連邦捜査部第1ヘリコプター班   作:h.hokura

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ブルーアーカイブ イベントストーリー「Trip-Trap-Train」が今回の元ネタです。
トリニティ総合学園の生徒会・ティーパーティーのナギサから託された遺物を運ぶイチカと先生。
列車でなくエリカのヘリで運んだらというパラレルストーリーです。



5.「Trip-Trap-helicopter」

某所・ヘリポート

武装した黒いヘルメット姿の4人が目隠しされ手錠を掛けられた少女を駐機しているヘリへ連行していた。

「さあ乗れ・・・言っておくが無駄な抵抗はするなよ。」

「・・・・・」

少女はそれに答える事も無くヘリに乗る、そして座席に座らせられ手錠に繋がれた鎖をフックに固定される。

「まあ精々残りの時間を悔いて過ごせ・・・到着次第お前は処刑されるんだからな。」

連行して来た1人がそう声を掛けるが少女は無言のまま俯く。

「ふん・・・」

少女を乗せた者達はヘリから降り扉を閉じる、諦めたなと思いながら。

だが彼女達は俯いた少女が笑っていた事に気づかなかった、そう少女はこんな状況になっても諦めていなかったのだ。

やがてヘリは上昇すると何処かへ向かって飛び去って行ったのだった。

遺跡発掘チームテント内

「先生、輸送用コンテナの積み込み準備完了~っす。」

テント内に入って来た正義実現委員会の仲正 イチカが資料の整理をしていた先生に報告する。

「ああ助かるよイチカ、ありがとう。」

整理し終わった資料を自分の鞄に入れながら先生はテント内に入って来たイチカに礼を言って微笑む。

「それで先生、このティーパーティー行きのコンテナをどう輸送するん~っすか?」

その日イチカはでとある遺物をティーパーティーに届ける為発掘作業を指揮していた先生の元を訪れていた。

正義実現委員会の羽川 ハスミからの指示によって。

ハスミによればティーパーティーの正当性に関わる重要な物と説明を受けたがイチカはいまいち理解できなかった。

とはいえ正義実現委員会の任務であるのだからイチカとしては全力で当たる積りだった。

合わせて今噂のシャーレの先生がどんな人物か見極めるいい機会だとイチカは思っていた。

「ああコンテナの輸送方法だけど・・・どうやら来たみたいだね。」

「それって・・・?」

先生の言葉にイチカが聞き返そうとした時、彼女の耳にこちらへ接近して来る音が耳に入ってくる。

「これってヘリ~っすか?」

イチカはその音がヘリのものである事に気づき先生を見る。

「ああ、ヘリでトリニティまで輸送することにしたんだ。」

先生は頷くと鞄を持つとイチカを伴ってテントの外に出て行く。

ヘリはテント前の広場上空でホバリングしていた。

「先生、このヘリってまさか?」

機体に描かれたャーレのマークと『001ー07』の機体番号を見てイチカはめったに開かれない目を開けて見つめる。

「シャーレの第1ヘリコプター班・・・ワルキューレ~っすか?」

先生は頷いて見せるとイチカは呆然とそのヘリを見る、まさか先生だけでなくあのワルキューレにも遭遇するとは思って見なかったからだ。

やがてヘリはホバリングを解くと先生とイチカの前に着陸しエンジンを停止する。

そしてコクピットの扉が開き降り来た白い制服姿の生徒は先生を見ると微笑みながら挨拶をしてくる。

「先生お待たせしました。」

「ご苦労様エリカ、ああ彼女は今回の輸送任務に同行してくれる正義実現委員会の仲正 イチカだよ。」

先生は隣に立つイチカをエリカに紹介する。

「第1ヘリコプター班佐々木 エリカです、よろしくお願いいたしますイチカさん。」

「こちらこそよろしく~っす、いやあ第1ヘリコプター班の人とご一緒できるとは感激~っす。」

何時もの調子でイチカは微笑み返しつつエリカに挨拶する。

