インターネットに汚染された和マンチ共のTRPG 作:よくメガネを無くす海月のーれん
狼洞蝶華サイド
いやぁ…大変なことになったねぇ。
キャラクターシートを出しながら虚空に向かって解説し始めたじーえむを見ながらぼへーっとすりゅ。ふへぇ…。
いやぁ……ね?労働から解放されたからなんだか気が抜けてねぇ…ただのブラックじゃない、ド級のブラック、ドブラック企業に就職もとい収監されてたもんで…サービス残業は当たり前、会社に泊まることもあり…偉い人からのセクハラもあって…パワハラは上司と一緒になって受け…始発に帰るなんて茶飯インシデント…泣きそう。
これでもバリバリのキャリアウーマンというか…お仕事は海外企業と提携、合同する総合商社…なのかなぁ。それにしては色々やらされてたし…海外企業との提携はダメよ。言葉とか考え方とかじゃなくて、その前に時差がある。夜中の2時に大切な案件のメール送ってこないで…。電話も…寝起きでイングリッシュはキツイよ…。
そんなお仕事でできる女として頑張ってますた。仕事一筋の女で男っ気がないとか、旦那より稼いでるから貰い手いないだろうとか…いっぱい言われたよ……。
上司はねぇ。パワハラとかする側じゃなくてされる側だったよ…仲間だね…同性だったし……。上司はなまじ優秀さを隠せなかったから上司になっちゃったタイプ…大丈夫かなぁ。ぽや〜と、上司の顔を思い出す。なんか…こう…あぁ顔が朧気だ。なんか……死にかけのカピバラ、死にかけのカピバラに変換されちゃった。
あぁ、こんなんでTRPGできるの?と思うが、普通に出来ない時もあったよ。迷惑いっぱいかけたねぇ…。でも毎週土曜日曜夜だから休日出勤じゃない限り出来てた。死にかけはデフォルトだったしね。泥みたいに眠る日々を送るなら、みんなと楽しくTRPGしたい…だから頑張りますた。
死にかけのカピバラ……ふふっ
たぶんTRPGやって無かったら自殺してた。それくらいに大切にしてたね。週末の楽しみだった。結構長い付き合いで、もう…2年以上?やってる。もうすぐ3年だったかな。オフ会の話もあったけど、私の都合がつかなくて出来ず仕舞い…だからTRPGのキャラとはいえこうして会って話せるのはすごく嬉しい。
カピバラ……死にかけ………んふ…
頭の中を徐々に死にかけのカピバラ上司が侵食するし、楽しいTRPGが台無しになるので一旦置いといて…
仕事から解放されて、好きなTRPGを現実で出来て、みんなと一緒に休むことも遅れたり途中で抜けたりすることもなく遊べる…
異世界に召喚されて、他の人は置いていった大切な人とか家族とかに会えなくて辛いかもしれないけど、私は結構幸せです。
特にじーえむは私とは真反対かもしれない。なにせ学生ですしおすし…
トマトやドルドルはあんまり知らない。アマツマは大学生なはず。月曜は毎回1限あるから嫌だとボヤいていた。じーえむは同性だからか、ちょくちょく連絡がくる。たぶん、いや十中八九最年少だ。未成年だったかな。高校生って言ってたし。だから、一番ダメージが大きいのはじーえむだと思う。親元から離れるというのはキツイはず…フォローしてあげないとね。
ともかく、転生前がどうのよりも今を楽しむことにしよう。
「よしっ!やりましょう!」
お、あんまり楽しくない身の丈話をしていたらどうやらお時間らしい。
うんと背伸びする。耳がピンと立ち上がって、尻尾がフリフリと揺れる。可愛い。私のキャラクターで私自身。
さぁ、頑張りますかな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドルドルサイド
ふむ…自分の言動が見られているのはあまりよろしくないが、相手が神であるというのなら兎角言ってられん。
どうせ自己紹介するのだからいらないと思うが、ドルドルだ。生粋の和マンチキン。ここにいるメンツは大概和マンチの気質があるが、私は振り切れた和マンチだ。
和マンチとはなにか?それを説明するにはまずマンチ、マンチキンという言葉を説明する必要がある。
