私は昔からUFOやUAM等の話が好きで、当時よく放送されていた木曜スペシャルを毎回見ていたものです、今の若い方は知らない世界かも知れませんが(笑)。
書いていて思わずあの定番BGMが頭の中に、すませんまた知らない世界の話を・・・
後作中に出てきたプロジェクト・ブルーは実際にアメリカ政府と空軍によって実際に行われたUFO調査のプロジェクト・ブルーブックが元ネタです。
最近ドラマになったようですね。
「UFOですか?」
特異現象特捜部の部室に呼び出されたエリカは自称超天才病弱美少女ハッカー明星 ヒマリの言葉に困惑した表情で聞き返す。
「ええ最近キヴォトス上空に繰り返し現れています。」
UFO(未確認飛行物体)、エリカの様に空を飛ぶ者達にとってそれほど珍しいものではなかった。
意図不明、所属不明、識別不明な飛行物体になら何であっても付けられる名称だからだ。
「それほど珍しいものではないと思いますが明星いえヒマリ部長。」
訓練中に先生からミレニアムサイエンススクールへ呼び出されたエリカ。
ヘリポートで待っていた先生に案内されたのが特異現象特捜部、キヴォトスに起こる特殊な事件を調査する部だった。
「UFOってそんなに頻繁に現れるものなのかいエリカ?」
興味深そうに聞いてくる先生、キヴォトスの空にはUFOが乱舞しているのかとロマンを感じて。
「正体不明な飛行物体と言っても、それこそヘリや飛行船、ドローン等既存のものが多いですけど・・・」
エリカの説明に先生は気落ちした表情で、「外の世界ではUFOと言えばロマンの塊なんだけどな。」と呟く。
「兎も角そのUFOのキヴォトスにおける活動が最近増えていて各方面を騒がせています。」
そんな先生を横目で見ながらヒマリが説明を始める。
「ミレニアムサイエンススクールだけでなくゲヘナ学園やトリニティ総合学園など主要な学校で目撃されています。」
空中ディスプレーに情報を表示させながらヒマリが説明を続ける。
「正体不明なだけに各学校の間に疑心暗鬼を起こしている様ですね。」
「ああリンも懸念を抱いていて私に調査を依頼して来たんだ、そこへヒマリから共同調査の連絡を受けたんだ。」
先生がヒマリの後を受けて状況の説明をエリカに行う。
「まあどうして私が依頼を受けた事を知ったのか不思議だけどね。」
「それは超天才病弱美少女ハッカーだからですよ先生。」
その指摘にヒマリがドヤ顔で答えるの聞いてエリカと先生そしてエイミは苦笑する。
「それで特異現象特捜部はUFOについて何か情報を持っているのですか?」
「持ってはいますが現段階では情報が少なすぎます、何しろこのUFOは突然現れ消えてしまいます、その為満足に姿を捕らえられないからです。」
深い溜息をついてヒマリが空中ディスプレーに不鮮明な画像を表示させる。
「これは偶然ミレニアムの空中監視ドローンが撮影したものです、残念ながらその時に得られた僅かな情報しかないのが現状です。」
エリカの問いにヒマリは溜息を付きながら続けて言う。
「ただこの情報によりこのUFOの正体は別にしてミレニアム郊外にある廃棄地区近辺で現れたり消えたりしている事が分かりました。」
エリカはその言葉に先生とヒマリを見て言う、ちなみに廃棄地区とはセミナーの運営方針の変更で使われなくなった場所の事だ。
「何故私が呼ばれたのか理解できました、そのUFOの調査に協力しろと言う事ですね。」
「ええ、先生と我が特異現象特捜部と共同で行う調査、その名もプロジェクト・ブルーに。」
微笑みを浮かべヒマリが答えると何故かそのプロジェクト名を聞いた先生が「惜しいブックが付けば完ぺきだったのに。」と残念がるのだった、
1週間後・ミレニアム中央空港。
格納庫前に着陸してくるエリカのブラックホークを特異現象特捜部メンバーのヒマリと和泉元 エイミが待ち構えていた。
着陸しローターが止まるとエリカと先生が降り立ちヒマリとエイミの元にやって来る。
「やあヒマリ、エイミ、今日はよろしく。」
「お世話になりますヒマリ部長、エイミさん。」
「うんよろしくね先生、エリカ。」
エリカと先生の挨拶にエイミが微笑みながら返す。
「お待ちしておりました、準備は完了しています、あとは目標のUFOがいつ現れるかですね。」
