レインボースターラビットプリキュア! 第29話『フィアンセはキュアシュプリーム!?リゾートと友情の塩ラーメン!』 作:きゅー。
黒服A「とにかく、そういうわけなんだが」
シュプリーム「やだよ」
黒服B「返事はやっ!?」
シュプリーム「何がなんだか分からないけど、僕たちには用事があるんだ…行こう、プーカ」
プーカ「そういうことだから、ごめんなさい、バイバイプカっ」
シュプリームとプーカ、その場から離れるべく大きくジャンプする。
それを見て、逃すまいと慌て出す黒服集団たち。
黒服C「やばいぞ、逃すな!追うんだ!追え!追わんかー!」」
黒服D「こちら地上部隊、キュアシュプリームが逃走した。ヘリ部隊、目標の追跡を願う」
黒服のヘリパイロット『こちらヘリ部隊、現在地上から離陸を開始。シュプリームを確認。そちらに位置情報を送る』
今度は堤防の坂を四苦八苦しながら登り、次々とバンに乗り込み、出発する黒服たち。
何処かに止めてあったであろうヘリも続々と飛び立つ。
【森の入り口】
河川敷から離れた場所にある森の入口。
逃げた先で話し合う、シュプリームとプーカ。
プーカ「何が一体どうなってるプカ!?」
シュプリーム「あのさ、フィアンセって何なの?…何か知ってるの?教えてよ」
プーカ「あ、ちょっと前テレビで見たプカ、それは…」
と、2人の背後に迫るバンとヘリ。
プーカ「わあああ!話は後にして逃げるプカ〜!」
シュプリーム「ちょっ、どこに行くの、待って…」
呆気に取られるシュプリームの手を引いて、駆け出すプーカ。
街のあちらこちらを逃げ回るシュプリームとプーカ。
追うヘリ部隊とバン部隊。
【街中の交差点】
バンの黒服「くぉっ、なんて速さだ…おっと」
しかしバンはきちんと法定速度で走り、停止する。
よく見ると、道を渡ろうとしていたおばあちゃんに譲ってあげている。
おばあちゃん「あら、ありがとねえ」
バンの黒服「はーい」
笑顔で見送る黒服。何だか微笑ましい様子。
【謎の部屋】
主人「黒服ズめ、大変そうだな…ここは俺様がひと肌脱いで、男を見せるとするか!」
主人、立ち上がると、仰々しくコートを脱ぎ捨て、タキシード姿に!
すると黒服から通信が入る。
黒服「すいません、キュアシュプリームを見失いました〜!」
主人「……まだ早かったか、ひと肌着よう……」
脱ぎ捨てたコートをいそいそと着直す。
主人「ふぇっくしょいっ!!」
盛大にくしゃみをする主人。
【街中】
シュプリーム「変身を解こう、今のままじゃ少し面倒だ」
プーカ「プカ!」
変身を解いた2人。
すると、ぐぅ…と腹の虫が辺りに鳴り渡る。
音の主はプリムだった。
プリム「あっ………」
恥ずかしげなプリム。
プーカ「プリムも腹ペコったプカ?」
プリム「う…まずは腹ごしらえ、するよ」
2人は一軒のラーメン屋へ入る。
店の軒先には商売繁盛を祈願するためか、銀色の招き猫がいる。
いかにも昔ながらのラーメン屋…といった雰囲気の店内に入ると、ラーメン屋の店主が姿をみせる。
店主「ご注文は?」
プリム「塩で」
プーカ「しおラーメンプカ」
店主「へいおまち!」
やがてプリムとプーカの前には美味しそうな塩ラーメンが。
キャベツやモヤシ、ニンジンといった野菜が刻まれ、ドンブリには鶏ガラ出汁を利かせたスープ、麺は細麺。半熟卵も乗っている。
プリム・プーカ「「いただきます」」
ラジオから流れるムーディーな曲を聞き流しながら、カウンター席で塩ラーメンをすする2人。
プリム「あのさ、フィアンセって言葉の意味、分かるの?」
プーカ「知ってるプカ。ふひむは、ふぁのあふぁふぃ…男の人たちのリーダーと…結婚しなきゃいけないみたいプカ…」
"フィアンセ"の言葉の意味が分かり、ラーメンを口にしながら困惑するプリム。
プリム「え、なんで…?…結婚…僕が…!?」
プーカ「いきなりすぎて僕だってわけわかんないプカ」
プリム「僕もだよ」
プーカ「もしも……もし、プリムが結婚しちゃったら…僕が…」
プーカの脳裏に浮かぶ、ウエディングドレス姿のプリム…
妄想の中で、チャペルの神父役に扮したプーカが号泣する…
プーカ「ぷかぁ……っ」
不安げなプーカ。
プリム「大丈夫だよ、僕はあんな奴らの言うことなんか聞く気はないから…プーカを1人にしない」
プーカ「プリム…僕も、プリムの事、ぜったい離したくないプカ!」
塩ラーメンをつついていたはずが、いつの間にやら2人の世界に。
それを見ていたラーメン屋の店主、何故か涙ぐむ。
「うう…っ、ぐすっ、ぐすっ…あの、のびちゃうよ…ああっ…」
プリム「え、なんで泣いてるの」
店主「ごめんよぉ、ラーメンのおじさんさ、そういうキンキンに固ーい友情の匂いに弱いんだよ…!」
プーカ「おじさん、泣かないでほしいプカ…」
店主「優しいねえ……うおおおおおん…!」
