個性が地球国家元首って意味わからないんですが   作:国家元首支持派

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二話

強烈な雷が脳無を貫き、倒れ伏して焼け爛れた脳無は痙攣しながら再生してゆく。

残った二体のうち、地面に打ち付けられていた個体が再生の完了と同時にU-オルガマリーへと肉薄する。

それを苦もなく受け止めた彼女は三体の脳無たちを一瞥すると、オールマイトへと視線を飛ばす。

 

「……この肉人形どもには意思がない、ただの死体と変わらん。消し飛ばして構わんな?」

「……っ!?──ああ」

 

オールマイトは一瞬目を見開き止めようとしたが、その死体の脅威を先ほど身をもって実感したからこそ、拳を固く握りしめて頷いた。

瞬間、U-オルガマリーの手のひらに作り出された小型のブラックホールに脳無の一体が吸い込まれ、跡形もなく消え去る。

 

「おいおい、本当にヒーロー志望かよ?コイツが」

「──私は地球国家元首だ、そう言ったはずだぞ?」

 

冷や汗を垂らしながらも相手を挑発するような言葉を放つ死柄木に、U-オルガマリーは傍若無人な一言を返答とする。

その不意を突いて背後から襲いかかった脳無がブラックホールの餌食なってようやく、死柄木は自身の目の前に立つ存在の理不尽さを理解した。

 

「……黒霧!ゲームオーバーだ!」

「っ!逃すものか!」

 

U-オルガマリーの放った雷は、死柄木たちの盾となった脳無を焼き焦がし、死柄木たちはそれを好機としてワープゲートの中へと撤退していった。

 

「……逃したか」

「えーっと、お疲れ様?」

「……えぇ、疲れたわ。ほら」

 

労いの言葉をかけた七ノ瀬にU-オルガマリーが手を差し出す。

七ノ瀬はポケットからチョコレートバーを一つ取り出して手渡す。

 

「……これだけ?」

「寝てる間に連れ出されたんだから仕方ないでしょ」

「まぁそうね、仕方ないので許します。……それで、あれはなんだったの?」

 

先ほどまでの覇気の一切が抜け落ちた表情でチョコレートバーを齧りながら聞いたU-オルガマリーに微妙な表情をしつつも、先ほどの人物たちがヴィラン連合と名乗っていたことをオールマイトが伝える。

 

「……ふーん、覚えておくわ。次に会ったら縛り付けて引きずってくればいいんでしょう?」

「今回しておけば……」

「人間相手の加減は難しいのよ!言ったでしょう!?」

「うわっ、ごめんごめん!」

 

痛いところを突かれて誤魔化し気味に大きめの声を出すU-オルガマリーに驚愕すると同時に謝罪する七ノ瀬。

周囲はそれを痴話喧嘩を見守るような空気感で見つめている。

 

「許されたいなら帰りはアイスよ」

「わかったよ……、好きなだけ買おう」

「そうと決まれば善は急げよね!」

「えっ?ちょっと──ぉ!?」

 

現れたときに空けた天井の風穴から、七ノ瀬の首根っこを掴んで飛んで行ったU-オルガマリー。

オールマイトや生徒、教師陣はそれをどこか遠い目で見つめて見送ることしかできなかった。

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