一方ヒマリは車椅子の周りに空中ディスプレーを浮かび上がせながらエリカと先生を迎えると状況の説明を早速始める。
「エンジニア部から提供して頂いた監視ドローンは既にミレニアム上空に配置済みですのでこれに引っかかってくれれば・・・」
そうヒマリが言った時だった、アラーム音が鳴り空中ディスプレーの一つに警告の表示が浮かび上がる。
「反応がありました・・・まるでこちらの都合に合わせてくれたみたいですね。」
ヒマリが皮肉っぽい笑みを浮かべて更に詳しい情報を表示させる。
「情報通りミレニアムの廃棄地区に反応があります、セミナーで待機しているユウカとノアに至急伝えて下さエイミ。」
「分かったよ部長。」
セミナーでは会計のユウカと書記のノアが待機しておりエイミの報告に直ぐに返答が返ってくる。
『了解ですヒマリ部長、皆さん慎重にやっていただく様にと私とユウカちゃんからのお願いです。』
ノアからの返答に対して先生が頷きながら答える。
「もちろんだよノア、ユウカにも安心する様言ってくれないかな。」
『はい先生、ユウカちゃんに伝えておきますね。』
通信を終え先生はエリカとヒマリそしてエイミを見渡して言う。
「それじゃ出発だ、UFOの正体を確かめてみようじゃないか。」
「「「はい先生。」」」
そしてエリカはコクピットへ先生やヒマリとエイミの3人はキャビンに乗り込む。
操縦席に座ったエリカはベルトを締めると計器をチェック後エンジンを始動すると管制塔を呼び出す。
「ワルキューレ7より管制塔、離陸許可をお願いします。」
『こちら管制塔、ワルキューレ7へ離陸を許可します、作戦の成功を祈ります。』
「ワルキューレ7了解、感謝します。」
エリカは離陸許可を貰うとキャビンに乗っている先生達に出発する事を伝える。
「では出発します、ベルトを確認して下さい。」
「こちらは大丈夫だよエリカ。」
先生の返答を聞いたエリカがコレクティブレバーを引きヘリを離陸させると一路廃棄地区へ進路を取るのだった。
「エリカさん目標は廃棄地区上空を北西に飛行中です。」
飛び立ってから暫くしてヒマリがドローンから送られてくるUFOの情報をエリカに伝えてくる。
エリカは航法システムを確認しブラックホークを加速させて会合点へ向かわせる。
「予定座標まで15分です。」
15分後ブラックホークの前方にUFOを発見したエリカはヒマリ達に伝える。
「目標を捕捉これより接近します。」
「分かりましたエリカさん、くれぐれも慎重にお願いします。」
「エリカ、あくまでも正体を確かめるだけだよ、刺激する事は避けてね。」
ヒマリが答えた後先生から注意の言葉が掛けられる。
「はい先生、ではこれより作戦を開始します。」
観測システムを起動しエリカはビルの間を通り抜けながら飛行するUFOをブラックホークを操り同じ様に間を通り抜けさせながら追跡する。
そして接近するにつれて観測システムのカメラが捉えた漆喰の全翼機の姿がコクピットとヒマリの周りに浮かぶ空中ディスプレーに映し出される。
ヒマリは全翼機の映像とセンサーからの赤外線や発信電波等のデータを分析しその結果を先生達に伝える。
「操縦席らしきものが見当たらないですね、あと誘導電波らしきものを確認しました。」
「つまり何処からか操られている無人機と言う訳だね部長。」
ヒマリの分析結果を聞いたエイミが冷静に指摘する。
「所属は分かるかいヒマリ?」
先生の問い掛けに映像を確認していたヒマリが答える。
「校章も登録番号も確認出来ませんね。」
キヴォトスの空を飛ぶあらゆる航空機には所属する学校の校章や登録番号を付ける義務があり、それを怠ると学校間で定められた航空機運用条約に反する事になる。
場合によっては領空を管理する学校から武力攻撃を受け撃墜されても文句が言えないのだ。
「厄介ですね・・・目標速度上げると共に機動を開始。」
エリカ達にに追跡されている事を感知したのかUFOはビル群の間を速度を上げ激しい機動を行って引き離そうとする。
エリカはヒマリ達に報告するとブラックホークーの速度を上げUFO同様をビル群の間に入り追跡を続行する。
UFOはビルの壁面ギリギリや幅ギリギリの空間を飛ぶなどして追跡を逃れようとするがエリカは決して逃さなかった。
