お前もニフってる?   作:HLNF会長

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第六話 悲願成就は突然に①

 

 

 どくしゃのみんなは、おれが、このいっかげつかん、なにをしていたのか、きになっているだろう。

 

 ヒック!

 

 うーんんん、しかたないなぁ。とくべつに、おしえてあげよう。

 

 ヒック!

 

 

 

 

 

………

……

 

 

 

 

 

 俺が腐った牛乳を新入生にひっかけられた日から、一週間くらい経った日のことだ。

 俺は黒い湖で水浴びをした後、庭の草の上で赤と白のストライプ柄のニフラー用デッキチェアを広げ、その上で日光浴をしていた。その日は雲の少ないきれいな晴れの日で、夏のサンサンの日差しが俺の湿った毛並みを照らしていた。

 俺はサングラスをかけると、袋の中からニフラー専門カタログを取り出す。

 丁度ニフラー用のスイーツの特集が組まれている。

 しかし、頭に思い浮かぶのは別のことばかりで、俺の視線はカタログの文字の上を滑っていた。

 

 この時何を考えていたのか。

 実は、腐った牛乳のことではなかった。

 俺が考えていたのは、みぞの鏡のことなのだ。

 

 ん? 例の悪戯小僧はほっとくのかって?

 

 うーん……まあ、普通にムカついたからな。こないだバナナでスっ転ばせたぜ。

 

 ん? 四十倍返しをしなくていいのかって?

 

 うん、そうだな。現時点で俺はそんな動かなくていいかなと思っている。

 

 なんでも去年、マーカス・フリントとかいうスリザリンの輩が俺に絡んできたとき、どうやらニンゲンたちの間でいろいろと復讐を済ませたようなのだ。

 

 前から俺が世話んなってるスリザリンのボンボン、みんな覚えてるかな、俺に高級な靴箱とか、最近ではお菓子のオブジェを贈ってきたやつらなんだけど。そいつらがすばやく暗躍して、噂を漏れ聞いた俺でもドン引くくらいの制裁を加えていたらしい。俺が「処しますが、いいですか?」みたいな手紙を貰ったときに、「よきにはからえ」って返事を出したからかもしれない。

 

 そんなワケで、俺まで本気出しちゃうと泣きっ面に蜂というか、死体蹴りになっちゃって可哀想だ。

 そもそも俺って恨み辛みはぜーんぶ寝たら忘れるから、復讐とかあんま向いてないんだよねェ。

 ニンゲンどうし勝手に済ませてくれるとラクでありがたいぜ。

 

 おっと、話を戻そう。哀れな新入りスリザリン生のことは置いておいて、みぞの鏡のことだ。

 

 みぞの鏡。お前らは覚えてるか?

 昨年度、俺が深夜に鏡を見たらのっぺらぼうが出てきたっていう、学校の怪談じみた出来事があったんだけども。

 あの夜から俺、ちょっと考えてたんだぜ。

 自分が本当にやりたいことは何か……ってな。

 

 

——— 「私は将来、スクイブ向けの魔法薬学の本を書く。とても分かりやすい代物をだ。どれだけかかっても、私の命が尽きる前までに書き上げる。私と同じような無力感を感じているスクイブにとって、それは希望を与えるものになるはずだ。魔法が苦手な魔法使いにとっての、この本のように」

 

———「将来私と一緒にその本を書こう。印税は二人で山分けだ。著者は“魔法が使えない同盟”として」

 

 

 フィルチに言われた言葉だ。

 正直グッと来たぜ。俺と出会ったときはただ無気力で、魔法や魔法使いに恨みを募らせていたフィルチが、やっと自分のしたいことが見つかったんだ。生きる意味、っつーの? そういうのをしっかり持った人間ってやっぱ輝いて見えんだな。その夢に誘われたんだから、俺としてもワクワクしないわけにはいかねーってもんだ。

 

 ……ワクワク、しないわけねーんだけどなあ。

 

 サングラス越しのお日様に目を細める。なんだかヘンな感じだ。俺の性格だったら、絶対張り切る気がすんだけど。

 そこで俺は考えた。俺のやりたいことが他にあるんじゃねーかなって。

 そんで色々考えたんだ。なんでのっぺらぼうが鏡に映ったのか。

 

