はい!こちら『愛に溢れる探偵事務所』です! 作:枯華院 清日
人探し、と一様に言っても本質は様々。
警察に捜査を頼む場合、現在は行方不明者届(古くは捜索願)を提出する必要がある。これは事件性の薄いもの、借金の夜逃げや成人の家出など本人の意思で家から出ていった件で受理される。
「警察には届けを出しましたか?」
「はいぃ、でも、事件性が無いからって……」
「何か……そうですね、携帯電話や財布が家に置いてあったりはしましたか」
最も事件性がある、と判断され易いものは身近な貴重品を持ち出しているか否か。財布や家・車の鍵、通帳に印鑑、携帯電話等々が自宅にあるかどうか。
火急の用件で家を出てそのまま帰ってこない、そのような場合でもないなら自宅に置いてある方が不自然な物品が放置されている時。
そして行方不明者本人が未成年者・認知症・重篤な既病歴・事件事故・自殺の恐れ。これらを含む場合は特異行方不明者として捜索願が受理される。
「いいえぇ、あの子の貴重品も、無くて」
「そうですか……」
成程、どうも事件性が低いと判断されるであろう状態のようだ。貴重品が持ち出されているのなら、いわば計画的な家出に他ならない。出先を告げずとも、帰宅の意思は無い事が明白だと捉えられる。
どうするべきか。何もかもが不明という訳でもない。もう少しばかり何が残されているかを尋ねれば、手掛かりも出てきそうな感覚もある。まずは先立つ物の話をして切り口を変えた方が良いだろうか、そう考えて話を向けた。
「……金銭的な問題になりますが」
「えぇ、はい、いくらでも出しますよぉ。相場もぉ、知り合いに、聞いてきましたから」
「それはそれは」
着手金と依頼料について聞きもせずに頷くとは、濡女である浜姫という女は裕福なのだろうか。下手に金を持っているのはむしろ、それがかえって厄介な事になる場合が多い。
捜索対象は双子の弟、後で具体的に聴くつもりだが口振りから推察するに同居もしていたのだろう。つまり普段の稼ぎは同等かもしれない。貯金額もそこそこあるのなら、当然移動範囲は広くなる。万が一飛行機に乗って海外に出てしまっている、となれば見つける事が非常に困難なケースとなる。
そしてもう一点、探偵の料金に詳しい知己が存在するというのも留意すべき事項だろう。捜査の手法は知らないとしても、下手は打てない。もっとも犬飼としては最初から失敗するつもりも無い。
自身の浮かべる水滴に尚も負けじと、瞳に潤いを持たせて浜姫が問い返した。
「依頼を、受けて、もらえるでしょうかぁ?」
「…………」
依頼を受けるか否か。結論を待つ言葉の前、そのような事柄を少しばかり考えて、犬飼は……。
「受けましょう」
「あぁ、やったぁ」
忙しくなる。それだけで済めばいいが。
探偵事務所の長は、薄く、しかし朗らかな笑いを浮かべる目の前の濡女に対して、先程感じた嫌な予感を拭い切れないままに持ち込まれた人探しを承諾した。
「あっ、すみません、ちょっと電話がぁ……」
「どうぞ。一階のエントランスでお話ください」
朝も早い。仕事の電話だとしても不思議ではない、押っ取り刀でここまで来たとすれば、社会人としての礼節を忘れていたとしても何ら不自然でもなく。
事務所に常備してある茶請けの菓子と、来客用の温かな緑茶、それと所長用に拵えたぬるい茶を片手に探偵事務所の雑用、その一人がにこやかに顔を出す。
