Blue Archive -Document GUYS feat.LXXX- 作:LN58
――――――ちゃんとよく見て。僕は正真正銘の“シャーレの先生”だよ。
北条先生「――――――ロボット職員:マウンテンガリバーさんが、僕もみんなも頼りにしてきた大事な大事な“シャーレの職員”がメモリーに異常をきたしたということで緊急搬送になりましたが、」
北条先生「どういうことなのか、知っていることがあったら、話してもらえませんか?」
秤 アツコ「うん。コーイチのことを知りたいの。聞かせて」
錠前 サオリ「……コーイチ」
飛鳥馬 トキ「もしも彼が“先生”だったとするなら、いろいろと辻褄が合うことが多い気がします」
神代キヴォトス人「ああ、そうだな。我のしたことは 場合によっては これからの戦いで重大な欠落が発生したかもしれん……」
神代キヴォトス人「だが、あの時、闇怪獣を倒すにはそうする他なかったのだ……」
――――――
七神 リン「どうなのですか? ガリバーさんがもし“連邦生徒会長”が喚んでいた本当の“先生”だとすると、北条先生はいったい何なのですか?」
調月 リオ「その前に、私たちと“
明星 ヒマリ「そうですね。まずそこから話しておかないといけませんね」
調月 リオ「まず、
明星 ヒマリ「つまり、大半の生徒が生まれる前から“
調月 リオ「そのための布石として、“
――――――
北条先生「となると、それは【トリニティ総合学園】の職員をする前の話ということですか?」
飛鳥馬 トキ「怪獣災害に対抗するためには対怪獣兵器の開発が必要不可欠です。それを16年前から準備できる場所はやはり【ミレニアム】しかあり得ません」
北条先生「……もしかして、以前に見せてもらった未来兵器の出所っていうのは、それなんですか?」
――――――
調月 リオ「ええ、その通りよ、先生」
調月 リオ「マウンテンガリバー;それは“
調月 リオ「その正体は未来の私とヒマリ、その他にもたくさんの人たちの手によって造られたロボット型タイムマシンだったというのが真相よ」
明星 ヒマリ「だから、“
明星 ヒマリ「もっとも、揃いも揃ってXデーまでに対怪獣兵器を間に合わせることはできませんでしたが……」
七神 リン「じゃあ、未来兵器の設計図が過去の世界に送られてきたということは――――――?」
調月 リオ「……想像の通りよ。時空移動メカ:アドベンチャーを開発した未来の私たちは破滅を受け容れる他なかった」
明星 ヒマリ「……屈辱です! この“全知”の天才清楚系病弱美少女ハッカーの私がいて、そんな未来はあってはならないことなのです!」
――――――
北条先生「だから、Xデー以前から怪獣の出現を予期して対怪獣兵器の開発に着手できたわけですね……」
秤 アツコ「????」
錠前 サオリ「待ってくれ! さっきから言っている『未来』というのはどういう意味なんだ?」
神代キヴォトス人「簡単に言えば、『明日のその先から今日に帰ってきた』ということだ、サオリよ」
錠前 サオリ「そんなことが本当にできるのか?」
神代キヴォトス人「――――――できる!」
神代キヴォトス人「だが、時間とは今日から明日へと流れていく大河なのだ。今日から昨日へと戻るためには時間の大河を逆流して泳ぎ切らねばならない」
秤 アツコ「つまり、『簡単ではない』ってことだね、サッちゃん」
錠前 サオリ「そうか。そうだな。そんなに簡単なことだったら、きっと未来のことを知っている自分から教えられたことで世界はもっと希望に満ちているはずなのだから、それもそうか」
北条先生「ようやく理解できました。だから、調月さんはXデー到来であれだけの絶望感に打ちひしがれることになったんですね」
――――――
調月 リオ「あの、先生、あの時のことは、どうか――――――」
明星 ヒマリ「ん? おやおやおや? もしかして、あなた、先生の前だけ弱音を吐いていたんですのね?」
明星 ヒマリ「良かったですね、先生に慰めてもらえて! おかげで、少しはドブ臭さがマシになったのではありませんか?」
調月 リオ「…………あなたには関係ないことだわ」
七神 リン「…………話を進めてもらえませんか?」コホン
明星 ヒマリ「おっと、これは失礼」
調月 リオ「……話を戻すわ」
調月 リオ「よほど切迫した状況だったのか、あるいは過去に飛んだ“
調月 リオ「とにかく、敗因は対怪獣兵器の完成が遅かったこと、そう結論付けられていたわ」
明星 ヒマリ「ですが、滅亡の道を辿ったとされる未来世界のXデーは
――――――
北条先生「……なんだって?!」
錠前 サオリ「どういうことだ? 光のピラミッドが出現した日はついこの間で、最初の怪獣:クレッセントが首都:D.U.を直撃したXデーからもう何ヶ月も経っているぞ?」
神代キヴォトス人「待て。我に質問させよ」
神代キヴォトス人「――――――『未来世界のXデーは光のピラミッドが出現した日』と言ったな?」
神代キヴォトス人「では、未来世界にとって最初に確認された怪獣は何とある?」
――――――
明星 ヒマリ「――――――『超古代怪獣:ゴルザと超古代竜:メルバ』とあります」
――――――
神代キヴォトス人「……具体的な記録はあるか?」
――――――
明星 ヒマリ「はい。2体の怪獣が光のピラミッドを破壊した後、サンクトゥムタワーにも襲来し、各学園の総力を上げた連合軍を蹂躙しました」
明星 ヒマリ「そして、キヴォトスが絶望に包まれた時、光の巨人が初めてキヴォトスに現れてメルバの撃破に成功したとあります」
明星 ヒマリ「逃走したゴルザの方は 後日 光のピラミッドの周辺で強化されて再出現したようですが、こちらも光の巨人に撃破されたとあります」
――――――
飛鳥馬 トキ「つまり、私たちの世界のXデーと同じことが起きたのですね」
飛鳥馬 トキ「――――――サンクトゥムタワーの防衛戦」
飛鳥馬 トキ「――――――初めての怪獣」
飛鳥馬 トキ「――――――初めてのウルトラマン」
北条先生「……そういうことだったのか」
神代キヴォトス人「憶えておるか? 彼の者は『ゴルザとメルバが光のピラミッドの次に狙うとしたらサンクトゥムタワーなのか?』と我に訊いておったな?」
北条先生「ええ、憶えています。あれはそういうことだったのか」
錠前 サオリ「な、何度もすまない! じゃあ、つまり、未来世界だと光のピラミッドがゴルザとメルバによって破壊されたということは、あの2つの怪獣の石像も――――――?」
秤 アツコ「もしかして、私たちが光のピラミッドに来ることがなかったら――――――?」
神代キヴォトス人「ああ、我は“ユザレの末裔”である秤 アツコが訪れたことで再び現世に
――――――ならば、未来世界での“地獄の釜の門番”はそのまま
飛鳥馬 トキ「では、未来は変わったのですね?」
錠前 サオリ「ああ、たしかに変わったはずだぞ」
神代キヴォトス人「――――――良くも悪くもだ」
秤 アツコ「うん。コーイチ自身がセミ人間の楽団と仲良くなってその演奏に慰められてきたのに、年来の友人がガラモンを喚んだことを本当に悲しんでいたから」
北条先生「なんてことだ……」
北条先生「もし光のピラミッドが出現する日以前にXデーが前倒しになって、未来世界では出現しなかった怪獣に襲われるようになってしまったのだとしたら、それでは結果として何の意味もないのではないのか――――――?」
――――――
明星 ヒマリ「だとしても! 心配は御無用ですよ、みなさん!」
明星 ヒマリ「未来世界の私が用意した対怪獣兵器を私が完成させた以上、勝利は約束されたも同然! 大船に乗ったつもりでいてください!」
