はい!こちら『愛に溢れる探偵事務所』です!   作:枯華院 清日

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体調ハチャメチャなので少なめです、許して…。


秋、といえば?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、ウチの出し物なんだが…」

 

 秋、何か暑くなったり寒くなったりする今日このごろ。いやいや秋なんだから肌寒くあれよ、何で暑さがぶり返してんだ?

 

「後は実行委員に任せるから…好きに決めてくれ、人に危害が及ぶようなのは無しだぞ」

「丸投げじゃ〜ん!」

 

 ともかく秋といえば、ですよ皆さん。

 

「文化祭の出し物に教員が口出しするもんでも無いだろ…あぁ…生徒の自主性に任せるってヤツだ、そうそうこれこれ」

 

 文化祭、そうだな!

 …アイちゃん先生やる気ないなぁ!?

 

 

 

 ──キーンコーンカーンコーン。

 

 

 

 学生の本分、学業が終わりを告げる鐘が響き渡る。

 

 放課後といえば放課後。毎日のように味わう解放感は、この録音された鐘の音とセットだ。

 

「そんじゃあ、あとは薊、頼んだ」

 

 すげぇ…説明ほぼ無しで文化祭実行委員に投げたよこの一教員。確かに高校二年生ともなれば一度は体験してるけど、投げっぱなしはどうなんだ、投げっぱなしジャーマンより酷くないか。

 

「は、はひぃ!」

「あんまり緊張しないようにな…」

「でもぉ…!」

 

 窓側に予備の椅子を引っ張り出して、あ〜どっこいしょと言いながら座るアイちゃん先生。お…おっさん…!? そういえばおっさんだったなこの人、見た目と声以外は。

 

 そして教卓に引っ張り出されてアワアワオドオドしながら早々に涙目になっているのがアザミ、薊 明衣子。俺らのクラスの文化祭実行委員ちゃんです。

 よく悲鳴をあげるから、女子達からのアダ名はメェちゃん。羊か? 名前はメイコだからメイちゃんじゃなくていいのか、デカい変な生き物に遭遇しそうだからダメか。

 アダ名に関しては本人が嫌がってなさそうだからいいのかもしれない。たぶん。その変なアダ名は、あなたにも付けられるのかもしれないのです、たぶん。

 

 彼女が文化祭実行委員になった理由は凄いシンプルなもんで、クラスの役割分担の時にいつまでも手を挙げられなかったから。申し訳ないけど去年も今年も押し付けられた感じだな。俺も含めて、他の連中もフォローはしてるから多目に見てくれよな!

 

 具体的にフォロー組がなにしてたかって言うと。去年は焼きそばの出店したんだよ。いたって普通の、よくあるちょっと野暮ったいような味わいのヤツね。

 それでビラ制作から配布、機材の借り出しに調理販売…指示出し以外ほとんど全部を手伝ったというか、俺たちがやったワケだ。やり過ぎだろうと思うか? でもね、下手に接客とかで前に出そうとすると。

 

「で、でででもぉ! 私が売るより他の皆が売ったほうが売れ行きがいいですぅ!」

「でもじゃなくて。平気だって、五分くらいちょっと他のメンバーと交代の時間だけ…」

「ですけどぉ! 華が無いと思いますぅ!」

「ですけどじゃなくて。ほんのちょっとだから! 物は試しって言うじゃん?」

「されどもぉ…!」

「反論のボキャブラリーあるなァ!?」

 

 半端じゃない勢いで嫌がるんだよ。華が云々とか気にしてる人も居ないと思うけどな。

 それよりもウチの学校が誇る珍妙に奇抜を加えたヘンテコ料理部に物珍しがりな客が持って行かれて閑古鳥が鳴くかと思いきや、まさかの客入り。

 

 それもそのはず、呼び込みに颯とアイちゃん先生と八月朔日達と色々目立つ連中が、ビラ配りは野上が部活の出し物の前に手早くこなして、設営は風間が三分でやってくれました。設営中に風間が十人くらいに増えてた気がするが気のせいだな。森山は安全性を考えてレジ係です、怪我されても困るからな。

 俺はひたすら焼きそばを作る機械と化していたよ、誰が機械だ、はっ倒すぞ。

 

 そして不安の種だった料理部がまさかのアクシデント、食材が周りを巻き込んで大爆発。結果的に安心安全な食べ物を売っているとして、ウチのクラスの焼きそばはかなり売れたぜ、ヨシ!

 

 ヨシ…? いいのか…? まぁいいよな!

 

「こっ、こここ、こ、こと…!」

「落ち着け薊さん、ニワトリみたいになってる」

「ちゅっ、注目されると怖くてぇ!」

「大丈夫…落ち着いてくれ、深呼吸して…」

「しかしぃ!」

 

 おおっとォ薊選手がイヤイヤ期に入りましたァ!