依頼人が居た時には、気配を消して事務作業をしていたのだろう。普通の探偵業務、これが嬉しいと言わんばかりに晴れやかな笑顔を浮かべている。
自身がそれはもう厄介極まる状態だというのも忘れてしまったのか、今は先刻までの名前に相応しくない表情の翳りもどこ吹く風だ。
「お茶っす、いつも通りぬるめで!」
「ありがとう」
「それと契約書と同意書……朱肉も必要っすかねぇ。あの人、印鑑持ってきてんのかな」
「契約書は後日でも構わない、これから根掘り葉掘り聞く事も多いからな。額面の金額や契約の細かな部分を話して断る場合もあるだろう」
「ま、そっすねぇ」
意外と大金だし。と一旦会話を閉じるのは當真 太陽。つい一昨日までは確実に男子高校生だった、探偵事務所の雑用アルバイト。今は『噂』の影響によって、誰がどう見ても男子であった面影はない、見事なまでの女子となっている。ことりことりと静かに湯呑みを二つ置くのも手慣れた様子で、容姿が変わろうと身体の勝手は大きく変わらないらしい。
目下、彼を男性に戻す為に皆が動こうとしていた矢先の依頼。されども断る訳にもいかない、こちらの都合はこちらだけが煩悶すればいい。依頼人は依頼人で心労を重ねているのだろうから。
太陽が茶の後に持って来た署名の無い契約書に不備が無いかを確認しつつ、犬飼は持ってきて貰ったぬるい茶を有難く啜りながらそんな事を考えた。冷房で湯気が目立たないお茶は、一口飲む度に眼の角度が鈍くなるような穏やかな味をしていた。
「しっかし、この手の仕事の時毎度思うんですけど、何で出て行くんですかね? 双子だっていうなら腹割って話せば嫌気が差したり何かしらの問題が起きても、協力して解決しそうですけど」
「ふっ……まだ青いな」
「……そうですかね、まぁ……そうっすね」
「そう言われてキレねーのはお前のイイトコだにゃ」
「環」
「素直が取り柄っすよ、俺は!」
その揶揄うような言い方を、犬飼が少々諌めるように名を呼んだ探偵事務所の代理を務める女……化猫の環がふらりと窓から戻って来た。
依頼人が入室する直前まで居た元従業員であり来客の千々石を見送っていたのだが、本当はとうに見送りを終わらせて外をふらついていたようだ。その証拠に近くのコンビニエンスストアの袋を片手にぶら下げている。中身はビールとおつまみ、朝に晩酌でもする気かと疑われるセットだ。無論、止められない限り飲酒をするつもりである。妖怪に社会通念や常識は通用しないというか効かない、これはもう無敵といって良い。
「近い知り合いだからこそ、遠慮とか信頼を気にして言えない事って多くなってくんだよ。おめーもそのうち歳取ってくれば嫌でもわかる。でもアタシたちにはそんな事ないけどね!
ね、主人?」
「…………」
「急にマジな惚気が始まった!?」
惚気を言うが早いか、コンビニの袋を太陽ではないもう一人のアルバイトに渡して、飼い主である犬飼の首に抱き着く環であった。いわゆるあすなろ抱きである、どことなくトレンディな空気が夏の日射しよりも鬱陶しい。
化猫らしく、彼女は猫でありながら人間の姿に変化しているので、傍目からは結構な歳の差の恋人か夫婦が職場で人目も憚らずにイチャイチャとしているようにしか見えない。底抜けの笑顔で軟体生物もかくやの絡みつき具合いだった。
「…………」
だがそれが事務員兼受付の自称清楚人形の逆鱗に触れたッ!!
