葬送のレビュアーズ飯   作:三柱 努

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クリム×スタンク×フェルン×シュタルク(異種族世界)

「おっ、次はずいぶんと仲良しが来たな」

「また来られたんですね、フェルンさん」

光の柱の中から現れた2人の繋いだ手に一瞬視線が向きながら、スタンクとクリムは笑顔でフェルンとシュタルクを迎えた。

 

「まさか本当に天使ってのがいるんだな」

ジロジロとクリムのことを眺めるシュタルクに、フェルンは「失礼ですよ」とたしなめた。

「そっちに天使はいないんですか?」

「いたらこんなリアクションしないよ」

シュタルクの答えにスタンクは「そりゃそうだ」と頷く。

「このシャッフルで色々な方々とお知り合いになりましたね。ライオス様のトールマンやチルチャック様のハーフフットなんて初めてお聞きしましたし」

「へぇ。そんな種族、俺らのとこにもいねぇな」

スタンクとクリムは「カンチャルさんは?」「あれはハーフリング」と顔を見合わせた。

この聞き慣れぬ単語。今回のパーティーシャッフルではよくある光景。

だがここでシュタルクは気付いた。

スタンクとクリムの世界には、たくさんの種類の種族がいるような口ぶりだということに。

 

「ええ。サラマンダー様がいらっしゃいましたね」

「サラマンダー?」と目を丸くするシュタルク。

「火竜?」

「鱗があって、体温が高温の女性です」

「まぁ、サラマンダーの男もいるからな」

スタンクの追加情報はどうでもいい差異だった。

「竜・・・竜かぁ。フェルン、戦ったのか? 怪我しなかったか?」

「お弁当を売っていただきました」

会話が噛み合わない。同じ世界から来たはずなのに会話が噛み合わない。シュタルクは目を小さくして首を傾げた。

「美味しかったですよ」

「何そのお弁当屋さん族」

「さすがにそんな種族はいねぇよ」

「サラマンダーさんですよ」

どうやらシュタルクの味方は少ないようだ。

 

「世界が違いすぎる」

そうつぶやいて壁にもたれかかったシュタルクを、フェルンは「そんなことより、今は先を急ぎましょう」と杖で突いた。

「知らない世界に急に連れてこられたら疲れちゃいますよね」

優しく手を差し伸べたクリムに、シュタルクは「やっぱり天使は優しい」と笑顔を見せる。

「さすが初対面相手に“未知の世界を教えられる”先輩であるクリムは優しいねぇ」

スタンクの何気ない一言に、何故かクリムは真っ赤になった。それをフェルンとシュタルクは不思議に思う。

「クリムの時みたく、シュタルクくんに“おごって”やろうと思ったが。ダンジョンから出たらシャッフルの罠の縛りが解除されちまう。だから今回は残念ながらお前らを外に連れて行ってやることはできない」

「ちょっとスタンクさん!」

ご飯をおごることなのに、何故こんなにムキになっているのだろう。天使の価値観はよくわからない。

「ここの世界の外ですか。たしかに興味がありますね」

「だな。初めて行った町とか見るだけで楽しいもんな」

意図を知らない人たちは気楽なものだと、クリムが思っているとは知る由もなく。楽しそうに顔を見合わせるフェルンとシュタルク。

「ここにはサラマンダー様以外にも、色んな種族の方々がいらっしゃるんですか?」

「ああ。ここは人間、エルフ、妖精、獣人、魔族、妖怪、天使、悪魔。あらゆる種族のサキュバス店が混在する世界だからな」

「???」

よく分からないが、色んな食べ物屋さんがある世界なのだろうとフェルンは思った。

「天使のお店はありませんからね!」

クリムの、天使の沸点はよく分からない。シュタルクはそう思った。

そして2人は同時に思った。

『やっぱり魔族もいるんだ』

 

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