調月 リオ「先生、弱気にならないでください!」
調月 リオ「Xデーまでに対怪獣兵器を完成させることはできませんでしたが、それでも前を向いて進むことで本来のXデーまでに対怪獣兵器を完成させることができたのです! これは先生のおかげなのです!」
七神 リン「そうです! 先生がいたからこそ、今日という日を迎えることができたのです!」
七神 リン「だから、先生がこれまでやってきたことは間違ってなんかいないです、絶対に!」
――――――
北条先生「あ……」
錠前 サオリ「ああ、その通りだ、先生!」
錠前 サオリ「先生! こう言ってはなんだが、私たち【アリウススクワッド】はXデーが前倒しになって怪獣災害に巻き込まれたからこそ、こうして先生に出会って、先生に助けられて、先生に本当に大切なものを教わることができたんだ!」
秤 アツコ「うん。私も先生のおかげで光のピラミッドに辿り着くことができて生まれてきた意味を知ることができた」
北条先生「錠前さん。秤さん」
神代キヴォトス人「うんうん。実際その通り。でなければ、我はこうしてキヴォトスの子らに出逢うこともなかったのだ」
神代キヴォトス人「良いではないか! 頼もしい限りではないか! キヴォトスの子らを守るために2人の“先生”が結びし縁が実って、こうして対怪獣兵器も揃い、この我もいる! 何を恐れる必要がある!」
神代キヴォトス人「1000万年周期で光と闇の最終戦争が繰り返されると思いきや3000万年もの過去からの出会いの奇跡!」
神代キヴォトス人「そして、未来から希望を携えて送り出された使命は今ここに託された!」
――――――前を見よ! 過去と未来が交わった
この世界の謎が1つ解き明かされた――――――。
キヴォトスは滅亡する。それは超古代文明を滅ぼした光と闇の最終戦争が繰り返されるからであり、光の巨人の力だけではキヴォトスは救えないのだ。
そのための対怪獣兵器であり、ウルトラマンと共に戦える仲間が必要だったのだ。ロボット職員:マウンテンガリバーの16年間の時空を超えた孤独な旅路はそのためのものであったのである。
だが、肝腎なことがわかっていない――――――。
破滅の道を辿った未来世界の“シャーレの先生”が
そうなると、当然ながら『この世界で“シャーレの先生”となった北条 アキラは何者なのか?』という話になるのだ。“連邦生徒会長”との接点を当人が思い出せないことも疑惑を深めることになった。
しかし、もはやそんなことはどうでもよくなっていたのだ。地球人:北条 アキラが失踪した“連邦生徒会長”が喚んでいた“シャーレの先生”であるかどうかなんて、今となっては。
失踪した“連邦生徒会長”を中心に回っていた過去のキヴォトスから時代は移り変わり、キヴォトス史上最大の軍事力【キヴォトス防衛軍】の軍事顧問に就任して名実共にキヴォトスの頂点に昇りつめた地球人:北条 アキラを中心に回っているのが現在のキヴォトスなのだから。それだけの功績と信頼を一から築き上げたのだから。
――――――なにより、北条 アキラが“シャーレの先生”となったところに真っ先に陰になり日向になり支えてきたのが他ならぬ“シャーレの先生”だった
そう、怪獣退治の専門家として半世紀に渡って怪獣と戦い続けた防衛チームのノウハウを持っている“GUYSの先生”と、最後まで破滅に抗おうと懸命に生きてきた
だからこそ、これまで苦楽を共にしたロボット職員:マウンテンガリバーとしての意識が抜け落ちてしまったかのような、時空を超える決意までをした絶望さえも忘れ去ったかのような“シャーレの先生”
いったい今の
そのことを気に病んでいるのは2人で一人で“シャーレの先生”だった北条 アキラだけじゃなく、
いや、ロボット職員:マウンテンガリバーと【シャーレ・オフィス】の同じ建屋で仕事をしてきた【連邦生徒会】の面々もそうだし、子飼いとして拾い上げて鍛え上げたことで怪獣災害の裏に潜んでいる侵略宇宙人の摘発で活躍をし続けている【RABBIT小隊】もそうだし、対怪獣兵器の開発でお世話になっている【ミレニアムサイエンススクール】の多くの生徒たちにとってもこれまでの記憶が消失していることは悲しいことに他ならなかった。
――――――ロボット職員:マウンテンガリバーの存在はキヴォトスにとって本当にかけがえのないものだったのだ。
ロボット職員「リオ! それにヒマリ! 2人が一緒にいるだなんて! よかった!」
明星 ヒマリ「ごきげんいかがですか、“
調月 リオ「どうかしら、“
ロボット職員「……たぶん、僕って一度死んでいるんだよね?」
ロボット職員「このロボットの身体に“僕”という意識が乗り移っているってことは、ついに致命傷になる弾丸を受けて脳ミソだけになっちゃったのかな?」
明星 ヒマリ「――――――『当たらずとも遠からず』と言ったところですね」
明星 ヒマリ「いいですか、落ち着いて聞いてください、“
調月 リオ「結論から言わせてもらうと、“
ロボット職員「え」
ロボット職員「え?」
ロボット職員「ええ!?」
明星 ヒマリ「混乱するのは無理ないです」
調月 リオ「けど、安心してください。“
ロボット職員「…………えっと、ごめん! 訊いていいかな?」
明星 ヒマリ「はい。何でもお聞きください」
ロボット職員「じゃあ、『怪獣災害』って何のことかな? 『光のピラミッド』とか、『Xデー』のことも何なのかわかんないんだ……」
調月 リオ「え」
明星 ヒマリ「ま、待ってください! じゃあ、“
ロボット職員「えと、ええ……?」
ロボット職員「あ!」
明星 ヒマリ「思い出せましたか!?」
ロボット職員「可愛かったな、リオもヒマリも。本当にあんなにも小さかったのに今はこんなにも大きくなって女性らしくなって」ナデナデ
調月 リオ「…………せ、“
明星 ヒマリ「!!!!」カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ロボット職員「ああ、憶えているよ。いっぱい抱っこしてあげたからね。いっぱい撫でてあげた日が鮮明に思い出せる」ナデナデ
明星 ヒマリ「あ、あああの、あの、あのあのあのあの、せ、“
調月 リオ「ああ、懐かしい。懐かしいです、“
ロボット職員「うん。そうだよね。ほら、何も忘れていることなんて無いじゃないか」ナデナデ
明星 ヒマリ「も、もっと! もっと撫でてください、“
ロボット職員「うん。いいよ。本当にヒマリは変わらないな」ナデナデ
調月 リオ「……“
明星 ヒマリ「でも、だからこそ、私は、この天才清楚系病弱美少女ハッカーの明星 ヒマリは許しませんよ、“
ロボット職員「うあっ!?」ピタッ
明星 ヒマリ「ふざけないでください、“
明星 ヒマリ「未来の私たちから大事な使命を託されて過去にやってきたと言うのに! 光のピラミッドが出現した日が未来世界でのXデーだったんでしょう!? これからが本番だと言うのに、破滅の未来を変えるために16年間“
ロボット職員「!!!!」
調月 リオ「……ヒマリ」フッ
ロボット職員「えと、そんな、僕は…………」
調月 リオ「すみませんでした、“
ロボット職員「……リオ?」
調月 リオ「少しお時間をいただけないでしょうか?」
ロボット職員「……う、うん」
調月 リオ「ヒマリ、あなたは冷静になるべきよ。こんなやり方では目的は果たせない」
明星 ヒマリ「うるさいですよ、リオ! あなただって今日までの頑張りを否定されて悔しい思いでいっぱいのくせに!」
調月 リオ「……それについては否定はしないわ」
調月 リオ「けれども、今は“
明星 ヒマリ「……そんなこと、あなたに言われるまでもないです。ええ、そうですとも」プンプン!
