連邦捜査部第1ヘリコプター班   作:h.hokura

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第1ヘリコプター班の二つ名であるワルキューレとヴァルキューレ警察学校が重なってしまいますが、別物とお考え下さい。


3.「便利屋68(シックスティーエイト)」

「つまり違法なものがキヴォトスに持ち込まれていると言う事ですか?」

連邦生徒会・首席行政官室の照明が落とされた部屋で3人の人間がスクリーンを見つめながら会話していた。

「はい、シャーレ分析班の鑑定結果によれば現在は使用禁止となっているモジュールが多数見つかったそうです。」

リンの問いかけにタブレット端末を見ながらエリカがリンと先生に説明していた。

先日のヘルメット団によるアビドス廃校対策委員の誘拐事件、その際破壊された装輪装甲車を調査した結果その事が判明した。

「それがどこから持ち込まれたものなのかは不明です、ヘルメット団を離脱した者達からも有効な情報は得られなかった様です。」

タブレット端末から顔を上げたエリカが溜息を付きながら報告する。

「ブラックマーケットと言う線はないのかいエリカ?」

先生が自分のタブレット端末に転送された情報を見ながら問い掛ける。

「だとしてもあれだけの台数をしかも短期間に調達出来るとは思えません、裏にそんな事が出来る組織か個人が存在するのではないかと。」

3人の間に長い沈黙が落ちる。

「兎も角その違法モジュールの流通経路を追ってみるしかないですね・・・もっとも狡猾な連中ならそう簡単に痕跡を掴まれる失態はしないでしょうが。」

先生の言葉にリンとエリカも頷く、シャーレや連邦生徒会防衛室の監視の目を潜りキヴォトスに持ち込む連中だ、簡単に尻尾を掴まれるとは思えなかったからだ。

本来ならヴァルキューレ警察学校や各学校の治安機関(ゲヘナ学園の風紀委員会やミレニアムのC&C)等の協力を仰ぎたいところだが。

問題が余りにも大きく、その背景も不明の為、現状シャーレと防衛室に任せるしかないのだった。

「引き続きシャーレと防衛室に調査を行うよう命じましょう、先生とエリカも情報を掴み次第私に連絡を。」

「はい首席行政官。」

「分かったよリン。」

2人はそう答えると首席行政官室出て行く、それを見送るとリンは深い溜息を付き背もたれに身体を預ける。

何か得体の知れないものがキヴォトスに迫りつつ事にリンは深い不安を感じていた。

それでなくてもキヴォトスは連邦生徒会長の消息不明によって混乱状態に陥っていると言うのに。

そんなキヴォトスに大きな災厄が起こらない事をリンは祈りたかった、例えそれが叶わないとしても。

なおリンが鬱になる原因に「エリカとゆっくり話が出来なかった。」と言う事もあったのはまあ余談である。

まあこれはエリカが非公式にだが個人的な秘書兼私用時の護衛役でもありリン的には親友だと思っているからだ。

それなのに最近は自分の業務量の増加やエリカのアビドス支援任務などでゆっくりと話も出来ない状態だ。

何だか寂しいとリンが鬱になっている事などエリカや連邦生徒会のメンバー達は知る由も無かった。

とある街角にあるビルの一室に4人の少女達が居た。

その一室のテーブルに置かれたダイヤル式の電話が鳴ると座席に座った陸八魔 アルが優雅に取り上げて答える。

「はい、こちらは便利屋68(シックスティーエイト)、どんな依頼でも金額次第でお受けいたしますわ。」

キヴォトスの裏社会で暗躍する組織・・・を目指しているが実態は程遠いの現状だったが。

元々リーダーであるアルの性格が裏家業に向いているとは言えないのだから仕方が無い話だ。

