新しい担任の先生である茶柱佐枝がこの国立魔法大学付属高校の第一高校に着任して一ヶ月は経とうとしていた、彼女の教えはとてもじゃないが生温い教えでは無かった、彼女の厳しさは授業の内容だけではなくその口から発せられる罵倒の言葉だった。
茶柱は彼等を罵倒する事で自身が劣等生であるか本当の意味で自覚させそっからどう伸し上がろうとするのかを望んでいた、遠回しではあるが劣等生と言うレッテルを乗り越えた先に生徒達の未来があると言う彼女なりのメッセージである。
「馬鹿でも分かる範囲でのテストだ・・赤点は取ってくれるなよ?、こんなテストで赤点を取った者は罰としてテストに出た範囲の問題を五枚程やってもらう……」
「ちょ!茶柱先生!!、それは横暴です!もう駄目!我慢の限界!、アンタさウチらを毎回毎回罵倒してさ人の心ある訳!!?」
「……」《エリカがキレるのも仕方が無いと言えばそうだが・・》
『……』《茶柱のやり方は確かに反感を買うやり方だが、・・皆は気付いていないようなが成績は全体的に上がっている、生徒達が嫌がる方法で無ければ成績が全く上がらない・・・やり手だな茶柱佐枝…》
「千葉、席に戻れ授業中だ…」
「嫌よ、アンタを教師とは思わないから!!、アンタのやり方は私達を人間として扱ってない!、まるで私達が機械だとでも言ってる様な・・アンタは何なんのよ!!」
「……千葉・・三度目は無い、席に戻れ…」
「お断りよ…」
「……ではこうしよう・・私が気に入らなければ模擬戦で私に勝つ事だ・・・そこまで偉そうに口を開くんだ、それなりにバランスの取れた強さなのだろう?」
「上等よ!」
『……』《エリカは負けるだろうな・・茶柱は特殊訓練を受けている、軍人達が受ける訓練とは更にハードで難易度の高い訓練を・・・本気は出さないと思うが実力差は明白だ…》
茶柱とエリカの言い合いはヒートアップしたのか、茶柱の方から模擬戦を申し込み、自分に勝てば授業のやり方を変えてやると約束しエリカが負ければこの方針のままと言う事となった、そして審判は清隆が指名され、試合のルールを説明した後試合の合図を出し二人は戦闘を開始した。
先に仕掛けたのはエリカだった、得意の剣術で接近し茶柱をまるで殺す勢いで木刀を振り下ろすが、まるで木刀が自身の頭上に振り下ろされるのを事前に知っているかのように数mm単位のギリギリのところで回避した、それもタイミングもちゃんと合わせており、避けようと思えばいつでも避けれたと言わんばかりの戦法だった。
「どうした?千葉・・口先だけか?その威勢だけか?、そんなんでは私に一太刀も入れられないぞ…」
「焦らないでよ・・ちゃんとアンタをこの木刀で懲らしめてやるんだから!」
「私を懲らしめる・・か・・・それは実際にやってから口にするものだぞ」
「……」《どうして・・どうして・・・どうして当たんないのよ・・此奴の動きは読んでる筈なのにどう言う訳か紙一重のところでタイミングをズラされる・・・それにこの動き素人の動きじゃない・・何か特殊な訓練を積んでる動き・・・》
エリカの攻撃は紙一重の所で回避され茶柱に当たる事は無かった、そして茶柱も防御から攻撃に転じエリカに急接近しては近接格闘に持ち込んだ。
近接格闘戦ではエリカは回避をするか防御をするかのどっちかで攻撃しなかった、と言うよりは攻撃が出来なかった。
「……」《何も出来ない・・攻撃に転じたいのに防御と回避で精一杯・・・どんだけ化け物な身体能力してんのよ!!?、この茶柱って女!!?》
「…千葉どうした?、さっきよりまた勢いが無くなったぞ?」
「……よく・・言う・・・わねぇ・・」
茶柱は加減をしているとは言え容赦無く彼女に攻撃を仕掛け、隙を見せず大人の理不尽と言うものをエリカに教えるように的確に攻撃していく。
彼女の攻撃は徐々に的確性が高くなりエリカの防御も破り、エリカよ腹部に重い一撃を入れた、その一撃でエリカは全く動かず微動だりせずそのまま気を失ってしまった。
「……剣道か何かをしていた様だが・・大人を甘く見るなよ・・・千葉…」