調月 リオ「お待たせしました、“
ロボット職員「……うん、わかったよ、リオ。これもみんなのためなら、僕にできることから始めてみるよ」
調月 リオ「はい、お願いします」
こうして【ミレニアムサイエンススクール】で
生徒会長自ら手を引いて学内を連れて回り、ロボット職員:マウンテンガリバーと顔馴染みの【ミレニアムサイエンススクール】の生徒たちの許へ案内していき、その時の反応を具に確認していくことになったのである。
ロボット職員:マウンテンガリバーは普段は日中のほとんどを問題解決のために出歩いている“GUYSの先生”北条 アキラに代わって“シャーレの職員”として事務仕事をしており、日替わりの当番として生徒たちを招いて積極的に交流を図っていた。
そのため、“シャーレの職員”としても知名度抜群であり、それでいて怪獣災害の時には“GUYSの先生”に代わって【キヴォトス防衛軍】の実質的な別働隊となる【シャーレ】の部隊を率いてきた実績もあり、“連邦生徒会長”失踪後に閉校に抗議してきた【SRT特殊学園】の生徒たちの反乱を鎮圧してきた武勇伝すらあるのだ。
それだけに、学園最強戦力である“コールサイン:ダブルオー”美甘 ネルも喜んで指揮下に入るほどであり、防衛体制の構築や防衛戦力の指揮では怪獣退治の専門家である“GUYSの先生”の右に出る者はいないが、歩兵部隊の指揮や人心掌握に関しては“シャーレの職員”の方が何枚も上手であった。
それも当然の話であった。この“シャーレの職員”は未来世界の“シャーレの先生”として生徒たちのことを知り尽くして、ほとんどの生徒が生まれてもいない16年前の過去からずっとキヴォトスを見守り続けていたのだから。
そして、怪獣退治の切り札となる対怪獣兵器の開発を【ミレニアム】が誇る2人の天才である“ビッグシスター”調月 リオと“全知”明星 ヒマリに託した一方、自身もオーパーツ:クラフトチェンバーを使って歩兵用対怪獣兵器となる光学兵器:ギャラクシー・スナイパーライフルの量産もしており、
その性能評価でお世話になった【C&C】角楯 カリンと【エンジニア部】猫塚 ヒビキの両名から想いを寄せられるほどなのだから、身体がロボットになったとしても“シャーレの先生”として共に生きてきた生徒たちを想う心に翳りはないのだ。必ずや世界を救う決意を胸に16年間を生きてきた鋼鉄の身体に宿るのは熱き血潮である。
そのため、怪獣退治の最中にメモリーを損傷して記憶喪失になったということにして、滅多に人前に出ることがない“ビッグシスター”調月 リオと遅れてやってきた“全知”明星 ヒマリがこれまで秘密にしていた“
合体怪獣:ゴルバーとの戦いで大活躍したメガアースやGUTSファルコンの設計図が“
予想通りに【C&C】角楯 カリンと【エンジニア部】猫塚 ヒビキが真っ先に駆けつけて来て、記憶喪失になってしまったことを労りながら、これまでの思い出の数々を情熱的に語り聞かせながら、公衆の面前でメンテナンス作業を始めてしまったのである。
記憶喪失でロボットの身体であることがどういうことなのかを忘れてしまっていた
怪獣退治の専門家である“GUYSの先生”に負けず劣らずの怪獣退治での実績の数々から一目置いている“シャーレの職員”の痴態に対して『何を見せられているのだ』と顔を真赤にしてもっともな声を上げる【C&C】美甘 ネルを他所に、
記憶喪失になったために いつもよりも頼りなくて 情けなくもあり 非常に若々しい雰囲気の喘ぎ声を出してしまっている
しかし、途中で真実に見せかけた嘘を言ってからかってくるのを見破るのは、さすがは未来世界で“シャーレの先生”だった
それは今までの職員と生徒の関係がリセットになった記憶喪失の状態だからこそ表に出た本心が聞けたことにより、自分のことを本当はよく見ていてくれていたことの驚きと新鮮さで胸の内にこみ上げてくるものがあったのだ。
そこからは“ビッグシスター”調月 リオと“全知”明星 ヒマリの目の前でミレニアム生が記憶喪失で中身が若返っている
そうした中、戦いの記憶が“光”となってウルトラマンの力へと変換されてしまった
ロボット職員「……ああ、そうか。まだ【ゲーム開発部】の子たちとは知り合っていないんだったね」
ロボット職員「――――――アリス」
調月 リオ「………………」
早瀬 ユウカ「リオ会長、ガリバーさんのことをまるで見世物のようにするのは少し悪趣味が過ぎるんじゃないんですか?」
調月 リオ「どこまでのことを憶えているかを把握するのは互いのためになることよ、ユウカ」
早瀬 ユウカ「でも! ノアも、あんなふうに人前でからかう必要ないじゃない……!」
ロボット職員「いや、いいんだよ、ユウカ。肝腎なことを忘れている方がいけないんだから」
早瀬 ユウカ「ガリバーさんも記憶がなくなって不安でいっぱいだと思いますけど、本当のことを言っていいですからね」
ロボット職員「ちがうんだ、ユウカ。忘れたんじゃなくて、記憶が入れ替わってしまったんだと思う」
ロボット職員「――――――僕の中にはユウカとの思い出が2つもあるんだ」
早瀬 ユウカ「……え? 記憶が失くなったんじゃなくて?」
ロボット職員「ごめん。これ以上は言えないんだ」
ロボット職員「………………僕のことをあんなにも愛してくれてありがとう、ユウカ。大好きだったよ」
明星 ヒマリ「やはり、そういうことでしたか」
調月 リオ「間違いないわね」
――――――今の
ロボット職員「………………」
早瀬 ユウカ「……何の話なんです、それって?」
調月 リオ「検証はこれでもう十分ね」
明星 ヒマリ「ええ」
明星 ヒマリ「では、おつかれさまでした、“
ロボット職員「うん」
猫塚 ヒビキ「ま、待ってください! まだガリバーさんに渡していないものがあるんです!」
角楯 カリン「こ、これを! これを最後に試させてください! お願いします!」
ロボット職員「ヒビキ、カリン……」
猫塚 ヒビキ「これ、温泉合宿していた時に色指定してもらったGUYSスーツだったけど、それとは別にこういうのが欲しいって言っていたから、作るのが遅れちゃった……」
角楯 カリン「今、作り終えたから、これで少しでも思い出せるものがあったらって……」
早瀬 ユウカ「リオ会長……」
調月 リオ「別にいいわ。急いでいるわけじゃないし」
明星 ヒマリ「さあ、どうぞ。“
明星 ヒマリ「……怪獣退治に必要な兵器開発に深く関わっていた生徒ほど記憶の欠落が激しいのは見ていて苦しいものがあります」
調月 リオ「……ええ。今の“
明星 ヒマリ「……まったく、罪作りにも程がありますよ、これは」
調月 リオ「……その時点でのできることやすべきことが大きくちがってきたばかりに距離感がこうもちがうのね」
明星 ヒマリ「……そうですね。この世界では対怪獣兵器の開発を通じて親密になっていたからこそ2人の思い出が“光”になってしまったのに、“
調月 リオ「……同じぐらいの思い出の消失がなければならないはずなのに、そうでないということは『未来世界では猫塚 ヒビキと角楯 カリンの2人がそこまで怪獣災害や兵器開発の場面で活躍していなかった』ということになるわね」
明星 ヒマリ「……それぐらい対怪獣兵器の開発が遅れていたことの証言にこれはなります」
早瀬 ユウカ「はい、どうですか、ガリバーさん?」
ロボット職員「うん。ちゃんと着ることができたみたい」
猫塚 ヒビキ「どう? ちゃんとオーダー通りにできたかな?」
ロボット職員「うん! 凄いや! 赤とグレーで彩られた隊員服に白のVラインがバッチリ極まってる!」
角楯 カリン「よかった! 憶えていてくれていたんだ!」
ロボット職員「うん、憶えているよ。忘れるわけないじゃないか」
ロボット職員「――――――僕が何者であったかなんて」
ロボット職員「僕は君だけを守りたくて、キヴォトスにやってきたんだから」
――――――"Super Global Unlimited Task Squad" すなわち 特捜チーム【スーパーGUTS】!