「・・・凄いですね、ワルキューレ達の噂は聞いていましたがこれ程とは思っていませんでした先生。」
「ホントエリカは凄いよ先生。」
ヒマリとエイミは感嘆の表情でエリカの操縦を見ながら呟く。
「まあそうだね、ただエリカは目的を忘れているかもしれないけどね。」
先生が苦笑しながらの言葉にヒマリとエイミは顔を見合わせる。
「エリカは空を飛ぶ事が好きな根っからのパイロットなんだよ。」
だから目的はUFOの調査である事を忘れ飛ぶ事に対しての喜びだけで今のエリカは驚異的な飛行をしているのだと先生は言う。
その間もUFOとブラックホークはビルを挟んで平行に飛んでいたかと思えば進路を交差させまた平行に飛んだりを繰り返す。
永遠に続くかと思われた廃墟のビル街での追いかけっこは唐突に終盤を迎える。
「UFOの高度が下がっていきます・・・コントロール不能になったみたいです。」
速度と機動力によってブラックホークを引き離そうとしていたUFOは突然推力を失ったのか速力が急速に落ち高度を落としていった。
「どうやら逃げ切れないと判断して機体を破棄する積りですね。」
状況を分析したヒマリがそう結論する。
「連中にとって今回の事は想定外だった訳だ。」
ヒマリの結論に先生は溜息を付きつつ降下して行くUFOを映し出す空中ディスプレーを見つめながら呟く。
やがてUFOはホバリングするブラックホークの目の前でビルの一つに突っ込んで爆発すると機体はバラバラになって飛び散って追跡は終わったのだった。
「こんなにバラバラになったら機体の回収は望めないね部長。」
エイミはバラバラになった機体の破片を見ながらそう言って溜息を付く。
「ええここまで追い込んだのに悔しいですね。」
ヒマリはエイミの言葉に顔を悔しさに歪めつつ答える。
「申し訳ありません私の力が及ばず。」
エリカの落ち込んだ声に先生は相変わらず真面目な娘だなと思いつつ慰めの言葉を掛ける。
「エリカの所為ではないさ、今回は相手の方が一枚上手だっただけだよ。」
「先生の言う通りですエリカさん、貴女はちゃんと責務を果たしました。」
先生の慰めの言葉に続きヒマリもそう言ってエリカを慰める。
「それに今回は画像に各種データを手に入れました、相手を特定する上で役に立つ筈です。」
「ああそれに相手も暫くは動きにくくなるだろうしね。」
UFOを送り込んだ者達は今回の事によって自分達が特定されるかもしれなと考え活動を一旦中止せざるをえない。
先生とヒマリはそう結論したのだった、エリカもそれを聞いてほっとした表協をエイミと共に浮かべる。
墜落したUFOの炎と煙を後にブラックホークは帰還するのだった。
その後ミレニアム中央空港に戻ったエリカ達をノアが迎える。
「お疲れ様です皆さん。」
「ノア達もね、それで墜落したUFOについてだけど。」
迎えてくれたノアに先生は廃棄地区に墜落したUFOの後始末について相談しようとしたが。
「はい、先生から連絡を受けC&Cの娘達に回収を依頼しました、今頃現地に向かっていると思います。」
万事抜かりの無いノアは先生からの一報後直ちにミレニアムの精鋭エージェント組織であるC&Cに墜落したUFO回収に向かわせていた。
「流石だねノア。」
その答えに先生は満足そうに笑うとエリカ達にも声を掛ける。
「エリカもヒマリとエイミもご苦労様。」
「はい先生。」
「後は回収された証拠と得られた情報による分析は私とエンジニア部にお任せ下さい。」
「エンジニア部は張り切りそうだね。」
こうしてシャーレとミレニアムの共同作戦プロジェクトブルーは終了したのだった。
なお後日特異現象特捜部とエンジニア部共同の調査の結果、UFOがカイザーPMCのものである事が分かった。
どうやらキヴォトス所属の各学校に対する戦略偵察が目的だった事がヒマリによって判明した。
もちろん連邦生徒会から抗議いや警告があったのは当然だった、もっともアビドスの時同様理事の左遷と形ばかりの謝罪でお茶を濁していたが。
後これは余談だが目的を忘れてしまい飛行に夢中になっていた事がミーナ班長にばれてしまったエリカは特別訓練と言う名のしごきを受ける羽目になった。