Blue Archive -Document GUYS feat.LXXX- 作:LN58
ザーザーザーザー…
早瀬 ユウカ「先生! ノアが、ノアが、帰って来てないんです! もう何日も連絡がとれなくて! 先生! 私、どうしたら……!?」
陸八魔 アル「先生、あの、カヨコを見なかったかしら? あ、いや、その、最近【便利屋68】に来なくなったから、何か知らないかと思って……」
桐藤 ナギサ「先生! ヒフミさんが! ヒフミさんが! ヒフミさんが!?」
錠前 サオリ「先生。アツコが、姫が、いなくなってしまった。私はどうなってもかまわない。姫を助けて欲しい。もう頼れるのは先生しか……」
――――――安心して! 先生にまかせなさい!
ロボット職員「状況を確認しましょう、先生」
ロボット職員「現在、キヴォトス中の生徒たちが多数行方不明となる事件が発生中です。その中には各学園の生徒会役員も含まれ、事態は深刻となっております。【キヴォトス防衛軍】のコミュニティサイトでも行方不明者の捜索願いの声が多数寄せられています」
ロボット職員「すでに【連邦生徒会】は【ヴァルキューレ警察学校】を通じて行方不明者の情報を集めておりますが、【ヴァルキューレ】への信頼の無さから【キヴォトス防衛軍】に寄せられていた情報量を大きく下回っていた模様」
ロボット職員「そのため、【ヴァルキューレ】と【キヴォトス防衛軍】で対策会議を開くことになり、行方不明者の情報共有を行い、捜査網の強化を実施することになりました」
ロボット職員「ここまでが先生が指導した内容となります」
ロボット職員「しかし、先生。この案件は怪獣災害ではないため、怪獣退治を目的とする【キヴォトス防衛軍】では対処できない案件となります」
ロボット職員「そのため、【連邦捜査部
北条先生「ガリバーさん。その件に関して、有力な証言が手に入りましたので、聞いてください」
北条先生「入ってきてください」
ロボット職員「あ、きみは――――――」
錠前 サオリ「錠前 サオリです。以前に【トリニティ】で怪獣災害があった時に先生に助けてもらいました。その時に連絡先を教えてもらっていたので、こうして先生に助けを求めました……」
ロボット職員「……そうですか、サオリさん。【連邦捜査部
ロボット職員「ささ、シャワーも浴びたところで喉も渇いたでしょう。緊張もしているでしょうし、こちらの中から好きなものをいくらでもどうぞ」ゴトッ ――――――様々な種類のペットボトルとクッキーを並べる。
錠前 サオリ「え、いいのですか、こんなに?」
北条先生「いいですよ。錠前さんの証言で事件が解決するのなら、これぐらいはお安い御用ですし」
北条先生「それに、お腹を空かせてフラフラになりながらも僕のことを頼ってくれた生徒のことをただで帰すわけにはいきませんし」
錠前 サオリ「……ありがとうございます」
北条先生「錠前さんのお世話をしてくださり、ありがとうございます、早瀬さん」
早瀬 ユウカ「いえ、これぐらいは大したことじゃありませんから」
北条先生「それじゃあ、ディスプレイ1に各自治区ごとの行方不明者の最終目撃情報、ディスプレイ2に最終目撃情報の時刻表、ディスプレイ3に発生時期との相関関係を」
早瀬 ユウカ「はい。出力します」
ロボット職員「…………サオリ」
ロボット職員「…………きみが駆け込んで来るほどの事態ということは、まさか、そういうことなのか!? アツコの身に何かがあったのか!?」
現在、キヴォトスでは多数の行方不明者が発生しており、【キヴォトス防衛軍】に寄せられた多数の捜索願いから只事ではないことを悟った北条先生が【ヴァルキューレ警察学校】に問い合わせたところ、かなり前から捜索願いの届け出が増えていたことを白状してきたのだ。
たしかに、【キヴォトス防衛軍】は怪獣退治が目的のキヴォトス史上最大の軍事組織なので人捜しは管轄外なのだが、キヴォトス
怒り心頭で【連邦生徒会】でキヴォトス中で起きている行方不明事件の捜査を議題に上げさせると、北条先生はキヴォトス
結果、学園や派閥を問わず、かなりの人数の行方不明者が確認されたため、情報を一箇所に集中させる体制を立ち上げてようやく行方不明者の共通点が見つかったのだ。
――――――行方不明者は全て終電を利用しようとしていたことがわかり、同時に鉄道網そのものを自治区とする【ハイランダー鉄道学園】からも怪奇現象の証言が寄せられていたのだ。
ロボット職員「――――――これは幽霊電車の怪!?」
錠前 サオリ「ああ。終電に間に合う時間に駅に着いて姫が改札をくぐった時に、
錠前 サオリ「だが、そこにいたのは取り残されたもう一人の仲間だけで、姫の姿はどこにもなかったんだ」
錠前 サオリ「曰く、終電の時間じゃないのにすでにホームに電車が来ていて、先に姫が中に入った瞬間に扉が閉まり、姫を連れて行ってしまったのだと……」
早瀬 ユウカ「じゃあ、ノアもいつものように終電を利用しようとして、幽霊電車に乗っちゃったってことなの!?」
北条先生「学生が終電を利用するのがいつものことだというのは聞き捨てならない話だけど、」
北条先生「これは僕の責任だ。未成年者の深夜外出は補導の対象にすべきだったけど、キヴォトスでは生徒たちが行政を担うからには深夜業務を咎めることはできない。それでも、せめて【キヴォトス防衛軍】の関係者だけでも――――――、【防衛学園】からの帰りで行方不明者が出てしまった以上は――――――」
北条先生「いや、今はそんなことを言っててもしかたないか。行方不明者の全員が深夜業務の帰りではないのだから。終電に化けた幽霊電車によって行方不明事件が起きていることがわかったのは大きな収穫ではある」
ロボット職員「でも、幽霊電車はあの世とこの世を繋ぐ渡し舟のようなものじゃないですか!?」
錠前 サオリ「な、なに!?」
早瀬 ユウカ「そ、そうなの?! そんな!? ノア!?」
北条先生「……落ち着いて。さっき【ヴァルキューレ】から行方不明者が続出した【ハイランダー鉄道学園】の事情聴取の結果が届いた」
北条先生「やはり。裏で【SRT】に探りを入れてもらっていたけど、隠蔽工作がされていた。これはオカルトなんかじゃない」
北条先生「駅員が勤務時間を終えていなくなった後の夕方、駅員に変装した
錠前 サオリ「本当か、先生!?」
早瀬 ユウカ「でも、どこでもない場所に連れて行っちゃう幽霊電車なんでしょう!?」
ロボット職員「対抗策はあるのですか!?」
――――――その時、正体不明の巨大構造物が現れたことを警告するアラームが鳴り響く!
錠前 サオリ「こ、このアラームは!?」
ロボット職員「――――――正体不明の巨大構造物が現れた!? これは『怪獣出現』ッ!」
錠前 サオリ「こ、これが?!」
北条先生「場所は?」
ロボット職員「首都:D.U.郊外の第二レーダー基地です!」
北条先生「あそこに怪獣を撃退するだけの戦力はない」
北条先生「総員撤退。プログラムに従って無人兵器群を囮にして基地を放棄」
――――――
調月 リオ「先生! D.U.第二レーダー基地が突如出現した怪獣の攻撃を受けています!」
――――――
早瀬 ユウカ「え、リオ会長!?」
――――――
調月 リオ「いたのね、ユウカ。ちょうどいいわ。画像解析をお願い」
――――――
早瀬 ユウカ「は、はい!」
ロボット職員「アクロバットチーム【FLYING ANGELS】が撤退を援護します」
錠前 サオリ「せ、先生! 私に、私にできることはないか!?」
北条先生「落ち着いて。おそらく、幽霊電車と怪獣の出現は関係している」
北条先生「そして、この怪獣の正体は【ドキュメントUGM】でも謎が多い――――――」
早瀬 ユウカ「先生! 画像解析が終了しました! モニターに表示します!」
錠前 サオリ「な、何だ、この鉄でできたトカゲのようなやつは!?」
ロボット職員「……ろ、ロボット怪獣なのか!?」
北条先生「手強い相手だ。苦戦は避けられない。さあ、どうする、北条 アキラ」
――――――相手は四次元ロボ獣:メカギラスだ!
