葬送のレビュアーズ飯   作:三柱 努

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4回目シャッフル
クリム×マルシル×チルチャック×センシ(異種族世界)


「まったく、チルチャックまで何やってるのよ!」

ダンジョン内にマルシルの怒号が飛ぶ。いつもよりも頭が上らない正論に、チルチャックは正座をして「すみません」と頭を下げていた。

「そう怒ってやるな。ワシらが無理に誘ったのだ」

「そんなことは分かってる。どうせそうなんだろうなぁって一瞬で気付いた!」

フォローに入ったセンシだが、マルシルの怒りの矛先は自然とそちらに向いた。

「ちゃんと抵抗しなさい。馬鹿な誘いをやめなさい。いい加減に状況をわきまえて、勝手な行動を慎みなさい!」

ガミガミと叱るマルシルに、センシもいつの間にか正座についていた。

 

「あのぉ、勝手な行動ってことなら、僕らのところのスタンクさんもご迷惑おかけして申し訳ありません」

申し訳なさそうに浮かぶクリム。

そう。前回の転送で無用な行動に出ていたのはセンシたちだけではない。

スタンクもまたクリムと一緒にいながらも「ちょっと他の世界行ってくるわ」と言って罠を踏んでいたのだ。

「いいのよクリムくんは仕方ないでしょ。スタンクさんってこう言っちゃ悪いけど自由奔放な自由人って感じだし」

そう言って全然対応の違うケロッとした顔を見せるマルシル。この依怙贔屓にクリムは申し訳ない気持ちになった。

 

 

「じゃあ私は今から魔法陣の再構築に忙しいから、絶対に邪魔しないでよ。静かにしてないと3人で帰れないんだから」

一通り叱り終えたマルシルは1人でぶつぶつと杖の向き合い始めた。

彼女がフリーレンとゼルから習った方法は2人用の転送分析であった。それが3人分に増えたのだから1からやり直しである。応用を効かせるだけとはいえ失敗が許されないプレッシャーからイライラが酷かった。

「仕方ねぇ俺らが悪いんだ。今はアイツを静かにしてやろうぜ」

「そうだな」

「そうですね。僕、何か美味しい物売ってる人いないか探してきますね」

そう言ってダンジョンに潜ろうとするクリムに、センシが「ならワシも行こう」と嬉々としてついて行った。

 

残されたチルチャックは「ったく。ココのダンジョンは安全らしいから、まぁいいけどよ」と頭を掻いた。

「にしても本当に天使だったな。思ったより天使だったぞ」

チルチャックはマルシルの警護として見守りをしながら一人思案に浸っていた。

 

「思い返せば俺らの常識外な奴らばっかりだったな。フリーレンもスタンクもゼルも。アイツらがいれば俺らのダンジョン攻略もだいぶ捗ったかもな」

今回のシャッフルで出会った異世界の冒険者たちは、戦力面でいえば申し分ない実力の持ち主たちだった。

初対面の冒険者同士でパーティーを組む。その調節役を担うことが多かった経験から、チルチャックは今回の出会いでもどんなパーティーを組むことになるかを想像していた。

 

「まぁ攻略は楽になるのは確実。あとはどんな報酬を要求されるか・・・」

まずはフリーレンのことを想像するチルチャック。

「エルフか・・・何を要求されるか分かったもんじゃねぇ。却下だ却下」

チルチャックは知らなかった。そのエルフがどれだけ肩透かしな内容でも要求を通してくれることを。

 

続いてスタンクとゼル。

「嫌な予感しかねぇ。サキュバスとかの面倒事を押し付けらせるのは勘弁だ」

チルチャックは知らなかった。その2人がむしろ率先してサキュバスの矢面に立ってくれたり、サキュバスそのものを要求してくることを。

 

そしてチルチャックは知らなかった。

闇・物理以外の全属性に耐性を持ち、なおかつ要求がほとんど無い最適な天使が今、センシの口から語られる料理論にドン引きしていることに。

 

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