やがてラーメンを食べ終えた2人。
カウンターに座り、店主は昔話をし始めた。
店主「俺には昔、幼馴染がいてな、そいつと約束したんだよ…みんなを唸らせるラーメン屋になってやるって」
店主「したらどうだ、ある日を境に塩ラーメン以外、作れないんだよな、上手くさ…どーしても、納得できない味になっちまって…それ以来、作ってないんだよ」
店主「ちくしょう、もうすぐそいつが帰ってくるってのに、こんなんじゃ合わせる顔がねえ、塩ラーメンしか作れない俺なんて…ううっ、ぐすっ」
プリム「そうなんだ」
プーカ「元気出して欲しいプカ…!」
と、ガラガラと、戸を開けて入ってくる客がいた。
その音に気づいて、涙を拭う店主。
黒服A「すいません、ウマ塩1つ」
黒服B「僕は梅しお」
黒服C「中華塩!」
黒服D「しおギョウジャニンニク!」
黒服E「塩ヌードルのフィレンツェ風で」
店主「あ、まいど!」
プーカ「ああっ、この人たち、さっきの!」
そう、黒服たちだ。
警戒するプリムとプーカ。だが男たちは目もくれず、カウンター席へ。
どうやら正体には気づいていないらしい。
やがて注文の間、愚痴をこぼし始める黒服たち。
黒服A「いやあお互い大変だな、主人様…いや、オーナーに付き合うと」
黒服B「それが俺らの仕事だろ」
黒服E「しっかし、あの巷で噂のヒーロー、キュアシュプリームにガチ恋してプロポーズするとか…」
黒服C「超超ちょーう高嶺の花じゃないっすか、まして正体不明の秘密のヒーローなわけでしょ…なんだってそーなるのかなー」
黒服D「ほら良く言うだろ、恋ってのは人の心を掻き乱す魔物なんだよ…でも同時に、」
黒服B「同時に…えっ何、メチャクチャ気になる」
黒服D「……麻辣でもあるんだ」
黒服A「新手のポエムか?それ?」
そんな黒服たちの様子を見たプリム。
何か作戦を思いついたらしく、黒服たちの元へ行こうとする。
プリム「……ちょっと行ってくる」
プーカ「プリム!」
慌てて止めようとするプーカ。
プリム「大丈夫だよ、僕に考えがある」
カウンター席にいる黒服たちに話しかけるプリム。
プリム「その話、詳しく聞かせてよ」
黒服A「何、どうしたの?君、ここの常連さん?ラー油の話かい?」
プリム「違うよ」
黒服B「ああ、プリキュアの話!」
プリム「プリキュアに会える方法、知ってるよ」
黒服D「何だって!?それは本当か!?」
黒服E「教えてくれ!」
やいのやいの、黒服たちがにわかに盛り上がり始める。
プーカ、混乱する。
プーカ(ええっ!?…プリム、一体何考えてるプカ〜〜!?)
【埠頭】
後日。ある埠頭に集結した黒服たち。
船の汽笛が鳴り響く。
黒服A「おっそいなー、待ち合わせは10時だってのに…2分過ぎてるぞ…」
黒服C「まさかバックれたんじゃ?」
黒服D「バカ言え、プリキュアが約束破るか?ってか2分程度でぐちぐち言うなよ、気持ちをあの太平洋のようにひろ〜く持て、ひろーく」
黒服A・C「「うん、なんかごめん」」
そこへキュアシュプリームがやってくる。
シュプリーム「君たち?僕に用があるのは」
黒服A「うわあ、いきなり来た!キュアシュプリーム!」
黒服B「ホンモノだ!あの子が言ってたのは本当だったか」
黒服D「相棒も空気読んだのか、いないしな」
黒服E「案外時間にルーズ…もがっ」
黒服D「なんでもないんだよ、なんでも!…広い心だよ広い心!」
シュプリーム「話は聞いた…案内してよ、君たちの主人のところに」
黒服たち「「「はい、今すぐに!」」」
黒服たち(うおっ、近くで見たら顔が良すぎてえぐっ!そんでもって圧すご〜)
準備を始める黒服たち。その側に、少し挙動不審気味な新人黒服がひとり。
黒服E「おーい新人!置いてっちゃうよ!」
プーカ「ぷかっ…!?…は、はいっ!」
新人黒服の正体は、変装したプーカだった。黒いスーツにサングラスをかけている。
プーカ(うう、家で色々話し合ったら約束の時間に遅れちゃった…やっぱりプリムが心配プカ…)
【回想・プリムとプーカの家】
妖精姿のプーカが何やらプリムに訴えている。
昨日、わざわざ自分から黒服たちに声を掛けに行った事に対する、疑問やモヤモヤした気持ちをぶつけているようだった。
プーカ(妖精)「プカプカ!プーっ!?プゥカァ…!」
プリム「そんなに心配なの?」
プーカ「プカ!」
プリム「…もともとは僕から始まった事だし。全部自分で解決しようと思って。これ以上、プーカを不安にさせたくなかったんだ…、ごめん」
プーカ「〜〜〜っ、プカ…っ!」
プーカ、人間の姿に変わる。
プーカ「でも、でもでも…プリムに何かあったら、そんなの、そんなの…ぜーったいだめプカぁ〜〜!!」
プリム「うん……」
プーカ「こうなったら、僕だって……プリムと一緒に行くプカ!」
プリム「うん………えっ」