案外ボックスの中は快適である   作:喬喬

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神様って大変ですよね。人々に崇められるのは良いとして、何か不都合があれば全てを、神様のせいにする。自分の罪を神様に擦り付けるって何事ですか。あ、それよりもダメな神はダメなんで──────

 

 

 ミナモシティの人気の無い海岸。

 

 そこに呼び出されたカルムとトパーズは呆気に取られていた。

 

 

 「ね、ねぇカルム君。この子なんだけど………」

 

 

 そこにホウエン地方四天王の一人、フヨウは自身のポケモン達であるポケモンを取り囲んでいたのだ。

 

 

 藍色の髪とその上半身。そして下半身は穢れの無いドレスの様なホワイト。正直、見た目だけなら色違いのポケモンとしか見えないだろう。しかし、本来の色違いとは異なってはいる。

 

 

 しかし、そのポケモンは確かに【冠位(クラウン)】である。その決定的な違いとして原種より見た目が大きく異なっていること。そして原種よりも伝説ポケモンを凌駕する力を有していること。あとは、テレパシーが使えるということ。

 

 

 「なぁトパーズ」

 

 『なにますたー』

 

 「アシレーヌにしか見えないんだけど」

 

 『そーだねぇ~~~』

 

 《なによなによ!なんなのよぉ!なんでこのわたしが捕まっちゃうのよぉ!あとこのわたしを普通のアシレーヌにしか見えないって!?!?ふざけんじゃないわよ、そこの人間さん!アンタの眼は節穴なの!?腐ってんの?バカじゃないかしら!このおバカさん!》

 

 

 見た目は明らかにアシレーヌ。

 しかし、アシレーヌにしては平均よりも小さい。

 何より、テレパシーで平然とカルムを罵倒するちょっと頭のおかしそうなアシレーヌである。

 

 

 「えっと………エステルさんが言ってた【冠位(クラウン)】って」

 

 『おのバカそうなアシレーヌだねぇ』

 

 《バカって何よ!この女神であるこのわたしにそんな無礼なことを言うなんて!》

 

 「ほら、女神って言ってたから………もしかして、と思ったんだ」

 

 

 自称女神と名乗るアシレーヌの【冠位(クラウン)?】にフヨウはエステルの会話から“もしや”と思ったらしい。

 が、誰もが思うだろう。

 何故、フヨウは自らの手持ちであるヨノワールやヤミラミ・ゴルーグ・ギルガルド・シャンデラ・ロトム(※ウォッシュ)の六体を取り囲んでいるのか。

 

 

 「ん………とね。実は」

 

 

 フヨウは目を逸らしながら説明する。

 

 曰く、このアシレーヌ?はミナモシティに祭られていた水の神に捧げられていたお供え物(※お酒)をグビグビ飲み干していたらしい。しかも公衆の面前で、だ。

 四天王として黙っている訳にはいかなく、その窃盗アシレーヌを確保しようとしたが、逃げ出してしまい現在に至るとのこと。

 

 

 『うわぁ………お供え物盗むんだ。自称女神なのに』

 

 《うっさいわね!このアホっぽいキュウコンめ!この【“女神”テティス】に捧げられた物をわたしが使って何がわるいのよ!》

 

 「えと、ここに置かれていたお供え物って」

 

 「海の神ルギア様のだけど………」

 

 『ダメじゃんwww自称女神のテティス様www』

 

 《なんでよぉ!!!わたしが海の神でもあるのよぉ!!!なんであんな水すら司ってない癖に海の神なのよぉ!おっかしいわ!おっかしいわよ!なんでわたしを崇め奉ってないのよぉぉぉお!?!?》

 

 

 ただを捏ねる【冠位(クラウン)】テティスに頭を抱えるカルム。

 実はエステル遭遇後、協会に報告した際にリーグから現在確認されている他の【冠位(クラウン)】のデータベースで調べていたのだ。その結果、エステルが言っていた【冠位(クラウン)】の該当は絞られていた。が、【冠位(クラウン)】の中にアシレーヌの該当は無かったのだ。しかもテティスという名も同様である。

 

 つまり、だ。

 

 

 「新種の【冠位(クラウン)】じゃねーか!」

 

 『ますたー、イライラしてる?もふもふする?』

 

 「…………するぅ」

 

 