 今回の文化祭の出し物決め、クラス会議のフォロー役は。大概のことを卒なくこなすイケメン安牌男こと、淋代 颯でお送りしております。

 

「とにかくゆっくり呼吸を整えてくれ…ほら落ち着いて吸って吐いてを繰り返し…」

「スゥゥゥー…!」

「吸って…吐い…」

「スゥゥゥゥゥ!!…ウッ…!」

「薊さん!?」

「息を吐き忘れてるぞ!?」

「やべーぞ! 吐け薊! 聞いてるか!?」

「フゥ……ヴッ!」

「あっ」

 

 

 

 

 

 

 

 〜小学校の時とか、貰いゲロってあったよね〜

 

 

 

 

 

 

 

 いやぁー…緊張すると吐きそうって言う人は居るけど、深呼吸の息継ぎしないで限界を迎えてマジで吐く人は中々いないよ。

 色々な処理が終わって、顔面蒼白まっしぐらから多少はマシな顔色になった薊が、やっと話を進める。

 

「ま、まずはっ、今年は、クラスでは、何をするか決めたいとぉっ、お、思いまひゅ!」

 

 …噛んだな。

 

「当然だが。オレみたく委員会があったり、部活動の方があるから参加出来ない人も多い。なので大規模な物は控えて…そうだな…運営するのに最低四・五人程度で出来る物がいいと思うが、とにかく今は皆の案を聞かせてほしい」

 

 わぁ、真面目。しかも落とし所を最初に言っておく周到っぷり、颯くんったら、キャー! ステキー!

 

「はい、はい! ホァイ!!」

「ひっ…」

 

 めっちゃ元気な風間の雄叫び、一番槍にしても全力だなオイ、ホァイってなんだよ。薊がちょっと怖がってるじゃねぇか、忍べ忍べ。

 

「は、はい、か、風間くん…」

「某はコスプレ喫茶がいいでござるぅ! アイちゃん先生にタイトスカートを肢体をねじ込ませて、その甘美な境界線にガーターベルトを纏わせてじっくりと眺めたい所存ッ!!」

 

 コイツ欲望むき出し過ぎる…!

 可能なら俺もちょっと見てみたいけど、流石に無理だろ。駄目で元々ってヤツ?

 

「却下だアホ、もし強行してもおれは部活の顧問の方に逃げるぞ。それと真中先生って言え」

 

 ですよね。いや全然残念じゃねぇし? 俺はこころさん一筋だから、ちょっとセクシーな服装のアイちゃん先生になんて靡かねぇし?

 

「くっ…皆は如何でござろう! 何もコスプレをするのはアイちゃん先生だけではござらん。男子は淋代殿も居れば森山殿も、女子は期待の新星レイリー嬢から、ノリノリでやってくれそうな立神殿も居るのでござる!」

「えっ…」

「レイリーちゃん、バカは無視していいのん」

「ははぁ…男子は美少女な私のコスプレ見たいー?」

「立神は見た目は良いからな…見た目は…」

「どういう意味かな男子ぃ!?」

「コスプレくらいだったら安全そうで、ボクはいいと思うけど…」

「油断するな森山、喫茶だぞ。お前は頭から何かしらの飲み物被って転ぶのは確実だ」

「そうかなぁ」

 

 なんだっけ、アイスブレイク?

 たぶん風間も本気でコスプレ喫茶が通るとは思ってないだろう。目論見としてはこの雰囲気作りか、静まり返ってるより多少うるさい方が話も活発になるしな。

 

「あー…俺は去年と同じで」

「焼きそばか、風間の案も含めて黒板に書いておこう」

 

 俺は無難なのを先んじて言っておくぜ、今日のところは名誉スケベ忍者の勇気に乾杯だな。誉れはクラスで生きてます。

 

 そういうわけで議論は冷めずに白熱。ああでもないこうでもないと皆口々に文句も提案も飛び出す。

 

「メイド喫茶!」

「男子は?」

「男子もッ!!」

「えっ」

 

 頭が残暑にやられたような案もあれば。

 

「休憩所がいいのん」

「一番楽だな」

「人生、時にはゆっくりはんなりするのも大事なのん」

 

 のんびりした案。

 

「学内デリバリー!」

「それはまた何故…」

「合法的に個人情報、ゲットだぜ!」

「駄目に決まってんだろ」

 

 ぶっちぎりでダメな案。

 

「おばけ屋敷」

「おばけってあんまり珍しくなくない?」

「た、たしかに…!」

 

 わりと普通の案。

 

 個性が出るなぁ。犯罪に繋がる案はダメだと思うけど、アイディアなんていくらあってもいいよな。

 およその考えが出揃ったか、という時。薊の様子を見つつ全体の頃合いを見て颯がまとめに入る。談笑ムードになってきてる最中で薊が声を張り上げるのは無理だもんな。

 

「案は出揃ったかな? では、多数決と行こう」

 

 うーん、民主主義。

 明らかに危険なものは事前に外してあるから、妥当な決着方法だ。喧々諤々な討論になったら収拾つかなくなるから丁度いい。

 

「では、まず…」

 

 さてさて、今年は何に決まるんだかね。

 

 

 

 

 






御意見・御感想・御評価、質問疑問、誤字脱字等々ありましたら賜りたく存じます。

や、優しくしてね…!
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