その後テントに戻るとエリカは先生とイチカに飛行経路の説明を始める。

「長距離の為トリニティへ向かう途中で給油と休憩を兼ねてとベーター3に着陸します。」

航続距離の関係から仕方が無いと説明した後エリカは深い溜息を付きつ言葉を続ける。

「まあ、私としては降りたくは無い所なんですが。」

エリカがそう言うのも無理はなかった、何故ならベーター3が独立自治区と呼ばれる各学校や連邦生徒会の権限の及ばない所だったからだ。

独立自治区といえば聞こえはいいが要は無法地帯と変わらない所だからだ。

何しろまともな行政組織が存在せず、自治区を牛耳っているのは犯罪組織、言わばマフィアなのだ。

違法薬物から武器類の密売、果ては人身売買まで行われているらしく、各学校や連邦生徒会からは忌み嫌われている。

かってアビドス高等学校を窮地に追い込んだ借金の元凶である銀行があった地区もたそうであった様に。

なおベーター3のマフィアのバックにカイザーコーポレーションが居ると噂さがあるとエリカは説明する。

一応空港内は多少はまともらしいが、けっして安心できない、街中同様一歩間違えれば無法地帯だったからだ。

取り敢えず短時間だけ空港に居れば大丈夫だろうが十分注意する必要があるとエリカは先生とイチカに伝える。

「分かったエリカ、それじゃ出発準備をしよう。」

先生とイチカがコンテナをヘリに積み込む間エリカはヘリの点検を済ませる。

全て終了後ブラックホークは離陸するとベーター3へ向かったのだった。

ベーター3・空港

そして出発してから3時間後ブラックホークはベーター3の空港に到着した。

「いやあエリカの言う通りだった~っすねえ。」

着地後ヘリから降りて空港を見渡したイチカが納得したと言いたげに肩を竦めてみせる。

何しろ歩いている連中はどう見てもまともな感じが見受けられなかったからだ。

「確かにね、エリカそれでこの後は?」

先生も周りの様子を見て溜息を付きながらエリカに尋ねる。

「早めに燃料補給をして離れましょう・・・トラブルが起きないうちに。」

先生とイチカはエリカの言葉に引きつった笑みを浮かべ頷く。

その後エリカが給油して居ている間、先生はイチカに守られながら待機していた。

ちなみにエリカが自分で給油しているのは余計な手間やトラブルを避ける為だった。

下手に作業員にやらせたら法外な料金を取られたり、変な細工をされる恐れがあったからだ。

自分で給油すれば燃料代だけで済む、まあそれでも相場より高い金額になってしまったが。

「先生給油完了です。」

給油パイプをヘリから外し点検を済ませたエリカが先生に報告する。

「ご苦労様エリカ、それじゃ出発・・・」

そう先生が言い掛けた瞬間、2ブロック程離れた駐機場で爆発が起こり3人が振り向く。

「先生、ブラックホークへ!」

爆発に続き銃撃音が響く中エリカが先生に叫ぶ。

既にイチカがアサルトライフルを持ち状況を確認する為駆け出している。

「エリカ、イチカ無理をしないで。」

先生の声にイチカは手を上げて答え、頷いたエリカはアンチマテリアルライフルを構え彼女のバックアップに入る為後を追う。

「それにしても何が起こった~っすか・・・」

イチカが吹き上がりこちらに流れてくる煙を見ながらそう呟いた瞬間。

「ハーハッハッハッハ!!!」

その煙の中ら何かが飛び出しイチカに突っ込んできた。

「くっ!」

間一髪でさけるイチカ、突っ込んできたものはその後ろに居るエリカに向かって行く。

「エリカ!?」

エリカは避けるのではなくライフルでそれを叩き落す。

「うぉぉぉ!!」

叩き落されたものがそんな声を上げた事でエリカとイチカはそれが少女だと気づく。

「いたたた、これまた熱烈な歓迎ですな。」

大したダメージを受けた様子もなくその少女は立ち上がり言う。

「誰~っすか?」

持っているアサルトライフルを少女に付きつけながらイチカが聞く、一方エリカはアンチマテリアルライフルを構えながら周囲を警戒する。