発言のピンク具合もおぞましいメリー・フォンセルランドは、他者がキャッキャウフフとバカップルの気配を漏らすのを嫌っている。これは独り身の僻み、あるいは嫉妬。もしかすると憎悪かもしれない。
メリーは静かに、ゆっくりと。猫のくせに飼い慣らされた犬どころではない飼い主好き好きオーラ(笑)を放つ環の影にぬるりと寄り添い。
「たーまきっ」
「あ?」
「せぇいっ!!」
「ぬぁぁ!? 何すんだおまっ、冷たっ! 湿ってる、っていうか濡れてんじゃん!」
「メリー……」
「マジっすかフォンセルランドさん、ドン引きだよ」
男の嫉妬は見苦しいが、女の嫉妬も醜い。
正しく首根っこを軽々と掴む様は、親猫が子猫の首筋を噛んで持ち上げるが如し。そのまま人外らしい際限の無いトンデモパワーを以って、環をついさっきまで濡女が座っていた、フレンチトーストも恥じらって自主的に焼かれる程の水分染み込みソファの座面へ力任せに放り投げた。
一応の事として、猫であるが故の身軽さを知っているので怪我はしないだろうと考慮はしてある。だがそれはそれとして、猫らしく不随意に体が濡れるのを嫌がる事も知っている。互いを知るからこそ効果的な嫌がらせを考えつく。端的にかなり陰湿と言わざるを得ない。自称清楚はもちろん他称ではない、客観と主観は混ぜないようにするべきだ。
「サイアクぅ〜……ドライヤーで乾かさなきゃじゃん」
「ケッ! ぺっぺっ、発情期かっていうんですよ猫だけに。所構わずベタベタし腐るとかそういうのは春だけにしてください、あーやだやだ!」
「独り身の妬みは嫌だにゃあ〜」
「アーッ! 言ってはならない事を!!」
「ホントの事じゃーん?」
「ふぐぃぎぎぎ……!」
「うーわ始まった。所長止めてくださいよォ、依頼人の浜姫さんが戻って来たら心証終わりですって。あんなの見せられたら帰っちゃいますよ」
「ああ……しかしな……」
環がメリーを揶揄ってじゃれ合いに発展するのはわりとよくある事とはいえ、自身が環の抱き着きを抑えなかった事にも一因がある。
そう思うと自分で止めるも悪手、止めないも悪手。にっちもさっちもいかない、むしろ誰かが仲裁してはくれないだろうかと期待してしまう。犬飼はこうした身内での些細なじゃれ合いを止めるのを苦手としていた。白髪が増えるのが先か、それとも今口から漏れ出ているように鈍色を混ぜた青色吐息が増えるのが先か。そう思っていた時。
「環さん、メリーさん」
「んあぁ?」
「どうしましたレイリーちゃん」
「どうしたレイリー……レイリー?」
完全に空気と化していたもう一人のアルバイト、レイリー・ケイスが自分のデスクからそよ風より静かに立ち上がっていた。
そう。彼女は過去のイジメ経験から、空気と同化する術を会得していたのである。これはもしかしたら忍者の才能があるのかもしれないね、とは本人の談。
冗談のつもりで上記の事を言ったが、場が凍った事がある。分かり難い冗談と笑えない喜劇は酸鼻極まる悲劇よりも悲惨ということを理解していないのかもしれない。
そんなレイリーが太陽の背後を取って、何かしようとしている。間違ってもバックスタブや致命の一撃を加えようとはしていない、が。
「月見団子」
「おォ!?」
「ブッ」
「ワーオ!」
「…………」
おお見よ! ご立派の極地と言える太陽の豊穣たる大地、簡潔に述べてHカップから更に成長した胸部を背後から持ち上げて当人の顔に寄せて上げたではないか!
「な、なッ、おまっ何しやがる!?」
「月見団子」
なるほど。どうやら白肌が秘められた豊かな鞠を月見団子に見立てつつ、更に太陽本人の金髪をもって天辺だけが黄色い月見団子と言いたいらしい。
レイリーのジョークセンスは狂っていた。ちなみに黄色月見団子は下部を除いた最上段が夕焼けよりも赤色に染まっている。これでは三色団子、レイリージョークには参ったな!
