葬送のレビュアーズ飯   作:三柱 努

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シュタルク×ゼル×マルシル×センシ(葬送世界)

「誰だよぉこの人たち」

シュタルクは戸惑っていた。

ただでさえ半ば嫌々、フリーレンに連れられてきたダンジョン。しかも寄り道で。

なのにフリーレンもいない。フェルンもいない。いるのは見知らぬ人たち。

だが見た所、エルフの男。エルフの女魔法使い。ドワーフの戦士。種族的には馴染みがないわけでもないメンツだ。

「ふむ。ここは今までいた場所とは違うようだな」

「そうだね。転移魔法ってところかな? どんな術式だったんだろう。消えちゃったのが惜しいなぁ」

ドワーフとエルフの女性は知り合い同士なのだろう。一方でエルフの男性はポツンと孤立。とはいえ動揺している様子はない。物腰も油断がない。おそらくフリーレンのように熟練故の余裕なのだろう。

「面倒なことになっちまったな。メンバーがバラバラに入れ替えられたって感じか。スタンクはともかく、クリムの奴大丈夫か?」

どうやら彼は仲間の心配をしているようだ。自分のことでいっぱいいっぱいだったシュタルクは、その姿に自分のことが恥ずかしくなった。

 

「さて、こういう状況だ。我々も互いに助け合うべきだと思うが、どう思う?」

ドワーフの提案にシュタルクも男女のエルフもウンウンと頷いた。

「ではまず我々から自己紹介といこうか。ドワーフのセンシという」

「私はエルフのマルシル」

ドワーフが名乗ったセンシはどうやら戦士ではなく名前なのだろう。紛らわしい。

だが“ドワーフのセンシ”と言われてシュタルクは親近感が湧いて思わずニコッとした。

あとはマルシル。エルフの女性魔法使い。こちらも親近感が湧く。だがフリーレンと比べると精神年齢的に若そうだ。

「じゃあ次は俺か。エルフ、って見りゃ分かるか。ゼルだ」

こちらのゼルは逆に親近感微妙。シュタルクは静かに思い、真顔で聞き流しそうになった。

そもそもゼルは服装からして普通の布の服。とても冒険者とは思えない軽装。少し場違いな感じがするからだ。

「じゃあ最後は俺。戦士のシュタルク・・・です」

『なんか自分の自己紹介だけ魅力が無いなぁ』と、人見知りモードに入りかけるシュタルク。他3人も特に気にもしていないし興味もなさそうだ。

 

そんなこんなで自己紹介を終えた4人の中、最初に手を上げたのはゼルだった。

「とりあえず俺ら全員、別の世界の住人で。転移魔法で飛ばされちまったって共通認識でOK?」

何言ってんのこのエルフ? と目を丸くする残る3人。

「えっと、ゼルさん? どういうこと?」

恐る恐るシュタルクが尋ねると、ゼルは特に妙な事を言っているつもりのないノーマルな口調で話を続けた。

「俺らさっき、見慣れねぇ術式踏んだんだよ。それと同じ術式が光の中で見えた。でもってこの部屋の隅に書いてある壁画の文字とも違う。多分、アンタらの誰かは自分が光に包まれたんじゃなく、仲間が光の中に消えてったって感じじゃねぇか?」

「まさしく俺!」と自らを指さすシュタルクに、ゼルは「だろ?」と指さした。

「へぇ。見慣れない術式なのによくわかったわね」

「状況予測だけどな。まぁ魔力の痕跡探りゃ、元のメンツのとこにも戻れるだろ」

簡単な話だと舌を出すゼルに、シュタルクは尊敬のまなざしを送る。

「さすがエルフ、すっげぇ頼りになる」

頼りにならない系エルフのマルシルが「わ・・・私だって」と渋い顔をしているのには誰も気付かなかった。

「さて、魔力の痕跡探しにとりあえず出発するか」

「ま、魔力の痕跡を追跡するなら、私もで、できるよ! (多分)」

杖を握りしめるマルシルに、ゼルは「おっ、頼む」と軽く依頼した。

そんなエルフ2人におんぶにだっこ状態となったシュタルクとセンシ。

「えっと、俺らはどうします?」

「専門家でない者が下手に手を出すべきでない。その道のプロに任せ、ワシらはワシらのできることをする」

ドンと構えるセンシに頼もしさと親しみを感じるシュタルク。

「俺らにできること」

「腹が減っては何とやら。皆の腹を満たす料理だ」

腕まくりするセンシに、シュタルクも「俺にもできることだ!」と声を輝かせた。

「まずは火を起こせ」

「おう!」

「そこに鳥がおるじゃろ?」

「死喰鳥だな。死体に集るから不気味なんだよ」

「あれを捌いて」

「捌いて?」

「煮てみようと思う」

 

「・・・・・・魔物を食うの?」

目を丸くするシュタルク。この2人のやり取りに聞き耳を立てていたゼルも「魔物を食うの?」と白い目でマルシルを見た。

「んんんんん!!」

千切れんばかりに首を横に振るマルシル。ゼルにそういう反応をされなければ普通に食っていただろうなと心の片隅で思ったなんてことは、口が裂けても言えなかった。

 

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