第二レーダー基地を何も無いところからいきなり攻撃してきたのは【ドキュメントUGM】No.5の四次元ロボ獣:メカギラスであり、ウルトラマン80である矢的隊員が自分しか知り得ない情報を地球を去る前に補足していってくれたため、現在ではある程度の文書情報が受け継がれてはいるが、当時交戦した【UGM】からすると最初から最後まで正体不明のロボット怪獣という認識であった。
しかし、その攻撃力は今まで【UGM】が戦ってきた怪獣たちと比べて群を抜いて苛烈であり、上顎から発射されるミサイル攻撃は1分間に2000発発射できるほどの連射速度を誇り、人類文明が誇る大都市や機械化部隊など一瞬で灰燼にできるほどの殲滅力を誇っていた。
そして、四次元空間にある地球侵略のための前哨基地で幽霊電車で攫った人たちを洗脳して造らせた侵略兵器であることまでウルトラマン80こと矢的隊員がきちんと補足して書き残してくれていたことで、キヴォトスでの行方不明事件の真相には逸早く気づくことができていた。
ただ、攫われた人たちをどうやって救出しに行けばいいのか、再度侵略されないようにするにはどうすればいいのか、四次元空間と行き来できる四次元ロボ獣をどうやって追い詰めるかが思いつかなかった。
また、攫ってきたキヴォトス人を使って造らせていた侵略兵器がお披露目になったということは、労働力として搾取されていた生徒たちも用済みになる可能性が高く、やつらのキヴォトス侵略は最終段階になっていたことを肝に銘じなければならない。時間はそう残されていない。
そのため、ここで北条 アキラが採った行動はこうだ。ここは時間稼ぎのための押しの一手あるのみ。
北条先生「――――――」ダダッ
錠前 サオリ「先生、どうした? どこへ行く!?」
ロボット職員「動かないで!」
錠前 サオリ「!」ビクッ
ロボット職員「全員、先生の指示があるまでその場に待機!」
早瀬 ユウカ「え、ええ!?」
――――――
調月 リオ「そうよ。ここで迂闊に動いてはダメよ、ユウカ。現場を掻き乱すだけで、何をしたところで私たちには怪獣をどうすることもできないのだから」
――――――
ロボット職員「……リオ会長、例の兵器の完成はまだですか?」
ロボット職員「……先にヒマリさんのところの新兵器が完成するかもしれませんよ?」
早瀬 ユウカ「え、ガリバーさん? リオ会長? 何の話です、それ?」
錠前 サオリ「――――――『新兵器』?」
――――――
調月 リオ「それならそれで別にかまわないわ」
調月 リオ「でも、今は耐えてもらうしかない」
調月 リオ「あるいは――――――」
――――――
ロボット職員「――――――ウルトラマンにがんばってもらうしかない」
――――――
調月 リオ「……今はそれしか手立てはないわ」
調月 リオ「もちろん、怪獣の足止めに使う無人兵器群の制御はこちらで受け持っているから、そちらは先生の代行として避難誘導を指示してちょうだい」
――――――
ロボット職員「わかりました、リオ会長」
ロボット職員「……お願いしますよ、先生」
姿を現したウルトラマン80はD.U.第二レーダー基地の危機にマッハ9で駆けつけると、即 急降下キックで四次元ロボ獣:メカギラスの顔面を蹴り飛ばし、無尽蔵に放たれるミサイル攻撃を中断させた。このスピードに対応できないということはメカギラスは体感として宇宙怪獣よりも弱い印象を受ける。
というより、【GUYS】が相手にした歴代最強のロボット怪獣:インペライザーと比べると何もかもが出来損ないの域を出ないわけであり、実際に出現したメカギラスを見て倒すのは簡単そうに思えていた。時代遅れにも程がある。そもそも、終電に乗ろうとした一般市民を労働力にして整備しているとなると完成度の低さも納得かもしれない。
すかさず、精密機械の弱点である冷気を両手先を合わせて放射する超低温ガス:フリージィングレーザーでメカギラスのミサイルの発射口を詰まらせると、腕から発射する赤・青・黄色の数本の強靭な凧糸:カイトストリングでメカギラスを絡め取る。
そこから片手で放つことができるウルトラレイランスを手に取り、メカギラスの両目を真っ先に潰していくのだった。やはり弱い。ロボット怪獣と言ってもピンからキリまである。
しかし、ミサイルの発射口を塞ぎ、両目を潰したところで、ウルトラレイランスが突如として虚しく空を突くだけとなった。フリージィングレーザーで凍らされ、カイトストリングで絡め取られていたにも関わらず、四次元空間に逃げられてしまったのだ。これが極めて厄介な能力であり、この能力を封じないことにはその脅威を取り除くことができない。
そのため、撃退することには成功したものの、異次元へと消えてしまったカイトストリングの先を見つめた後、ウルトラマン80は虚しくも空へと飛び去ったのであった。
錠前 サオリ「…………終わったのか?」
早瀬 ユウカ「……うん」
ロボット職員「今回は運が良かったです」
北条先生「調月さん、今すぐにロボット怪獣の破片を回収して分析を!」
錠前 サオリ「先生」
北条先生「それと同時刻、鉄道沿線にある家屋に不審者情報があった」
北条先生「――――――【SRT】に出動要請!」
錠前 サオリ「!!」
北条先生「やつらめ! このままでタダで済むと思うな! 今から首を洗って待っていろ!」
一方、メカギラスの襲撃を受けて放棄された第二レーダー基地にはウルトラマンとの戦闘で弾け飛んだメカギラスの一部が残されることになり、メカギラスの後頭部の触覚に当たる部位から解決策が見出されたのであった。
更に、ロボット怪獣:メカギラスを送り込んできた敵の正体であるバム星人の決まって沿線上にあるアジトを【SRT特殊学園】が誇る精鋭部隊が次々と制圧することになり、ついに四次元空間を行き来するための装置の確保に成功。やはり弱い。
こうして後は結果を待つだけとなったのだ――――――。
早瀬 ユウカ「先生! リオ会長からついに完成したとの報告が!」
北条先生「よし、【ハイランダー鉄道学園】から賠償で得た異次元突入用軍用列車にメカギラスの四次元レーダーを搭載して やつらの根城に乗り込むぞ!」
錠前 サオリ「そうか、ついにいよいよこの時が来たか! 待っていてくれ、姫!」
ロボット職員「いよいよだね、サオリさん」
錠前 サオリ「ああ。今日まで世話になった。本当に感謝しています」
ロボット職員「ずっと【シャーレ】に居てもらってもかまわないんだよ? サオリさんほどの腕前なら【キヴォトス防衛軍】でも活躍の場があるはずだから」
錠前 サオリ「いや、いいんだ。【シャーレ】での日々は非常に有意義であった。それでも私たちにはやるべきことがある……」
ロボット職員「じゃあ、全て終わったら、また来てくれるかな?」
錠前 サオリ「……その時は考えさせてもらおうか」
ロボット職員「――――――アツコのこと、よろしく頼みます」
錠前 サオリ「ああ。私に任せてくれ、コーイチ」
北条先生「みんな、深夜からよく集まってくれました。今回は【連邦捜査部
北条先生「ウルトラマン80がロボット怪獣を撃退した際に回収できた触覚が四次元レーダーだったことでその足取りを追うことが可能となり、撃退後も懲りずに送り込んできた幽霊電車に今度はこちらから送り込んだエージェントの活躍により座標が判明しました」
北条先生「現在、潜入したエージェントたちの破壊活動により、侵略者たちの前線基地が混乱状態に陥ったとの暗号通信が届きましたが、ロボット怪獣の発見にまでは至らなかったそうです」
北条先生「ですので、【ハイランダー】が開発した強襲揚陸艦となる軍用列車を用いて四次元空間に突入し、【SRT】が中心となって【シャーレ】の救助部隊が拉致被害者の解放を行い、【キヴォトス防衛軍】が誇るライナー部隊でロボット怪獣の撃破を行います」
北条先生「今回の作戦は波状攻撃で行います。突入と撤退を規定回数まで繰り返しますので、そのつもりで作戦を展開してください」
北条先生「ちゃんと
北条先生「では、“GUYSの先生”こと北条先生が全体の作戦指揮を執り、その補佐をロボット職員のマウンテンガリバーさんが担当しますので、」
北条先生「勇敢なるキヴォトスの精鋭たちよ! キヴォトスの明日の平和のために愛と勇気を持て!」
北条先生「発進せよ! 第一陣! 四次元空間に連れ去られた人々を救出せよ!」
