連邦捜査部第1ヘリコプター班   作:h.hokura

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あらすじにも書きましたが、この作品ではアニメ第2話からの開始します。
ですので既にアニメ第1話での先生と対策委員会メンバーの出会いは終わっています。



アビドス編
1.「ブラックホーク」


砂漠の上空を1機のシャーレのロゴマークを付けたブラックホークが飛んでいた。

そのヘリのコクピットで操縦しているのは白い制服を着て頭に天使の輪の様なものを浮かべている少女だった。

飛行するヘリの前方広がる砂漠に砂塵が一列に走っているのを見た少女は素早くマスターアームのスイッチを入れる。

ディスプレイに搭載武装である左右のスタブ・ウィングに装備されたロケット弾ポッドが表示される。

少女はコレクティブレバーに有るスイッチを操作してロケット弾の発射を選択するとヘリを加速させて行く。

やがてその前面に数台の装輪装甲車とそれに守られて走るトラックが見えてきた。

「目標を確認・・・皆さん準備はいいですか?」

少女の問いに後ろのキャビンに居る者達の返事がインカムを通し返ってくる。

『何時でもいける。』

『おじさんの準備は終わっているよ。』

『はい大丈夫ですよエリカさん。』

『私も大丈夫です。』

『エリカ頼むよ、でも無理はしない様にね。』

アビドス高等学校のアビドス廃校対策委員会メンバーと先生からの声を聴いたヘリパイロットのエリカが頷いて言う。

「それでは突入します、以後の指示をアヤネさんと先生お願いします。」

数時間前、連邦捜査部(S.C.H.A.L.E)第1ヘリコプター班専用ヘリポート。

そのヘリポートで駐機されているブラックホークを点検していた佐々木 エリカの元に首席行政官である七神 リンが訪れた。

「首席行政官、何かありましたか?」

突然の首席行政官の出現にエリカは戸惑った表情を浮かべ問い掛ける。

彼女の様な高位の者が現場に来る事など前例が無かったからだ。

「突然の事で申し訳ありません、緊急の要請が先生からあり、私が直接伝えるのが妥当と判断しました。」

連邦捜査部「シャーレ」の顧問である先生からの要請と聞いてエリカが緊張する。

「厄介なトラブルが発生した様です、エリカはC-3装備でアビドス高等学校へ向かい以後は先生の指示に従って下さい。」

C-3とは対地ロケット弾ポッドと高性能爆薬を詰めたコンテナを組み合わせた装備の事だ。

余程の事がなければ使われない、目標の殲滅を目的とした装備であることをエリカは思い出す。

既にグランドクルー達がヘリにロケット弾ポッドの搭載とコンテナの運び入れを開始している。

「了解です首席行政官、準備完了後直ちにアビドス高等学校へ向かい、以後は先生の指示に従います。」

「お願いしますねエリカ。」

姿勢を正し指示を復唱するエリカにリンは頷いて答える。

20分後C-3装備を搭載したエリカのブラックホークはヘリポートを発進して行く。

リンはヘリが見えなくなるまでそこに佇んで居た。

30分後エリカのブラックホークはアビドス高等学校到着し校庭に着陸する。

着地後直ぐに校舎から4人のアビドス高等学校の生徒と先生がヘリに向かって来る。

ベルトを外しヘリのドアを開けエリカは校庭に降り皆を迎える。

「連邦捜査部第1ヘリコプター班の佐々木 エリカです・・・先生お久しぶりです。」

エリカはシャーレのビル奪回作戦に他校の生徒達と共に先生と参加した事があった。

「ああ久しぶりだなエリカ・・・思い出話は後だ、至急飛んでくれないか、事情は目的に着くまでには話すから。」

「了解です先生、アビドス高等学校の皆さまよろしくお願いしますね。」

ほほ笑んで挨拶するエリカにホシノや普段は表情を表す事の少ないシロコさえ頬を赤めてしまう。

「あらら噂に違わず美人さんですね。」

「はい、事前に見ましたが本人を前にすると・・・」

ノノミは嬉しそうにアヤネは冷静に振舞っていたがやはりほほを赤くしてしまいながら言う。

「・・・?」

一方のエリカは皆の反応に首をかしげていた、そしてそれを見ていた先生は苦笑を禁じえなかった。

