“テンガンざん”
そこはかつて、ある戦いがあった場所であり元は“シンオウ神殿”と呼ばれる立派な建造物であった。が、その戦いにより、見る影もない程に崩壊している。
本来、この領域は一般人が立ち入れる場所はない。特にこのテンガンざんからこの“やりのはしら”までの道筋は封印されており侵入することすら不可能。更に言うと、外からの介入も不可能………な筈であった。
『失礼しまーす!』
トパーズが尻尾でコンコンッ!とノックした瞬間、その結界は受け入れる様にして一部穴が開く。スイクンが先頭から入りエンテイに乗ったレオ、そしてライコウに乗ったカルム、最後に戸締まりをするトパーズが入った刹那再度結界が展開される。
「ここが、やりのはしら……いや、“ロゴス神殿”」
「(
招かれたその先は、槍のように聳え立つ石柱が連なる神殿であった場所。その奥には広い空間が広がっていた。
「(まるでここは、祭壇……いや、何かの儀式に使われてきたのか)」
研究者でもあるカルムは、このやりのはしらを見渡しながら歩いていく。しかし、何処か気が抜けないその重々しい空間には息が詰まりそうだ。
奥の領域に一歩、足を踏み入れた刹那─────突如、空間が歪み、その
常人であれば、その一撃“あくうせつだん”を受ければ怪我だけではなく、心身に異常をきたすのは間違いない。
「っ、と」
が、それをカルムは予備動作も無く“あくうせつだん”を
「(次は─────後ろ)」
槍のように尖った石柱に立っていたカルムは即座に軽くジャンプする。それは普通なら10メートル以上もある石柱から跳べばそのまま落下するのだが、カルムの場合は──────更に10メートルを
それと同時にカルムが居た場所の時が止まり、そして何重にもその時の流れが加速する。そしてその後に、大規模な捻れ狂う光線が放たれたのだ。しかし、それは光線ではなく咆哮。つまり、“ときのほうこう”であった。
「(この感覚は、ドラゴンタイプ。光線前の時間停止は厄介だ。あれで足を止めてしまう。しかし、最初の斬撃と同じドラゴンタイプだけど……二体。この場に見えない襲撃者が二体居る)」
カルムは見えない敵に対して、たった一秒目を閉じ───────そして。
「トパーズ、オレ諸共
『承知のすけ~~~』
一切の躊躇も無く、トパーズはカルムが立つ石柱に向けて“フルールカノン”と“だんがいのつるぎ”をそれぞれ撃ち放つ。常人であれば、その高火力が直撃すれば怪我どころでは済まされない。が。
「とっ!」
たった一歩。
たった一歩、踏み込んだ刹那。
カルムはもうトパーズの背後に周り、二タイプの大技から服の汚れ一つ無く回避したのだ。流石の二体のポケモン達も人間離れをした……どころのレベルではないポケモンの身体能力を越えているカルムに動揺を隠せない。それが仇となったのか、トパーズの“フルールカノン”と“だんがいのつるぎ”が直撃し、隠していた姿が露となる。
「………初めて見るポケモンだな」
姿を現したのは蒼き身体を持ち、
その創造神に近い姿になった二体が、トパーズの一撃によって臨戦態勢になっていた。今までのはお遊びということだろう。
『ますたーますたー。あれ、ディアルガとパルキアだよ。しかも創造神っぽくなってる。うわーっ!ひっさしぶりだね!その姿!』
トパーズがわくわくしながら“
ディアルガとパルキアもトパーズに警戒しているものの、トパーズ程ではないがイレギュラーであるカルムにも警戒心を強めていく。彼らは理解したのだろう。あの人間を、そこらにいる単なる人間と同一すべき存在ではない、と。
「トパーズ」
『んー?捕獲するの?』
「いや、この二体。それぞれ最初の一撃は、
『試していたのはカルムじゃなくて、私ってこと?』
「それに加えて、さっきからノータッチのレオさんもこうなるのを予知してましたよね?」