とは言えアル以外のメンバーが有る程度優秀だから何とか回っているのだが。

「はいお任せください、我ら便利屋68は依頼者の期待はけっして裏切りませんわ。」

アルと依頼者の話を聞きながらメンバー達が自分の装備を確認し始める。

「決行は明後日、支援の傭兵及び装輪装甲車を依頼者が用意してくれるそうよ、これで完璧に依頼を処理出来る。」

電話を終えたアルが満面の笑みを浮かべながらメンバーに話す。

「・・・完璧すぎて何か裏がありそうな感じがするな。」

便利屋68の課長である鬼方 カヨコが眉間にしわを寄せ呟く、旨い話の裏には厄介事しかないのはこういった裏家業では当然であるからだ。

「まあ心配してもしょうがないでしょ・・・アルはやる気満々だしね。」

アルの幼馴染である浅黄 ムツキが気楽そうに言う、まあ今まで上手くやれたからねと彼女は楽天的だった。

「そうですよね、きっと大丈夫ですよね。」

メンバー間では末っ子的な存在である気弱な伊草 ハルカが自分に言い聞かせる様に呟く。

「では偵察も兼ねてアビドスへ行くわよ皆。」

はしゃぐアルに便乗し浮かれるムツキ、不安ながらもアルへの忠誠心で笑みを浮かべ続こうとするハルカ。

「本当に何もなければ良いんだけどな・・・」

3人で盛り上がる様子を見ながらカヨコは内心深い溜息を付くのだった。

そんなカヨコは行った先のアビドス商店街にあるラーメン屋「紫関ラーメン」で対策委員会メンバーと遭遇することになるとはこの時は思いもしなかった。

翌日対策委員会・会議室。

「そんな事が有ったんですね昨日。」

何時もの定例会議に出席したエリカがアヤネから昨日あった出来事を聞いて言う。

昨日エリカは朝からブラックホークのメンテの為、第1ヘリコプター班基地に行ってその場に居なかったのだ。

校庭の倉庫を格納庫代わりして整備機材を持って来たもののやはり本格的なメンテが必要な場合は基地まで行かなければならなかったのだ。

メンテを終え今朝にエリカはブラックホークと共に帰還し、こうして午後の会議に参加している訳だった。

「ええ、昨日の会議はそれはそれは酷かったです。」

深い溜息を付くアヤネに先生は苦笑し、シロコ達は気まずそうに顔を見合わせていた。

何でも会議で今後の借金返済の為の活動についてシロコ達に意見を求めたらしいのだが。

曰く、違法なマルチ商法(セリカ)

曰く、銀行と現金輸送車を襲撃して現金強奪(シロコ)

曰く、他校のスクールバスをジャックし人質にした生徒達を転入させる(ホシノ)

曰く、アイドルデビュー(ノノミ)

だったらしく余りの滅茶苦茶さに最終的にアヤネが切れ収拾に放課後まで掛かった。

そして会議終了後シロコ達は紫関ラーメンへアヤネを連れて行って機嫌を取る事にしたらしい。

その時点でもまだ怒りの収まらなかったアヤネだったが、紫関ラーメンで出会った少女の一団(1人前のラーメンを4人で食べようとした)のお陰か機嫌を直したのだが。

とはいえ怒りと共にあった疲労は翌日になっても抜けずそれを心配したエリカに事情を聞かれ昨日あった事を伝えたのだった。

「それは・・・ご苦労様でしたねアヤネさん。」

エリカは心から未だ疲れが抜けていないアヤネを慰める、一方シロコ達申し訳なそうにそんな2人を見ているしかなかった。

「私の苦労を分かってくれるのはエリカさんだけです・・・先生は頼りにならないし。」

アヤネの言葉に先生は頬をかきながら苦笑し続けるしかなかった、彼も滅茶苦茶だと思って止めようとしたのだが、シロコ達の乗りに圧倒されてしまったのだ。

「申し訳なかったよアヤネ。」

「今回で懲りたわ、御免なさい。」

「うん十分反省した(今度はもっと完璧な計画を立てて)」

「おじさんも反省したよ(まあ何時でもジャックは出来るし)