生徒たち「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
早瀬 ユウカ「待っていてね、ノア。【C&C】の精鋭たちが助けに行っているからね。私も 今 行くから」
陸八魔 アル「カヨコ、今 助けに行くわよ! みんな、行くわよ!(さて、私たち【便利屋68】を甘く見たやつらに報復をしないとね!)」
桐藤 ナギサ「待っていてください、ヒフミさん! 今 助けに行きますからね!(ヒフミさん! ヒフミさん! ヒフミさん!)」
錠前 サオリ「……【フィリウス分派】代表の桐藤 ナギサの暗殺をやっている余裕はない。私たちは姫の救助を最優先だ。四次元空間では何が起きるかわからないからな。他は現場の指示に従っていればいい」
こうして【連邦捜査部
四次元宇宙人:バム星人による幽霊電車の犯行を許した【ハイランダー鉄道学園】への懲罰として四次元空間突入用の軍用列車の開発が行われ、その間に【ミレニアムサイエンススクール】の総力を上げてメカギラスの四次元レーダーの分析とそれを逆利用した発信機の開発が寝る間も惜しんで行われることになった。
そして、四次元レーダーの解析とそれに対応する四次元発信機の開発が済み次第、潜入任務のエキスパートである【C&C】の精鋭たちが分散して各地に出没した幽霊電車に乗って一足先に四次元空間へと行き、その6時間後の早朝に一大反抗作戦が実施されることとなった。
通信の確立に失敗すれば帰還できなくなるかもしれない危険な任務を一般生徒に扮した【ミレニアム】が誇る精鋭である【C&C】のトップエージェントたちは臆することなく引き受け、現在進行形で四次元空間にあるバム星人の前線基地で拉致被害者を解放しながら暴れ回っていた。
そこに強襲揚陸艦として開発設計されていた【ハイランダー】の軍用列車が本来の目的通りに敵地に突入して制圧部隊を展開することになり、今回は拠点突入用と戦域離脱用に先頭車両が両端についたモデルを採用。拉致被害者の収容ができたら即座に離脱できることを念頭に置いている。
そして、この作戦に参加しているのはキヴォトスで勇名を馳せてきた面々であり、キヴォトス
それどころか、生徒会である【セミナー】早瀬 ユウカと【ティーパーティー】桐藤 ナギサも参加しており、これを聞いた【万魔殿】も誰かしら参加させようとしていたのだが、いつもの【ゲヘナ学園】内でのいざこざのために参加表明が遅れてしまい、この極秘作戦に参加することに失敗している。
生塩 ノア「ネル先輩、こっちです。こっちがロボット怪獣の格納庫になります」
美甘 ネル「よし! まだ修理が終わっていないんだったら、こっちのもんだ!」
室笠 アカネ「私たちが幽霊電車に乗ってから間もなく6時間が経ちます。四次元空間突入用の軍用列車で先生が救援に来る頃です」
美甘 ネル「ああ。侵略宇宙人と聞いて少しはやるかと思っていたが、案外大したことはなかったから、救援を待つ必要もなかったかもな。このまま基地を制圧するぞ」
室笠 アカネ「手元の爆薬の量では足りないかもしれませんが、ロボット怪獣の顎に満載されたミサイルを誘爆させることができれば目的は達成できるかもしれません。先生がいらっしゃる前に全てを綺麗に掃除しておきましょう」
美甘 ネル「にしても、少しはやるな、お前ら。さすがは【便利屋68】の課長と【ティーパーティー】のエージェントに、それと謎のお姫様だな」
鬼方 カヨコ「まあ、こういうことに巻き込まれるのもうちだと珍しくもないから。さすがに今回のは危なかったけどね」
阿慈谷 ヒフミ「そうですね。早くナギサ様のところに帰らないとです」アハハ・・・
秤 アツコ「………………」
生塩 ノア「格納庫のパスワードはこう――――――」ピピッピピッピピッ
生塩 ノア「解除できました! これで格納庫の扉が開きます!」
室笠 アカネ「さすがですね」
美甘 ネル「やつらの最大の過ちはセミナー書記にパスワードを入力しているところを見られていたことだな!」
ズバババババババ!
鬼方 カヨコ「……やっぱり、ここは守りを固めていた」
美甘 ネル「だが、ここまで来たら勝利は目前というわけだ!」
美甘 ネル「よし、お前ら! 援護は任せた! ここはあたしが出て 真正面から叩き潰す!」
美甘 ネル「正念場だ! ここを乗り切ればコールサイン:ダブルオーのあたしが勝利を約束してやるよ!」
阿慈谷 ヒフミ「お、お願いします!」
秤 アツコ「……援護する」
室笠 アカネ「皆さん、お掃除、お願いしますね」
おそらく本隊が突入するまでもなく、拉致被害者の解放と基地の制圧は幽霊電車に送り込まれた【C&C】だけで事足りるのではないだろうか。
いや、実際には幽霊電車に乗り込んでしまった者は見知らぬ駅に到着したのを車窓から見たのと同時に催眠ガスで眠らされた後、どことも知れない幻の街で洗脳処理が行わるわけであり、これをまともに受けていたら一巻の終わりであった。
しかし、到着したと同時に【C&C】がそれぞれ破壊活動を開始したため、幽霊電車に仕掛けられた罠を丸ごと吹き飛ばしてしまったのだ。もしかしたら幽霊電車が帰る手段になるかもしれないのに思いっきり爆破できたのは、必ず本隊が来てくれるという絶対の信頼があってなせる業であった。
そして、ご自慢の侵略兵器:メカギラスがロボット怪獣としては随分と格が落ちるように、終電に乗ろうとした仕事帰りでお疲れの一般市民を労働力にしようと考えたバム星人の戦闘力もとても怪しく、【ミレニアム】最強の“コールサイン:ダブルオー”美甘 ネル一人に尽く蹴散らされていったのである。
その間に四次元空間とキヴォトスとの間の通信の確立を行い、四次元発信機で座標を送ることに成功しなければ救援が来れないのだが、そこはさすがは“ビッグシスター”調月 リオの完璧な調整であり、押収したバム星人の通信機器を利用して問題なく通信の確立に成功。
それを受けて次元の壁を超えて軍用列車に乗り込んだ本隊が突入してくるのだが、先行した【C&C】が盛大に戦闘を開始したため、その銃声と爆音から脱出のチャンスを窺っていた面々もまた行動を開始していたのだ。
生塩 ノア、鬼方 カヨコ、阿慈谷 ヒフミ、秤 アツコの4名は不幸にも終電に化けた幽霊電車に乗り込んでしまい、バム星人が支配する四次元空間の前線基地である幻の街に迷い込んでしまったわけなのだが、
到着直後の催眠ガスを鬼方 カヨコと秤 アツコは潜ってきた修羅場の経験から看破し、幽霊電車の車窓を突き破って逃走することに成功し、誰も見たことのないどこにも存在することのない幻の街で潜伏することになり、2人はやがて合流することになった。
一方、いつもとはまったくちがう終電の様子に逸早く気づいた生塩 ノアはたまたま乗り合わせていた阿慈谷 ヒフミにもエチケット袋を渡して催眠ガスを何とか乗り切り、そのまま眠ったふりをしてバム星人の前線基地に連れて行かれると、洗脳処理が行われる段階になって隠し持っていたスタングレネードとチャフグレネードで逃走を図り、意外にも戦闘力が高かった阿慈谷 ヒフミの奮戦もあって基地から脱出することになったのだ。
そして、逃走中に覗き見たロボット怪獣の格納庫の映像からここ最近で話題になっている行方不明事件の真相に思い至り、一旦は基地の外まで逃げ切ることができたものの、キヴォトスに帰還する手立てがないため、途方に暮れていたところに幻の街に潜伏していた鬼方 カヨコと秤 アツコの2人が基地周辺まで偵察に来ていたことで4人は合流したのであった。
そこから情報と食糧を確保するために4人で基地に潜入することになり、サイレンサーを装着している鬼方 カヨコがバム星人を物陰から狙撃し、情報収集を一度見たことは忘れない生塩 ノアが担当し、正面からの戦闘は阿慈谷 ヒフミと秤 アツコの2人にまかせて、こうして【C&C】の救援が来るまでバム星人に反抗していたのだ。
幸いだったのは現実世界と四次元空間では時間の流れに差があり、完全に疲弊し切る前に侵略兵器:メカギラスがウルトラマンにボコボコにされて逃げ帰ってきたことで綻びが生じ、そこから一気に一大反抗作戦が実施されることになり、キヴォトス最強の一角と名高い“コールサイン:ダブルオー”美甘 ネルの登場によって4人はようやく一息つくことができた。
――――――そして、格納庫を制圧した一行はミサイルが満載の四次元ロボ獣:メカギラスに爆弾を仕掛けて一目散にその場を後にしたのだった!