ロボット職員「それに、ヘルメットも急いで作ってくれたんだね」
猫塚 ヒビキ「こっちのは完成品だけど、一応は未塗装の予備品も用意したから」
角楯 カリン「これで頭部への損傷を抑えることができる!」
早瀬 ユウカ「ですから、
ロボット職員「うん」
北条先生「あああああああ!? そのヘルメットは!?」ドタドタ!
早瀬 ユウカ「え!? せ、先生!?」ビクッ
ロボット職員「…………北条先生」
猫塚 ヒビキ「び、びっくりしたな、もう……」
角楯 カリン「ど、どうしたんですか、先生? このヘルメットが何かあるんですか?!」
北条先生「ああ! やっぱり! このヘルメット!」ガシッ
早瀬 ユウカ「え?」
猫塚 ヒビキ「それ、未塗装の予備品――――――」
ロボット職員「……先生?」
北条先生「これは偶然か!? 【CREW GUYS JAPAN】総監:迫水 シンゴ隊長が初代防衛チーム【科学特捜隊】の宇宙勤務の亜光速航行によって40年近く隊長をしていた時のモデルにそっくりだ! エンペラ星人との最終決戦の時にウルトラマンと地球人の絆を知らしめた伝説の英雄の!」
北条先生「――――――
ロボット職員「え?」
北条先生「
ロボット職員「――――――『宇宙勤務』? ――――――『伝説の英雄』? ――――――『光となって』?」
ロボット職員「ふふ、ふはは……」ワナワナワナ
早瀬 ユウカ「が、ガリバーさん……?」
ロボット職員「本当に嬉しいことを言ってくれますね、先生!」
ロボット職員「そうなんですよ! 僕は宇宙を救った伝説の英雄:アスカ・シンと同じように“光”になってキヴォトスにやってきたんです!」
ロボット職員「だから、先生には本当に感謝の言葉が尽きないです!」
ロボット職員「僕は彼女を守るためにキヴォトスに来たんです! 償いきれない罪を背負う前に救い出してくれて本当にありがとうございます、先生ぇ!」
北条先生「……それは本当によかった」
北条先生「でも、戦いは始まったばかりなんだ。これからのみんなの幸せのためにも力を貸して欲しい」
ロボット職員「ええ! やってやりますとも!」
ロボット職員「本当の戦いはここからだぜ!」
――――――それに、キヴォトスに来たのもあの日あの時に交わした“連邦生徒会長”との約束でもあったから! 今度こそ果たしてみせる!
角楯 カリン「え!?」
猫塚 ヒビキ「い、今、何て――――――?」
早瀬 ユウカ「――――――『“連邦生徒会長”との約束』!?」
明星 ヒマリ「い、今の話は本当なんですか……?」
調月 リオ「……さすがは先生ですね。隠し事はできないか」クスッ
機械の身体に押し込められて過去へと16年間、重たい荷物を一人で背負い続けながら人生の喜びも悲しみも味わって老成した精神は“光”となってしまい、残ったのは時間が停まってしまった幸せな頃の弾むように軽やかな冒険心――――――。
それを呼び覚ますのがウルトラの奇跡によって真の平和を掴み取った地球で小学校の先生をやっていた“GUYSの先生”北条 アキラであり、ウルトラマンと一緒に戦ってきた防衛チームに憧れを抱くのが当然の地球の子供のように大はしゃぎしてみせると、それに釣られて16年間の重みから解放された
小学校の先生として担当クラスの生徒たちを見て その家族や周りの人たちを見てきた 小学校の先生からすれば、ロボット職員:マウンテンガリバーもまた大人にならざるを得なかった若者の苦悩と苦労が滲み出ているのが見えていたのだ。
そして、キヴォトスでもっとも過酷な環境で虚無を教え込まれて子供らしさを押し殺してきた【アリウススクワッド】をはじめとして、国家と同義である学園を自治するために大人顔負けの才覚と能力でもって青春を捧げてきたキヴォトスの生徒会役員たちの苦悩と苦労に親身に寄り添えるロボット族の存在はあまりにも生徒たちに温もりを感じさせていた。
だからこそ、機械の身体に宿った中身というのが社会とはそういうものだと冷淡に割り切るようになる前の子どものように駄々をこねるぐらいに情熱に燃える夢見る心であることを予感させていた。
――――――いや、男というのはいつだって少年の心を持っているものなのさ。恩師:大山キャップがそうであったように、その子供の頃の憧れが今の僕を形作っているように。
緊急搬送された先の【ミレニアムサイエンススクール】にこうして駆けつけたのは偶然ではあったが、数々の超能力を使うことができるウルトラマンの心を実践しようとした結果、機を見るに敏となり得たのだろうか――――――、
今まで通りの関係は皮肉にも“光”が受け渡されたことで続けられなくなってしまったのだが、それでも恐れずに前を向いて新たな関係を結び直すためにこの場に駆けつけたのが“シャーレの先生”であり“GUYSの先生”である地球人:北条 アキラであった。
そして、
そこから先は賢しらはなかった。キヴォトスという異世界を通じて同じキヴォトスの外からやってきた者同士で少しでも共通の話題があったと壇上で喜んでみせて、みんなが愛してくれたロボット職員:マウンテンガリバーのために集まってくれた生徒たちを安心させるだけだった。
何だか当人だけにしか価値がわからない理由で“GUYSの先生”がヘルメットに感激する姿を黙って見ている他なかったのだが、元々が記憶喪失になったロボット職員:マウンテンガリバーのために開かれたトークショーだったのだ。
だから、今の自分が何者で、何をするべきなのかで戸惑い続けていた
――――――そう、彼の者こそが“連邦生徒会長”との約束でキヴォトスにやってきた“光”であり、“ユザレの末裔”である大切な人を守る誓いを果たすために時空を超えてきた 約束と誓いの騎士“GUTSの先生”であったのだ。
――――――それから、【ミレニアムサイエンススクール】郊外の立入禁止地区【廃墟】に隕石に乗って凶悪怪獣:ギマイラが現れたのであった!