「はははアイドルは良い発想だとおもったのですが(でも何時かは是非皆でデビューを)」

若干数名懲りていなかった者も居たが、アヤネは気を取り直し会議を始めよとする。

「もう良いですよ皆さん、それでは今日の定例会議を始め・・・」

だが次の瞬間アヤネのタブレット端末から鋭いアラーム音が響き一同に緊張が走る。

「早期警戒システムに反応あり・・・D11に武装集団を感知しました。」

タブレット端末を操作しアヤネは結果を皆に伝える。

早期警戒システムは連邦生徒会から支給されたもので、無線接続式のカメラとAI(人口知能)で構成されている。

想定されたデータを元にAIは状況を判断し、問題があれば警報をタブレット端末に送る様になっていた。

事実上5人+2人しかいないアビドス高等学校にとっては有効な警戒システムだった。

もっともそれをアビドス高等学校の周りに設置したのは一昨日の事で、こうも早く役立つとは皆思っていなかったが。

「また~ヘルメット団かいアヤネちゃん?」

何時ものだらけた表情を消し真剣な表情になったホシノがアヤネに尋ねる。

「・・・いえ違う見たいです、これを見て下さい。」

アヤネがカメラから送られてきた映像をシロコ達に見せる。

そこにはピンク色の工事作業員服を着て白い安全ヘルメットを被った少女達が映って居いた。

もちろん小銃を抱えた作業員など居る訳も無く、彼女達は傭兵、金を貰って戦闘行為に参加する連中だ。

「あと・・・あの装輪装甲車も居ます!」

傭兵達の後ろを1台の装輪装甲車が続いているのをシロコ達も確認する。

「連中を指揮している奴らは・・・これだと判別がつかない。」

陽がまともに当たっている為装輪装甲車の上に立っている4人の姿を識別できなかった。

「確認は現場でも出来るし、今は迎撃を優先しよう。」

「そうだね兎も角撃退をしなといといけないね。」

先生がそう指示するとホシノは賛同しつつ会議室にあるロッカーを開けオートショットガンを取り出す。

「ほれ皆も急いで。」

ホシノの指示にシロコ達は自分専用のロッカーから銃を取り出すと装弾を確かめ予備弾倉を持ち飛び出して行く。

「アヤネはエリカと一緒にブラックホークで、準備は直ぐ出来るかい?」

「機体のチェックと武装の搭載に30分ほど時間を下さい。」

先生の問いかけにエリカは瞬時に判断して答える、今朝戻ってから機体の最終チェックや武装の搭載まだ行っていなかったのだ。

「分かったそれ位の時間は皆が居れば稼げる筈だから、アヤネ、エリカ二人とも頼んだよ。」

「「はい先生。」」

アヤネとエリカはそう返答すると会議室を飛び出して行く、それを見届け先生はシロコ達の後を追う。

「さあ皆アビドス高等学校を占拠するわよ、貴女達の活躍を期待するわ。」

装輪装甲車の砲塔上に立ちアルが前を進む傭兵達に檄を飛ばす。

「まあ貰ったお金分働くさ・・・それが仕事だからな。」

「こんな奴らに使われるのは嫌だけど仕方ないね。」

一方の傭兵達はやる気がまったく感じられずアルは空回り気味だが当人はまったく気にしていなかった。

「何か覇気の無い連中ね、調子が狂うわ。」

装輪装甲車の後部に立つムツキが面白くなさそうに愚痴をこぼす。

「しょせん金目当ての連中だからな、まあ私達の言えた義理じゃないがな。」

同じく後部に立つカヨコが呟く。

「わああ・・・」

ハルカがショットガンを抱えながら不安そうに声を出す。

「はっ!出て来たわねアビドスの連中が。」

アルが叫ぶ声を聴きカヨコ達は前方を見る。

4人の女生徒と大人の男が校門から出て来ると一斉に銃を向けて来る。

「あ~あんた達!?昨日のラーメンの恩を仇で返す積り?」

最初にセリカがアル達に気づき怒りの声を上げると、シロコ達も襲撃して来たのが昨日紫関ラーメンで出会った少女達だと気づく。

「うふふ・・・昨日の味方は今日の敵、これも我ら便利屋68の依頼達成の為、心を殺してやりますわよ。」

砲塔の上で愛用の狙撃銃を構え大見得を切るアル。