「うむ私か、私は・・・」

「居たぞ、逃がすな!」

少女が答えようとしたが彼女の後方から聞こえてきた声に中断される。

立ち込める煙の中からサブマシンガンを持った黒のヘルメットと制服を着た4人が現れる。

「お前たちは?・・・まあいいその女は我々のものだ、手を出すなら容赦しない。」

サブマシンガンを向け1人がイチカとエリカに言う。

「これは厄介事みたい~すねえ。」

「はいイチカさん、出来れば関わりたくありませんが、そうもいかないようですね。」

4人組はこの少女を素直に引き渡してもイチカとエリカを見逃してくれるか怪しいと2人は思った。

殺気に溢れている4人はこちらが何を言っても聞いてもらえそうもなさそうだったからだ。

「まあ仕方ない~っすねえ。」

そう言った後イチカはライフルを持ち変えると正面に立っていた黒メット少女に突っ込みストックで腹に一撃を加え突き飛ばす。

「ぐぅぇ!」

「てめえ何を?」

倒れた仲間に慌てた1人がサブマシンガンを向けて撃とうしたが、エリカの射撃をヘルメットに受けこちらも数メートル突き飛ばされる。

「「ああ!?」」

残り2人が声を上げサブマシンガンをイチカとエリカに向けるが咄嗟に懐に入った2人に当て身を食らわされ地面に倒れる。

「おお2人とも凄いじゃないか。」

高みの見物状態だった少女は腕を組み偉そうに言って笑う。

「何っつか腹が立つん~っすけど。」

「まあ取り合えずブラックホークへ戻りましょう、増援が来る前に。」

少女の態度に眉を顰めるイチカにエリカは苦笑しつつ言う。

イチカとエリカは偉そうな少女を連れヘリに向かう。

「エリカ、イチカ、どうだったって、彼女は?」

ヘリの傍で待機していた先生はイチカとエリカの連れてきた少女を見て目を丸くする。

「説明は後で、直ぐに出発します。」

エリカは先生とイチカと共にその少女をブラックホークに乗せ扉を閉めるとコクピットに乗り込みエンジンを始動する。

「まて!!」

追ってらしい数人の黒ヘルメットが追いかけて来るのを見てエリカはブラックホークを上昇させ空港から離脱する進路を取る。

何人かが射撃するが距離が有ったので命中せず、彼女達は悔し気にブラックホークを見送るしかなかった。

「ハーハッハッハッハ!!!助かったぞ、2人には感謝しよう。」

発進したブラックホークの中でその少女は偉そうな態度で先生とイチカに言った。

「このままヘリから叩き落していい~っすか先生。」

少女の態度にイチカが切れかかったのか先生に低い声で尋ねる。

「いやイチカ落ち着いて・・・えっと君の所属学校と名前は?」

先生がイチカを宥めつつ少女に所属学校と名前を聞く。

「我はゲヘナ学園温泉開発部の部長鬼怒川 カスミだ!」

「鬼怒川 カスミ・・・ってゲヘナの温泉開発部の!?」

その名を聞いたイチカが驚愕の表情を浮かべ呟く。

「イチカ、その温泉開発部っていうのは?」

驚いた先生が尋ねるとイチカは眉を顰めながら答える。

「トリニティだけでなくあちこちの学校で騒ぎを起こしている連中~っす。」

『私もゲヘナの風紀委員会のヒナ委員長から聞いた事があります、美食研究会と並ぶ問題児集団だそうですね。』

操縦しながらエリカがそう言ってくる、前にヒナとお茶をした時に聞いた覚えが有ったのだ。

「騒ぎって?」

「所構わず温泉を掘るらし~っす、ツルギ委員長も頭が痛いとボヤいていった~っすね。」

イチカの言葉に先生は一瞬引きつり、ふと何か感じてカスミに問い掛ける。

「カスミ、君はどこで温泉を掘ったんだい?」

「ああ良い場所を見つけてな・・・確か何とかファミリーの屋敷だったかな。」

思わず顔を見合わせる先生とイチカは共に嫌な予感に襲われていた。

「思い出したアランチーノ・ファミリーだったな、まあへまをやって捕まってしまったがなハーハッハッハッハ!!!」