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
早瀬 ユウカ「先生、あれは!?」
北条先生「――――――爆発ッ!?」
北条先生「まさか、【C&C】だけで本当に敵の基地を制圧してしまったのか? ロボット怪獣の爆破に成功したのか?」
早瀬 ユウカ「あ、先生! これは【C&C】コールサイン:ダブルオーから通信です!」
――――――
美甘 ネル「よう、先生! 先生がノロノロやってくるから、あたしたちだけでロボット怪獣に爆弾を詰め込んで基地ごと爆破してやったぜ!」
美甘 ネル「まあ、幽霊電車に乗ってこんなところに連れて行かれていた連中の中に、自分たちで基地を脱出して反抗の機会を窺っていた骨のあるやつらが案内してくれたおかげでもあったけどな」
美甘 ネル「解放した拉致被害者はカリンとアスナが護衛しているから、早く迎えに行ってやってくれ」
美甘 ネル「こっちは残敵掃討をしながら本隊と合流する予定だ」
――――――
北条先生「わかりました。ロボット怪獣の破壊には成功しましたが、作戦に変更はなし。残敵掃討のため、波状攻撃の構えは続行とします」
北条先生「ありがとうございました。最高の仕事をしてくれましたね」
北条先生「ちなみに、その『骨のあるやつら』とは誰のことですか? 還ったら表彰しなければなりませんね」
――――――
美甘 ネル「ああ。行方不明になっていた【セミナー】の書記と【便利屋68】の課長、【ティーパーティー】のエージェントに、それとやたら腕の立つ謎のお姫様だな」
――――――
早瀬 ユウカ「ノア! ああ、よかった……!」
北条先生「正直に言って【C&C】のトップエージェントで対処できない相手じゃなくて僕もホッとしているよ」
北条先生「いやいや、それより格納庫で爆破されるロボット怪獣って、ねえ?」
実に拍子抜けだが、作戦そのものは先行していた【C&C】だけで完遂したことになり、すぐに拉致被害者の帰還が始められた。同時に、たった6時間でバム星人の前線基地を制圧できるキヴォトス人の戦闘能力の高さをあらためて体感することになった。
そのため、拉致被害者の帰還がすでに終わり、一旦は作戦通りに撤退と突入を規定回数まで繰り返して残敵掃討を徹底させながら、バム星人が異次元に築き上げた幻の街の調査も進められることになり、今後のことについて対策会議を開くことになった。
どこにも存在することのない異次元からの侵略者の脅威が知れ渡ることになったため、この四次元空間にあるバム星人の前線基地の監視は必須となり、
更には完全記憶能力を持つ生塩 ノアの証言で時間の流れがちがうことが判明したため、この四次元空間を何かに利用できないかと探究心を持つミレニアム生が目を輝き出したのだ。
しかし、四次元空間を通じてどこからでも現れることができる四次元ロボ獣:メカギラスのようなものを隠れて造られては困るということでしっかり釘を差してきたのが【ティーパーティー】桐藤 ナギサであり、
実際、終電を利用しようとしていたキヴォトス中の生徒や市民を労働力にしてメカギラスの建造や整備が行われていたわけなので、爆破されたメカギラスの残骸を復旧することは十分に可能であり、その指摘は極めて真っ当なものであったのだが、そこには
これには怪獣退治の専門家:北条 アキラも慎重にならざるを得なかった。まさか、思ったよりも大したことのなかった四次元からの侵略者:メカギラスとバム星人を撃退したことでキヴォトスの未来を左右する事態になってしまうとは。
――――――バム星人の戦力や技術を接収することにより、ついにキヴォトス人はメテオール:
果たして、極めて好戦的なキヴォトス人にメテオールの適切な管理ができるのかどうかを考えると非常に不安になるところがあるのだが、ウルトラマンに依存した防衛体制から独り立ちするためにも怪獣に対抗できる戦力の獲得は急務であった。
メカギラスの爆破に成功し、バム星人の前線基地は吹き飛んだと言っても、基地の全部が灰燼に帰したわけでもないし、幽霊電車に乗った乗客を油断させるために再現された幻の街は健在である。そこから得られる未知のテクノロジーがキヴォトスにもたらすものは何になるだろうか。
そんなことを考えながら、北条 アキラは四次元空間とキヴォトスとの連絡を繋いで問題なく進捗報告や会議を行い、小休止で外の様子を見ると【温泉開発部】が元気よく幻の街の測量をしながら温泉開発のための地図作りに邁進しており、ドローンによる空中撮影も行われていた。
そんな中、周辺警備に当たっていた【アリウススクワッド】に錠前 サオリが言う“姫”が合流を果たしており、仮設されたベースキャンプでの食堂やシャワーを心ゆくまで満喫してスッキリした様子だった。
拉致被害者の一人である生塩 ノアもまた親友である早瀬 ユウカと再会できたことで張り詰めた緊張の糸が解かれ、本当は不安で不安でしかたがなかった心境を吐露することになり、お互いに涙を流して抱き合っていたのを目にすることになった。
また、功労者の一人である鬼方 カヨコの活躍を称えて表彰することが決定され、【便利屋68】一同が心から誇りに思っている様子も見られ、【ゲヘナ学園】の生徒であっても人間の皮を被った悪魔ではないことがもっと知れ渡ることを切に願った。
桐藤 ナギサ「あ、先生。今回もありがとうございました。以前の硫酸怪獣の時の対応と言い、今回の幽霊電車と言い、怪獣退治の専門家である先生の迅速かつ的確な判断のおかげで被害は最小限に抑えられました」
桐藤 ナギサ「おかげで、ヒフミさんも無事でしたし、セイアさんにも今回の成果を自信を持って報告することができます」
桐藤 ナギサ「……先生、浮かない表情ですが、もしや先程の私の発言で気を悪くしたのでしょうか?」
北条先生「あ、大丈夫です。それはないです。桐藤さんの指摘は至極真っ当なものでして、メテオール:
北条先生「けれども、キヴォトスのことはキヴォトス人が何とかするべきだとも考えているのも事実でして、ウルトラマンに頼り切りの今の防衛体制を一新するためにも、メカギラスの技術を解析して積極的に利用するべきだとも考えております」
北条先生「なので、【メテオール規約】を設けてメカギラスに由来する四次元移動能力の発動には厳重な制限を掛けてもらおうと思います」
桐藤 ナギサ「それがいいと思います。あれは今の人類には過ぎた力ですから」
桐藤 ナギサ「ただ、その【メテオール規約】を設けたところで、誰が発動許可を承認するのかで揉めることになるとは思いますけどね」
北条先生「本当に信用がないですね、【連邦生徒会】は」
北条先生「まあ、失踪した“連邦生徒会長”を連れ戻すことに集中し過ぎているところは問題ではありますね」
桐藤 ナギサ「それもしかたがないことだと思います。あの“連邦生徒会長”の後任ともなれば、能力を比較されるだけじゃなく、【トリニティ総合学園】と【ゲヘナ学園】との間で結ぶエデン条約の締結にも積極的に関わらなければならないですから」
桐藤 ナギサ「正直に言って、今の【連邦生徒会】にとってエデン条約はまさに火薬庫ですから、その時期が過ぎてからじゃないと誰も次の連邦生徒会長に立候補することもないでしょう」
北条先生「そんなことが……」
桐藤 ナギサ「でも、そこまで悲観していないですよ。先生が立ち上げた【キヴォトス防衛軍】がこうして【トリニティ】と【ゲヘナ】の共同戦線を実現させ、今もバム星人が築いた幻の街で共同で周辺警備に当たってくれていますから」
桐藤 ナギサ「今の状況で【万魔殿】も下手なことはできないはずですから、先生のおかげでエデン条約締結への憂いは随分と減っています。本当に先生のおかげなんです」
北条先生「それはよかったです」
桐藤 ナギサ「ところで、あそこにいる方たちは【アリウス】の子たちなんですよね?」
北条先生「そう名乗っています。今回の幽霊電車の発見はあの子たちの功績です」
桐藤 ナギサ「……先生もミカさんと同じで、【アリウス】の子たちにも救いの手を差し伸べるおつもりですか?」
北条先生「【アリウス分派】について古書館で調べさせてもらいましたが、基本的に【キヴォトス防衛軍】は怪獣退治が専門なのでエデン条約や歴史問題に関しては無干渉でいさせてもらいます」
北条先生「ただし、怪獣災害は人類全体の問題でして、発見と報告と対処が極めて大事なんです」
北条先生「ですので、僕は区別なく怪獣災害に見舞われている方々を助けます。そうしないと、やがて人類の存亡に関わる事態まで発展する可能性があるので」
北条先生「別にこれは怪獣に限った話じゃありません」
北条先生「もしも殺人ウイルスが流行した時、適切な情報共有が【ゲヘナ学園】でできていなかったら、キヴォトス全体が大変なことになるのは目に見えているじゃないですか。あるいは派閥での決まり事や秘密事項が多い【トリニティ総合学園】でも似たようなことになる――――――」
北条先生「そういうことです」
桐藤 ナギサ「なるほど。それはたしかにキヴォトス全体に関わる一大事ですね」
桐藤 ナギサ「先生のお考えはよくわかりました。情報の輪を広げることが人類全体の問題に取り組む上で重要なことなんですね」
桐藤 ナギサ「……結果として、ミカさんの主張が正しかったわけでしたね」
――――――その時、高速で接近する正体不明の飛行物体が現れたことを警告するアラームが鳴り響く!
