時は過ぎて……今は放課後。
カノン達の姿は屋上にあった。
聖祥大付属小学校の屋上から見える景色は絶景と呼んでも過言ではない景色であるが故に、屋上で昼食を食べる人が少なくはない。
カノン達もその内の一つのグループだった。
「さってと……今日はどこが空いてるのかしら?」
「あ、アリサちゃん。あそこなんかどう?」
アリサがどこか空いている場所はないかと目をキョロキョロとさせるとすずかがあそこはどうかと屋上の一角を指差す。
そこには空いているスペースがあり、まだ誰も取ってはいない場所だった。
「なるほど、あそこならよさそうね。よし、今日はあそこで昼食を食べましょう!」
そう言って今日の昼食を食べる場所を確保したカノン達。
各々の弁当を開けて談笑しながら昼食を食べる。
カノンも自信が作った弁当を食べながら改善点を頭の中で整理していると
「あの、カノン」
立夏が弁当を持って隣にやってきた。
「何だ?」
「デバイスの件なんだけど……」
カノンは予想していた事もあり、特に驚きもせずに箸を置く。
「そうか、で?要望はあるか?」
「要望……えっと、なのはと同じタイプに出来る?」
「高町と同じタイプ……というと、杖か?」
「うん」
カノンはこの話を聞いてちょっと難しいなと感じてしまう。
カノン自身、杖のタイプになるデバイスを作った事が数回しかない為、納得出来る物が作れるかどうか微妙だったのだ。
「わかった、何とかやってみよう」
しかし、それでもカノンはその願いを聞き入れた。
カノンがこれ以上関わる気はない為、彼女達には少しでも戦力が必要なのだ。
「ありがとう、カノン。正直なのはだけじゃちょっと心許ないから……」
「いいさ。友人として当然の事をしただけだ」
そう言って食事を再開するカノン。
─本当は、後一つだけ知りたい事があったんだけどな……。
立夏は心の中でそう呟いて自身の弁当に手をつけた……。
その日の放課後……カノンはヴィヴィアと一緒にスーパーに来ていた。
明日の分の卵を購入する為と必要な食材などを買い足す為だ。
「それで?今日はどんな献立にする予定なんだ?」
「そうですね……まだ、明確な案は出ていませんのでとりあえず少し不足している食材を買い足しましょう」
「了解だ」
そう言って二人で冷蔵庫の中に入っていなかったであろう食材や、保存食などを買い足していく。
「これくらいでしょうか?」
「ふむ、そうだな……ん、これくらいだろう」
「では、レジに持っていきますのでカノンは外で待っていてください」
「いや、しかしだな」
「待っていてください。いいですね?」
と、カノンは言われて
「……ああ、わかった。待っていればいいんだろ?」
折れたのか、スーパーを出て行く。
「ふぅ……カノンは心配してくれるのはいいんですが、もうちょっと信頼してくれてもいいと思います……」
そう愚痴りながらレジへと籠を持っていくヴィヴィア。
─カノン……。
ヴィヴィアはレジへ持っていく最中、カノンの事を思う。
カノンはヴィヴィアと出会う以前から戦いが嫌いで、今の戦闘スタイルを確定させた。
カノンがなぜ戦い……いや、戦うという行為自体を毛嫌いしているのか、それはヴィヴィアも知っている。
カノンが戦いを嫌いになった理由……それは……
─いえ、止めましょう。彼の事を考えるとまだ胸が痛みます……。
ヴィヴィアはそこまでで考える事を止める。
しかし、その人物こそが今のカノンへとカノンを変えた張本人……なのだから。
短い更新にしかならない……。