「まあうちの社長は昨日別れるまであんた達に気づなかったけどな、まあ公私の区別は付けさせて貰う、仕事だからな。」

愛用の消音器付きのハンドガンを構えカヨコがシロコ達を見る。

「そう言う事、アビドス高等学校を明け渡して貰うわよ・・・まあ抵抗するならどうぞ。」

ムツキがアサルトライフルをシロコ達に向けながら楽しそうに言う。

「えっと・・・色々御免なさい・・・でも社長の為だから・・・」

同じくショットガンをシロコ達に向けながら、こちらは悲しそうに言うハルカ。

「そう分かった、なら容赦しない。」

「そうだねおじさん達にも譲れないものがあるからね。」

「学校は渡しません、全力でお相手させて頂きますね。」

「恩を仇で返す奴は許さない、覚悟しなさい。」

シロコ、ホシノ、ノノミ、セリカの4人もそれぞれの銃をアル達に向ける。

「残念ながらアビドス高等学校は君達に上げる訳にはいかないんだ。」

「あ、貴方は?」

「先生だよ、この娘達のね。」

アルの問いに先生はそう言って真剣な表情を向ける。

「えぃっ!やて、いややっておしまい!」

緊張の所為か噛んでしまったアルの号令で戦闘が始まる。

「あと20分でアヤネとエリカが来る、それまで時間を稼ぐんだ、良いね皆。」

「「「「はい先生。」」」

ノノミ、セリカは先生の指示によりホシノの防弾盾に隠れ前進、シロコは下がると校門の陰に隠れながら目的地点まで移動する。

「砲何やってるの打ちなさい!」

アルの指示で砲塔が向くがその前面に缶ジュースに似た物が盾から投げられる。

次の瞬間爆発音と共に煙が広がり装輪装甲車を覆い砲手の視界を遮ってしまう。

「な、何だこれってあぁぁ!」

傭兵達が視界を遮った煙に右往左往している間に盾ごと前進して来たノノミとセリカが飛び出し傭兵達をなぎ倒して行く。

元々戦意の低い連中だったので大した抵抗も無く、次々と無力かされて行く。

「ちっ!」

ハンドガンを持って装輪装甲車から飛び降りセリカに接近し撃つカヨコ。

銃撃を避けたセリカの足元に隠し持っていた手りゅう弾を投げつけ爆発がその身体を包む。

「セリカ!?」

「大丈夫。」

盾を持ったホシノが咄嗟にセリカを爆発から庇っていた。

「ノノミちゃん!」

ノノミがミニガンをカヨコに向けて射撃してきた為彼女は距離を取る為後退する。

「まったくいい加減に諦めなさい。」

ムツキがアサルトライフルをノノミに撃ち接近すると大型ナイフで切りかかって来る。

ミニガンでそれをさばき銃身と大型ナイフで切り合いに入る。

「止まって下さい!!」

ショットガンを接近して来るホシノを撃つが盾に阻まれ前進は止まらず焦って乱射するがハルカだったが効果は無かった。

その隙にホシノは盾でハルカを突き飛ばしその腹にショットガンを撃ち込み吹き飛ばす。

「ささっと撃ちなさい。」

「ダメだ視界が悪くて打てない。」

砲手が情けない声を上げて来る、仕方なくアルが狙撃銃を構え様とした時だった。

「社長上だ!」

先ほど4人いた中の銀髪獣耳少女がこの場に居ない事に気づいたカヨコが相手の意図を察してアルに警告する。

「えっ!?」

咄嗟に上を見たアルは壁の上からジャンプしこちらに突っ込んで来るシロコに気づき狙撃銃を向けようとするが。

一歩早かったシロコに砲塔上から蹴落とされてしまう、何とか姿勢を回復し狙撃銃を撃つが避けてしまうアル。

「いいから諦めなさい!」

「断る、こちらにも引けない理由がある。」

完全に4対4の接戦に持ち込まれてしまった便利屋68だったが、アルにはまだ装輪装甲車と言う勝算があった。

先ほど装輪装甲車を覆った煙は晴れ射撃可能になりつつあったからだ。

「今よ撃ちなさ・・・」

だがその勝算は装輪装甲車の前に降下して来たブラックホークによって打ち砕かれる。

右のスタブ・ウィングに装備されたロケット弾ポッドから4発のロケット弾が発射され装輪装甲車は後方の瓦礫の山に叩きつけられ擱座する。

