案外ボックスの中は快適である   作:喬喬

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ポケモンコロシアムって、知らない方いるんでしょうか……。


ドラゴンタイプってひこうタイプに似てますよね。鳥は恐竜の子孫的な話を聞いたことがあったような?つまり、ドラゴンタイプ=古代の力なのかもしれませんね。それはそうと、何でハジケリストって─────

 

 

 シンオウ地方。

 

 そこは万物創造神話を初め、数多の神話や伝説にお伽噺などが書物や石碑などに記録が残っている神秘に満ち溢れた地方。

 

 

 そこにある遠い地方(・・・・・・)からある人物が“コトブキシティ”に現れていた。

 灰色の髪に、金色の瞳は特徴的ではあるものの、何よりその人相が思わず周りの人々が目を逸らす程に悪い。しかし、年齢は20代前半と若くはある。そして彼の傍らにはエーフィ(・・・・)ブラッキー(・・・・・)が主人から離れようとはしていない。その二匹が如何に彼に懐いているのか一目で分かるだろう。

 

 

 「……随分遅かったな」

 

 「お久し振りです、レオ先輩(・・・・)

 

 

 かつて、遠い外国である(・・・・・・・)オーレ地方(・・・・・)に巣喰らっていた【シャドー(・・・・)】を壊滅させた国際警察官(・・・・・)である。

 恐らく国際警察の中で最強と呼ぶべき存在だ。

 

 

 「先輩はいい。今回、俺はお前の付き添いだ」

 

 「レオせんぱ……いえ、レオさんが居れば心強いです」

 

 「俺は【冠位(クラウン)】を所有していない、何処にでもいるトレーナーだ。【冠位(クラウン)】相手に俺はゴミクズ同然。期待するなカルム(エトワール)

 

 「(何をバカなことを)」

 

 

 過小評価が過ぎる、と思わず叫びたくなる。

 

 レオはそう言うが、彼の実力は最強の名に恥じない。何せ、シャドー(・・・・)という(・・・)世界最悪組織(・・・・・・)を一人で壊滅させた事が何よりの証拠。今日に至るまでにシャドーほどの(・・・・・・・)凶悪組織(・・・・)は存在しない。

 シャドーという組織は、非常に恐ろしい存在であった。カントー地方のロケット団やホウエン地方のアクア団マグマ団、その他の地方に存在する悪の組織が暗躍する中で、国際警察は最も脅威し、警戒していたのがシャドー。

 

 

 「(オレが戦っても負ける可能性が高い(・・・・・・・・・))」

 

 

 レオは国際警察最強と呼ばれているが、協会や国際警察だけならず、【冠位(・・)達が畏怖を(・・・・・)込めて(・・・)、こう呼ぶのだ。

 

 

 【略奪者(スナッチャー)】、と。

  

 万が一【冠位(クラウン)】が悪しき手に落ちた場合、強引に(・・・)引き戻す【略奪者(スナッチャー)】。国際警察では、総局長の懐刀(・・・・・・)という肩書き。

 

 レオの手持ちにいるエーフィとブラッキーはシャドーとの戦いの中で非常に特殊になっている。通常種ではあるものの、通常種が更なる頂きに至ったポケモン。レオ曰く、シャドーが使用していた“ダークポケモン”という戦闘マシンと化したポケモンとの戦闘を幾度と無く繰り返した結果、そこに至ったとのこと。この様なエーフィとブラッキー以外に他のポケモンは亜種や希少種を除いて至れないだろう。

 

 

 『久し振り、レオ』

 

 「相変わらずだな、トパーズ。面倒事(・・・)が増えたとシオン総局長(ボス)がボヤいていたぞ」

 

 『……怒ってる感じ?』

 

 「いや、むしろ褒めていた。よくあの(・・)テティスを見つけ出せたな、と」

 

 