神代キヴォトス人「――――――吸血怪獣:ギマイラか」
神代キヴォトス人「知らぬ怪獣だな。3000万年もあれば新種の宇宙怪獣など星の数ほど殖えているだろうよ」
神代キヴォトス人「だが、先程の説明でよくわかったぞ、先生」
神代キヴォトス人「あれは悪しき者たちが創り上げし侵略兵器の類だ。凶悪怪獣足らしめている数々の能力や狡猾さもそれを使いこなす高い知能を磨ける相手がいてこそだ」
神代キヴォトス人「そして、【ドキュメントUGM】に記録されている個体と同様かは定かではないが、生物を怪獣化させる能力は絶対に使わせてはならん!」
神代キヴォトス人「あれはゴルザやメルバのような闇怪獣の類ではないが故に、怪獣化させられた場合、我では元に戻すことができん! その意味では闇の勢力以上に質が悪い相手だぞ!」
神代キヴォトス人「故に、歩兵部隊は絶対に出すな! 出したところで催眠ガスと吸血攻撃の餌食になるぞ!」
神代キヴォトス人「しかし、航空戦力も油断するな! 催眠ガスは無機物を破壊する効果もあるという情報だ!」
神代キヴォトス人「よって、作戦はこの催眠ガスを吹き払って視界と安全を確保するところから始まるだろう!」
――――――
七神 リン「ですが、悠長に事を構えているわけにはいきません」
調月 リオ「はい。ギマイラが現れたのは【廃墟】の近くなのです。無機物を崩壊させる有毒ガスが【廃墟】に及んだ場合、何が起こるか――――――」
明星 ヒマリ「こんなことは絶対に認めませんよ! どうして【ミレニアム】に現れた怪獣なのに、GUTSファルコンが餌食になるだなんて! この戦いでも活躍して天才清楚系病弱美少女ハッカーの私の知名度を確固たるものにする計画が!」
調月 リオ「それを言ったら、私の方で制御している無人兵器群も霧で無力化されるわ」
羽沼 マコト「おいおい、【ミレニアム】ご自慢の自称天才たちが揃いも揃って何を怖気づいている? 敵の居場所は割れているのだから、辺り一帯を吹き飛ばしてから速攻をかけてしまえば、それで終わりだろう?」キキキッ
桐藤 ナギサ「……そうですね。毒霧を出す怪獣と言えば、【トリニティ】に出現した硫酸怪獣:ホーのことを思い出しますが、」
桐藤 ナギサ「今回は周囲への被害を配慮しなくていいのなら、サーモバリック爆弾での早期決着を狙い、霧が晴れたところに対怪獣兵器で一斉攻撃するのが確実です」ゴクゴク・・・
調月 リオ「そうね。迷っている暇はなさそうね」
明星 ヒマリ「ええ。この星で生きるに当たって巣でも作ろうとしているのか、怪獣が【廃墟】に向かっていますからね」
七神 リン「では、霧が立ち込めている場所にサーモバリック爆弾を投下し、怪獣が【廃墟】に到達する前に速攻を仕掛けます!」
七神 リン「部隊の展開を急いでください!」
――――――
北条先生「どういうことだ!? 宇宙怪獣:ギマイラの侵入を許すとはな!? 【ドキュメントUGM】に記録されている凶悪怪獣じゃなかったら、早急に対策を立てられなかったぞ!?」
北条先生「これから3000万年前の超古代文明を滅ぼしたとされる闇怪獣との戦いが待ち構えているのに、宇宙からの侵略者まで相手にできるか!」
北条先生「……本当に頼みますよ」
北条先生「………頼りになるんだか、ならないんだか」
神代キヴォトス人「ほう、そんなふうなことにも使えるのだな、先生よ?」
北条先生「……な、何を?」
神代キヴォトス人「隠すことはない。我の目には最初から先生の右手に黒い手甲が嵌められているのが見えていた」
神代キヴォトス人「うむ。我々の“光”とは異なるものだが、“光”と呼んで差し支えないほどには概ね性質は同じのようだな、先程の守護霊は」
北条先生「……あれが『守護霊』ですって?」
神代キヴォトス人「正確には、あれは“太陽の光”のように我には感じられた。それでいて高度な文明の気配も感じられた。その正体は愛と正義の使者と言ったところか」
神代キヴォトス人「そして、この前の合体怪獣:ゴルバーとの戦いで彼の者から“光”を受け取ったな。これで名実共に光の巨人となり得たわけだ」
神代キヴォトス人「それなら、我も光の眷属として主たる光の巨人を見定めて仕えようと思うてな」
神代キヴォトス人「本来の我である石像を破壊されてしまったからには共に戦場を駆けることはできぬが、この身であっても力を分け与えることはできる」
神代キヴォトス人「受け取って欲しい。これが“地獄の釜の門番”たる光の眷属の我:サーベラスの力だ」
――――――神代キヴォトス人から差し出された古の指輪が右手の
――――――
桐藤 ナギサ「――――――サーモバリック爆弾が霧に覆われた地域を薙ぎ払います!」ゴクゴク・・・
七神 リン「……直撃していれば倒しきれているはずね」
羽沼 マコト「そう言って倒しきれたことは一度もないのだがな、ご自慢のサーモバリック爆弾。イロハ、すぐにでも狙い撃つ準備をしておけ」キキキッ
調月 リオ「ヒマリ、いつでも攻撃できる用意を」
明星 ヒマリ「言われなくても 24時間 戦闘態勢を維持できる専用ブースで自由空間蒸気雲爆発が晴れるのを万全の状態で待っていますよ」
――――――
神代キヴォトス人「今頃、作戦司令部はあの蒸気雲を見て気が抜けているだろうな。青いな、青いぞ」
ロボット職員「いいんですか、サーベラス様? 生身だと催眠ガスにやられる恐れがあるのでは?」
神代キヴォトス人「そういうお主こそ、機械でも蝕む毒霧を恐れていないではないか」
ロボット職員「今なら、間に合います。みんな、避難してください」
錠前 サオリ「何を言っているんだ、コーイチ! ここには守らなくてはならないものが眠っているのだろう?」
秤 アツコ「この【廃墟】にも【アビス】と同じ超古代の遺跡が眠っているんだよね?」
ロボット職員「――――――その可能性は高いです」
神代キヴォトス人「そうだな。知性主義の極みとなる場所の因縁を用意しておかなければ、現代において【ミレニアムサイエンススクール】は存在し得なかっただろう」
神代キヴォトス人「この【ミレニアム】はいるだけで知的好奇心や向学心が沸き起こらんか? そういう気の流れが太古より続いている土地柄なのだ」
錠前 サオリ「しかし、先生はいったい何をしようとしているのだ?」
秤 アツコ「ワイン樽と輸血液を【トリニティ】から取り寄せていたみたい」
神代キヴォトス人「――――――わからんか。吸血怪獣:ギマイラなのだぞ、今回の怪獣は」
ロボット職員「そうか! そういうことですか、先生!」
錠前 サオリ「?」
秤 アツコ「あ、わかった、サッちゃん!」
北条先生「只今、戻りました」
飛鳥馬 トキ「指定された位置に輸血液を混ぜて垂れ流すようにしたワイン樽を置いてきました。褒めてください」
錠前 サオリ「ああ、いつもいつも先生の側でよくやってくれているな、トキは」
秤 アツコ「偉いよね、トキは。頑張り屋さんだね」
飛鳥馬 トキ「お褒めの言葉、ありがとうございます!」テカテカ!