 多分俺ってさあ、人間になりたいんだよな。

 

 だから最近は、変身術とか魔法薬学の本を調べて、どうにかニフラーから人間になる方法はないか考えてる。

 俺はパタンとカタログを閉じて、目をつむった。最近はハリーたちとも喋る気分じゃなくて、一人こうやってつれづれなるままに過ごしていることが多い。

 

「あ、ロミオだぁ~! 日光浴してる?」

「やっぱキュートよね、ロミオくんって」

「うんうん。頭もいいし!」

 

 偶然、俺の耳が遠くで女子生徒がキャッキャと騒ぐ声をキャッチした。でも俺の心はぜーんぜん踊らない。

 なんだろう……もう“聞き慣れちゃった”……んだよね。

 俺はフッとニヒルに片方の口角を上げて、仰向けに空を見たまま足を組んだ。

 

 あーあ、ニフラーってのはサ……強欲な生き物だよな。

 最初は嬉しかった歓声も、今じゃすっかり日常の一部だ。

 俺は先ほどのニフラー用スイーツカタログをしまい、ヴィンテージ・カーのカタログを開いた。指に何個か金色の指輪をはめる。そして先ほどの歓声の方を振り向いて、サングラスをチラッとずらすと、さらに大きな歓声が破裂した。

 

 フッ……ホグワーツ界のジョニデとの異名を賜るスターたるもの、ファンサービスには手を抜かないのだ。

 俺はまたまたデッキチェアに背中を預けなおし、目をつぶった。

 ピチュピチュと鳥の鳴く声や、風に撫でられてサワサワと揺れる風の音、黒い湖のイカに跳ね飛ばされるグリフィンドール生の悲鳴が聞こえる。今日も相変わらず平和な日常ってカンジだ。

 

 そんなことを考えていたら、俺を覗き込む大きな気配を感じて、俺はパチリと瞼を上げた。

 

「やあ」

 

 にっこりとチャーミングに白い歯を見せながら、ギルデロイ・ロックハートが俺を見下ろしていた。

 なんの用だ? こいつ。

 サングラスを上げてじーっと見ていると、ロックハートはしゃがみこんで、俺を片手でひょいと持ち上げ、自分の手のひらの上に乗っけた。

 

「ロックハート先生だ!」

「今日もホントにステキ。個人授業してくださるなら私いくらだって課題出来るわ」

 

 こそこそと囁く声が聞こえて、俺の耳がぴくぴくと動く。

 

「先生って、笑顔がとっても()()()()よね」

 

 俺はバッと声の方向に振り返った。少し離れた木陰で、二人のレイブンクロー生が目をハートにしながらこちらを見ている。ロックハートが太陽光を白い歯にキラキラ反射させながら手を振ると、二人はキャッと言って手を振り返した。

 

 ()()()()()()()()()()()ですって?

 

 頭を殴られたような衝撃に立ち尽くしていると、ロックハートは得意げな笑みで口を開いた。

 

「ええ、ええ。君の気持ちはよーく分かりますとも。意思疎通の出来る珍しいニフラーだから、随分と注目を集めていたと聞いていますよ、ロミオくん。しかしね」

 

 ロックハートは気取ったように人差し指をピンと立てて、俺のくちばしを小突く。

 

「この私がホグワーツに来てしまったからには、君にあてられたスポットライトを、どうしても私が奪ってしまうのです。そのことを伝えにやってきました。なるべくショックは軽くしてあげないと、可哀想ですからね」

 

 あんぐりと口を開けたままの固まった俺を見て、ロックハートは憐憫の眼差しのまま眉をしかめた。

 

「でも、もう大丈夫ですよ」

 

 悪戯っぽくロックハートがウィンクをする。

 

 「君の飼い主、ハリーくんにも先ほど話をつけてきました。ハリーくんと一緒に私の背中を追えば、きっと君も再び人気者になれるはずです」

 

 ロックハートとまともに話したのってこれが初めてだ。こいつって元からこんなぶっ飛んだ奴だったのか?