カルムが後ろに居るレオに視線を向けると、全く臨戦態勢も取らず見学していたのだ。エーフィやスイクン達も傍観に徹している。それが意味すること。大体のおおよそはつくだろう。
「相変わらずだな、
「この二体の上司さん?」
「だろうな。まあお前ならどうにでもなるとはわかっていた。最悪、トパーズが蹴散らすだろう?」
『うんっ!ぶっ●すよ~~~♪』
軽く物騒だな、と余りにも恐ろしい発言に流石のレオも顔をしかめてしまうが、それを無視するかのように遥か上空から“テンガンざん”の床にある不思議な紋様に向けて光の階段が出現する。
その階段は、カルムとトパーズを招く上からの意思。しかし、その意思を拒む様にディアルガとパルキアが牙を向く。
『ね、ますたぁ』
「いや。この二体のポケモンはクロガネとフェナに任せる」
ポタンを押すこともなく、独りでにボールから現れたのは
クロガネはディアルガを、フェナはパルキアを相手取る。ディアルガとパルキアは時間稼ぎだろうと考えていたが、その読みは大きく外れてしまう。
「──────
それは本来、
つまり。
「クロガネ、ディアルガに“だいちのちから”。フェナはパルキアに“でんじほう”」
その姿は既存のタイプに加え、更に一つタイプが追加されるメガシンカとは似て非なる存在。
ディアルガはダメージを喰らいながらも“メタルバースト”で軌道を反らし、パルキアは回避した筈の“でんじほう”が背後から出現し被弾してしまう。ティナが“でんじほう”を“テレポート”をしてパルキアにぶつけたのだ。ディアルガがティナに“ラスターカノン”を放とうとするが、その前にクロガネが懐に潜り、“しんくうは”で下から吹き飛ばしたのだ。
『ねーねーますたぁー。私も戦いた~いっ』
「ごめんねトパーズ。どうやら相手さんはオレ達に用があるらしい」
ディアルガとパルキアのことなど興味無いのか、光の階段はカルムとトパーズを誘う様に輝く。
はやくこい、とそう伝えるように。
『この先は【はじまりのま】に創造神はいるよ……へぇ。創造神サマはますたぁが来るのを今か今かと待ち望んでいるよ』
「それは光栄だ」
非常に迷惑なのが本音だが、と隠そうともせずに愚痴を溢すカルムは光の階段の先、酷く雲のような白い靄の更に向こうにある捻れた次元がそこにある。そこが、トパーズが言う【はじまりのま】なのだろう。
既にクロガネはディアルガを捩じ伏せ、ティナはでんきで砂鉄を操り鎖のようにしてパルキアを縛り上げていた。もう既に勝負は決したが、ディアルガもパルキアも
ディアルガとパルキアをクロガネとティナに任せ、カルムとトパーズは光の階段を歩んでいく。一歩一歩、その光の階段を踏み込む度に、幾つもの距離と次元を越えている感覚は三半規管が弱い者は間違いなく嘔吐する可能性はあるだろう。
一歩、また一歩。
段数はそれ程多いわけではないのに、長い時間と距離を感じてしまう。
しかし、何事にも終わりは訪れる。
辿り着いた場所は、【はじまりのま】。
辺りの景色は、青よりも蒼く、そして間違いなく空の上。辺りの星達は夜でもない筈なのに輝く宇宙空間であった。
その床には不思議な紋様が描かれており、紋様は呼吸する様に鼓動している。そしてその空間の中心に、カルムを出迎える存在がいた。
【はじめまして、カルム】
かの者こそが、【“創造神”アルセウス】。
この世の創世の神であり、現在、【
そして──────。
【
情報更新
カルムさん、スーパーマサラ人レベル。
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また近々アンケートを実施致します。
その時はどうぞ、宜しくお願い致します。
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