マンチキンというのは、海の外から来たTRPGにおける蔑称…だな。TRPGをやる上で大事なことは、他に一緒に遊ぶプレイヤーが居ることだ。遊ぶプレイヤー達と協調していかなくてはならないし、ゲームを進行するGM、ゲームマスターも人間だ。ある程度配慮しなくてはいけない。
しかし、世の中にはそんな協調や配慮が出来ない人間がいる。それらを全てひっくるめてマンチキンと呼ぶ。
海外のマンチキン、洋マンチというそれは所謂厨房。…まぁ自分が目立ちたいがために好き勝手する人間を指す。自分は勇者だから、最強の武器をよこせ。とかな。これは一例だが、まぁ自己中心的なヤツだ。
だが、日本のマンチキン、和マンチと呼ばれる人種は別の意味…いやもっと酷いかもしれない意味を持つ。
TRPGをやる上で必要なルールブックを隅から隅まで読み込むことで、GMの裁量で決められるルールや、ルールの穴を突いたバグじみた行動をして、自分の有利に運ぶ人種。これを和マンチという。
有名な和マンチは、ゴブリ○スレイヤーだろう。あの世界で言うなら、真正面からゴブリンと戦うのがお約束…というよりGMが求めているものだ。だがゴブ○レさんは生き埋めにしたり、火を付けて皆殺しにする。だが、これはルール上規制されていないのだ。隠密の判定に成功して、爆薬を気づかれないように仕掛け、爆散させて生き埋めにする。判定不要の即死だ。
こうしたルール上規制されていないが、推奨もされない行為をする人種を和マンチという。どこから和マンチなのかという話が度々上がるが、大体はGMが許可するかしないかだろう。いってしまえばグリッチ、バグ挙動みたいなものだからな。
他にも紳士協定というものがあったりなかったりする。特定の行動や魔法をするなら、GMとして鬼畜な敵キャラを出さざるを得ないというものだ。sw2.5ならスリープクラウドやバインドオペレーションが該当するだろう。前者は眠らせれば勝ちというシンプルなもので、後者は行動のほとんどを制限するくせに最低1ラウンドは確実に発動するというものだ。
これらを破るとGMは途端に4回行動する敵や即死罠を仕掛け始める。やるならGMに予め確認すると良い。
私達は、じーえむの悪辣な罠やストーリーによって和マンチにならざるを得なかった側だ。私は悪くない。全てじーえむが悪い。
じーえむは悪辣な罠や敵を用意するので、グリッチやバグで対抗するしかない。すると、じーえむがさらなる悪辣な罠と敵を用意する。いたちごっこだ。
このTRPGシステムはやれることが多すぎてバグ挙動やグリッチが山ほどある。何がグリッチで何が仕様かわからないほどだ。
そうだな。自己紹介時に私なりに他のビルドや扱うグリッチを解説しよう。テンポなんぞ知らん。神がGMなら好きに倍速処理でもカットでもするといい。
「よしっ!やりましょう!」
丁度いい。では解説していこう。
「私は、じーえむです!PL名がイスナでPC名がじーえむです!大体GMを務めていましたがこの度PCをやることになりました!久しぶりですがGMでキャラクターの挙動は把握してるので大丈夫…なはず!」
「リアルは軽めに…えーっと、リアルは高校生やってました!今年で2年生です!たぶん最年少かな?趣味はTRPGとそのリプレイを動画に上げることです!動画のテンポは大事。よろしくお願いします!」
「え…じーえむ高校生だったん?」
「ほえ〜…僕達高校生にえげつないシナリオやらされてたんだ。今どきの高校生こわ〜トヅマリシトコ…」
「私は知ってたよ〜」
ふむ…なんとなくは理解していた。年齢以上に大人びてるのは…私達のせいだろう。シナリオの鬱さは…本人の闇が深いのか、あるいは無垢の残虐さなのか…。動画のリプレイに関してはここのメンバーでやったTRPGをトマトとじーえむが共同で動画制作、投稿している。私はあまり動画を見ないが、結構再生されているらしい。
「ステータスはこんな感じです!」
『じー・えむ』