背中まで届く黒髪を操縦する時はアップにし、グラマーでは無いが均整の取れた身体を白いシャーレの制服に包んだエリカ。

かなりの美少女なのだが本人はそれを意識した事がまったくなかったのだ。

「・・・兎に角皆急ごう。」

先生は苦笑しつつ皆を促す。

「「「「はい先生。」」」

「では皆さまこちらへ。」

エリカがキャビンのスライドドアを開けると装備を持った4人とタブレットいやシッテムの箱を持った先生がヘリに乗り込む。

皆が乗った事を確認しスライドドアを閉じたエリカは操縦席に戻りエンジンを始動するとコレクティブレバーを引きヘリを上昇させる。

一旦ホバリングして計器を確認後、先生から聞いた目標ポイントにヘリの進路を取ったのだった。

10分後ブラックホークは拠点に向かっていたカタカタヘルメット団の輸送部隊に追いついていた。

エリカはアヤネと先生に伝えると照準器に装輪装甲車を捕らえてサイクリックレバーのボタンを押してロケット弾を発射する。

閃光と衝撃音が響き先頭の装輪装甲車が横転し暫し近くにあった砂山に衝突し擱座する。

「な、何に!?」

急停止しトラックから降りたヘルメット団の少女は直後上空を飛び抜けたヘリを見て驚愕する。

ヘリの胴体にあったシャーレのロゴマークと機体番号の最後尾に1がある事を確認して叫ぶ。

「こんなところに何でシャーレのヘリが!?しかも第1ヘリコプター班かよ。」

叫んだ少女はシャーレに第1から3までのヘリコプター班がある事を知っていた。

特にその中で最精鋭なのが第1ヘリコプター班だと言う事も。

それが目の前に現れたのだから驚愕するのも仕方のない話だった。

上空通過後旋回して戻って来たブラックホークはホバリングに入ると両側のスライドドアが開けられ3人の少女達が飛び降りる。

まず先行したのはシロコでヘリに向けて射撃していたヘルメット団に銃弾を浴びせ怯んだ隙にトラックに駆け寄り後部ドアを開く。

一方後続したホシノとノノミはそれぞれミニガンとオートショットガンで援護していく。

「泣き顔のセリカ発見。」

「泣いてなんかいないわよ!」

突然の展開に驚いていたセリカはシロコの言葉に真っ赤になりながらも言い返す。

その会話にホシノとノノミは「しょうがないな。」「そうですね。」と笑いあい。アヤネと先生はほっとした表情を浮かべる。

まあ先生がこの後に「伊達にストーカーじゃない。」の台詞でセリカを激怒させてしまったが。

一方奇襲を受けたヘルメット団は態勢を整えると装輪装甲車でシロコ達やヘリに対して反撃を開始する。

シロコ達は応戦を開始するがカービン銃やミニガンでは装輪装甲車を撃破するのは難しかった。

『ロケット弾を再度打ち込みますので注意願います。』

装輪装甲車の攻撃をかわしつつエリカが再度ロケット弾で装輪装甲車の1台を擱座させたものの残弾が無くなり一旦離脱を余儀なくさせられる。

元々物資や人員の輸送専門のヘリだけに戦闘ヘリに比べ攻撃力は若干劣るの仕方が無い事だった。

「エリカ、C-3装備ならコンテナを持って来ているな。」

『はい先生、後部キャビンに置いてあります。』

「よし、皆私から提案がある。」

先生は自分の提案を説明する。

「どうだろうか皆?」

その提案にシロコ達とエリカは賛成の声を上げる。

「アヤネ、後は頼む。」

「はい先生、皆さん各自所定の行動に移って下さい、先生はコンテナをドローンに搭載願います。」

先生から任せられたアヤネが指示を出すと、シロコ達が遮蔽物から出るとヘルメット団を誘導する為射撃をしながら走り始める。

「ドローンへコンテナを搭載したぞアヤネ。」

「ありがとうございます先生、エリカさんドローン発進後ヘリを所定の場所へお願いします!」

『了解。』

リモコン代わりのタブレットを操作しアヤネはヘリからコンテナを搭載したドローンを発進させる。

ヘリはドローン発進後1キロ程離れた所に有る一部崩壊しているビルの屋上に向う。

エリカは屋上に着地させるとアンチマテリアルライフルを持って先生とアヤネと共にヘリを降りる。

屋上に残されていた壊れかけのテーブルを移動させその上にアンチマテリアルライフルを乗せスコープを調整する。

『先生!連中を目的地点まで誘導完了。』

