サンディー?」
「シェリア、治癒魔法の準備をしておいた方が良いよ」
「え?う、うん」
シェリアは彼女の真剣な眼差しに少し驚きながらも頷いた。
『頭が高いぞ………
ミネルバの蹴りがルーシィの腰に刺さる。ゴキリ、と鈍い音が漏れた。
会場が重い空気に包まれた。
と、マトー君が慌てて大声で叫ぶ。
『こ………ここでレフリーストップ!!』
『競技終了!!勝者ミネルバ!!
銅鐸が終わりの合図を告げる。
ミネルバはそれでもルーシィの首元を掴み、彼女の体を場外へとつき出していた。
ルーシィはぐったりと宙吊り状態だ。
「シェリア!!」
「うん、サンディー!!」
二人も至急に向かう。
ルーシィの元にはナツを筆頭に仲間たちも即座に駆け付けた。
「「「ルーシィーーーッ!!」」」
「衛生兵を出せ!!至急だ!!」
大会始まって以来の重傷者。衛生兵が出てくるほどの大がかりな処置が始まる。
ミネルバはルーシィの首を掴んでいた手を放し、そのまま重力に従って落ちるルーシィの体をギリギリでナツとグレイが受け止めた。
「何て事するんだこのやろう!!」
「大丈夫か!!しっかりしろ!!」
「すぐにルーシィさんを医務室に連れていかないと!!」
ジュビアの言葉にウェンディが反論。
「いいえ!!まずは私が応急処置をします!!」
「ウェンディ、私たちも!!」
「手伝うよ!!」
「ルーシィ、しっかりして!!」
治癒魔法が使える三人による応急措置がルーシィに施される。彼女の呼吸音が弱い。
その場が慌ただしく中、エルザは鋭い目つきでミネルバを睨みつけていた。
彼女の視線に気付いたミネルバは嘲笑う。
「その目は何か? 妾はルールにのっとり競技を行ったまでよ。むしろ感謝してほしいのもだ、2位にしてやったのだ。そんな使えぬクズの娘を」
その瞬間ナツ、グレイの体が反射的に動くが、エルザによって制止させられる。
ミネルバの方にもスティング、ルーファス、オルガの3人がミネルバを守るように立ち塞がった。
『おーっとこれは………両チーム一触即発かーーーっ!!』
何かきっかけさえあれば今にも衝突しそうな雰囲気に会場全体がそわそわと浮き立つ。
「最強だがフィオーレ1だか知らんが、1つだけ言っておく」
するとエルザが怒りに満ちた瞳で
「───お前たちは1番怒らせてはいけないギルドを敵に回した」
続く────────────────────────────
裏設定:ポイント調整
今後の展開によって、ポイントを調整するために海戦での順位を変える可能性があるかも。その都度、最新話で報告します。
因みにセイバーとフェアリーテイルがいがみ合ってる間、ソウたちは黙って見てました。
オリジナルの敵キャラってあり?(無しの場合だと、原作に出てきた敵キャラのいずれかを主人公が奪い倒す形となる予定)
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あり
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なし
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ありよりのなし
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なしよりのあり
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どっちでも