気を失ったエリカに向けて冷たく容赦の無い言葉を言い放つ、その言葉が彼女の耳に届いていなくても、それでも関係無いと言った具合にエリカに向けて言った。
決してエリカは茶柱を侮っていた訳では無い、ただ茶柱の実力がエリカの予想を遥かに超えていただけなのである、なので決してエリカが弱いと言う事では無い、相手が悪過ぎたと言う岳の話だった。
その後医務室に運ばれそのまま眠っていた、そして数時間後エリカは目を覚ますと目の前に清隆がいた。
『目を覚ましたか・・待ってろ達也達を呼んでくる…』
清隆が達也達を呼びに行こうとした瞬間、彼の制服の袖豆を摘む様に弱々しく摘み、珍しく弱気になっていた。
「待って・・もう少し二人で居させて・・・綾小路君……」
『……分かった・・少しだけだぞ』
「うん、ありがとう・・ねぇ綾小路君・・・私、弱いのかな?、あんな女に完膚無きまでに敗北した・・私・・・悔しくて‥!!」
『エリカは弱くない…』
「あんな完膚無きまでに敗北したのに?、明らかに実力差があり過ぎだったのに?」
『嗚呼・・エリカは良くやったと思うぞ・・・ただエリカお前の敗因は相手が軍でもやらない特殊訓練をした猛者である事と一瞬の油断だ、エリカ・・お前は戦いの中何度か気を抜いていた場面があっただろう・・・アレはお前の油断だ、模擬戦とは言えあの油断は痛手だな……』
「……油断ねぇ・・確かに私思い上がってたかも・・・ワンチャンいけるんじゃないかって、これなら私にもチャンスがあるんじゃないかって、その気の緩みと相手が軍でも受けない特殊な訓練を積んだ猛者って事ね、・・そりゃあ勝てる筈無いわよね・・・今の私じゃあ絶対に……」
そう言うとエリカの眼には涙が浮かび、そしてエリカはそのまま清隆に寄り掛かり人生初と言って良い程の大泣きをした、そして30分程してエリカは泣き疲れたのかそのまま眠りについた。
眠りについたエリカを背に清隆は自身の目の前にいる茶柱を見ながら口を開いた。
『学生相手に少し大人気なかったんじゃないんですか?、茶柱先生……』
「千葉には大人の厳しさと言うのをその身で痛感させる事でいかに自分が未熟かを自覚させる、これが私の教育方針だ…」
『アンタのやり方は確かに効率的だ、アンタのおかげでクラスメイトの連中も成績が以前よりかなり上がった、しかしアンタのやり方では何れエリカの様に反発する生徒も増えてくるぞ、まぁ俺が挫折しない方向に敗因を言ったが・・にしてもだ、アンタはちょっとやり過ぎだ、もう少し加減した方が良い…』
「・・・やはりホワイトルーム生の言う事は違うな・・・・それと私の動きも見ただけで理解するとは恐ろしい奴だ…」
『まぁ特技見たいなものですからね…』
「特技・・違うなそれはお前に備わっている元々の能力の一端なのでは無いか…?」
『それを答えるのはそれ相応に相応しい教師となってから教えましょう…』
「……面白い、なら綾小路、お前が認める教師になってやろうじゃないか……」
清隆の言葉に感化されたのか彼の認める教師に自身のプライドに掛けてなってやろうと意気込んだ後、医務室を後にする、そして清隆は横で寝ているエリカを何処か遠く凍てつく氷の様に冷たい眼で眺めた後、医務室を後にした。
アンジェリーナ・クドウ・シールズはヒロイン枠に入れる?入れない?
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いる
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どちらかと言えばいる
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どちらでも良い
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どちらかと言えばいらない
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いらない