 そしてだんだんと腹が立ってくる。

 ホグワーツで一番キュートなのは俺なんだが? 俺が世界で一番かわいいんだが?

 俺が凄まじい形相でロックハートを睨みつけていると、なにやら先ほどの女子生徒たちが身を寄せ合って囁いている。

 

「ねえ、ロミオとロックハート先生の組み合わせ……なんだかとっても“良”くない……?」

「わかる。なんだか二人合わされば可愛さが百倍って感じ」

 

 俺とロックハートは顔を見合わせた。

 

「人間とニフラーの組み合わせって、超()()()()!」

 

 イエス・フォーリンラブ。

 そんな擬音が付きそうなほど、俺たちは揃ってキメ顔で女子生徒たちの方を振り返った。

 俺たちは将来、魔法界きっての伝説のユニットになる。

 そう、心の中で確信しながら。

 

 

 

 

 

 

 

「いやあ、ロミオくん。今日はいい天気ですねぇ」

 

 ほんとだなあ、ギルデロイよ。

 あのあと、ホグワーツの中庭をギルデロイの肩にのって歩いていたときのことだ。丁度俺たちは、城から出てきたスネイプとばったり会った。

 

 スネイプはまずギルデロイの顔を見て思い切り顔をしかめた後、肩に乗っている俺を見て、信じられないものを見るような顔つきになった。そして俺とギルデロイの顔を交互に見て、まるでこの世の死神がいっぺんにやってきたかのように、土気色の肌をますます青ざめさせながら口を開閉していた。

 うーむ、可愛さだけでなく、恐怖も百倍らしい。

 俺は顎に手を当てながら唸った。

 ハリーのQOLを上げるためにも、ぜひスネイプとは仲良くなりたいとこなんだがよ。なんか随分と心の距離が開いちゃってるような感じがするぜ。

 

「やあ、いい天気ですね、スネイプ先生」

 

 そんな俺とスネイプの心境を踏み倒すように、ギルデロイはスネイプにズカズカと近づいていった。スネイプは一瞬後ずさりかけたが、ぐっとこらえたように見えた。そして「ロックハート先生」と苦虫を嚙みつぶしたように返答した。

 

「ああ、ロミオくんですか」

 

 スネイプの視線の先を辿ったギルデロイは得意げに微笑んだ。

 

「私たちはね、どうやら美意識の面で随分と気が合うようなんです。言い換えましょうか? 私……ギルデロイ・ロックハートと同じような“有名人”としての心構えが彼にはあるようでしてね。これから有名人同士、彼と私の部屋で紅茶でも嗜もうと思うんです。スネイプ先生もいかがですか?」

 

 スネイプは俺に強い視線を送ってきていた。まるで、「そんな奴だと思ってなかったぞ」って感じだ。

 スネイプが俺のことをよく思っていなかったのはまあ若干察してたけど、まさか俺がギルデロイとつるみ始めるなんて思ってなかったに違いない。俺はギルデロイに気付かれないようにちょっとだけ肩をすくめた。

 だってこいつおもしれーんだもの。

 

 スネイプとギルデロイが立っていたところに、丘の方から生徒がクィディッチの練習着を着た二人おぼつかない足取りで歩いてきた。一人が顔を俯かせていて、もう一人がその生徒を支えている。奇しくもどっちも俺が見たことあるやつらだ。ドラコ・マルフォイとマーカス・フリントじゃねーか。フリントは俺の存在に気が付くと、なんか体調が悪くなったらしく、マルフォイと同じようにえずき始めた。

 スネイプは俺の視線の先に目をやり、二人を認めると血相を変えて駆け寄った。ギルデロイや俺もそれに続く。

 

「どうした、誰にやられた?」

 

 スネイプが問いかけた。マルフォイの口からナメクジが飛び出ている。フリントは口元に拳をあてて体調を落ち着けた後、口を開いた。

 

「あの卑怯な———ロナルド・ウィーズリーです。ナメクジの呪いをドラコにかけやがったんです」

 

 俺の方をちらちらと見ながらフリントは言った。

 そういやそんなこともあったな。確か本来なら、ハーマイオニーにひどいことを言ったマルフォイにロンが呪いをかけようとしたけど、ロンの杖が折れててそれが逆にロンにかかっちゃったやつだっけ。