そしてブラックホークは機首をアル達に向ける、既にシロコ達は安全圏に退避を終わっており、便利屋68は完全に機関砲の射程内に捕らわれていた。

威嚇する様に便利屋68メンバーの周りに砲弾が撃ち込まれ砂埃が舞う。

「ヘリ?しかもあれはシャーレの第1ヘリコプター班のやつじゃないか。」

シャーレの7人のワルキューレと言われる精鋭パイロット達で編成された第1ヘリコプター班。

胴体に描かれたロゴマークと機体番号『007-1』(第1ヘリコプター班7番機を表す)を見てカヨコは自分達の負けを悟った。

「社長撤収しよう・・・ワルキューレ相手では分が悪すぎる。」

「へっ?」

「ちょっとワルキューレなんて化け物が何でアビドスに居る訳?」

事態を飲み込めないアルが間抜けな表情を浮かべる横でカヨコ同様相手の正体に気づいたムツキが悲鳴を上げる。

「ワルキューレ・・・戦場の死者の魂を黄泉に送る女神・・・様?」

昔読んだ本の記述を思い出しガタガタと震えだすハルカ、古い記憶の所為か多少意味が違っていたが。

「で、でも依頼が。」

「依頼の遂行は絶望的だ、これ以上やってもこっちの損害が大きくなるだけだ。」

「分かったわ、悔しいけど皆撤収よ。」

カヨコの冷静な意見具申にアルも従って撤収し始める、他のメンバーもそれに続いて行く。

最後に残ったカヨコは校門前で佇んで居る対策委員会メンバー視線を向けて言う。

「色々と悪かったな・・・だがやり合う事は多分2度とないなから安心してくれ、じゃあな。」

軽く手を上げカヨコはアル達を追って走り去って行くのだった。

既にブラックホークは校庭の格納庫へ戻って行き、倒れていた傭兵達も仲間によって回収されこの場には先生とシロコ達が残るだけだった。

「あの先生、便利屋68さん達が言っていたエリカさんの事って?」

ノノミが隣に立つ先生に問い掛けくる、シロコ、ホシノ、セリカも視線を投げかけている。

「第1ヘリコプター班のパイロット達を知る人々は彼女達の事をそう呼ぶんだ、賞賛と畏敬を込めてね。」

先生はノノミ、シロコ、ホシノ、セリカを見渡して答える。

「しかしエリカは私にとって君達と同じ生徒だ、だから君達も特別な目で見ないであげて欲しいんだ。」

「・・・もちろんだよ先生、エリカちゃんはもう対策委員会の仲間さ、おじさんはそう思っているから。」

「そうですねエリカちゃんが他からどう呼ばれようが私達の仲間ですよ、そうよねシロコちゃん、セリカちゃん。」

「もちろんエリカは大事な仲間。」

「エリカが何て呼ばれようが関係ないわ、とっくにな、仲間だと思っているのだから。」

ノノミ、シロコ、ホシノ、セリカの返答に先生が嬉しそうに答える。

「感謝するよ皆・・・それじゃ戻ろうか。」

先生とシロコ達は簡単に片づけを行ってから対策委員会室に撤収し先に戻っていたアヤネとエリカと合流するのだった。

その後皆が空腹を訴えた為紫関ラーメンに行く事になり食事代は先生が持つことが決まった(本人の意思は無視されて)。

先生が財布の中身を見て絶望に陥った事は言うまでも無い。

 

どこかにある広いオフィスに置かれた執務机の前に大柄なロボットの姿をした男が居た。

その男はタブレット端末に表示された便利屋68から送られてきた依頼失敗の報告書を見て毒づいていた。

「無能な奴らだったな、大きな口を叩いた癖に、それにしてもアビドス高等学校の実力はデータ以上だ、これは一体?」

「データとは常に変わっていくものですよ。」

大柄なロボットの彼にそう言って話し掛けて来たのは黒く無機質で、所々に亀裂が走っている身体を持つ黒いスーツを着た男だった。

「アビドス高等学校にはあのワルキューレがいますからね。」

「それがデータ以上の実力の原因か?」

「もちろんそれだけではありませんよ・・・まあその点は私にお任せ下さい。」

黒いスーツを着た男はそう言って笑った様だった、まあその表情からはそうは見えなかったが。

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