忘れては成らない事として、太陽は更なる成長をしてしまったので防具はE:ぬののふく だけである。ぼうぐはそうびしないといみがないぞ。
「あっはっ、はっははは!」
「ヒューッ! たまんねえメリねぇ!!」
「…………」
「おまっ、え、何考えてんだ!?」
ジョークの反応はあな恐ろしや。女性陣には大ウケである。精神のみ男性を含めた男性陣はドン引きと羞恥に染まり、これには苦笑いを禁じ得ない。
しかしここで騒ぎを起こした者とそれに乗じた者、巻き込まれただけの者。全員が忘れていた事がある。
「すみませぇん、中座して、しまっ……」
「あっ」
「あっ」
「アハハハ!」
ここに来て依頼人の再エントリーだ。浜姫は用事を終わらせてホッとしたような顔で入室した後、理性を失った治安悪目の女子校が如き光景を目の当たりにして、目を白黒させた。
笑い転げる黒髪の女、盛り上がる女性事務員、胸を鷲掴みにされている金髪の女子、そして遠慮なく持ち上げている女子。所長を名乗っていた唯一の男は見られたくない物を咄嗟に見られた時と同じく、生き胆を抜かれたように顔を蒼白に染めていた。
奇天烈たる場を前に困惑する事を誰も責められまい。
「…………」
「浜姫さん、これは……」
「これはぁ……」
「違います。恐らく考えている事の八割ほどは誤解です」
「ハーレム、ですねぇ?」
「違います」
誤解されるよりも誤解を解くほうが難しい。
犬飼は数十分を費やし、女を侍らす趣味は無いと懇懇と説明するしかなかった。状況証拠の恐ろしさ。それでも俺はやってない、冷徹に見せかけた表情の裏で冷や汗を瀑布のように流しながら、そう声を大にして轟かせたい気分だった。
流石に拙いと判断してか、乱痴気騒ぎ一歩手前の女子四人は咄嗟に事務用机まで引っ込んでいた。そして所長が全力で誤解を解こうとしている様子を隠れるようにして見ていた太陽は、なるほど確かにと思った。
「気にしてなかったけど、そういや男女比ヤバいな?」
「女四人、男一人だもんね」
「い、いたたまれねえ……俺も原因だけどさ」
一昨日前までは太陽も男、なので女三人男二人。女所帯なれど、そういうものか。で済む程度。レイリーが働き始める前は更に男女同数でバランスが良かった。
千々石が働いていた頃はむしろ男三人に女性が二人。局地的に男女比が狂ったとしか言いようがない。女性の活躍する職場です、どころの話ではなくなっている。
「つまり、普通に見たままの感想としては。所長はとんでもないハーレム作成マンということですね、プレイボーイ! むしろ下のタマが遊んでるからプレイボー」
「静かにしろォ……! タマさんがキレるだろォ……!」
「は? キレねーよ」
「えっ」
「えっ」
「何で二人とも驚いてんの」
異様に嫉妬深くキレやすい、この所長代理がキレない? 予想を裏切られた困惑がキレる十代とは縁遠い高校生たちを包んだ。
ふ、と鼻で笑いつつ環が片眉を上げる。
「まっ、正妻の余裕ってヤツぅ〜?」
「大人……!」
「まーあねーえ」
「嘘だァ。同じ偏った男女比だとしても、俺らじゃなかったら気が気じゃなかったでしょうに」
「ま、殺すよね」
「殺す!?」
猫じゃらしがあったら遊ぶ。それくらいの気安さで本気の殺意を漏らす化猫の環である。
とんでもない嫉妬深さを事務所の面々も知らない訳ではない、こういう時こそ触れぬが吉。触らぬ神に祟りなし、藪を突いて蛇を出す、好奇心は猫を殺す。つまりはそういうものである。この場合、好奇心で猫をつつくと殺される、という違いはあるが。
そっと嫉妬猫から視線を外して、何かに思い至ったようなメリーに太陽が視線を移す。
「女で遊ぶハーレムの王……」
「おいヤバい発言する前に考えてからモノ言えよ、放送コードとか時間帯を考えてな。さもなきゃ俺らが連座で社会にひっそりと消されるんだからよォ」
少なくとも裏社会的な刺客は危惧せねばならない、社会の怖い面でなくとも不用意な発言は訴訟リスクがある。それだけは避けたいと太陽は思っていた。
「これぞ遊○戯○王ですっ!!」
「その部分は
「バラせば一般名詞! バラせば一般名詞!」
「懲役か罰金は魂の罰ゲームじゃ済まねえんだよ!」