ロボット職員「――――――うん?」
神代キヴォトス人「ちょうど来たみたいだぞ」
北条先生「あ、きたきたきたー!」スチャ ――――――爆破リモコンを構える!
飛鳥馬 トキ「ワイン樽が地中に引きずり込まれていきました!」
錠前 サオリ「先生の予想通り、裏を掻いてきたか!」
秤 アツコ「でも、さすがは怪獣の専門家だね」
北条先生「起爆する! 伏せろッ!」カチッ ――――――爆破リモコンを押す!
チュドーーーーーーーーーーン!
――――――機械すら蝕む毒霧をを薙ぎ払う自由空間蒸気雲爆発から離れて【廃墟】の別方面から小規模の爆発を観測!
実は、衛星画像で吸血怪獣:ギマイラの確認が取れた時点で【トリニティ】でワイン樽に調達するついでに大量の輸血液を医療機関から徴収する一方、現場となる【ミレニアム】からも最初の怪獣:クレッセントの頑丈な皮膚を粉々にできる威力のネオプラスチック爆弾を調達してワイン樽に取り付けていたため、
ギマイラの数ある恐るべき武器の1つである何人でも絡め取ることができそうな触手のような伸縮自在の舌が血の臭いが混じるワイン樽を一息に地中へと引きずり込んだ瞬間に、“GUYSの先生”北条 アキラは迷わず爆破リモコンを押した。
それによって、【キヴォトス防衛軍】司令部にも付近で小規模な爆発があったことに気づいたことだろう。
今回はサーモバリック爆弾による先制攻撃で霧が晴れてからの速攻の二段構えで宇宙怪獣:ギマイラを倒す基本方針に対して口を挟む必要がなかったため、【キヴォトス防衛軍】軍事顧問:北条 アキラ抜きで作戦が上手くいくかどうかを見る良い機会となっていた。
作戦自体は非常にシンプルであるし、地底怪獣を粉砕できる火力は前回の合体怪獣:ゴルバーを3度も撃破したことで保証済みであり、何よりも【ドキュメントUGM】に記録されている怪獣であったために対策がすぐに用意できていたため、誰が作戦指揮を執っても怪獣退治は成功するものだと作戦司令部は高を括っていたのだった。
一方、怪獣退治の専門家:北条 アキラは僅かな手勢を連れて司令部の作戦とは別行動を取っており、培ってきた怪獣退治での直感に従って、吸血怪獣:ギマイラを釣り出す罠を用意したのである。
結果、全身から放つ霧に乗じて【廃墟】に向かおうとしていたギマイラが実は地中に潜ってサーモバリック爆弾を回避していたことが知れ渡った時、司令部にいるキヴォトスを代表する生徒会長たちは何を感じているのだろうか――――――。
錠前 サオリ「コーイチ! ギマイラの角の先端が出てきたぞ!」
ロボット職員「了解!」
神代キヴォトス人「来るぞ! 一発で仕留めろ! 10秒以内に動きがあるぞ!」
ロボット職員「ああ、任せてください! この機械の身体なら!」ジャキ! ――――――【エンジニア部】開発の
北条先生「催眠ガスに注意!」スチャ ――――――ガスマスク装着!
秤 アツコ「うん!」スチャ ――――――ガスマスク装着!
飛鳥馬 トキ「人間が運べるサイズで大都市の3日分の電力を賄える超高密度バッテリー:メガアースに接続したことで安定した出力が確保されていますが、その反動に取って付けた追加品が耐えられるとは思えません」
ロボット職員「それでも、北条先生がこんなにも理想の展開にしてくれたんだ!」
ロボット職員「人間を怪獣化させる邪悪な魔王に一太刀浴びせた選ばれし光の勇者の伝説を今から用意してやってもいいじゃないか!」
錠前 サオリ「コーイチ! ギマイラの角の半分が地上に出た!」
ロボット職員「みんな! また会える日を今から楽しみにしているからな!」
ロボット職員「今は引き金は僕が引く!」
――――――キヴォトスよ、“先生”は帰ってきたぁあああああ! 撃ち抜け、光よ!
バキュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン! ガアアアアアアアアアアアアアアン!
覚醒の時を待つ勇者が眠れる【廃墟】を背に、約束と誓いの騎士“GUTSの先生”が手にした光の剣の輝きが地上に突き出た魔王の角を撃ち抜いた。
それは【エンジニア部】が宇宙戦艦に搭載するべく 下半期の予算の約70%とロマンを懸けて創り上げた 人の身長ほどもある巨大なレールガンである。
基本重量:140㎏以上、砲撃時の反動:200㎏を超えるという代物であり、元々が艦載砲のために携行火器としての運用を前提としていないことから、まさかの出番に感激した【エンジニア部】が即席で用意してくれた銃架やピストルグリップの信頼性は無いに等しかった。
ただ、ロボット職員:マウンテンガリバーの正体が別世界の地球で宇宙を守っていた防衛チームの新人隊員だったことを知ったことで、軍縮の煽りで予備役のテストパイロットでしかなかった北条 アキラが同じ防衛チームの
『地中に潜った吸血怪獣:ギマイラの角を撃ち抜かせてやろう』と今回の作戦を説明している最中に冗談で言ったら、
メガアースに接続して出力を安定させたレールガンの一撃は巨体ゆえに緩慢に地上へと姿を現した宇宙怪獣:ギマイラの角を半分以上を圧し折ることに成功し、これで最大の脅威である生物を怪獣化させる怪光線を放つことができなくなったとなれば、歩兵戦力の火力支援としては最高の戦果を叩き出したことになるだろう。
ついでに誘い出すための罠に使われた輸血液を混ぜたワイン樽に取り付けたネオプラスチック爆弾を起爆させられたことで吸血怪獣の所以たる舌も爆散しているため、ギマイラの戦闘力はこれ以上なく激減している。
そして、目的を達成したら余計なことはせず、レールガン一式を無人自走砲の荷台に載せて【ミレニアム】に自動返却した後、その他の無人自走砲を一斉に走らせて、その中に紛れて速やかに戦場から退却するのであった。
そこからは【キヴォトス防衛軍】の仕事であり、地上に顔を覗かせていたギマイラ目掛けて対怪獣兵器:機龍丸とGUTSファルコンによる総攻撃が始まった。
最大の武器である角を頭隠して角隠さずで失ったギマイラはもはや逃げ惑う他なかったのだが、チルソナイトの手銛:Kクラッシャーが機龍丸の両手から放たれ、地中のギマイラを捉え、GUTSファルコンが機銃掃射を浴びせた――――――。
その間、その様子を離れた場所から見ていた北条先生率いる別働隊は通信機越しに司令部から数々のお叱りの言葉を受けており、歩兵部隊による迎撃作戦は無謀であると言った張本人である神代キヴォトス人:サーベラスが最前線に立っていたことに【連邦生徒会】七神 リンは呆れて言葉が出なくなっていた。
特に、戦闘中で手が離せない明星 ヒマリに至っては、記憶喪失になって性格が変わってしまった“
また、怪獣に裏を掻かれてしまったことを悔いる間もなく、吸血怪獣相手に罠を張って最小限の労力で最大限の成果を自ら最前線に立って叩き出した“GUYSの先生”の常人離れした行動力に目を白黒させることになった【ティーパーティー】桐藤 ナギサに至っては空になったティーカップを口に運ぶ手を止められなくなっていた。
一方で、もう腹を抱えて転げ回る他なくなったのが【万魔殿】羽沼 マコトであり、怪獣ごときに裏を掻かれてサーモバリック爆弾の絨毯爆撃が空振りになっただけでもとんでもない笑い話なのに、危険であるから歩兵部隊の戦力投入を禁止した張本人が生身で最前線にいて、
極めつけに、怪獣退治の専門家:北条 アキラの率いる【連邦捜査部
だからこそ、自らを合理主義を極めた血も涙もない独裁者だと思っていた【セミナー】調月 リオは北条 アキラが敢行した無謀極まりない作戦が 自分たちが立案したサーモバリック爆弾の絨毯爆撃が空振りに終わったことの恥じらいさえも吹き飛ばすほどの 驚愕の大戦果を叩き出した現実を前にして、これまで自分が信じていたものが信じきれなくなってきたことを自覚するのだった。
そう、怪獣退治とは対怪獣兵器があれば成り立つものではない。振り絞った知恵と勇気が最初にあって、その創意工夫として対怪獣兵器がある事実を見忘れてはいけないのだ。
対怪獣兵器が完成していようが、してなかろうが、戦うべき時に死力を尽くして戦うことの偉大さを改めて見せつけられたのである。これこそが怪獣と戦い続けてきた歴史と覚悟を背負った戦士たちの戦いである。
しかし、怪獣退治において、どんな時でも忘れてはいけないことがある。
――――――怪獣災害に人間の都合なんて関係ないことを! そして、何が起きても不思議ではないことを!