 トパーズの身体に顔を埋めるカルムは「報告書がぁ………」「どう説明すれば…………」「あの予言が早々に………」と悩みの種をばら撒く姿にフヨウも苦笑いするしかない。

 

 

 《そう言えばあなた、わたしと同じ【冠位(クラウン)】ってやつなの?しかもその姿は、確かあのエステル(腹黒)が言ってた………アホ?》

 

 『アホ言わないでよ。アホだけど』

 

 《…………あのエステル(・・・・・・)とタメを張ってたのよね。ふんっ!わたしを守る騎士として、実力は十分そうね!感謝しなさいっ!このわたし、女神テティスに仕えられることを!》

 

 『え、結構です』

 

 《ふふんっ♪そんな感激して泣かなくても………は?なんで?》

 

 『仕えるも何も、私はますたーのポケモンだからね。ますたー以外の命令は聞く気ないよ。例え、創造神の命でもあってもね』

 

 

 ズンッ!と立ちはだかるトパーズに《うへぇ!?》とたじろぐテティス。更には少し威嚇するだけで《ひぃっ!?》と悲鳴を上げる何とも【冠位(クラウン)】としては情けない有り様だ。

 

 

 《あ、あのですね?喧嘩とかダメじゃないかな~ってわたし思うのよ。ほ、ほら、平和的に……ね?あ、そうだ!そこの人間さん!アンタそこの【冠位(クラウン)使い(・・)?とれーなー?でしょ!幸運に思いなさい!このわたし、女神テティスが仲間になってあげるわ!》

 

 「「《は?》」」

 

 《勿論ゲットするなら、モンスターボールも高級にしなさいよね!ほらほら、アンタが持ってるボールを寄越しなさいよ!》

 

 

 え、捕獲したくない……と内心そう呟くカルムだったが、ここで逃せば協会から何を言われるか分からない。何せ相手は協会が確認できていない【冠位(クラウン)】。しかもフヨウまでも目撃している為、隠蔽は難しいだろう。仮に隠蔽したとしても後々この窃盗まで起こした【冠位(クラウン)】を野放しにして、後々更に問題を起こせば面倒なことになるに違いない。

 

 

 「……えっと、ボールね」

 

 《このわたしに相応しいボールにしなさい!》

 

 『えー、コイツ仲間にするの?ますたー』

 

 

 仕方がないじゃない、だって【冠位(クラウン)】なんだもの。とカルムはリュックから幾つかのボールをテティスの前に置いていく。

 

 ハイパーボールにゴージャスボール、ダイブボール、ヒールボール。現在あるカルムの持ち物だ。

 

 

 《あら、中々良いボールじゃない。じゃぁ……この青いボールね!この女神テティスに相応しいわ!えっと、このボタンを押すのよね》

 

 

 カチッ!と自らボタンを押してカルムが置いたダイブボールに収まってしまう。しかも揺れることもなくそのまま捕獲完了の音が鳴ったのは言うまでもない。

 

 

 「【冠位(クラウン)】ゲット、でいいのかな」

 

 『これ、協会に報告待った無しだね』

 

 「あ、あのカルム君。そのテティスさん?をゲッたのよね?」

 

 「あ、はい」

 

 「………これ、請求書ね」

 

 「ぁ」

 

 

 手持ちポケモンが問題を起こしたら、その所有者のトレーナーが責任を負うのは当たり前の話である。だが、問題を起こした後にゲットした場合は………と思うだろう。残念ながら一般トレーナーならまだしもカルムはチャンピオンである。

 

 

 《ねーねー!わたし、供え物はお酒がいいんてすけどー!勿論食べ物は瑞々しい木の実ね!》

 

 『ますたー、この自称女神どうするの?』

 

 「取り敢えず、ボックスかな」

  

 『妥当だと思うよ』

  

 

 無論、ボックスに入れようとしたら猛抗議されて渋々カルムの手持ちに入るのであった。




 皆さんはこのすばメンバーをポケモンにするならどのポケモンにしますか?
 良ければ感想とかでご意見を貰えると嬉しいです。

カルムのヒロインは誰がいいと思いますか?

  • セレナ
  • サナ
  • コルニ
  • カルネ
  • ハルカ
  • フヨウ
  • メイ
  • その他(感想欄にて記載を!)
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