北条先生「ああ、来ちゃったか……」
桐藤 ナギサ「こ、これは!?」
北条先生「まだここは敵地なんです。敵が基地の奪還に来ることも織り込み済みです」
北条先生「出番が来ました。ここは退避してください。ここからが【キヴォトス防衛軍】の仕事です」
桐藤 ナギサ「わかりました。先生もお気をつけて」
――――――
早瀬 ユウカ「先生! 正体不明の飛行物体は3機でメカギラスと同じ金属反応です!」
早瀬 ユウカ「――――――防衛陣地の外縁に配置された自走砲が一瞬で破壊された!?」
早瀬 ユウカ「先生! 謎の飛行物体はそれぞれ破壊光線が撃てるようです!」
早瀬 ユウカ「画像解析が完了しました! モニターに表示します!」
――――――
北条先生「……ん? これは、メカギラスの頭と胴体と脚部か?」
北条先生「何だ、これ? まるでペダン星人の侵略兵器:キングジョーみたいだな!?」
北条先生「うわぁ、推進器が見えないのにどうやって飛んでいるのかもわからない飛行物体が来ちゃったよ……」
北条先生「この機動力だと、ライナー部隊では対応しきれないぞ」
北条先生「総員撤退! プログラムに従い、全員 キヴォトスへ帰還してください!」
――――――
ロボット職員「先生、相手が低空飛行しているのなら、新兵器のギャラクシー・スナイパーライフルによる歩兵部隊での迎撃はどうでしょうか?」
ロボット職員「戦闘バギーも多数配備していますので、それに乗せて敵機に肉薄させます」
ロボット職員「その間に非戦闘員を四次元空間から脱出させてください」
――――――
北条先生「お願いします。プログラム通り、僕は脱出地点から撤退の指揮を行います」
北条先生「――――――ギャラクシー・スナイパーライフルか。トライガーショットを解析して造られたという光線銃のスナイパーライフルでどこまで抵抗できるか」ジャキ
北条先生「だが、今はこれしか頼れる武器がない!」ダダッ
【シャーレ】のロボット職員:マウンテンガリバーが裏で用意してくれた光線銃:ギャラクシー・スナイパーライフルは初めての歩兵用対怪獣兵器として威力と射程を重視したものであり、光線ではなく光弾と呼べるほどのものを撃ち込むため、人間相手に使えばドデカイ風穴を開ける非人道的兵器でもあった。
そのため、基本的に巨大な怪獣を相手に撃つことが前提となるため、仰角じゃないと撃てないようになっており、実弾兵器じゃないために恐ろしく小ぶりで軽量であることも相まって、スナイパーライフルの名前がついているが、本職の
それでも、ここに来ているのはキヴォトス中から集まった精鋭たちであるため、歩兵用対怪獣兵器が配られたとなったら少しの試し撃ちの後、すぐにチームで戦闘バギーに乗って果敢に分離したロボット怪獣の編隊の迎撃に向かった。
戦闘バギーの集団が3機の編隊を組む分離状態のロボット怪獣が放つ破壊光線を見事なハンドル捌きで避け、すかさず反撃の一撃を次々とお見舞いし、次々と着弾することでロボット怪獣の編隊が乱れてくるのに確かな手応えを感じる。
事実、ギャラクシー・スナイパーライフルの性能は最高の一言であり、対人性能は完全に無視しているために怪獣に与える一撃を重視して連射速度が死んでいるのが難点ではあるが、その破壊力と射程距離は従来兵器を遥かに凌駕しており、光線銃なので実弾が装填されていないので取り回しが抜群なのだ。
荒々しく戦闘バギーを走らせる中、【アリウススクワッド】の射手:槌永 ヒヨリはこのまま持って帰りたくなるほどギャラクシー・スナイパーライフルの軽さに感動しており、隣で呆れながら戒野 ミサキが誘導ミサイルを発射して援護射撃を加える。錠前 サオリも見様見真似で初めて走らせた戦闘バギーの運転の腕前はなかなかのものであった。
それに負けじと【C&C】のトップエージェント:美甘 ネルもまるで玩具のように軽いギャラクシー・スナイパーライフルに持ち替え、撃てば中たる巨体に目掛けて本職の狙撃手であるコールサイン:ゼロツーの角楯 カリンと競うように迎撃していた。ネルとコンビを組んだ運転手の室笠 アカネも柔らかい印象とは裏腹に鋭いハンドル捌きを見せ、カリンと組んだ一之瀬 アスナは卓越した動物的な感覚と直感で次々と攻撃を躱していく。
一方、伊草 ハルカの突飛な発想と浅黄 ムツキの悪乗りで 勇猛果敢に戦う【アリウススクワッド】や【C&C】に遅れを取ってはならないと ギャラクシー・スナイパーライフルを手渡されて戦闘バギーに乗り込んでしまった陸八魔 アルは人間など一瞬で消し炭にしてしまうような破壊光線の威力にビクつきながらも、途中で持って帰りたくなったギャラクシー・スナイパーライフルの感触に感動しながら運転手を務める鬼方 カヨコと息の合った連携で正確に対象に中てていった。
更に、仰角じゃないと撃てない制限のために高所を陣取れないという狙撃のセオリーに真っ向から反したギャラクシー・スナイパーライフルであったが、誰も居ない幻の街の雑居ビルの下の階から分離したロボット怪獣の編隊を狙い撃つ【SRT特殊学園】の精鋭部隊もいて滅多撃ちになっているわけなのだ。
北条 アキラもギャラクシー・スナイパーライフルをライナー部隊の迎撃体制や非戦闘員の脱出の調整をする合間に撃ち込んでおり、歩兵戦力ごときに翻弄されているバム星人の胸中を推し量っていた。
そのため、すぐさま合体行動に移り、本来のロボット怪獣:メカギラスの姿を現した直後、カノンライナー号の列車砲が直撃する。畳み掛けるようにミサイルライナー号の大型ミサイルも直撃した――――――、はずであった。
北条先生「な、なに!? 直撃したはずだぞ!?」
北条先生「……なぜ倒れない!? 残骸から解析したメカギラスの基本設計とはちがうのか、あれは!?」
――――――
早瀬 ユウカ「先生! バリアーです! バリアーで攻撃が遮断されています! シールドの原理と同じです!」
――――――
北条先生「なにぃ!? そんな能力が!? さすがに確認されたのが何十年も前だから
北条先生「ん」
北条先生「――――――メカギラスはどこに行った?!」
――――――
早瀬 ユウカ「後ろです、先生!」
――――――
北条先生「なっ」
北条先生「うわあああああああああああ?!」
――――――
早瀬 ユウカ「先生!? 先生!? 先生ぇえええええええええ!?」
――――――
秤 アツコ「ねえ、あれ」
錠前 サオリ「ああ、あれがキヴォトスの希望。ウルトラマンだ」
秤 アツコ「……似てる。あの
前線基地を奪還するべくバム星人が送り込んだ分離機能を持ったメカギラス2号機と対峙するウルトラマン80だったが、これまでの残念ぶりから弱小ロボット怪獣だと舐めてかかっていたら、無敵にしか思えない謎のバリアーとテレポーテーションに苦しめられることになった。
メカギラス2号機が放つ上顎のミサイル攻撃はやはり苛烈であり、ボディ硬化を駆使してダメージを軽減させ、超鋼鉄と化した鉄壁の肉体でそのまま鋭い一撃を浴びせようとするが、
こちらの光線や打撃を通さずに向こうの光線や打撃を一方的に通す上、テレポーテーションによって一瞬で背後を取られてしまうのだ。【ドキュメントUGM】でメカギラスにとどめを刺していたサクシウム光線が効かないのを目にした時、これは何の冗談かと思いたくもなる。先程まで翻弄されていた側が逆に翻弄し返したのだ。
だが、これだけの能力を持っていながら、謎のバリアーとテレポーテーションを分離形態でなぜ使ってこなかったのか――――――。いや、キヴォトスを襲撃した同型はなぜそれだけの能力を使わずに撃退されてしまったのか――――――。
そんな謎が立ち塞がる中、合体したメカギラスは目前の脅威であるウルトラマン80を翻弄するためにテレポーテーションを繰り返すわけなのだが、ウルトラマン80を倒すことに意識が向いているために、分離形態の時に翻弄してきたギャラクシー・スナイパーライフルを構えた戦闘バギー部隊から引き続き光弾が撃ち込まれたのだ。
そのため、光弾がメカギラスの側面や背後に直撃しているのを見て取ると、無敵に思われた謎のバリアーも正面にしか展開できないことが浮き彫りになってしまうのだ。それもテレポーテーションを乱発したことでウルトラマン80を倒すために捨て置いた戦闘バギー部隊に側面や背後を晒したことによる。
より正確に言えば、バリアーの範囲はメカギラスが顔を向けた正面であり、メカギラスが頭を回転させることで全方位を防御できる機構になっていたのだ。これも合体形態になってもチクチクと刺さる戦闘バギーの攻撃を嫌って顔を向けてしまったことでハッキリしてしまった弱点であった。
そうか、そういうことか。それがわかってしまえば敵の強みは完全になくなる。翻弄されてきた分、今度はこっちが翻弄し返す番である。
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
四次元空間では無敵を誇ったはずのメカギラス2号機はあっさり弱点を見破ったウルトラマン80のオリジナルコンボによって正面から撃ち込まれたサクシウム光線によって爆散させられることになった。バックルビームが要らなかった辺り、やはりメカギラスは弱かった。
四次元空間においては正面からの攻撃には絶対無敵であるはずのメカギラスであったが、両手先を合わせて放射する超低温ガス:フリージィングレーザーを不可視のバリアーで難なく防ぐものの、滞留する超低温ガスによって視界を奪われてしまう。
顔を向けた方向にしか無敵のバリアーを張れないメカギラスはウルトラマンが後ろから回り込んで攻撃してくると読んで顔を後ろに向けた。
その読みは正しかった。振り返った直後に無敵のバリアーによって攻撃を防いだのだ。危機一髪であった。
その直後、頭を真後ろに向けたメカギラスに対して正面からウルトラマン80はすでにサクシウム光線を撃ち込んでいたのだ。実は一歩も足を動かすことなく。
