『武蔵ちゃんを助けたい』   作:みたらしうどん

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 今回からFGO本編に入ります。
 


■■ローグ:夢現。或いは走馬灯

 

「──ぃ、────ミレ──……!」

 

「……ん」

 

 身体に、魔術行使がされる感覚。回復術式。

 意識が戻ると……間近に狼を連想させる、白い髪と鋭い目。

 

 ……夢を、見ていたらしい。想い人に出会った、あの日の夢を。

 いま現実で、対面しているのは……。

 

「カドック……元気そうで、良かった……」

 

「……良くない。何も良くなんてないだろう……! どうして、僕を助けた!?」

 

 ……おかしなコトを聞く。

 

「カドックが、一番……()()だったから……」

 

「……なんの冗談だ、それは。僕に、キリシュタリアやデイビットを上回る『何か』があるとでも……?」

 

「……さぁ……。

 でも、いつだって……客観的な、カドックが……そう思うなら……敵だって、そう思う……。どう細工しても……キリシュタリアと、デイビットは……必ず、殺される」

 

「……ッ! なら──」

 

「オフェリア? それとも……ぺぺ?

 ……あの二人は……余計なモノまで、見えてるせいで……諦め癖が、ついてるし……。

 芥さんと、ベリルは……そもそもの、立ち位置が……違う」

 

「…………お前は、」

 

「……?」

 

「お前自身はどうなんだ、スミレ。お前だって、僕からすれば……」

 

「…………いい加減、自覚しなよ。『カドック・ゼムルプス』は、キミが思っているほど……『Aチーム』の面子として、劣ってない。

 ──断言するよ。現状(これ)が、()()()だ」

 

「…………最後に一つ、聞かせろ」

 

「……何?」

 

「僕一人で、できると思うか?」

 

「…………」

 

「……あぁ、よく分かった。

 『見え過ぎる』ってのは、たしかに残酷だ」

 

 ……時間が来た。

 崩壊した中央管制室に、ドクターと『最後のマスター』が現れる。

 

「「────」」

 

「……ドクター。見ての通り、Aチームは……僕以外全滅だ」

 

 息を呑む二人に対し、カドックは淡々と情報を共有した。

 

「スミレに助けられた。コフィンも、比較的損傷が少ない。まだ使える筈だ。僕は中に戻って、レイシフトに備える」

 

「……そうか。分かった」

 

「えッ──『全滅』って、そんな……じゃあ、マシュ(あの子)も……?」

 

「……マシュなら、あっち」

 

 言葉と共に、視線で位置を伝えると……彼の顔が、絶望に染まる瞬間が眼に入る。

 

「…………ぁ」

 

「用が済んだなら……避難を、するといい……」

 

 しかし彼は、マシュの元へ歩み寄った。

 

「オイお前、何を……?」

 

「……()()()()()()

 

「だからって────いや、まさか」

 

 『ハッ』とした顔でこちらを見た彼に、笑いかける。

 

「先、輩……どうして……障壁が……これじゃ、もう……外には……」

 

「……うん。だから、一緒に居るよ」

 

「…………あの」

 

「なに?」

 

「手を……握って、くれますか?」

 

「うん」

 

 ────レイシフトまで、あと三十秒。

 

「……ド素人だ。あんな躊躇なく、『魔術師の手』を握るなんて……」

 

「うん……だから、助けがいる……」

 

「…………」

 

「……頼むよ、カドック」

 

「…………あぁ」

 

 

 ──ファーストオーダー、開始。

 

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