 でもロンの杖は今のところ折れてないから、それが正当にマルフォイにかかったんだろう。ざまーねーぜ。

 

「可哀想に。私が治してあげましょう!」

「結構」

 

 ギルデロイの申し出はスネイプにあえなく却下された。 

 

「医務室に行く前に聞いておく。ウィーズリーはどこにいる」

「……クィディッチ競技場」

 

 ナメクジを二匹吐き出しながらマルフォイは息も絶え絶え言った。

 マルフォイとフリントが二人とも顔色悪く城に入っていく。こりゃどっちもマダム・ポンフリーのお世話になりそうだぜ。それを見届けるや否や、スネイプはつかつかとクィディッチ場の方に足を進めていった。

 

 おし、俺も行くか!

 

 俺はギルデロイの肩から滑り降りて、スネイプの後を追った。ギルデロイが困惑気味に声を上げていたけど、また後でな! 今はちょっとこっちが先だ。

 

 

 

 

 

 スネイプと俺がクィディッチ競技場に着いた時、グリフィンドールとスリザリンは一触即発という感じだった。フレッドとジョージはスリザリンのチームに飛び掛からんばかりだったし、スリザリンはスリザリンでマルフォイの呪いの件で激怒しているらしかった。一方でグリフィンドール・チームの隅では、ハリーとハーマイオニーは困惑したように論争を眺めている。

 

「この騒ぎはなにかね」

 

 スネイプが冷ややかに言葉をかけて、みな動きを止めた。グリフィンドールの生徒たちは悔しそうに顔を歪め、スリザリンの生徒たちは途端に勝ち誇ったような表情に変わった。

 

「このコートは、我輩がスリザリン・チームのために特別な許可を与えていたはずだ。なぜグリフィンドールの選手たちがいるのかね?」

「それは、」

「加えて、我輩の聞き間違いでなければ、ウィーズリーがミスター・マルフォイに呪いをかけたと聞いたが」

 

 食ってかかったフレッドがほぞを噛んで、スネイプはフンと鼻を鳴らした。

 そして、グリフィンドール・チームに冷徹な宣告をしようと口を開きかけたとき、ハーマイオニーが勇敢にもそれをさえぎった。

 

「待ってください」

 

 スネイプがハーマイオニーに目を向けた。

 

「ロンは私のためにやってくれたんです。マルフォイが私に暴言を吐いたんです」

「だからといって———」

“穢れた血”って」

 

 スネイプが動きを止めた。そして奥歯を噛んで、唾を飲みこんだ。明らかに動揺している。スネイプの様子を目ざとく観察していたハーマイオニーはさらに言葉を続けた。

 

「どういう意味なんですか? 魔法界のスラングだということも、それが悪い意味の言葉だということも分かります。でも、私はその意味を知りません。先生、教えてください」

 

 ハーマイオニーの瞳には勝気な炎がめらめらと燃えていた。

 

「ねえ、“穢れた血”ってどういうこと? 先生の代わりに説明してごらんなさいよ」

 

 言葉を失ったスネイプに好機を覚えたのか、ハーマイオニーがスリザリン・チームにも詰め寄った。ハーマイオニーの眼光に貫かれた者たちはみな閉口する。グリフィンドールの生徒たちも、その剣幕にあっけにとられたように黙っていた。

 

「じゃあ、ダンブルドア先生にお聞きすればその意味が分かるのかしら? だって、誰も教えてくれないものね! みんな喉にナメクジでも詰まらせてるみたいに!」

「もう十分だ」

 

 ようやくスネイプが口を開いた。

 先ほどのショックからいまだに立ち直れていないのか、その表情は乏しい。しかし冷たい声色をしていた。スリザリン生は期待に満ちた眼差しをスネイプに向けていた。

 スネイプはハーマイオニーから視線を外して、ロンに鋭い眼差しを向けた。

 

「このホグワーツではいかなる理由でも他人に危害を加えることは許容しない。ロナルド・ウィーズリーには罰を与える。ミスター・フィルチがトロフィールームを掃除する人手を欲していたはずだ。手伝いたまえ」

 

