案外ボックスの中は快適である   作:喬喬

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おひさーです!


モンスターボールとは?

 

 

 白いアブソル、【“無窮”ホロウ】は尋ねた。

 

 

 

 「イマイチ分からないんだけどさ。モンスターボールってなに?」

 

 「唐突だな」

 

 

 

 いかりまんじゅうにご満悦にしながら生まれて初めて生身で(・・・)対等に渡り合ったトレーナーでもあるシオンに友達感覚でそう聞いたのだ。

 

 ホロウは元々はホウエン地方の、誰も居なかった孤島に誕生し、そこからマボロシ島に渡り住んでいた。故に人の世を知らないのも無理はない。そもそもモンスターボールなどつい最近知ったもの。

 

 

 

 「タマムシ大学の論文とか確認したけどさ。ほら、オコリザルのやつ。けどわからないんだよね」

 

 「そういうもの、と言えば納得できるか?」

 

 「アンタ、見た目に反して結構長生きだろ。知ってんじゃねーの?ポケモンの秘密とか」

 

 「知らん」

 

 「つれねーこというなよー。モンスターボールくらいはどうなんだ?オレを捕獲したあのプレシャスボールってやつ。アンタ以外に使ってねぇ、珍しいやつみたいだけど」

 

 「…………あれはオリジン鉱石とオレの力(・・・・)で生み出した〖オリジンボール〗のレプリカ(・・・・・)だ」

 

 「レプリカ、ねぇ。そのホンモノはどこかにあんの?」

 

 「無い。オレが壊した(・・・・・・)

 

 「ひゅー!こわいねぇ!」

 

 

 けど、とホロウはいかりまんじゅうを食べ続けながらシオンの懐に隠しているモノを見透かす様に切り出す。

 

 

 「本物のオリジンボールとそのレプリカの差はあんの?」

 

 「そう変わらん」

 

 「へぇ…………じゃあさ。アンタが隠している最も(・・)ヤバそうなボールは何だ?」

 

 

 

 その指摘にシオンは作業をしていた手を止める。

 

 

 「何の話だ?」

 

 「とぼけんじゃねーよ。その懐にある───オリジンボールと同等のレプリカが霞む程のヤバいモンスターボールがあるだろ」

 

 「………ふむ」

 

 

 懐から取り出したのはオリジンボールのレプリカ────プレシャスボールと比べ色合い派手ではない透明な(・・・)モンスターボール。どちらが上か下か分からない程に透明でありながら、その中身は不明。

 

 

 

 「それは」

 

 「そもそも(・・・・)、だ」

 

 

 シオンはそのボールを眺めから独り言の様に語りだす。

 

 

 「モンスターボールの起源を知ってるか?」

 

 「ぼんぐりで作ったやつじゃねえの?」

 

 

 「一般的には(・・・・・)、ぼんぐりで作ったガンテツという小僧(・・)が作ったものが発祥で間違いはないだろう」

 

 「一般的には?」

 

 「元々、モンスターボールの起源は既に歴史的には殆ど記録に残っていないだろうが──────────本来、ポケモンを封印(・・・・・・・)する為(・・・)に生み出されたもの。そして素材は鉱物(・・・・・)だ」

 

 「ポケモンを封印する為、ね。何だか穏やかじゃねーな」

 

 「当たり前だ。ガキだったオレの時代じゃ、今の時代の様に人とポケモンが共に生活するなど考えられない程、物騒だった。人はポケモンを襲い、ポケモンが人を襲うなど珍しくない話だった」

 

 「…………アンタ(・・・)はどっち(・・・・)なんだ?」

 

 「どちらでもない。当時のオレは薬師(・・)だ。人とポケモンとの争いなど心底興味は無かった」

 

 「ふーん。で、アンタがそのボールを持ってるってことは…………封印したんだろ?どんな奴をそのボールに封印したんだ?」

 

 「そうだな」

 

 

 シオンはそのボール片手に上へ掲げながら懐かしむ様に思わず頬を緩ませながら、昔話をする。

 

 

 「ソイツは暴れモノでな。厳密には鍛えすぎた力をコントロール出来ずに辺りに天変地異を起こす“大厄災”とも呼ばれた奴だ。アイツはそのことを気にしていない様だが、オレの生活圏まで侵害しやがったからゴリ押しでこのボールの中に封印したんだ」

 

 「強かったのか?」

 

 「ホロウ、お前はどう感じた?」

 

 「…………は?」

 

 「手合わせしたんだろ?」

 

 「あー、なるほど。そういうことね」

 

 

 手合わせした相手の中で、最も印象に残っているのは九つの尾を持つバケモノしかいない。ホロウ自身、生まれて初めて全力をぶつけた相手だ。

 