種族:ドリアード
キャラクターレベル8
[身体能力]
生命:36+1 生命B5
筋力:14+1 筋力B2
俊敏:14+1 俊敏B2
技術:21 技術B3
理力:16 理力B2
精神:38 精神B5
HP119/MP127
[技能]
ジーニアス レベル8
《多才Ⅱ》
↳《武具修練A/ソード》《風属性魔法Ⅱ》《呪術Ⅱ》《奇跡術Ⅱ》《機械術Ⅱ》《調教術Ⅱ》を内包。
《天賦Ⅱ》
↳《瞬歩》《ダブルスペル》《使役枠増加Ⅱ》《機械改造》《魔法拡大》《パリィ》
《特技縫合》
《英雄の卵》
コンバーター レベル5
《ライフ・コンバート》
《マナ・コンバート》
《共通規格》
[継承]
『ゲー・マス』の魂
ドクター レベル10
《医療術Ⅱ》
《薬物耐性》
《人体の知恵》
《緊急治療》
《悪性転換》
[装備]
武器
ロングソード ソードカテゴリA
1H/2H 必筋15 耐久力100
1H k20@10 追加D+0、命中+0
2H k30@10 追加D+0、命中+0
防具
アイアンメイル 金属鎧カテゴリB
必筋15 耐久力100
防護点+5 回避0
[装飾品]
頭:英傑の頭冠
首:聖神のロザリオ
背中:ミミック
右手:魔法触媒
左手:調教師の証
腰:整備士の工具箱
足:安全ブーツ
内臓:命魔転換炉
任意:マギカ・タンク
[使役枠] 使役可能数3枠
ミミック(キーパー) 3枠
[機械割合]
命魔転換炉 5%
「えーっと、構成としては万能ビルド…ですかね。ジーニアス技能の《多才Ⅱ》や《天賦Ⅱ》で色々特技取ってます。基本なんでもできます。コンバーター技能はHPMPをみんなに供給する用ですね。《奇跡術Ⅱ》と合わせて使います」
ジーニアス技能。これは6つの技能を複合した特殊技能だ。専用の派生が存在し、特別な特技を持つ。《多才》《天賦》は複数特技を習得できるものだ。《特技縫合》は特技同士を融合させることができる。《英雄の卵》は固有武器の適性が付き、魔法や武器に関わるペナルティを無くすことができる。例えば、必筋が足りない重たい武器を持ったとしても。十全に扱うことができる。ぶっ壊れだ。特技のペナルティを消すわけではないのが注意だな。
次にコンバーター。HPやMPといったものから筋力、技術といった肉体的数値を相手に供給したり集めたりできる技能だ。しかし、この技能は受けるかどうかを対象が任意で決められる。敵にかけることはほぼ不可能だ。だが、味方だけでも強い。
なにせ、自分のHPが119点プラスされるようなものだからな。本人が回復できるからじーえむがいるだけでタンクが要らなくなる。あとMPの心配もしなくていい。じーえむを真っ先に狙われると私達が死ねる。パーティーの生命線だ。
「継承技能は、ドクターのレベル10。回復特化型にしてますが、《悪性転換》で一応攻撃が出来ます」
ドクター技能。《奇跡術》や他の回復系特技を複合している上位技能だ。《医療術Ⅱ》は《奇跡術Ⅱ》や《調薬Ⅱ》等の特技を複合している。《薬物耐性》はHPやMPを回復するポーションを飲める回数が通常戦闘中に1回なところを、戦闘中3回まで飲むことができる特技だな。
《人体の知恵》《緊急治療》、前者は人型キャラクターに対するHPの回復量に補正がかかり、後者はHPが0になった対象に手番を消費せずに蘇生を行うことができる。
《悪性転換》はドクター技能唯一の攻撃系特技だ。回復させる特技を相手にダメージを与える特技に置き換えることができる。HP回復がそのまま攻撃魔法や攻撃になるというわけだ。じーえむはこれを「癒死ね~!!!!」と言いながら使う。絵面は面白い。
「装備はいたって普通です。ロンソとアイメで固めてます。装飾品は大体が技能行使に使いますが…一部解説が必要ですね」
ロングソードとアイアンメイルはこのゲームで最も愛されている武器と防具といってもいい。大体これ持ってればいいというものだ。特段のデメリットがないのが魅力。
「ミミックのキーパーくんは、奇襲と呪いアイテム用ですね」