ドッゴーーーーーーーーン!
錠前 サオリ「――――――2体目のギマイラ、だと!?」
ロボット職員「なに!?」
飛鳥馬 トキ「なるほど、【廃墟】に向けて霧の領域を急拡大できたのもギマイラが2体いたからですか」
北条先生「そういう意味では時間差で各個撃破のチャンスを作ったのだから、最初のサーモバリック爆弾の絨毯爆撃は決して無駄ではなかったということです」ザッ
秤 アツコ「先生」
飛鳥馬 トキ「行くのですか?」
北条先生「……何のことかな?」
ロボット職員「先生! 北条先生! 今だから言えます!」
錠前 サオリ「……コーイチ?」
ロボット職員「僕はずっと先生に嫉妬していました。どうして僕はあなたのようにやれなかったんだろうと。あなたのようにもっと上手くやりたかった」
――――――僕は自分の手でみんなを、アツコを守りたかったんです。
秤 アツコ「……コーイチ」
ロボット職員「でも、こんな僕のことを生徒たちが愛してくれたように、先生もまた僕のことを愛してくれました」
ロボット職員「そうでなかったら、こんなふうに僕のワガママに付き合う必要なんてなかったはず……」
――――――だからこそ、これからはあなたが誇りとする
北条先生「……いいんですか?」
ロボット職員「いいんです! ようやく僕は16年の歳月で凝り固まったこだわりを捨てることができました、この場で!」
神代キヴォトス人「その辺にしておけ。友情が深まったところで、刻一刻と2体目のギマイラが【廃墟】に迫っているのだぞ」
飛鳥馬 トキ「急いでください、先生」
秤 アツコ「私たちは何も見てないよ」
錠前 サオリ「ああ。誰もウルトラマンの正体を知らないんだ」
錠前 サオリ「そして、これは先生に護身のために使って欲しい閃光手榴弾だ」
北条先生「ありがとう、錠前さん。ありがとう、みんな」
北条先生「じゃあ、少し行ってくる」
飛鳥馬 トキ「はい、ご武運を。先生」
秤 アツコ「気をつけて」
ロボット職員「大丈夫。負けるはずはない、この戦いこそ」
神代キヴォトス人「先生よ、光と共に在れ!」
錠前 サオリ「……先生」
スタスタスタ・・・、 ピン! ポイ! バァン!
こうして【アビス】の光のピラミッドから始まった【連邦捜査部
今回の2体のギマイラは宇宙からの長旅を終えて地上に降下して近くにあった【廃墟】で巣作りをしようと移動していたところを【キヴォトス防衛軍】の奇襲に遭うことになり、長旅の疲れもあってか“GUYSの先生”北条 アキラが危惧していたほどの強さはなかった。
1体目のギマイラは別働隊によって罠に誘い出されて角も舌も破壊されたところに泣きっ面に蜂で【キヴォトス防衛軍】が誇る対怪獣兵器:機龍丸とGUTSファルコンの猛攻によって仕留められてしまった。
2体目のギマイラは角も舌も破壊されていないものの、地表に降下したばかりでエネルギー補給もまだということもあって万全の状態からは程遠く、ヘルスラッシュだけで角も舌も全身も切り裂かれた後、超必殺のサクシウム ゼペリオン光線で跡形もなく消滅したのである。
終わってみれば、光のピラミッドが出現した未来世界のXデーを迎えて強化されたウルトラマンと対怪獣兵器の圧勝であったものの、様々な衝撃と教訓がもたらされた歴史的な一戦となっていた。
1つ目は、正攻法で勝てると最初から楽勝ムードでいざ実戦となったら、サーモバリック爆弾の絨毯爆撃が空振りに終わったということで、怪獣に作戦の裏を掻かれたという事実――――――。
ついでに言えば、2体の超古代怪獣:ゴルザとメルバが迫っていた光のピラミッドの攻防戦でも協定違反が起きていたので、このところ、連戦連勝で【キヴォトス防衛軍】の怪獣退治で規律が緩んできている向きがあるようだ。楽勝だと思った時こそ油断大敵なのである。
2つ目は、本格的な対怪獣兵器がなくても知恵と勇気で凶悪怪獣と戦うことができることが示された点であり、実際には【ミレニアム】の技術の粋を集めた超兵器を利用している特殊なケースではあるのだが、ウルトラマンや対怪獣兵器が頑張ってくれれば用済みと思われていた歩兵部隊でもやれることがあるのだと再確認されることになったのだ。
特に、ネオプラスチック爆弾でギマイラの舌を破壊した“シャーレの先生”と、レールガンでギマイラの角を破壊した“シャーレの職員”の前線での活躍は、怪獣に裏を掻かれてしまった生徒だけの今回の作戦司令部との差が際立つことになったのだ。
それでも、怪獣を倒したのはウルトラマンと対怪獣兵器であり、決してどちらかが不要というわけでもない。要不要ではない。主と従であるのだ。
ただ、あらゆる手段を通じて勝つための努力をすることこそが最短の道であると信じることを忘れてはならないのだ。怪獣災害にはみんなで立ち向かう義務があるのだ。
秤 アツコ「かっこよかったよ、コーイチ。さすがは私のことを守ってくれている騎士様」
錠前 サオリ「ああ。コーイチ、あなたが姫を守る騎士であったことを嬉しく思う」
ロボット職員「少しカッコつけちゃいましたかねぇ……」
秤 アツコ「ねえ、コーイチはどこでお義姉さんと知り合ったの?」
錠前 サオリ「ああ、たしかに気になるな。【アリウス】を抜けるだけでも困難なのに、今度はコーイチが住んでいた世界まで行ったのだろう?」
秤 アツコ「――――――それに、『“連邦生徒会長”との約束』って何?」ジトー
ロボット職員「ちょっと怖いよ、アツコ?」
秤 アツコ「話して」
ロボット職員「わ、わかった。わかったよ、うん」
神代キヴォトス人「我も気になるぞ。キヴォトス以外の惑星でも光と闇の戦いは繰り広げられていたのだから、おそらくはお主と義姉君が巡り会えたのも我が同胞たちが未来に願いを託した輝ける星なのであろう」
神代キヴォトス人「――――――“光”で星と星が繋がっていたのであろう。我々は祈りを通じて目に見えない世界から星から星へとやりとりをしていたのだからな」
秤 アツコ「サーベラス様」
錠前 サオリ「うん、きっと、そうなのだろうな」
ロボット職員「そうか。そういう繋がりがあったからなのかもしれない」
ロボット職員「じゃあ、一言で“連邦生徒会長”との約束とアツコのお義姉さんとの誓いのことを説明すると、だよ」
――――――それは世界中の子供たちが“光”となって“
-Document GUYS feat.LXXX No.10-