 ホロウの力を一言で現すなら、自身に不可視の領域を展開していること。しかし、そのバケモノはその真逆で辺りに己の力を侵食させ影響を与えるものだ。

 ホロウを“最強のバリア”であるなら、あのバケモノは“永遠と降り注ぐ鋭利な雨”と表現すべきだろうか。相性としてはホロウに分がある故、負けることはない。が、それが無ければなす術がなかったかもしれない。

 或いは、このバリアを空間ごと(・・・・)切断する力を保有していたらホロウにとってこれ程にない天敵であるだろう。

 

 

 「強いのは強い。けどさ、あれはある意味ミキサー(・・・)だよ。力を細かい鎌みたいにしてガリガリ削られるのは結構引くよね、アレ。何度も継続的に喰らってると、流石にバリアーが抉られる」

 

 「昔はソレよりも理不尽に猛威を振るっていたからな。当時は色んな奴等に目をつけられていた」

 

 

 「うわまじ?アイツ、本気出してなかったのか。ったく、おもしれーっ!」

 

 

 

 まるでつまらない世界から、漸く伸び伸びと暴れられる世界へ転生した孤独の最強。その最強は再び満たしてくれるこの世界に喝采で称える。

 

 

 「さいこーじゃんっ!」

 

 

 「古株の【冠位(クラウン)】達は、それ程の実力だ。──────満足か?」

 

 「いいね!どーせ、退屈だと思ってたけど…………結構楽しめそうだ。その古株の先輩達に会わせてくれよ?」

 

 「安心しろ。嫌でも会うことになるだろうさ───────……………?」

 

 「どうした?」

 

 

 突然、何か違和感を察知したシオンは転がしていたその”透明な封印石(透明なモンスターボール)”を止めてしまう。その違和感は、ほんの少し編み間違えた一本の細い糸の様なもの。別にそれを見過ごしたとしても問題ない。

 が、それでもシオンはその違和感の原因とその詳細をその眼(・・・)で読み解いた。

 

 

 

 「………ホロウ、今すぐシンオウ地方へ向かう」

 

 「なんd…………ま、いーや。アンタに着いていけば面白いことになりそうだし」

 

 

 シオンはポケモン協会本部の頂上へ向かう。そこはスズの塔に次ぐ高さであり、本来この場所には現れないポケモンが現れようとしていた。

 

 彼が口笛を吹くと、それは鈴の様に。しかしポケモン達にとっては鐘の様に響き渡る。

 それと同時刻にスズの塔に飾られていた複数の鈴が呼応する様に響く。それは“きんいろのはね”と“降臨の儀”を行った時とは比べ物にならない程に強く、しかし優しい音色。だが、優しくも近づいてはならぬ並々ならぬ気配を放つ重々しい鐘の音は辺りのポケモン達が静かに立ち去るか。このポケモン協会にいるポケモン達は吠えることも、鳴くこともせずに静かにしていた。

 

 

 《ショオォーッ!!》

 

 「久しいな、ホウオウ(・・・・)

 

 

 そのポケモンは、ジョウト地方の代表する伝説の大鳥【ホウオウ】。無論、そのホウオウは分身ではなく(・・・・・・)、オリジナルである。ディアルガやパルキアの様に創造神アルセウスの支配下(・・・)では無い為、力の抑制(・・・・)をされていないその存在感は思わずホロウも毛を逆立つ程。

 

 

 「………これが、伝説っ!」

 

 「殺気を放つなホロウ。ホウオウはオレの仲間だ。そもそも争いは好まないから」

 

 「ちぇーっ」

 

 

 

 ホロウをボールに戻し、ホウオウの背に乗ったシオンは急がす様に指示を出した。

 

 

 「すまないがホウオウ。ヒスイ(・・・)地方の、かつての我が家に向かってくれ」

 

 《ショオーッ!!》

 

 

 

 この時、既にシオンが知らぬ間にある出来事が発生していた。だが、それと同時にその出来事は急速に終息していき、新たな物語(・・・・・)。そしてある主人公(・・・・・)が新たな旅の始まりを意味していたことまでは彼の眼を持ってしても見えなかったのであった。

 

 




因みにこの世界のルギアは捕獲されてます。

“ポケモンハンターJ”はどうなってほしいですか?

  • 原作同様に……“みらいよち”で
  • カルムの仲間になる(光堕ち)
  • カルムの仲間になる(“わからせ”ます)
  • カルムがボコボコにして逮捕
  • メンヘラストーカー化
  • 敵の手に落ちる(自らの意思or洗脳)
  • その他(※詳細は感想でお願い致します。)
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