ミミックは奇襲性能が高いモンスターだ。戦闘中の不意打ち判定に成功しやすい。
そして、自身に収納された武器を扱うことができる。呪いの武器や防具は持ってるだけでダメージやペナルティを受けることもあるからミミックに持たせるというのはいい手だ。じーえむは《英雄の卵》でそうしたペナルティを無視できるが、《武器修練》はソードしか持っていない。ソード以外の武器や防具が来ても扱えず宝の持ち腐れだからな。ミミックは大体の武器防具をペナルティなしに扱えるという性質を持つ。呪いのアイテムは相手に攻撃を当てるだけで効果を発揮するものもある。奇襲が成功しやすいミミックと好相性だ。
「マナタンクはトマトに作ってもらいました。外付けMPタンクです」
「ママトマトトマです―…俺が作りました」
「生 産 者 表 示」
ダブルピースするトマトと、指で写真の枠を作ってカシャカシャと写真を撮る真似をするアマツマは放っておいて…マナタンクは言った通りだな。
内臓枠に仕込まれたマナタンクは、マギカデザイナーと呼ばれる技能で作られるアイテムだ。外付けのMPとして機能する。技能によって作れるアイテムが違うのもこのゲームの魅力に一つだ。ちなみに、マギカデザイナーはMPに関するアイテムを製作できる。外付けHPとして機能するアイテムは、ライフデザイナーの領分だ。
分ける必要はあるのか。と思われるかもしれないが、実は派生先が違ってくる。マギカデザイナー技能の最終的なゴールは、機械と魔法の融合、文字通り魔法の機械の制作。ライフデザイナー技能のゴールは、生命と機械の融合、生きる機械の開発。別々のものを目指している。
「はいはい…機械は命魔転換炉…HPをMPに、MPをHPに変換できるヤツですね。コンバーター技能と《機械術Ⅱ》《機械改造》で作りました。コンバーター技能を経由しない自己完結型なので特技デメリット圧迫しない点で採用してます」
こうした、特技は使えば使うほどリスクというものが重複するからこうしたアイテム面で特技の重複を減らしていくのがセオリーだ。また、コンバーター技能はHP、MPの変換効率というものがあり、デフォルトで50%に設定されている。HP10点に対してMP5点のコンバートだ。これを減らすために《共通規格》や機械を使って体内で完結することで、変換効率を100%にしているのだろう。
総評として、本当に何でもできるビルドだ。物理攻撃から魔法攻撃、支援に妨害、HPやMPの譲渡といった長期戦にも強い構成だな。特化型には劣るものの《特技縫合》で独自の動きが出来る点で差別化は出来ているだろう。
「こんな感じです。よろしくお願いします」
「わーパチパチパチ」
「ジーニアスはなぁ。《特技縫合》が本体みたいなモン」
「どれだけ魔法使っても、剣とか棍棒って言い張る《特技縫合》君好き」
「魔法とは」
「何でもできるモンでしょ」
「ほな魔法かぁ」
ミ〇クボーイネタを挟みつつ、じーえむが進行する。高校生に任せるとか…と思われるが、じーえむは大体この役回りだ。
「次、アマツマ」
「はーい」
「PL名プロティン。PC名アマツマ。リアルの名前は言わなくていいんでしょ?リアルは大学生やってます。ちょくちょく言ってたと思うけど」
「ちゃんと1限でろー」
「大学生が高校生にやりこめられるな~」
「月曜1限必修はバカ。じーえむは僕の中で悪魔の生まれ変わりなので高校生カウントされないんで…」
「はぁ?私高校生なんですけど!これでも、じぇーけー?なんですけど!」
「それ何のネタだったけ…」
「ロリババア騙る奴じゃなかった?」
「それかぁ。三銃士で知ったなぁ」
じーえむが適度にネタを挟むのは…動画投稿者の職業病だろうな…。
「えーっと、趣味か。趣味は同じく…というかここにいる人全員TRPGでしょ。あとは…語学かな。マルチリンガルでーす。英語とドイツ語と中国語、あと勉強中なフランス語がちょこっとかな。よろしくお願いしまーす」
「え?アマツマ多言語喋れるの?脳筋のくせに?」
