Q.もし咲が鷲巣巌と邂逅したら?   作:ヤメロイド

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何の脈絡も有りませんが、レッツ・雀


特に理由も無く魔王と卓を囲むことになったのだが私は生きて帰れるのだろうか?

東 一 親はメイドα

 

憧 配牌

 

 

489m1223689p99s東南

 

(さて……配牌は微妙ね。ピンズが濃いいから混一と一通……三色を考えてみるか)

五巡後

 

 

789m1236689p799s

 

 

(う……形にはなってきたけど)

一通を狙うにしても三色を目指すにもカンチャンやペンチャンの牌が致命傷になりかねない手格好。少なくとも三色で聴牌すれば平和が消える。

ここからどうしようかと迷っていたそのとき、

「ツモが悪いね……」

(8ソウ……零れた!)

上家のメイドが三色の鍵牌、8ソウを捨てた。

一シャンテンが遠いこの手、憧は迷わず鳴く。

「チー!」

そして打9ソウ。三色ドラ一を聴牌する。

(よし……取り敢えず咲より早く聴牌出来た……!この人のことだからあまりもたもたしてられない……)

今回は東風戦。確かに速攻はそれなりに理に適っている。しかし次巡、下家のメイドβがリーチをかけた。

「リーチ!」

 

 

メイドβ 河

 

8m北西3m9p6p(リーチ)

 

 

(あちゃー。手が短くなった所でリーチかぁ……)

恐らくマンズは上の方が通りそうだが……

同巡、憧が引いたのは生牌の白だった。

(押し通せる牌じゃないか……)

そう判断するや否や憧は迷わず聴牌を崩した。打6ピン。中筋の牌なら通せる筈だし、頭落としならまだ聴牌チャンスもある。二巡後、

 

 

789m123789p白

チー789s

 

 

(聴牌復活……!)

白単騎だが、変わりに打点が上がっている。

(よし、マンズを打って逃げなかったのが効いた!安牌も増えたし、最悪ベタ降りも出来る!ただ……)

気になるのは咲の動き。

(なんだか勝負に絡んできてないような気がする……)

それは確信とは呼べない勘のような物だった。しかし、このときの憧の予想は的中していた。

 

 

 

2467m33779p東西中発

 

無表情でじっと自分の手牌を見る咲。後ろで見ていたギャラリー達の予想が飛び交う。

(この子、凄く腰が重い麻雀打つのね……)

(ああ。手格好が悪いと見るや字牌を絞りに絞ってやがる……)

一見すれば臆病な麻雀に見えるかもしれないが、実は咲の下家、つまり親のメイドαがピンズの混一をしていた。

(ピンズは限界まで押さえておこうかな……)

 

 

メイドα

 

 

112456799p東東発発

 

この手、確かに高い手ではあるが、咲が東発どころか3ピンすら押さえているので実質和了目ゼロ……咲の繊細な打ち回しが光る。

しかし、苦しいのは咲も同じこと。手が戦う形になっていない。

(憧ちゃんは789の三色を目指している……両脇のメイドさんも字牌が高いし、ヤオチュウハイは無条件で打てないね……)

ちらっとメイドβの河を見る。憧には白と何かのシャンポンというところまでしか解らなかったが……

(多分、白と一ワンのシャンポンだね)

そうと言える理由が二つあった。まず、咲は憧の手に一ワンが一枚も無いことを看破する。咲は、憧が白を引いた時点で回し打ちしたと解っているのだ。そうなると聴牌形は必然的に白を頭にする形になる。一ワン頭は無い。加えて……

(三色とソウズの一通の両方を考えて打ってたのがバレバレだよ……聴牌形も二択に絞れるし、面子としても一ワンは一枚も抱えてないね……)

メイドαについても、ピンズの混一を目指している以上一ワンを持っていないのも明らか。一応、ブラフで抱えている可能性もあるが……

(私のピンズ色に反応し過ぎだよ……一ワン持ちは無いね)

となると、メイドβ以外の全員が一ワンを持っていないことになる。この巡目で河にも無いことを考えるとメイドβが抱えている可能性が高い。つまり、メイドβの当たり牌は白と一ワンのシャンポンだというのが咲の推理だった。

(それにこのメイドさん、出和了期待みたいだしね)

少し長考する咲。

(となると……普通はリーチしたら出和了が期待できない牌、マンズのチュンチャン牌が大通りだね……)

咲、打7ワン。

 

 

(おいおい……あの子、二人聴牌にあんな牌を通しやがったよ……)

(バカなの……?)