機体が無慈悲にも爆散する中でバム星人は何が起きたのか理解不能だったことだろう。
しかし、ウルトラマンと怪獣の戦いを周りで見ていた生徒たちには何が起きていたのかがはっきりと見えていた。
フリージィングレーザーを吹きかけることで敵の視界を奪っただけじゃなく、滞留した超低温ガスが不可視のバリアーの範囲を顕にしたことで、左右の手先から発射されて猛禽類のごとく敵に連続で襲いかかる矢尻型光弾:ウルトラダブルアローがバリアーの範囲を大きく裏回ってメカギラスの背後を襲ったのだ。
全神経を集中させて それを予測して防御したのは賢明ではあったが、戦場で足を止めていたことが命取りとなり、棒立ちで隙だらけのロボット怪獣目掛けて必殺のサクシウム光線が直撃したというわけなのである。
つまり、無敵の四次元バリアーとテレポーテーションを持つメカギラスであったが、ウルトラマンの俊敏な動きに着いてこれるほど機動力がなく、仮に正面からのサクシウム光線を防いだところで背後から回り込んでくるウルトラダブルアローが迫ってくるわけであり、結末は二つに一つだったのである。
それは賭けではあった。ウルトラダブルアローを放った直後にはもうサクシウム光線を撃ち込んでいたわけであり、周りから戦いを見ていた生徒たちからすれば何かブーメランみたいのを投げつけたのを目で追っていたらメカギラスが爆散していたと言うまさに一瞬の出来事であり、超低温ガスによって互いに相手を直接見ることができない状況での一瞬を制したのはウルトラマンだった。
敗因はウルトラマンにその場で情報を与えすぎたことであり、ロボット怪獣を造らせるための奴隷にしか思っていなかったキヴォトス人たちの小さくとも一所懸命な決死の抵抗が逆転の勝機を生み出すことになったのだ。
そして、ウルトラマンはここがキヴォトスではない四次元空間であろうと両腕を天へと突き出して飛んでいったのだった。
こうして四次元空間を往来できる次元移動電車を終電に見せかけて人々を乗せて四次元都市に拉致してキヴォトス侵略のための前線基地の建造の労働力として搾取していたバム星人の野望は完全に打ち砕かれた。
しかし、それで無事に一件落着とはならなかったのが異星人との戦いを勝ち抜いた後に訪れる戦後処理の恐ろしいところであった。
四次元からの侵略者を撃退した【キヴォトス防衛軍】はバム星人がもたらした四次元技術をメテオール:
早速、回収された2体のメカギラスの残骸を巡ってキヴォトス
また、幽霊電車としてキヴォトスを震撼させた四次元移動電車の所有権を巡って【ハイランダー鉄道学園】と【ヴァルキューレ警察学校】が対立することになってしまった。理由は今までにない路線開拓に使える夢の新技術の利用とそれに対して悪用を恐れる慎重論からである。
そして、何よりもバム星人が残していった キヴォトス人にとっては未知の開拓地となる 四次元都市:幻の街であり、ここに新天地を築き上げて避難していれば、怪獣災害が起きるようになったキヴォトスの破滅から逃れることができるのではないかという期待の声が上がるようになってきたのだ。
この時ばかりはいくら怪獣退治の専門家である北条 アキラでもこの四次元空間に関しては【ドキュメントUGM】に記載されていた以上のことはまったくわからない素人に毛が生えた程度の知識しかなかったため、バム星人の遺産の所有権をめぐって水面下で駆け引きを行うキヴォトス
いや、静観しているようでいて北条先生はバム星人の遺産をメテオールとして接収した先の方向性はそれとなく示してはいたのだ。
――――――互いに睨み合ってまったく動けなくなるよりは一緒に手を繋いで前に進む方が万倍素晴らしい。
つまり、キヴォトス滅亡を告げる怪獣災害に対してウルトラマンの力がなければ自衛もままならない身で、全員が得るものを得るか、全員が何も得られずに終わるのか、そのどちらがマシなのかを暗に訴えたのである。“GUYSの先生”の視点は常に怪獣が襲来した時のことを想定しており、怪獣が来ている時に当てはめて互いに睨み合って動けなくなる状況がいかに滑稽であるかを暗に告げていたのだ。
それが今日まで【キヴォトス防衛軍】を率いて力強く生徒たちを導いてくれた“GUYSの先生”の言うことならばと、キヴォトス
そうして四次元都市という新天地を得た【連邦生徒会】は開発特区:
しかし、程なくして開発特区としてキヴォトスに編入されたばかりの四次元都市:フォーサイトから活気が失われることになったのだ。
――――――その原因は四次元都市:フォーサイトで多発したヘイロー消失事件であった。
ヘイローとはいったい何なのか、キヴォトスの外から来た異邦人:北条 アキラは当然として、ヘイローを持つ生徒たちですら自身のヘイローの起源を知り得ないわけで謎が多く、共通認識としてキヴォトスの生徒にとってヘイローは命や人格に相当する重要な部位であり、ヘイローが消失することは死または廃人になってしまうことが判明している。
それが四次元都市に長く留まっていた生徒たちの間で次第に体調不良や精神不調を引き起こすようになり、最終的にヘイローが点滅していった末に消失して昏睡状態となる怪事件が頻発するようになったのだ。
同地に留まる生徒以外の一般市民である獣人やロボットにはそうした兆候が現れていないため、ヘイローを持つ生徒たちに特有の現象であることが結論付けられた。
幸い、ヘイローが消失して意識不明になった生徒たちは急いで次元の壁を超えてキヴォトスに搬送されると、消失したヘイローが復活して途端に意識を取り戻していったわけで犠牲者は出ていないのだが、この症状がヘイローを持つ生徒に限定されているというのはとてつもなく不吉であり、キヴォトスで生きてきた生徒たちは次第に四次元空間が新天地であるという憧れを捨てることになってしまった。
更に、重要な事実が判明している。四次元空間とキヴォトスとでは時間の流れに差があり、四次元移動電車に生塩 ノアたちが連れ去られた実際の日数と四次元空間で過ごした日数が噛み合わないことは先に述べた通りであり、四次元空間にいる時の方が時間の経過がゆっくりであるため、キヴォトスで過ごしていた方が時間の経過が早いのだ。致命的な時差があるということだ。
これはつまり、四次元空間で研究している方が時間の経過が遅い分だけ、キヴォトス本土で研究している方が時間の流れが早く、それだけキヴォトス本土での研究の進捗が早くなるわけなので、四次元空間で研究しているよりも断然有利になることが段々とわかってきたのだ。
開発特区に一般市民が残って何かをやらせても成果が出るのが圧倒的に遅くなるのなら、企業の営利活動にとって有益なものなどここにはない。時間という一番の要素で遅れを取ってしまうのだから。
そのため、キヴォトス人にとって利になるどころか仇なす実態が知れ渡るに連れ、元々が幽霊電車を利用して生徒や市民を攫ってきた侵略宇宙人:バム星人の根城として、新天地であったはずの四次元空間は忌むべき場所として人々の認識から早々に遠ざけられるようになったのだ。
極一部の四次元空間の研究や利用に取り憑かれた生徒を除き、今では四次元都市:フォーサイトは人気のない幻の街に逆戻りとなり、新天地として一時は大変持て囃されて賑わっていた幻の街の熱狂はもうどこにもない――――――。
ロボット職員「リオ」
調月 リオ「……何かしら?」
ロボット職員「エリドゥだってあるのに、また四次元都市に来て街作りを――――――」
調月 リオ「誰も寄り付かなくなったのなら好都合よ」
調月 リオ「私はこの四次元空間のヘイローを消失させる性質を制度に組み込んで平和利用してみせるわ」
ロボット職員「それはつまり、この四次元都市:フォーサイトを流刑地にするつもりだな?」
調月 リオ「そう。この地にキヴォトスで有数の犯罪者の生徒を隔離すれば、確実にキヴォトスは平和に近づくわ」
ロボット職員「たしかに、極一部の【ヴァルキューレ】の間でも【連邦矯正局】を四次元都市に移転させる計画が持ち上がっていたけど……」
調月 リオ「そうすることの利点はたくさんあるわ」
調月 リオ「ヘイローの消失による懲罰だけじゃなく、キヴォトス本土との時差によって刑期を終えて出られた時にはもう自分が知っているキヴォトスじゃなくなっている」
ロボット職員「――――――『浦島太郎』だな」
調月 リオ「他にも、それだけ大きな時差ともなれば、経過日数にも差が出るから維持費もうんと安くなるの。これからはできるだけ長く保管したいものがあれば、この四次元空間の金庫に秘蔵することになると思うわ。金利も結果的に安くなることだし」
ロボット職員「そのための準備は全て整えたわけなんだな。銀行も、倉庫も、監獄も、工場も」
調月 リオ「そうよ! ここはまさしく“GUYSの先生”がもたらしてくれた私たちを高みへと導いてくれる素晴らしき
調月 リオ「善人が
ロボット職員「…………この世の地獄みたいなものを人の手で現出させて満足なのか、リオ!?」
調月 リオ「ええ! 先生は私たちに足りないものをこんなにも与えてくださったのよ! 世界1つを!」
ロボット職員「――――――極まった合理主義が行き着く先は本当にこんなものなのか?」
調月 リオ「コーイチ、あなたはずっと昔からキヴォトスの破滅に備えて私やヒマリのような才能ある子たちに目をかけて未来を変えるためのすばらしい知識を与えてくれた」
調月 リオ「そして、今も。ついに現れたキヴォトスを災厄から救う光の巨人と共にある」
調月 リオ「ようやくよ。全てが終わろうとしている時に、やっと真の
調月 リオ「――――――そうでしょう、“
ロボット職員「…………リオ、ちがうんだ、僕は」
ロボット職員「…………結局、僕はきみの心を救うことができないのか?」
――――――そんなんじゃないんだ! 光は! 人を救うというのは! 信じるというのは!