 レオはトパーズの頭をポンポンと軽く叩くが、当の本人は(^ΦωΦ^)の顔で彼が片手に持つ“モモンとズリの実ラッシー”に興味津々である。因みにブラッキーとエーフィはボトルに入った“ガラナ”を首に下げてチューチューと寛いでいる。余談ではあるが、レオの容姿はイケメンであり、顔面600族だ。しかも普段クールな彼が甘々なジュースを片手に、近くにブラッキーとエーフィが和みながらチューチューとストローで“ガラナ(※炭酸)”を飲んでいる様はギャップの破壊力が底知れない。

 

 

 『ますだぁ~~~』

 

 「わかったわかった」

 

 

 “モモンとズリの実ラッシー”を買い、トパーズに渡すと器用に尻尾を手のように使いながら刺さったストローをちゅ~っと吸って飲み、幸福そうな表情を浮かべていた。

 

 

 「レオさん。“ロゴス神殿”って」

 

 「既にトパーズが聞いているだろ。“ロゴス神殿”とはテンガンざんの山頂(・・・・・・・・・)にある神殿(・・・・・)のことだ。“やりのはしら”、と呼べばこのシンオウでは馴染み深いだろうな」

 

 「そもそも、何故“ロゴス神殿”って名前なんでしょうか」

 

 「ボス(・・)曰く、あの神殿は建設当初からそういう名前だったらしい。が、月日が流れて今の“やりのはしら”と呼ばれるようになったんじゃないか」

 

 

 文献や古文書などでそういう記述があったのだろうか、と思ったカルムであったが、トパーズがすかさず『シオンが住んでいた家(・・・・・・)だからね~~~』と、トンデモ爆弾発言を噛ましてきたのだ。

 

 

 『久々に家に帰ってきたと思えば、家が崩壊していてぶちギレてたんだよねぇ。しかも“やりのはしら”として神殿になってるわ。神聖な領域として立ち入り禁止になってるわで……荒れてたなぁ』

 

 

 色々とツッコミどころがあるが、レオは聴覚をシャットアウトし、カルムも聞かないことにした。普通なら歴史的な話であり、神話や伝説に興味ある者なら根掘り葉掘り聞きたいだろう。

 

 

 「それは兎も角、カルム(エトワール)。お前、目立ち過ぎだ」

 

 「え」

 

 

 レオが突き出したスマホロトムを見ると、そこにはカルムとシロナのツーショットが写真に撮られたものがSNS上に載せられていたのだ。

 カロス地方チャンピオンとシンオウ地方チャンピオンのツーショット。

 カルムはカジュアルなダークスーツで、クールさを際立てていた。そして彼の傍らにはシンオウ地方チャンピオンのシロナが丈の長い黒のドレスを着用しており、普段からその様な姿を見せない為なのかSNSでは賑わっている。

 

 

 「カロスとシンオウのチャンピオンが仲良くデートとは」

 

 「う゛っ、す、すみません……」

 

 『ますたーますたー。レオは怒ってないよ』

 

 「人のプライベートを詮索はしない。が、お前は国際警察でもあることを忘れるな」

 

 

 コツン、と痛くないデコピンをしてふっ、と笑うレオは歩き出す。それに続いてエーフィとブラッキーも進んでいく。

 

 

 「レオさん、やりのはしらまではどうやって」

 

 「既に手配済み(・・・・・・)だ。そろそろ207番道路に着いている(・・・・・)はず」

 

 「?」

 

 『あー、彼等(・・)ね』

 

 

 カルムはレオのバイクの助手席に乗り(※エーフィとブラッキーも一緒)そのままエンジン音を鳴らしながら走り抜けていく。

 

 

 『ねー、私の席はー?』

 

 「走れ」

 

 『うわーんっ!』

 

 

 といいつつも軽いウォーキングの様に入るトパーズに乗り物は不要だ。その鮮やかに大地を駆けるその姿と風格は神獣である。時折すれ違う人々から注目の的だったのだが、その際は通常種のキュウコンとして走っているのだ。しかし、姿を偽ろうともその気配と風格は隠せない。尋常ならざるキュウコンという認識だ。誰もがキュウコンだと分かってはいるものの、まるで幻の────いや、伝説のポケモンがそこにいると錯覚してしまう程。

 

 

 

 