「よし!エリカそっちはOKか?}

先生の問いにエリカはスコープを覗き込みながら片手を上げて答える。

「良しアヤネ!」

「目的地点まで10秒・・・5・4・3・2・1・投下。」

アヤネがタブレットを操作し目的地点まで飛行させたドローンから高性能爆薬の入ったコンテナを装輪装甲車上に投下する。

スコープで投下されたコンテナに照準したエリカがアンチマテリアルライフルを連射する。

そして放たれた銃弾が正確にコンテナを貫き激しい閃光と衝撃を放ち装輪装甲車2台とも横転させる。

爆発で擱座した装輪装甲車から逃げ出したヘルメット団員達が情けない声を上げて撤収して行く。

「「「「やったぁぁ!!」」」」

駆け寄りハイタッチをするシロコ達だったが、我に返ったセリカがその行為に顔を真っ赤にして言い訳を始める。

それを生暖かい目でみるシロコ達にセリカは益々顔を真っ赤にして言い訳を続けるのだった。

「先生やりましたね。」

「ああ皆のお陰だよ。」

『いや私達の先生は偉大だね~だから謙遜をしなくても良いと思うんだよおじさんは。』

ホシノが笑みを浮かべながら通信してくる。

『それにエリカちゃん、君の狙撃能力も凄いね、セリカにも負けていないよ。』

『ふん、私だってそのくらい造作も無いわよ・・・まあエリカの狙撃も凄い事は認めるわ。』

『おっセリカちゃんのツンデレ相変わらずだね。』

「セリカもよくやってくれたよ、ありがとう。」

『ふん・・・でもまあ先生も助けてくれてありがとう。』

『やっぱりセリカはツンデレ。』

『そうですね、まあそこがセリカちゃんの可愛いところですよホシノ先輩。』

『あんた達いい加減にしなさいよ!!』

無線上で響き渡るセリカの声に皆が笑いあう姿をエリカは微笑ましく見守るのだった。

その後エリカはシロコ達を回収しアビドス高等学校に帰還した。

「エリカ今日は助かったよ。」

帰還後ヘリを点検していたエリカの元に先生とシロコ達がやって来る。

「いえ私はやるべき事をしただけですよ先生、お礼なら首席行政官に言って下さい。」

生真面目なエリカの台詞に先生は苦笑し、シロコ達は顔を見わせてほほ笑んでいた。

「それでエリカちゃんはもう帰るのかな、おじさんとしてはちょっと寂しいね。」

そんなホシノの言葉にシロコやノノミ、アヤネそれにセリカが表情を曇らせる。

短い付き合いだったが皆エリカを気に入っていたのだ、頼りになる彼女の事が。

「その事なんですが・・・先ほど首席行政官から通達がありまして。」

そう言ってエリカは自分のスマホを先生とシロコ達に見せる。

「帰還指示が出るまで先生とアビドス高等学校の生徒さん達の支援をせよと。」

リンからの通達が表示された画面を見てシロコ達が嬉しそうな表情を浮かべる。

「それでアヤネさんお願いがあるのですが、校庭の隅にある倉庫を使わせて貰えませんか?」

倉庫を見ながらエリカはアヤネに尋ねる。

「えっあの倉庫ですか?・・・それは構いませんが。」

一瞬困惑するがアヤネは先生に視線を向け、頷くの確認して了承する。

「あそこをヘリの格納庫代わりにするの?」

シロコがエリカの意図に気づき問い掛けてくる。

「その積りです、整備機材や補給物資については第1班から送られてくる予定です。」

エリカはシロコの問いに答える。

「いや~2人も増えてアビドス高等学校も賑やかになるね、おじさんは嬉しいよ。」

「賑やかなのは苦手だけど・・・それも良いかも。」

ホシノとシロコが顔を見合わせてほほ笑みあう。

「本当ですね、今までを思い出すと。」

「まあ戦力が増えるのは良い事よ・・・って何皆笑っているのよ!」

頬に手を当ててほほ笑みを浮かべるノノミ、ツンデレを発揮するセリカ。

「了解したよエリカ、今後ともよろしくお願いするよ。」

先生は手を伸ばしエリカと握手する、こうしてアビドス高等学校に新たな仲間が生まれたのだった。

なおエリカが倉庫を整理した際に埃を被っていたバギーを見つけ、アヤネと共に修理して貴重な足として活用することになった。

兎も角新生アビドス廃校対策委員会がここからスタートしたのだった。

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