ザーザーザーザー…
錠前 サオリ「――――――不可能だ、そんなことは、もう」
錠前 サオリ「…………【エデン条約機構】を強奪し、【ユスティナ聖徒会】の力を【アリウス】のものとし、【トリニティ】と【ゲヘナ】を手中に収めるだなんてことは」
錠前 サオリ「キヴォトスには【エデン条約機構】を遥かに超える【キヴォトス防衛軍】が存在し、【ユスティナ聖徒会】がどれほどのものだろうと真っ向から立ち向かえる戦力が【シャーレ】に結集している」
錠前 サオリ「線路以外も走れるだけじゃなく 次元の壁さえ超える 対怪獣兵器の軍用列車を見ただろう? あれを【ゲヘナ】も【トリニティ】も所有しているんだぞ? ただでさえ、怪獣対策でキヴォトス中の防衛網が強化されているのに、あんなものまで相手にする余裕なんてない……」
錠前 サオリ「しかも、今回の怪獣退治の成果としてロボット怪獣の残骸を【トリニティ】と【ゲヘナ】が回収したんだ。その技術を利用した何かしらの新兵器が投入されるはずだ。私たちはそのロボット怪獣に由来する新兵器とも戦わなければならない……」
錠前 サオリ「たとえ、何かしら奇跡が起こって【防衛軍】も【シャーレ】も打倒し、【トリニティ】と【ゲヘナ】を手中に収めたところで、【アリウス】には“
錠前 サオリ「無理なんだよ、アツコ。【エデン条約機構】という高い壁を何とかするために これまで血反吐を吐きながら計画を練ってきたが、その壁の向こうに“
錠前 サオリ「ああ、そうだ。私たちが【防衛軍】と【シャーレ】を倒したところで、私たちは“キヴォトスの裏切り者”になるだけだ。その時点で【アリウス】に未来はない。今度こそ歴史の闇に葬られるだけだ」
錠前 サオリ「そして、【キヴォトス防衛軍】を偵察してきた帰りに私たちには無関係だと思っていた怪獣災害に姫が巻き込まれて、【キヴォトス防衛軍】の下で私たちは怪獣と戦って、【キヴォトス防衛軍】の手を借りて私たちは姫を助け出すことができた――――――」
錠前 サオリ「言うな! それはみんな同じ想いだ! 誰が自分から 大恩ある先生やコーイチがいる あの暖かい場所を壊すことができる!?」
錠前 サオリ「私のことはいい! お前たちのために私は、私は! だが、そこを壊したら、お前たちはどこに行けばいい? 目の前にはその壁しかないというのに!?」
――――――すまない、みんな! もうどうしたらいいのか わからないんだ! こんな私は【アリウススクワッド】のリーダー失格だ!
ザーザーザーザー…
北条先生「――――――キヴォトスには不思議な力が宿っている」
北条先生「四次元空間でヘイローが消失し、キヴォトスに還ることでヘイローが復活するということは、ヘイローを持つ生徒たちとキヴォトスの間には何らかの繋がりがあるのか?」
北条先生「ゴルコンダとデカルコマニーはそう考えている」
北条先生「僕もあのサンクトゥムタワーの上に浮かぶキヴォトス中から見える巨大なヘイローに
北条先生「そうだった。キヴォトスの街並みを模倣した四次元都市であっても、あのサンクトゥムタワーのヘイローまでは再現することができていなかったな。バム星人の擬態にしてもそうだった」
北条先生「なら、僕がウルトラマンになれたのもキヴォトスの地に宿る不思議な力のおかげなのか?」
北条先生「とは言え、Xデーから怪獣頻出期を迎えてしまったキヴォトスはついにメテオール:
北条先生「しかも、ロボット怪獣入門セットのような生徒や市民たちの手で整備されたメンテナンス性抜群のメカギラスだぞ。ついでに四次元入門セットの幽霊電車も」
北条先生「――――――なんだか
北条先生「文明のある星に怪獣の恐怖を植え付け、怪獣災害に対抗できる防衛兵器を造らせ、更なる怪獣災害で止まらぬ軍拡の道へとひた走らせていき、最後は最終兵器で自滅させる道を歩ませようとしているのかな?」
北条先生「だとするなら、残念だったな。それはもう【
北条先生「けど、このキヴォトスでなら、どうだ? 人間同士の信頼感を利用する恐るべき宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼し合っているのか?」
北条先生「――――――
北条先生「なら、生きるためにはいずれ沈む船から降りていくのは自然なことだな」
北条先生「ん?」
――――――まさか、キヴォトス人を確実に根絶やしにするために四次元空間の恐怖を植え付けたのか?
