連邦捜査部第1ヘリコプター班   作:h.hokura

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今回の話は作者が勝手に考えたイベントストーリー「パンデミック・ハザード~奇跡の一枚~」の続編です。
こんなのおかしいと思われる方がいたら申し訳ありません、寛大な心で許して頂けると幸せです。
戦闘時の奨励BGMについては今回は特にありません、出来れば各自で補完願います。



連邦捜査部(S.C.H.A.L.E)編
1.「パンデミック・ハザード~その後~」


キヴォトスからほど近い海域をエリカのブラックホークが飛行していた。

「先生、レーダーが目標を捕らえました、座標L11、距離30キロです。」

エリカがレーダーディスプレーを見て後部キャビンに居る先生に声を掛ける。

『ありがとうエリカ・・・手間を掛けるね。』

後部キャビンから先生が声を掛けてくる、かなり恐縮しているようでエリカは苦笑する。

まあそれも今回の依頼内容では仕方がないなとエリカは思う。

やがて前方にその目標が見えてくる。

「先生目標を視認しました。」

ヘリの高度を落とし目標の左斜め後方に位置させながらエリカが先生に報告しながら溜息を付く。

斜め前方を船でない巨大なパンケーキが疾走しているのを見ながら。

流石のエリカも自分は疲れていて幻覚を見ているのだという事にしたいという思いに駆られてしまう。

「事前に聞いていたとはいえやはり信じられませんね。」

事の起こりはゲヘナ学園風紀委員会の委員長である空崎 ヒナと先生から第1ヘリコプター班と連邦生徒会へ入った要請からだった。

だがヒナと先生からあった要請内容に首席行政官のリンと班長のミーナは最初2人の正気を疑ってしまった。

その依頼がゲヘナから逃げ出した巨大パンケーキの追跡と出来れば処理して欲しいと言うものだったからだ。

だがヒナから提供された映像を見せられたリンとミーナは納得せざるしかなく、待機中だったエリカに出動を指示したのだった。

エリカは一旦先生を迎えにゲヘナに向かい収容後にパンケーキが最後に目撃された外洋に向かい捜索を開始、そして今発見したのだった

「さてと・・・見つけて処理しろと言われましたがどうしたものでしょうね。」

ゲヘナからの報告によれば砲撃によって一度は倒されゴミ箱に投棄された巨大パンケーキがたった1日で復活し風紀委員会の追撃を逃れ海上に逃亡したらしい。

「とりあえず攻撃して様子を見ましょう・・・先生揺れると思いますのでベルトをしっかり絞めて下さい。」

エリカはそう言ってマスターアームのスイッチを入れディスプレイに搭載武装のロケット弾ポッドと機関砲を表示させる。

取り合えずコレクティブレバーのスイッチを操作して機関砲の発射モードに切り替えるとヘリを一旦パンケーキから離れると旋回し真横から突っ込んで行く。

照準器上にパンケーキを捕らえ射程距離に入ったところでサイクリックレバーの引き金を引く。

だが放たれた機関砲弾は触手に阻まれ本体には着弾せず、攻撃を受けたパンケーキは身を捩り進路を変え逃れようとする。

「目標進路を変更しました先生。」

『どこへ向かっているか分かるかい?』

先生の問いにエリカは航法ディスプレーを見て答える。

「このままだとR島へ30分で到達しそうです。」

R島は船舶の嵐の時に使用する退避港があるくらいで普段は無人の島だったとエリカは思い出す。

『追跡してエリカ、逃がさない様に。』

「了解です先生。」