「アランチーノ・ファミリーってまさか?」

『はい先生、ベーター3を牛耳っているマフィアですね。』

最悪だと先生は頭を抱え、イチカは呆然とした表情になる。

「だからですねこれは・・・」

「えっそれってエリカ?」

だが先生が聞き返す前にエリカはフレアを焚きながらブラックホークを急降下させる。

「あぁぁぁ!!」

地面に突っ込んで行く様子にイチカが悲鳴を上げる、直後にミサイルがフレアに命中し爆発する。

地上数20メートルまでブラックホークを降下させたエリカは機体を水平に戻すと風圧で土や枯れた樹木を吹き飛ばしながら低空飛行をさせる。

「どうしたんだエリカ?」

『・・・相当恨まれている様ですねカスミさんは。』

エリカの声に先生がキャビンの窓から見ると3機のヘリがこちらに接近して来る事に気づく。

「やっぱりアランチーノの奴ら~っすか!?」

恨まれていると聞いてイチカがエリカに問い返す。

それに答える代わりにエリカはブラックホークを急上昇させた為先生とイチカは座席に押し付けられる。

「喋らないで・・・舌を噛みます。」

そう言ってエリカはブラックホークを水平飛行に入れると敵ヘリの後方に食らいつく。

素早くマスターアームを入れ機関砲モードにする。

正確に機体をコントロールし敵ヘリの1機に照準を合わせるとサイクリックレバーの発射ボタンを押す。

放たれた機関砲弾が敵ヘリのエンジンに命中すると急激に降下して地面に叩きつけられる。

それを見届けると言う愚を犯さずエリカは機体を今度は急旋回させるともう1機の後方に着く。

後ろを取られたヘリは速度を上げ激しい機動で引き離そうとするが、エリカは相手にそうはさせず正確に機関砲の照準を合わせ射撃する。

射撃を受けたヘリは機体後方が引き裂かれそのまま地面に突っ込み果てる。

残った1機は敵わないと思ったのか急速に空域を離脱していったがエリは追う事は無かった。

「見逃すのかい?」

先生が訪ねるとエリカは肩を竦めながら答える。

『弱い者いじめをしたくないので・・・もし油断させてまた襲ってくるのなら次は必ず落とします。』

「2度目は無い」エリカはそう断言する、先生とイチカはその言葉にパイロットとしてのプライドと実力を見た気がしたのだった。

「いや~流石は噂のワルキューレだね、助かったよ、ハーハッハッハッハ!!!」

「やっぱりこいつ叩き落します、いい~っすよね先生。」

「イチカ、落ち着いてね、気持ちは分かるけど。」

何故か偉そうにしているカスミにイチカは青筋を浮かべながら呟き、苦笑しながら先生がそれを宥めるのだった。

その後の事だが・・・

トリニティに到着しティーパーティーのナギサに遺物を引き渡そうとしたのだが、アランチーノとの戦闘で遺物が壊れてしまった事が到着後に判明した。

エリカと先生そしてイチカは平謝りしたのだが、ナギサは遺物があると言う事が重要なので問題無いと許してもらえたのは幸いだったと言えるだろう。

あと全ての元凶である温泉開発部のカスミだが、遺物の事もあって激怒していたイチカによって簀巻きにされゲヘナにエリカと先生によって連行された。

そして待ち構えていた風紀委員長のヒナに引き渡された。

「貴女・・・覚悟は出来ているわよね。」

「ひやぁぁ・・・」

涙目になりながらイオリとチナツによって連行されていった。

「迷惑掛けたわねエリカ、お詫びとして・・・」

そう言ってエリカを引き留めようとしたヒナだったが。

「ヒナ委員長、まだ業務が残っています。」

エリカへ嫉妬したアコによって委員会室に引きずられていった。

という光景が繰り広げられが、兎も角先生とエリカの任務は何とか終わったのだった。

「疲れましたね先生。」

「そうだねエリカ。」

なおシャーレにある先生の執務室で老夫婦の様な会話する先生とエリカいたらしい。

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