「は?脳筋でも喋れるが?森の賢者リスペクトだが?」
「ゴリラは多言語喋れねぇだろ。異名の語感だけでリスペクトの対象にするな」
「うるせぇお前の身体でボディランゲージしてやろうか」
「おい馬鹿やめろ!」
トマトに殴りかかろうとするアマツマだがいつもの事なのでスルー。それとは対象的に
「フランス語ってサバ連呼するんでしょ?」
「いや、Ça Va(サヴァ)?ね。元気?って意味。そんなサバサバ連呼しないよ」
「サバ!」
「Ça Va bien」
「意味は?」
「とても元気です」
「Ça Va bien!」
「お〜上手い」
「出来てる出来てる」
元気よく返事をするじーえむと褒める狼洞さん。高校生にしてはピュアだな…。ほら見ろ。返すアマツマが浄化されかかっている。じーえむは一部を除いてこの卓の良心だ。それに比べて…
「多言語マウントやめてください。とても不愉快になりました」
「Scheheiß、блядь、白痴、Connard」
「よくわからないけどそれ絶対悪口だろ!白痴だけはわかるぞ!ゲームで知ったわ!」
どうしてトマトとアマツマはあぁもよく喧嘩をするのか…。ちなみにクソ、クソ、バカ、バカ野郎だな。
「はいはーい!進めてください!ハリーハリー!」
ピョコピョコ跳ねるじーえむに促されアマツマはライセンス証を高らかに掲げて…
「はいはい…ディスティニードロー!」
「カンコーン(カットインSE)」
「ステータスオープン!」
「ネタ挟まないと死ぬんですか!?」
『アマツマ』
種族:サイクロプス
キャラクターレベル8
[身体能力]
生命:30+5+1
筋力:36+5+1+1
俊敏:17+1
技術:21+1
理力:9
精神:17
HP124/MP51
[技能]
デストロイヤー レベル8
《武器修練/ウォーハンマーA》
《武器修練/ウォーハンマーS》
《痛打Ⅰ》
《粉砕撃Ⅰ》
グラディエーター レベル8
《武器修練A/ランス》
《フィニッシャー》
《闘魂》
《ノックバック》
ブラックスミス レベル7
《武具鍛造A》
《武具鍛造S》
《付け焼き刃》
《修繕Ⅰ》
[継承]
『ゴラゴ・リゴル』
バスタード・ジャイアント レベル10
《撃滅の意志》
《衝撃伝播》
《不退転の覚悟》
《英傑伝承・巨人を穿つ投槍》
《ジャイアントバスター》
[装備]
武器
グレゴリオ
2H.G 必筋40 ウォーハンマーカテゴリS 耐久力500
k80@11 追加D+2 命中-1
備考
人間スレイヤー+2
グレートランス
2H 必筋25 ランスカテゴリA 耐久力50
k30@11 追加+0、命中+0
備考
10本所持。
防具
フィスルの鋼鉄鎧
必筋25 耐久力150
防護点18 回避-3
[装飾品]
頭:英雄の頭冠
首:碧水晶のアミュレット
背中:巨人族の矢筒
右手:力の指輪
左手:技術の指輪
腰:巨人の腰鎧
足:ミスリルのアンクレット
内臓:サンヴァリツァの双妖精
任意:消魔の外套
「…はい、The・脳筋ビルドですね。物理一辺倒なので物理無効の敵には何も出来ません」
「パワー過ぎる構成。清々しいね」
「これが僕ですから。紹介したいのは、筋力の値とデストロイヤー、グラディエーター技能ですね。基本的にダメージを上げる特技を採用してます。《痛打Ⅰ》《粉砕撃Ⅰ》《付け焼き刃》です。《闘魂》《フィニッシャー》はステータス上昇《ノックバック》はデバフ用かな」
ふむ…デストロイヤー技能、グラディエーター技能、どちらも戦士系技能だが、デストロイヤー技能は追加ダメージに関する特技を習得でき、グラディエーター技能は[身体能力]に関する特技を習得できる。
《痛打Ⅰ》は、条件を満たせば追加ダメージ+10
《粉砕撃Ⅰ》は、無条件で追加ダメージ+8だな。
対して、グラディエーター技能
《闘魂》は、習得した時点で生命、筋力に+5される。
《フィニッシャー》は、自分の攻撃で敵を倒した場合に筋力、技術が+7されるもので、最大三回累積する。