咲の思考に追いつけないギャラリーは困惑してしまう。仮に一点読みだとしても、安牌の西を先に切らない理由が見当たらなかった。しかし、その理由は終盤明らかになる。

 

十三巡目……

 

 

メイドα

 

 

12345679東東東発発

 

 

(よし張った!リーチかければ親倍の勝負手……)

あの後、このメイドはあろうことか、咲が二枚握りつぶしていた三ピンを山からツモってきたばかりか、自力で東を暗刻にしたのだ。

「リーチ!」

ためらいなくリーチをかける。こうなると憧と咲の二人は厳しい。憧は聴牌しているとはいえ、待ちが悪く手も短い。咲に至っては聴牌すらしていないのだ。

 

 

咲 手牌

 

 

1199m33778p東西発発中

 

 

「この手、お前なら何切るよ?」「親がピンズ混一してるし、西打った後は9ワンの対子落としか?」「それとも七対一シャンテンだし7ピンの壁を信じて8ピン切り勝負か?」

 

 

 

後ろでギャラリー達が好き勝手騒いでる。が、咲からすれば悪い冗談にしか聞こえなかった。

(西打つのは良いとして、親倍を和了されたらどうするの?それに8ピンは親の本命だよ?)

どうせ終盤には親リーがかかる。そう見越していた咲は安牌にしていた西を切り出した。

 

 

(そうか……!このタイミングで安牌の西を切るのか!)

(無理に和了に向かおうとしなかったのが効いてるね……)

 

 

ざわ……ざわ……

 

 

しかし、次巡。またしても予期せぬ事態が起こる。

(うん……まさかこうまで当たり牌を引かされるとは……流石に予想してなかったよ)

最後の当たり牌、白を引かされた。

こうなったらもう降りるしかない。しかし光明もある。少なくともこれで憧の手が白単騎と確定したのだ。今まで切りきれずにいた9ワンが通る。

(固いな、この子。リーチ二人の危険牌を引かされてるのにかわしきってるよ)

(あんたなら8ピンで振っちゃうかもだったのにね)

(うっせえよ)

 

 

しかし、こうなると辛いのは憧である。

 

 

789m123789p白5p

 

 

 

(くっ……危険牌!)

今まで運良く安牌を引いてきたが、遂に死神の手を掴んでしまった。引いてきたのはド真ん中の5ピン。憧の目から見ても、親のメイドαは18000相当は張っているのが見えている。ピンズの混一にこの牌は通しにくい……

(最悪のシナリオは親に打ち込むこと……なら!)

ならばと、憧は今まで止めていた白を切り出した。メイドβの手は高くついてリーチ白ドラ一まで。ならばと思っての差し込みだった。

白を河に捨てる。当然メイドβから発声が挙がる。

「ロン。リーチ白で……」

しかし、

「たしかダブロンは有りでしたね……」

全く予想していなかった所からも声が聞こえた。

「えっ……嘘!?」

 

 

1199m337788p発発白

 

「七対子ドラドラで6400」

(嘘!?聴牌気配なんてあった!?)

この局、咲は危険牌を極力避けるような打ち方をしていた。当然和了には向かっていないと思っていたのだが……

「メイドさん達の方が手が良さそうだったからね。無理な聴牌しないで良かったよ」

笑いながら牌を卓の中央に流す咲。が、実態はそれほど安易なものではない。

咲も最悪のシナリオを親が跳ね満、倍満ツモすることだと考えたところまでは憧と一緒なのだが……

(この手じゃ流局までは行けないかな……)

そう悟ると、9ワンには手をつけず8ピンを対子にして七対子を目指したのだ。咲が犯した危険はただ一度、生牌の東を切ることだけ。対して憧は振り込み前提の白切り。地力の差が既に現れ始めていた。

 

東二 親 憧

ドラ東

 

 

24678m234p239s東東北

 

 

超が付くほどの好配牌。鳴けば問答無用でダブ東ドラ三で暫定トップに立てる。しかし、憧が第一打で9ソウを切った瞬間……

「ポン」

咲が鳴いた。打 一ワン。

(今度は咲が動いた!染めてる?)

しかし、

「チー」

今度はピンズの一ピンを鳴く。

(染めてない?じゃあ、チャンタ?)