エリカはヘリの進路をR島へ向けて速度を上げる。

そして30分後パンケーキはR島へ到着すると上陸して島中央部の森の中に姿を消すのをエリカと先生は確認する。

「先生どうしますか?」

島の上空を旋回させながらエリカは後部キャビンで島を見ている先生に問い掛ける。

『空から攻撃は出来るかい?』

「難しいですね、完全に身を隠しています、地上から行くしかないかと。」

先生の問いにエリカは首を振って答える、パンケーキは見事に森と同化しており近くまで接近しないと視認出来そうもなかったからだ。

『分かったエリカ、着陸して地上から行こう・・・ただ無理はしない様にね。』

「はい先生。」

ヘリは島の端に有る着陸出来そうな場所に降り立つとエリカと先生が下りてくる。

先生はシッテムの箱を持って、エリカは制服の上にタクティカルベストを身に着け、愛用のアンチマテリアルライフルを持って森を見る。

「先生、やはり危険だと思います、本当に一緒に行かれるお積りですか?」

タクティカルベストに装備された通信機やその他の装備品そしてアンチマテリアルライフルの装弾の確認を終えたエリカが先生に問い掛ける。

最初エリカは危険だから自分1人で行くつもりだったが先生が同行をする事を譲らなかったのだ。

先生として生徒1人を生かせる訳にはいかないと言って同行を強く主張したので、エリカは結局説得を諦め承諾するしかなかった。

「それでは出発しましょう先生、私から離れない様にして下さいね。」

「ああエリカ。」

エリカと先生の2人は周りを警戒しつつ森の中に入って行く。

「ゲヘナの給食部の方が?」

「まあ意図的では無かったんだけどね、風紀委員や生徒の娘達が被害にあって大騒ぎになったんだ。」

森の中を進みながら先生は今回の事件についてエリカに説明していた。

「なるほど・・・それで対応するに際して注意すべき点はありますか?」

「あいつは触手で捕獲して粘液まあパンケーキソースなんだけどね浴びせるんだ。」

先生は巨大パンケーキと遭遇した時の事を思い出しながら答える、うんざりした表情を浮かべながら。

「酷く不味いやつをね・・・お陰でトラウマになった生徒が続出したよ。」

「暫くはパンケーキを食べる気がしなくなりますねそんな話を聞いたら。」

エリカは何とも言えない表情で言うと先生も肩を竦めながら続ける。

「ああ私も当分食べるのも見るのもごめんだね。」

次の瞬間ざわっと音がして木々の間から先生の言っていた触手が飛び出してくる。

「先生、危ない!」

「うぁぁ!!」

触手は先生の足に絡みつくとその場に引き倒し森の奥へ引きずり込まれそうになる。

「先生むやみに動かないで下さい。」

エリカはそう言うとアンチマテリアルライフルの照準を触手に合わせて引き金を引いて撃つ。

発射された3発の弾丸が触手を引き千切り先生は解放されるも勢いがついていた為木に叩きつけられてしまう。

「先生大丈夫ですか?}

駆け寄ったエリカはベストからナイフを引き抜くと先生の足に絡みついている触手を切断し引き離す。

「な、何とかね、ショックで一瞬意識が飛びかけたよ。」

エリカの手を借りて立ち上がりながら先生が答えると落としてしまったシッテムの箱を持ちあげると確認する。

「こっちも大丈夫みたいだ、ってまた!?」

新たな触手が現れると先生とエリカに再び襲い掛かって来る。

「先生下がっていて下さい。」

先生を背後に庇うとエリカは構えたアンチマテリアルライフルによる正確な射撃で襲い掛かってくる触手を次々と叩き落す。

グォォン!!