吸血怪獣:ギマイラ 登場作品『ウルトラマン80』第17話『魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)』、第18話『魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)』登場
『ウルトラマン80』を代表する強豪怪獣であり、令和初のウルトラマン『ウルトラマンタイガ』で再登場したのを機に数々の作品で存在感を発揮することになった。
事実、『80』に登場した怪獣の中では最強の評価を一部でなされており、80と交戦した時は洞窟を爆破されやむなく出てきたことから、エネルギーの蓄えは万全ではなかったと推測され、さらにそんな不利な状況にもかかわらず、終始80を圧倒していた。
強豪怪獣としての高い戦闘力もさることながら、人間を怪獣化させるなどの凶悪な能力、配下の怪獣を戦わせて高みの見物をする狡猾さを有しており、
地球で無敗神話を打ち立てたウルトラマン80が前後編での決着を迫られることになったことを踏まえても、災害の化身としては月の輪怪獣:クレッセントだが、それとはちがう方向性の凶悪怪獣として完成されている。
武器は鋭い爪と一際目を惹く長大な鼻角だが、他にも多数の攻撃手段を有している凶悪怪獣である。
角は突き刺す他に破壊光線を放つことができ、生物を怪獣化させる怪光線を放ち、怪獣化した生物を自分の思うままに操ることができる。
しかも、怪獣化させられた生物を元に戻すことは不可能であり、元の姿に戻るのは死ぬ時だけという残酷過ぎる能力で、劇中ではラブラスとダロンを支配下に置いていた。
また、吸血怪獣の名の由来となる伸縮自在の触手のような長い舌は吸血だけでなく、相手の身体に巻きつけての電撃攻撃も可能。
更に、口から吐く白いガスを吸い込んだ人間の思考能力を低下させて思うがままに操ることができる。毒ガスとしての効果だけでなく戦闘機などの無機物を破壊する効果すらある。
典型的な恐竜型の怪獣であるが、非常に高い知能を持ち、咆哮で他の怪獣を操って配下の怪獣2匹と敵を戦わせ、自分は高みの見物を決め込むという狡猾な一面を持つ。
また、怪獣としてのパワーも桁外れに強く、エネルギーが不完全な状態にもかかわらず80を追い詰めるほどの強靭なスタミナとパワーで圧倒した。
20年前に星沢子一家が乗った宇宙船を襲撃し、そのまま降り立った潮風島を支配した宇宙怪獣。
普段は島の岬にある洞窟に潜んでおり、人間の思考能力を麻痺させる催眠ガスを霧として放射し、触手状の舌を伸ばして人間の首筋に巻きつけ、人々の生き血やエネルギーを啜って力を溜める。
そのため、潮風島の島民の首筋には吸血鬼に噛まれたような傷跡があり、血を吸われた人間はギマイラにコントロールされている。
時を同じくして島の異変に気付き、単独で向かったイトウチーフをラブラスへと怪獣化させた。
連絡が取れなくなったイトウチーフの捜索と、島の異変調査にやってきた矢的らUGM隊員にラブラスとダロンをけしかけ、現れた80を苦戦させるが、人間の意識を取り戻したラブラスがダロンに攻撃し、その隙に80はウルトラレイランスでダロンを仕留める。
後日、沢子は矢的らの持っていた爆薬を奪い、止めようとする矢的を振り切りギマイラの住処を爆破する。
姿を現したギマイラは防衛隊の戦闘機を次々と撃墜し、出現した80を圧倒的なパワーで追い込み、80は敗北寸前まで追い込まれることになる。
しかし、ラブラス(=イトウチーフ)の捨て身の援護を受けた80に隙を突かれ、投げ飛ばされて怯んだところをムーンサルトキックで粉砕された。
3000万年前の生き残りである神代キヴォトス人:サーベラスが知らない宇宙怪獣であったが、地球人:北条 アキラが記憶している【ドキュメントUGM】の情報から、生物を怪獣化させる能力を特に危険視して対策を練ることになる。
そして、神代キヴォトス人:サーベラスの予想では、宇宙怪獣なのに大気圏離脱が不可能である点や、生物を怪獣化させる能力と極めて高い知能から、侵略宇宙人が品種改良した凶悪怪獣ではないかと疑われることとなる。
結果、霧を発生させながら巣作りに適していると思われる【廃墟】に迫るギマイラに対してサーモバリック爆弾による絨毯爆撃で霧を払いながら対怪獣兵器で一気に畳み掛ける作戦が司令部で立案される一方、
北条 アキラは手勢を連れて吸血怪獣の特性を利用した罠も用意することになり、サーモバリック爆弾の絨毯爆撃を地中に潜って回避したギマイラが輸血液を混ぜたワイン樽から溢れて血の匂いに誘われることとなった。
それによって、ワイン樽に貼り付けたネオプラスチック爆弾で舌を爆破された挙げ句、頭隠して角隠さずで最大の武器である角をレールガンで撃ち抜かれることになり、戦闘能力が大幅に減少したところに 泣きっ面に蜂で 対怪獣兵器の総攻撃を受けることになり、見事 強豪怪獣の撃破となった。
しかし、快勝とは裏腹に怪獣に裏を掻かれることになったため、まだまだ怪獣退治の専門家には及ばないことを各学園の代表たちは再認識することになった。
しかし、実は もう1体 隠れており、だからこそ、【廃墟】に向けて霧を急拡大しながら接近できていたのだが、結果として最初のサーモバリック爆弾の絨毯爆撃によって時間差をつけての各個撃破に繋げられることになった。
この2体目のギマイラは程なくしてタイガスパークから繰り出される怪獣リング:ヘルベロスリングによるヘルスラッシュで全てを切り裂かれ、とどめにウルトラブレスレット:ティガレットによるサクシウム ゼペリオン光線で跡形もなく消滅させられた。
ウルトラマン80を大いに苦しめた強豪怪獣ではあったが、今回は【ドキュメントUGM】によって最優先で角の対策がとられていたことで、『同じ手は二度通用しない』ということで快勝となった。
というより、機龍丸とGUTSファルコンというウルトラマンと同等の戦力が揃っているため、地球では数的優位を取っていた強豪怪獣:ギマイラだったが、今回は数でも逆転された上で対策もされていたので勝ち目など最初からなかったのである。
ただし、まともに戦うと80怪獣最強という評価に相応しい圧倒的な凶悪怪獣の能力を見せつけてくるため、星に降り立った直後の長旅の疲れで万全ではない状態を突いて速攻で片付けることができたのが何よりの幸運であった。
決してギマイラが弱かったわけではないのだ。2体同時に戦うことになった時の絶望感はガラモンの比ではないはずなのだから。