集英社とは一切の関係が無い。
そういうことにしておいてほしい。
ちなみに太陽が妙にサブカルチャー知識を持っているのは、およそメリーが原因である。
現在のサブカルチャーは、アニメーションや漫画ゲーム等々の一切が中々手を出し難くなっている。理由は政府による規制、いわゆる『噂』対策への一環。野放図に作品や情報を垂れ流されては、どのようなバケモノが生まれるかわかったものではない。
作る側としては紙媒体・影像媒体共に政府からの規制が入っているので発表の機会と場の減少。
享受する側はそもそも余程の熱意がなければ届きもしない。インターネットアーカイブに触れることは資格制になっている。
資格の取得条件は成人であること、資格試験に通ること、一般的な情報リテラシーを持っていること。それぞれ調査・試験・検査を経てようやく……となる。
「っテェン! テレテレッテ! テッテッテッテッテ!」
「首を回してアイキャッチの真似すんじゃねえよ!?」
「あれ、何だかわかります?」
「昔のアニメだにゃあ」
インターネット使用資格を有するメリーは、過去の映画やアニメ等によく触れており、そのまま太陽に横流ししている、ということに近い。あくまでレンタルを利用している為だ。ちなみに漫画も個人間で貸し出しているが、少し古めの物が多い。彼女の情報リテラシーは保証されているとしても、何らかの資質または常識が欠けている気がしてならない。
それはそれとして。
「では契約内容にも合意いただけたましたので、早速情報を元に調査を始めます。他にも何か有力な情報がありましたら、電話等でご連絡ください」
「よろしく、お願い、しますねぇ」
一先ずの話は終わり、依頼人は退出する段となった。
女三人と書いてかしましい、四人となれば言葉にできない。あくまで真面目に業務は進められている。
静かに水滴を落としつつ頭を垂れて一礼した後、浜姫はどこか不安そうに、太陽に見送られつつ探偵事務所から出ていった。
はて不思議と思った太陽が疑問を口にする。
「何か不安そうでしたね?」
「……最後まで疑われていたからだ」
「め、明瞭会計のウチを!?」
「行き過ぎた女好き、とな」
「そっちかァー……!」
内情を知らねば誤解するのも無理はない。
かといって瞬時に男女比が切り替えられるでもないので、そのまま話だけは切り替えるように太陽が続けた。
「んで。どうでした?」
「幸運な事に写真もある。早く見つかるとは思うが……」
「が?」
「もう少し、事情がありそうだ」
それがどのような物かを敢えて聞く事はしなかった。疑問が形になれば、その時に共有されるか。あるいは解決の直前には解消もされるだろうと、楽天的とも取れる考えの為だ。正確にいえばウチの所長への信頼だ、と太陽は答えるだろう。
「そんじゃあ情報共有と、主に探す人を決めますか」
「そうしよう。全員分の茶を頼む」
「任せてくださいよ!」
まずは雑用らしいことを。
太陽は自身が疑われなかった喜びと、普段と変わらず働ける有り難みを抱えつつも、足取り軽く給湯室へ向かっていった。
その様子を見ていたレイリーが一言。
「ギャルの若妻」
「レイリーちゃん? どうしてそういう事言うの」
「人間年齢に換算するとお婆ちゃんどころかミイラの化猫よりも現役ギャルの方が魅力的じゃありませんか? おっぱいもおしりも抜群ですし」
「メリーさん、どうしてそんな事言うんですか」
「年齢だけなら二十代でいいだろアタシは! それと女の魅力は胸と尻だけじゃねぇだろがい!」
「デカパイデッケツは七難隠すって言うんですよ、もしかしてご存じない!?」
「隠さねーよ!」
「三人とも普通に働いてくれ……」
女四人でなくとも、三人ならば十分にかしましい。
普段は真面目に働くのだが一度火がつくと中々止まらない。久しぶりの完全な人間の体で眉間を押さえつつ、犬飼は若干の頭痛の種が形作られていく気配を感じた。
遊戯王30周年……?
えっ30周年……!?
ここまで御読了有難う存じます。
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