北条先生「そうだ。ヘイローが消失して意識を失ってもキヴォトスに戻ってくればヘイローが復活して意識を取り戻すことができるなら、その被害者たちをはじめとして多くの生徒たちに恐怖が伝播して、
北条先生「だとするなら、これでミステリーものの定番となるクローズド・サークルの出来上がりだ。あとはキヴォトスという巨大なクローズド・サークルの中でアガサ・クリスティ『そして、誰もいなくなった』よろしく、恐怖に耐えられなくなって勝手にキヴォトス人同士が殺し合うのを特等席で高みの見物をしているやつがいるわけだ」
北条先生「あるいは、キヴォトス人は
北条先生「――――――それは誰の意思だ? 誰を使って計画を進めている?」
北条先生「………………」
北条先生「……迷った時こそ基礎に立ち返るんだ」
北条先生「――――――信頼が、信頼こそが地球防衛の基礎だ。信頼なくして地球防衛は成り立たず」
北条先生「じゃあ、その信頼を支えるものは何なんだ、北条 アキラ? それこそ、性根のネジ曲がったやつらがとても大嫌いなものだろう?」
――――――それが遠くの星から来た
-Document GUYS feat.LXXX No.05-
四次元ロボ獣:メカギラス 登場作品『ウルトラマン80』第5話『まぼろしの街』登場
四次元宇宙人:バム星人が終電に化けた四次元移動電車を用いた捕まえた一般市民を利用して建造したロボット怪獣。
オーソドックスなゴジラ型の体型をしているが、横から見るとかなり前後に厚みがあるガッシリ体型。
実際、鳴き声はガイガン、足音はメカゴジラの流用。なので、見た目は昭和メカゴジラの二番煎じだが、かっこいいものはかっこいいので放映当時は人気が高かった怪獣の一体だった。
能力は口から放たれる破壊光線と、上顎から1分間に2000発発射されるミサイルであり、スペック上は圧倒的火力を誇る。
現代の科学力では到達できない四次元空間と地球人類の住む三次元空間を自由に行き来することができるため、奇襲性が非常に高く、普通に考えたら侵略兵器としては最強の部類に入る能力を持つ。
また、本拠地となる四次元空間では打撃技や必殺のサクシウム光線すらも無効化する強力な四次元バリアーを顔の前面に張ることができ、その上で相手の背後を容易にとることができるテレポーテーションも併せ持ち、防衛兵器としても非常に高い完成度を誇った。
しかし、スペック上では最強クラスのロボット怪獣なのに評価が一転して最弱クラスになってしまうのは、ウルトラマン80こと矢的 猛が四次元移動電車に乗って四次元空間に囚われてしまったという状況で、意気揚々と三次元空間に出現してUGMのレーダー基地などの主要施設を襲撃しながら、UGMの攻撃で目を損傷したために四次元空間に撤退してしまっているからなのだ。
まだ物語序盤で目立った戦力強化を受けていないUGMの戦力だけで撤退に追い込まれたのは、後から出てきたザンドリアスが強かったせいで宇宙怪獣(笑)となってしまった羽根怪獣:ギコギラーと同じであり、頑丈でタフなイメージを破壊するロボット怪獣(笑)であった。
しかも、四次元移動電車で拉致して洗脳した一般市民を労働力にして整備をしているわけなので、一般市民でも造ることができるロボット怪獣というマイナスイメージによって、ロボット怪獣としての完成度が疑われることになる。
そして、四次元空間においては絶対無敵に思えた四次元バリアーも顔の前面にしか張れず、その防御範囲を補えるほどの機動性がないため、頭を回転させることで解決を図っているお粗末さもポイントが高い。
自力で空間コントロール装置を破壊して四次元空間で変身できるようになったウルトラマン80と戦闘となり、上述の能力で80を苦戦させたが、ただ闇雲に攻撃をしていたわけではなかった80が周囲を高速で飛び回ってスパーク光線を浴びせる戦法に打って出る。
結果、首を回転させて対応しようとするものの、四次元バリアーの展開が追いつかず、機動力の無さを露呈することになり、身動き一つしないで棒立ちになっていたために、立て続けのスパーク光線でダメージを受けてしまう。
その隙に80の究極技:異次元テレポートビームで三次元世界に引きずり出されてしまい、機動力のない木偶の坊ぶりを晒し、両足で蹴り飛ばされた後にサクシウム光線を受けて首と両腕が吹っ飛んで大破した。
UGMの攻撃で目をやられて撤退しただけじゃなく、サクシウム光線からのバックルビームが要らなかった辺り、まさしくロボット怪獣(笑)であった。見た目に反して物理能力に劣る特殊能力特化型の怪獣だったのだ。
四次元宇宙人:バム星人 登場作品『ウルトラマン80』第5話『まぼろしの街』登場
地球侵略を企み、四次元空間に前線基地を作り、そこから四次元ロボ獣:メカギラスを送り込んで侵略の障害になる各地の防衛拠点を破壊しようと企んだ『ウルトラマン80』に初めて登場した宇宙人。『80』初の侵略宇宙人でもある。
ダークグリーンの肌、青白く光る眼などSFチックで不気味な見た目が特徴。宇宙船の飛行士のような白い衣装を身につけている。
四次元空間を往来できる四次元移動電車を終電に見せかけて人々を次々と拉致し、催眠術で操って四次元ロボ獣 :メカギラスや四次元都市に築き上げた前線基地の建造や整備などを行わせていた。
地球人への擬態能力の他、四次元空間に地球の街並みにそっくりな三次元空間には存在しない幻の街を創り上げていることから、人類文明の産物を容易く模倣できるほどの高度な科学力を持っていることが容易に想像がつく。
また、矢的 猛がウルトラマン80であることを把握しており、終電に擬態させた四次元移動電車で四次元都市に連れてきて変身不能に追い込むという知略を見せつけており、明らかに物語序盤に出てきていいレベルの敵ではない。
そのため、マイナー作品である『ウルトラマン80』に登場する80怪獣のよくよく考えたらいろいろとアレなヤバさを物語ると共に、
怪獣退治の専門家の元祖である初代ウルトラマンの教えを受け、ウルトラ兄弟候補生として地球防衛を任命されて無敗伝説を叩き出したウルトラマン80の対応力の高さとその実力が光ることになる。
しかし、その割には地球でもありそうな外見の棍棒や拳銃を武器として扱い、バタバタと集団で敵に襲いかかる戦法をとりながら、ブライトスティックが作動しない隙を突かれて絶体絶命の矢的 猛を取り逃してしまう。
結果、四次元空間内では変身もUGM基地への連絡も出来ず窮地に陥った矢的 猛だったが、彼を案ずる生徒たちの声に導かれるようにバム星人の基地を探知し、警備の星人たちを薙ぎ倒して空間コントロール装置も破壊されることになった。
これにより、ウルトラマン80への変身を許すことになり、切り札であるメカギラスも初見で絶対無敵の四次元バリアーの弱点を見抜かれて究極技:異次元テレポートビームを繰り出されて撃破され、彼らの地球侵略計画は粉砕されたのだった。
キヴォトス初の宇宙人の侵略であり、難易度:EASYといった具合の敵であったが、キヴォトスに大きな転換点をもたらすことになった重要回である。
まず、メカギラスやバム星人の前線基地からメテオール:
これまで【キヴォトス防衛軍】への参加を断られていたキヴォトス最強と名高い生徒たちも【シャーレ】所属で怪獣退治を援護することが可能になり、より一層 キヴォトス中の生徒たちの団結が強くなった。
そして、バム星人の四次元移動電車と四次元都市:フォーサイトを手に入れたことでキヴォトスの勢力図が大きく塗り替わることになり、同時に
一方で、四次元宇宙人:バム星人は奸智に長けるものの、直接的な戦闘能力はあまり高くなく、キヴォトスに潜入させていた尖兵たちは【SRT】の特殊部隊に拿捕され、それによって一大反攻作戦が始まり、先行させた【C&C】のトップエージェントに蹂躙されることになってしまった。
よくよく考えると、キヴォトス侵略の要であるメカギラスの修理に現地人の徴用を必要とするほど人手不足であったことが窺え、キヴォトスを凌駕する四次元能力を組み込んだ高度な科学力を持っていても短慮で浅はかで本質的には頭が良い種族ではないようである。
戦闘力は言うまでもなくキヴォトス人に劣っており、キヴォトスの外の存在なので生徒たちに銃弾を撃ち込まれて普通に絶命している。
また、凄いんだけど どこか間抜けを晒している その精神性が形になったロボット怪獣:メカギラスはキヴォトス侵略を開始した際に早速ウルトラマン80と交戦するが、
ロボット怪獣と言ったら暗黒宇宙大皇帝:エンペラ星人が造り出した無双鉄神:インペライザーを基準にしている北条 アキラからはロボット怪獣の出来損ないとダメ出しされ、
結果、キヴォトス侵略を開始して早々に滅多撃ちにされて四次元空間に逃げ帰って洗脳した現地人を使って修理させている間に、一大反攻作戦で先行して四次元空間に突入してきた【C&C】にミサイル満載の格納庫ごと爆破されて あえなく大破となった。
そこから前線基地を奪還するために分離合体機能を搭載した新型が増援として現れ、本拠地である四次元空間の地の利を活かして無敵に思える戦闘能力を発揮したのだが、
凄いんだけど どこか間抜けを晒している バム星人の精神性は2号機になっても本質が変わることなく、
抵抗を続ける生徒たち歩兵部隊の攻撃を受け続けていたことで四次元バリアーの弱点をウルトラマンに見破られ、本質的に賢くなかったがために全力を発揮できた四次元空間であっても真正面からサクシウム光線を受けて爆散することになった。
ただし、北条 アキラの情報源であるドキュメントUGMにはウルトラマン80が四次元空間でここまで苦戦していたことまで記録に残せたわけもなく、究極技:異次元テレポートビームの存在も把握していなかったため、初手で三次元空間に引きずり出して1号機同様に2号機も開始早々に滅多撃ちすることは叶わなかった。知っていたら開始3秒でメカギラス2号機は終了していた。
決して侵略兵器としては弱い訳ではなかったが、ロボット怪獣として見ると何もかもが詰めが甘く、創り手であるバム星人の頭のキレがイマイチなのもあり、小さなミスを積み重ねてきたことで付け入る隙を与えまくってしまっていたのだ。
無敵の四次元バリアーを四次元空間で攻略するという本物に勝る偉業が達成できたのはウルトラマンと一緒に戦う生徒たちの一所懸命さのおかげであり、原作では生徒たちの声に導かれて四次元空間でウルトラマンに変身するところまで行ったが、本作では生徒たちと一緒に四次元空間で戦うことで真正面から勝利を掴み取る展開となっている。