 ロンはホッとしたように険しかった表情をやわらげた。フィルチは顔見知りだしな。多分この際ホットチョコレートをご馳走になろうとでも思っているんだろう。

 でも、俺はちょっとスネイプに失望したぜ。こいつなんも変わってねーのかって思ったんだ。

 しかし、俺の予想とは反して、スネイプは鋭い視線のままスリザリン・チームの方に目を滑らせた。スリザリンの選手たちは、ピカピカのニンバス2001をぎゅっと手にもって緊張した面持ちでスネイプを見ている。穏やかでない雰囲気であることを察したらしい。

 スネイプは眉をひそめた。俺には言葉を選んでいるように見えた。

 

「スリザリン・チームには二週間、競技場の使用を禁止する」

 

 スネイプはそう吐き捨てると、くるりとマントを翻して立ち去って行った。拒否の言葉を受け入れない態度であって、反面、自分の表情を見られたくないような素振りでもあった。

 

「じゃ、帰れよ」

 

 攻勢が一転して、ジョージが大声でスリザリン・チームに迫った。

 グリフィンドールの選手たち全員に睨まれながら、すごすごとスリザリンの選手たちが帰っていく。そしてこの場にグリフィンドールの人間のみが残ったとき、みんながドッと沸いた。

 

「スネイプ、なんだあいつもやるじゃん!」

「いや、結局減点してないでしょ、あれ。グリフィンドールだったら五十はされてるよ」

「自分も結構な暴言吐いてるしね。ダブスタ過ぎない?」

 

 口々にみなが喋り始める。その輪の中心は無論ハーマイオニーだ。ハーマイオニーは顔を上気させながら、パタパタと手で首を煽っている。

 

「“穢れた血”の意味は知らなかったけど、みんなの言い合いでおおよその内容は考え付いたの。だから、スネイプの口から言わせようとすれば、スリザリンの生徒たちも迂闊に手が出せないんじゃないかと思って!」

 

 ハーマイオニー、去年から感じてたけどかなり演技派に仕上がっていたらしい。ロンはにやにや笑いながら、「フィルチさんとの罰則なんて楽勝だね。それに引き換えナメクジマルフォイだろ? だいぶ得したよ」とハリーに話しかけていた。

 

 俺は問題なさそうだな、と頷いて、その場から立ち去った。

 元来た道を引き返すと、丘を歩いているスネイプの後姿が見える。俺は走ってそれに追いつくと、横に並んで歩き始めた。スネイプの歩幅に合わせるから、ちょっと小走りだ。

 

 ふふふ。お前もいいとこあんじゃん。

 

 俺がにこやかな顔で見上げると、俺に気が付いたスネイプはギョッとしたような顔をした。

 

 今のコイツとなら、なんだかんだ上手くやれそーだぜ。

 

 スネイプは杖を懐から出した。

 

 うん? なにすんだ?

 

 そう思った次の瞬間、俺の身体は宙に浮いて、草陰の方にぽーんと放り出された。暗転。俺の視界を緑の草が覆いつくす。

 

 なにすんだオメー!

 

 俺はがさがさと草をかき分けて顔を出した。頭の上に葉っぱがのっていたので、振って払い落とす。スネイプの方を見ると、常軌を逸した早歩きで城の方に向かっていた。追いつくのは難しそうだ。

「このホグワーツではいかなる理由でも他人に危害を加えることは許容しない」じゃなかったのかよ! これだからダブスタは!

 俺はそこまで考えたが……そういえば他()()とは言ってなかったな。

 

 そう納得しかけたが、いやいやいや、と首を振る。

 ニフラーの安全なんて、人間よりも優先されるべきだ!

 

 HLNFをけしかけてやる~!!!!

 

 ———そんな俺の叫びは、のどかなイギリスの空に消えていったのであった。

 

 




ギルデロイ・ロックハートがロミオとユニットを組みました。
これでこの先十年のチャーミング・スマイル賞は俺らのモンだぜ~!
次週!(次週とは言ってない) 衝撃の新展開! 乞うご期待!

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切実に燃料をください。エタる確率が低くなります。沢山の感想ありがとうございます。感想をください。私の主食です。
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