そう思って6ピンを切ったのだが、それは当たりだった。

「ロン。一通ドラドラで3900」

 

 

45789p東東

ポン 9s

チー 123p

 

 

(片和了一通……!東を鳴くっていう考えは無いの!?)

確かに出にくい東だが、ハナから頭と決めて打つのはやり過ぎではないか。そんな疑問が首をもたげる。幾ら鳴き麻雀が得意とは言っても咲程にフットワークを軽くする事は出来ない。

(……って呆れてる場合じゃない!もう一万以上点棒が消えてた……!)

よくよく考えてみれば今のところ、咲しか和了っていない。

(何とか一回ぐらいは……)

しかし……

「ツモ。300,500」

またしても咲に和了を持っていかれた。

(南の片和了?三巡目で間2ソウを鳴いたから役牌バックは想定してたけど……)

 

 

789m55p345s南南

チー123s

 

 

どうせ高くなりようの無い手だったにしても、リーチくらいは出来たのでは?

(いや、まだ解らない。咲には親番が残ってる……この人が親をするとなると、絶対にタダじゃ終わらない。咲の強さの秘密は在るはず……!)

オーラス 親 咲

 

憧 配牌

 

 

345678m334p7889s

 

 

(また好配牌……でも、多分咲もこれと同じくらいの配牌は持ってきてるはず……)

今回、ドラは3ピンなので張れば逆転も可能な手だった。

(ツモもいい……鳴く必要は無いかな?)

そして、6巡後のこと。

 

 

憧 手牌

 

 

23456789m333p88s

 

 

(やった……一通ドラ三聴牌。高めならリーチで跳ねるから両脇からの出和でも逆転出来る……!)

後ろで見ていたギャラリー達もざわざわ空間を作る。一方、咲はと言うと……

 

 

117m2389s東西発発中中白

 

 

 

 

(手が重いな……)

(この子、和了してる割には配牌やツモがついて無いね……)

(多分この中では一番上手いんだろうけど……)

軽い手でいい時に限り、咲の手は重かった。役牌が鳴ければ早そうだが……

そんな時、メイドβが発を切る。が、咲はこれを鳴かない。

(なにしてんの!?せっかくの役牌だよ!)

思わず近くにいた制服姿の女子高生が咲に囁く。

(全く……これだからニワカは……)

しかし、咲はニヤリと笑っただけだった。

次巡……

 

 

117m239s東西白発発発中中

 

(おや……?)

更に2巡、

 

117m23p東白白発発発中中

(んん?)

更に数巡後……

 

 

1117m白白白発発発中中中

 

 

(ニワカァァアアア!?)

まさかの四暗刻大三元聴牌。そして……

「カン」

一ワンを暗カンする。

(うっそ!?高めが全滅した!逆転するには裏ドラ条件に……)

しかし、もう既に手遅れだった。咲の手が倒されたのと、三人が箱割れしたのは同時だった。

 

 

「ツモ、嶺上開花。確か四暗刻単騎はダブルでしたよね?48000オールです」

 

 

その、あまりにも綺麗な手に、場が一瞬静まり返る。が、直後……

「フォォオオオオ!?」

「なんでトップ目の親がそんな手作りするのよおおお!?」

「お陰で今週もタダ働きじゃない!」

おいおい。賭け麻雀じゃないんだから……

皆、思い思いに叫ぶ。しかし、この場で一番ショックを受けているのは憧である。なぜかって、それは……

 

 

「ねえ、なんで私いきなりラスボスと麻雀打ってるの?」

 

 

 

何の説明、どころか導入すら無しに咲と麻雀を打つ羽目になったからだろう。例えるなら訳も解らないままに赤木(神域)赤木(狂気の沙汰)赤木(ショタ)の卓に座れと言われた時くらいに絶望感が半端ない。

なぜそんなことになってしまったのか……それは

 

 

極めてテクニカルな判断により(面倒くさいから)次回に持ち越し……

 




お久しぶりな方は「お久しぶり」と言うことで……
ひっそりと憧咲のssを書いていたら、いい具合にストレスが発散出来ました。(晒してはいないので、同時期に憧咲を書かれている方がいても、それは私ではないので悪しからず)
気分が一新したところで、ここからもう一回始めてみようと思います。完結までに一体どれだけかかるのか検討もつきませんが……
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