 そしてそうこうしている内に、207番道路に到着するのだが酷い霧が辺りに充満していたのだ。辺りにはトレーナーやポケモン達は存在せず、居たとしてもその霧には入ろうとはしない。人やポケモンを拒絶する霧………なのだが、カルムとレオを歓迎する様に霧が道を作るように晴れていく。

 

 その道筋を辿ると、開けた草原が広がってきた。

 

 

 「すまん、待たせたな」

 

 「!」

 

 

 レオが声をかけた刹那、先程まで居なかった筈の場所に三体のポケモンが佇んでいた。まるで最初からそこに居たかの様に……。

 

 その三体のポケモンの姿にカルムは思わず驚くしかない。

 

 

 ジョウト地方で伝説として語られる〖エンテイ〗・〖スイクン〗・〖ライコウ〗である。本来、伝説として語られる存在である筈なのだが三体共、非常にレオに懐いており、頭を擦り寄せたりじゃれたりしているのだ。

 

 

 『やっほー♪おひさしぶひゃっ!?』

 

 

 トパーズが三犬に話しかけようとした刹那、スイクンがハイドロポンプで顔面に浴びさせたのだ。まるで“話しかけるな”と言いたげにスイクンは白い帯の様な尻尾をレオの腕に絡ませて威嚇する。

 

 

 『相変わらずスイクンはレオにゾッコンだねー!でもでも!一応私はレオがちっちゃい頃からの付き合いなんだから!』

 

 「いや、お前と知り合ったのはオーレに行く前だろうが」

 

 “………相変わらずですね、アナタは”

 

 

 スイクンは息をするように嘘をつくトパーズに呆れる目を向け、当の本人であるトパーズは『てへぺろ♪』と誤魔化すが何ともみっともない。

 

 え、そのスイクンってテレパシー使えるんですか、とカルムがそういい出そうとするのだがその前にトラブルが発生してしまう。

 

 

 《アンタ、何してんのよ!》

 

 “げぇっ!?て、テティス……”

 

 《聴いたわよ!アンタ、《北風の化身》とか名乗って色んなところで水を浄化してるみたいじゃない!ふっざけんじゃないわよ!水を浄化するのはあたし、この女神テティス様よ!》

 

 “えぇ……て、テティスが仕事しないから私が代理をしろと【ホウオウ】様から使命を────”

 

 《はぁぁあ!?!?あの虹を撒き散らすアイツが!?アイツぅ!あたしの!女神の仕事を奪うなんて………!今度出会ったらタダじゃおかないわ!》

 

 “あのですねテティス。ホウオウ様は、一向にお姿を見せないテティスを探されていたのですよ。テティスを探し出し、女神として水の浄化を───”

 

 《勿論、報酬はあるわよね?》

 

 “────ぇ”

 

 

 スイクンはポカーンと、エンテイは現実逃避なのかレオの傍らに伏せ、ライコウはうわーっと引いている。そしてカルムとトパーズはあちゃーと頭を抱えるしかない。レオに関しては唐突に現れたテティスに「これがボスが言っていたテティスか」と興味深そうに観察するが、話の内容は入っていないらしい。

 

 

 《この女神を働かせるのよ?それ相応の報酬がなければならないわ!勿論、酒は必ずよね!それと………今の世界の貨幣でもいいわ!》

 

 『流石は駄女神だよね、テティスは』 

 

 《駄女神ってなによ!駄女神って!あたしは崇高な水の女神なのよ!》

 

 『……テティス(これ)、水清められるの?欲望まみれなのに』

 

 “そう、ですね。力は私が劣りますし……何より私の師であり、先輩ですから”

 

 《そう言えばアンタ、あたしを呼び捨てにしてたわね!生意気よ生意気!すこーし自分の方が仕事してるからって後輩のアンタが先輩を出し抜こうだなんて、許せないわぁ!》

 

 “て、テティス先輩!わ、わかりましたから!わかりましたから尻尾を引っ張らないでぇ!?!?”