《ノックバック》は、攻撃が命中すれば対象を転倒状態、転ばして回避や命中にペナルティを与えるものだ。
二つをあわせて習得すれば火力は異様に伸びる。しかし物理ダメージがほとんど入らないゴーレムやスライムに弱い。ここをカバーするために魔法技能を伸ばしたりするんだが…ないな。物理のみだ。うーん…まぁ普通の敵には異様に強い。パーティなのだから助け合うのも仲間だろう。
ブラックスミスは…武器の消耗が激しいからだろう。《粉砕撃Ⅰ》や《ノックバック》は武器の耐久力を削る。直せる手段がないと武器がすぐに壊れる特技だ。
「継承は、ジャイアントバスターを選びました。遠距離攻撃用ですね。巨人を倒したときに投槍使ってたので、《英傑伝承》《ジャイアントバスター》が投槍用になっちゃったんで、グラディエーターで《武器修練A/ランス》取ってます」
○○バスター系の技能は、例えばドラゴンであったり、巨人であったりと伝説の生き物を倒すと無条件で習得できる技能だ。そのときに使った武器が特技として登録される。アマツマの場合、投槍だな。また、特技の対象も固定される。《ジャイアントバスター》は、巨人を対象に投槍を使った攻撃にしか使うことが出来ない。その分馬鹿げた火力が出る。
「装備は自前です。ストックもいくつかあるので継戦能力はそれなりかな。装飾品は…目立ったものはサンヴァリツァですかね。身体の中に妖精飼ってます」
「この世界の妖精、原典の妖精だからなぁ…。可愛らしいとかじゃない邪悪なタイプ」
「ここの妖精、普通に人乗っ取ろうとしますよね」
トマトやじーえむが話す通り、この世界における妖精はどちらかといえば敵キャラに分類される。
人を乗っ取ろうとし、人に入り込み、内側から食い破る。ほぼ寄生虫だ。しかも妖精はそれを神聖なものとして扱ったりするから質が悪い。
「サンヴァリツァってなんの効果だっけトマト」
「ママトマトトマですー、アレよアレ。《身殺ぎ》HP削って状態異常解除。説明はサンヴァリツァの双子妖精が邪気が宿った骨肉臓血を食って悪い部分を殺ぐ。禊が語源で当て字かな」
「はぇ〜邪悪」
「ちゃんと人間食べてるんだよねぇ」
「とまぁこんな感じです。以上!」
「はいはい、アマツマありがとうございました!お次は…」
自然と視線が集中する。ん?
「紹介してもいいの…?」
「発禁ものだろ」
「訴えられたら負けると思う」
「隠し入れる?」
「おい」
とんでもなく失礼なことを…。大体キメラはこの世界では当たり前に存在するものだぞ。差別は唾棄すべきものだ。
「愛は差別ってバイキングのアニメでみた。つまり愛だよ」
「炎上発言はNGですよ」
「愛が差別なら何が差別なの?イコールで結びつかんじゃん。一方通行でしょ。愛は差別でも、差別は愛にならないわけで…」
「私の意見だが差別は区別の捉え方の違いだ。人によって態度を変える。あまり良い事には聞こえないが皆当たり前にやっている。目上の人間に赤ちゃん言葉を話す命知らずが何処にいるという話だ」
言葉に言外の意味を求めるな…というには世界はオブラートで包まれて見えない。ある種のどうしようもない問題だ。ただ一人一人が気を付ければ防げる話でもある。
「相手によって態度を変えることをポジティブに捉えれば、礼儀正しい、態度を弁えていると言える。ネガティブに捉えるなら、それは差別で礼儀知らずだ。どちらも同じ区別であり、ちょうど発酵と腐敗の関係といえる。根本は一緒だ」
「なるほど…?」
「人間にとって良いものが発酵、悪いものが腐敗でしたっけ」
「ふむ、詳しく議論したいところだが、話の趣旨とはズレるから後にしよう。女神にドヤされても困る」
「それもそうですね…遮ったのは私達ですし…ごめんなさい」
「さっせーん」
「すいません」
「ごめんねぇ」
「はぁ…いつものことだ。それより私の紹介を始めよう」
長くなるので切りますた。
2024/04/26 前話、前々話含めて、行間を調整しました。あとドルドルの口調とステータス紹介の順番を前後させました。