触手が襲い掛かってきた森の奥からこちらに迫ってくる何かの音が聞こえ先生とエリカは顔を見合わせる。

「かなり苛立っている様だね。」

先生は聞こえてくる音の元を見ようと銛の奥へ目を凝らしながら呟く。

「その様ですね先生、後退しましょうこのまま戦うのは分が悪いです。」

木々の所為で視界が遮られ動きも制限される森の中での戦闘は不利だとエリカは判断し先生に伝える。

「そうだね・・・このまま森の外へ引きずり出そう、私をそうしようとした様にね。」

再び顔を見合わせ頷き合うと2人は後退を始める、先生が先に行きエリカは後方を警戒しつつ続く。

そして森の外に出たエリカはベストから今度は手榴弾を2個外すと迫ってくるパンケーキを待ち構える。

「先生はそちらの岩陰へ、頭を低くして耳を塞いでいて下さい。」

「エリカは大丈夫なのか?」

岩陰に隠れながら先生が問い掛ける。

「これくらいなら耐えられますのでご心配なく。」

一般人の先生に比べ生粋のキヴォトス人のエリカは全ての耐久性において優れている。

木々を倒し巨大パンケーキが森から飛び出してくるのを確認しエリカは2個の手榴弾のピンを同時に抜くと一呼吸置いてから2個同時に投げつけバックステップで距離を取るとアンチマテリアルライフルを構える。

狙い通り手前に落ちた手榴弾の爆発によって後方へ吹き飛ばされたパンケーキにエリカはアンチマテリアルライフルの銃弾を数発叩き込む。

手榴弾の爆発を受けたうえに強力なライフル弾を数発食らったパンケーキは木々を数本なぎ倒しその下敷きになってようやく動きを止めた。

激しい振動と耳を塞いでいても聞こる爆発とライフルの射撃音が収まったので先生は恐る恐る岩陰から出てエリカの傍らに立つと問い掛ける。

「撃破出来たかい?」

見た限りでは触手は全て引き千切られ無くなっていて本体の方はライフル弾によって大きな空洞が幾つも出来ていた。

「これで・ける・した・・こち・・として・・お手上・・す。」

耳が馬鹿になっているのかエリカの声は途切れ途切れにしか聞こえなかったが何とか終わったようだと先生は確信し胸をなでおろす。

その後暫く監視して完全に動きを止めた事を確認して先生とエリカは証拠写真を取ってからヘリに戻り離陸する。

「それでは処理します。」

十分距離を取ったエリカがロケット弾の照準をパンケーキに合わせると副操縦席に座る先生に宣言する。

「ああ頼むよエリカ。」

頷いたエリカがサイクリックレバーのボタンを押すとロケット弾がポッドから2発打ち出されパンケーキに突っ込んで行く。

命中した途端に激しい爆発音が響き周りの木々ごとパンケーキを炎に包みこんでゆく。

ゲヘナでの前例を考慮して焼き払う事を事前に先生と首席行政官のリンが決めていたのだ。

「これで終わったね。」

「お疲れさまでした先生。」

「エリカもね。」

2人は顔を見合わせ笑い合う。

燃え上がるパンケーキを後にヘリはシャーレに向けて帰還していったのだった。

後日談的な話。

「それじゃエリカ、ゲヘナへ来て詳しい説明を、終わったらゆっくりお茶でも飲みましょう。」

風紀委員長のヒナが深い思慕を抱くエリカだけをゲヘナへ呼び寄せようしてリンが機嫌を悪くして先生が宥めるのに苦労したり。

「焼き払うなら私がしたかったですわ。」

風紀委員会行政官のアコが通信機越しに先生に恨み言を言ってきたり。

「もう二度とあんなとはやり合いたくない。」

「ええ当分パンケーキは遠慮したいです。」

風紀委員会の切り込み隊長として知られたイオリと救護担当のチナツが顔を見合わせてぼやいていたり。

「これで給食部が風紀委員会のブラックリストに登録されたどうしよう。」

「2度と同じ間違いは起こしません。」

給食部のフウカが心配のあまり青くなっていたり、ジュリが決意に燃えていたりしたり。

「本当に興味深い事例でした、とは言えそれ程厄介ではありませんでしたが、まあ死体、いえ負傷者が多少出ただけですが。」

何でもない様に今回の事件を総括して周りを引かせている救急医学部の部長がいたり。

等色々あったのはまあ余談である。

 

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