 

 

 テティスとスイクンがバトってる(※テティスが一方的にではあるが)姿に思わずトパーズが尻尾でテティスの頭部をしばいてしまう。恐らくテティスをその様に出来るのはトパーズとカルムくらいである。スイクンだけではなく、エンテイとライコウもテティスにはあまり強く言えない様だ。

 

 

 《しばいたわねぇ!創造神(あの邪神)にもぶたれたことないのに!》

 

 『もう泣くよ、創造神(その邪神)さんが』

 

 「ほらテティス、はやくボールに入って」

 

 《や、やめなひゃいよぉ!頬にボールを押し付けないでえ!あとトパーズも頬を引っ張らないでぇ!》

 

 

 右頬からはカルムの威圧的にダイブボールをグリグリと押し付けられ、左頬はトパーズが尻尾で宥める?様に引っ張られるテティスはギャー!ギャー!と叫び喚く。その姿にため息をつくスイクン達はテティスに色々と苦労しているのだろう。

 

 

 “カルム様、テティス先輩のこと………ハチャメチャ面倒臭い方ですが(ボソッ)……苦労をかけるとは思いますが宜しくお願い致します”

 

 「は、はい」

 

 《スイクンっ!!!あんたねぇ~~~!》

 

 「テティス」

 

 《なによ!》

  

 「プラターヌ博士のところに隠してある秘蔵のお酒………没収ね」

 

 《…………………は?》

 

 

 あまりにも唐突な発言に、テティスはわなわなと震え出す。よろよろと力無くカルムの方へ向かい、そしてガバッ!と彼の服にしがみつくのだ。

 

 

 《な、なんで、隠してるお酒のことを……?》

 

 『私が教えたんだよ?』

 

 「プラターヌ博士に回収してもらうよ。しかもかなり高価なお酒………何処で買ったの」

 

 《なんでよぉぉぉお!?!?あたしが人間に変身して(・・・・・・・)働いて貯めたお金で買ったのぉ!日雇いでコツコツ働いたのよぉ!》

 

 『え、その日稼いだ分は全部飲み干してたでしょ』

 

 「テティス」

 

 

 ジト目で見下すカルムに嘘だとバレた(※人に変身してその日に(・・・・)稼いだ酒代はその日に使い切って呑み尽くしているのは事実)テティスはギクッ!?としてしまい、思わず目を反らすしかない。が、カルムは再度「テティス、さん?」と威圧されるといよいよ白状するしかない。

 

 

 《え、えっと……ですね?あの博士って人から貰ったものでして…………》

 

 『いやこっそり盗んだんでしょ。プラターヌ博士は気付いているけど』

 

 《へぁ!?》

 

 

 気付いていたの!?と叫ぶテティスであったが、しまった!と失言したのが運の尽き。ギギギキ、とカルムの顔を見るとニッコリ笑みを浮かべていた。

 

 

 「没収ね」

 

 《カルムしゃまぁぁぁぁあ!?!?ご慈悲をぉぉぉお!?!?あの子が最後の一本なのぉぉぉお!!!》

 

 

 わぁぁぁあ!?!?とギャン泣きするテティスにカルムは冷静にダイブボールへと戻す。戻される際に《お願い!お願いよぉぉお!カルムしゃまぁぁぁぁ!!!》と断末魔が叫ぶがカルムはガン無視。

 

 離れた場所で、師であり先輩であるテティスの余りにも情けない姿というべきか。スイクンは前足で目を隠し、エンテイとライコウはそんなスイクンにドンマイと言うように肩を置くしかない。

 

 

 『ますたー、なんで連れてきたの』

 

 「プラターヌ博士から、預けるならトパーズと共に、ってね」

 

 『苦労してるんだねぇ………』

 

 

 今度、プラターヌ博士にシンオウ名物の特産品などを多めに送ろうと誓うカルムであった。

 

 

 




誤字報告・評価などありがとうございます。

アンケートを行っていますが、期限は5/17(金)とします。

読者の皆々様、良ければアンケートのご協力をお願い致します。

カルムのヒロインは誰がいいと思いますか?

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  • ハルカ
  • フヨウ
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